2024.01.01

新年、明けましておめでとうございます♪

新年、明けましておめでとうございます♪

 

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恒例の十二支のマウス絵ですが、今年は過去最難関の「辰(龍)」ということで、三度も描き直したのにこのアリサマです。どんなにがんばってもマウスだけで描くのはこれが限界なので、どうぞご笑納ください(笑)

 

 

また、今年も新年のミニ連句「歳旦三つ物」を詠みました。

 

 

歳旦三つ物
初空や龍太の川に鱒二ゐて
山椒魚とコモドドラゴン
かめはめ波放つや春の海辺にて
きっこ

 

 

俳句は本来、自分の句を自分で解説することは野暮なのでNGですが、俳句を勉強していないと意味の分からない言葉や言い回しもありますので、今年も簡単に説明させていただきます。

 

まず、最初の五七五の「発句(ほっく)」の「龍太」は、あたしの大好きな俳人の「飯田龍太」のこと、「鱒二」は作家の「井伏鱒二」のことです。飯田龍太は俳人の水原秋桜子(みずはら しゅうおうし)の紹介で井伏鱒二と交流を持つようになりました。親子ほども年の離れた二人は意気投合し、東京在住の鱒二と山梨在住の龍太は、主に書簡による交流を続けました。

 

しかし、釣りが大好きだった鱒二は、何かにつけて山梨を訪れ、龍太と川釣りを楽しんでいました。時には、龍太と釣りをしたいがために、わざわざ山梨での講演会を予定したこともあったそうです。龍太は鱒二のことを「釣りの師」と呼び、二人の交流は鱒二が亡くなるまで続きました。

 

今年は「辰年」だから「龍太」、というだけでなく、龍太には「一月の川一月の谷の中」という新年にふさわしい秀句があるため、今年の発句に登場していただきました。そして、その川で一緒に釣りを楽しんだ鱒二にも、「釣りの師」として登場していただきました。

 

二番目の七七の「脇」は、井伏鱒二が「山椒魚」なら、飯田龍太は「コモドドラゴン」だろうという安易な句です。さらには、肺を患って痩せていた龍太を、世界最大のトカゲであるコモドドラゴンに喩えるのはイメージにそぐわないと感じた人もいるでしょう。しかし、あたしにとっての龍太は、あたしの進むべき客観写生俳句の道を示してくれた大俳人であり、まさに昭和の俳壇を牽引した巨人なのです。

 

最後の五七五の「第三」は、発句と脇から大きく飛躍した春の句です。発句と脇が「新年のおめでたい景」を詠むのに対して、第三は「春の希望」を詠む決まりです。今回は、発句で「龍」、脇で「ドラゴン」という言葉を使っているため、第三では「ドラゴンボール」という言葉は伏せ、「かめはめ波」から間接的に「ドラゴン」を連想するように構成しました。

 

小さな島国の海辺から大空に向けて放った特大の「かめはめ波」が、世界のあちこちで続いている愚かで残酷な戦争を終わらせるための「平和の花火」となってくれることを願って詠みました。

 

 

‥‥そんなわけで、今年もまた国内も国外も憂鬱なことだらけでスタートした新年ですが、あたしは、それでも希望の灯を絶やさずに、今年も自分にできることをコツコツと続けて行きたいと思います。皆さんも、昨年より少しでも良い年になりますように、心より祈念しております。

 

 

令和六年一月一日 きっこ拝

 

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