2017.06.26

交通情報のお姉さんたち

年末の忘年会、世の中的にも縮小&減少傾向にあるし、あたしは、もうずいぶん前から参加しなくなっちゃったから、忘年会のために披露する新曲を覚えたり、隠し芸を練習したりなんてこともなくなった。でも、かつては、毎年、少なくとも3回以上は忘年会に参加していて、二次会のカラオケでは、相方と2人で「2人で4人ぶんのMAX」を歌って踊ったりしていた。

そして、ちょっとした隠し芸としては、これは何度か書いたこともあるけど、あたしは「ラジオの交通情報のモノマネ」を十八番にしていた。いつも自分で車を運転して、渋滞の多い都内を移動していたあたしは、交通情報を聴くために常にカーラジオをつけていたので、知らず知らずのうちに交通情報のお姉さんのモノマネができるようになったからだ。

だけど、最初のころは、「交通情報の誰々さんのモノマネ」というピンポイントのネタじゃなくて、「AMラジオとFMラジオの交通情報の違い」というザックリとしたネタだった。ラジオの交通情報のお姉さんをピンポイントでモノマネしても、それこそ『細かすぎて伝わらないモノマネ選手権』でしか通用しないので、忘年会でやったところで「誰それ?」ということになっちゃう。そこで、あたしは、「誰々さんのモノマネ」ということじゃなくて、同じような交通情報なのに、昭和のフレーバーを漂わせた話し方のAMラジオと、滑らかでオシャレな雰囲気の話し方のFMラジオを対比させるネタを開発していた今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、今から20年くらい前には、こんなネタでもそこそこウケたので、忘年会などでちょっとした隠し芸を披露しなきゃならなくなると、あたしは、このネタで乗り切ってきた。AMラジオが「交通情報」なのに対して、FMラジオは「トラフィック・インフォメーション」で、当時は、それぞれの話し方だけでなく、交通情報センターのお姉さんに呼びかけるスタジオのパーソナリティーの話し方も完全にカラーが違っていたから、すごく対比させやすかったのだ。

基本的には、あたしが最初にスタジオのパーソナリティーになって「警視庁の○○さ~ん」と呼びかけて、それに対して声色を変えて「はい、お伝えします。首都高速道路は中央環状線の4号線方面に向かう内回りの西池袋でトラックと乗用車の事故のため、飛鳥山トンネル付近までの渋滞、5号線上りも高島平まで渋滞しています。美女木ジャンクションから西新宿ジャンクションまでの所要時間は1時間30分です。都心環状線北の丸出口は工事のため利用できません。東京都内新目白通りは新宿区下落合2丁目で事故のため2キロの渋滞です。東京外環道の川口方面からの外回りは三郷南出口で3キロの渋滞です。神奈川県川崎の南部沿線道路は中原区上小田中で上下線ともに2キロ近く渋滞しています。以上、警視庁の○○でした」という感じだ。

もちろん、これは基本形で、このままやっても面白くないから、たとえば、「トラックと乗用車の事故のため」の部分を「ミハエル・シューマッハと佐藤琢磨の接触事故のため」に変えたり、その時のタイムリーな芸能ニュースや政治ニュースを織り込んだりしていた。そして、そのうち忘年会に出ることもなくなり、隠し芸を披露する機会もなくなってきたけど、カーラジオから交通情報が流れてくると、自然とその人のモノマネをすることだけは続けてきた。

そんな流れから、ここ6年くらいは文化放送をよく聴くようになったので、あたしは、文化放送の交通情報の青山さんと郡山さんのモノマネをやるようになった。文化放送の交通情報は、主に青山さん、郡山さん、佐藤さんの3人だけど、佐藤さんは話し方に特徴がない上、登場回数も他の2人より少ないので、あたしは特徴のある青山さんと郡山さんのモノマネを練習するようになった。

ちなみに、TBSラジオの呼びかけは「警視庁の長谷川万希子さ~ん」とか、ニッポン放送の呼びかけは「九段センターの岩澤里恵さ~ん」とか、どちらの局もフルネームで呼ぶんだけど、文化放送だけは何故か「警視庁の青山さ~ん」とか「警視庁の郡山さ~ん」とか、苗字だけしか呼ばない。だから、一応書いておくけど、警視庁の青山さんは「青山智美さん」、警視庁の郡山さんは「郡山裕子(ゆうこ)さん」だ。

さらに、ちなみに、関東エリアのラジオ局で自社の交通情報のお姉さんがいるのは、文化放送、TBS、ラジオ日本だけで、他のラジオ局はフリーキャスターのお姉さんを使っている。だから、たとえば、先ほどのニッポン放送の「九段センターの岩澤里恵さ~ん」とかは、FMヨコハマでは「神奈川県警交通管制センターの岩澤里恵さ~ん」と呼ばれてるし、同じくニッポン放送でよく耳にする「首都高の羽深(はぶか)綾さ~ん」も、FMヨコハマ、ベイFMなどの他、NHKのテレビでも声を聴くことがある。そして、これらの担当部署も数年ごとに移動があるので、去年まで「埼玉の○○さ~ん」だった人が、今年から「警視庁の○○さ~ん」になったりする。


‥‥そんなワケで、あたしのモノマネだけど、文化放送のヘビーリスナーならご存知のように、青山さんの特徴は「明るい早口」であり、郡山さんの特徴は「けだるいセクシー」だ。青山さんは、最初は普通のスピードで読み始めても、文章のコンテンツの最後の部分だけが早口になり、言葉数の多い歌詞を短いフレーズに詰め込んだ吉田拓郎さんの歌のような感じになる。そして、ラストの「警視庁でした」を「ケシチョでした」と言う。

郡山さんは、朝は「低血圧のセクシー女優の寝起き」のような「けだるさ」が漂う話し方で、お昼を過ぎると少し明るさがプラスされてきて、夕方から夜にかけてグッとセクシー度が上がる。夕方を過ぎると、スタジオからの「警視庁の郡山さ~ん」という呼びかけに対する「は~い」という返事が、語尾にハートマークを付けたいほど色っぽくなるのが特徴だ。

そんなことから、5年ほど前からのあたしのモノマネは、特徴のある「警視庁の青山さんと郡山さん」に特化されるようになり、さらには、「朝の郡山さん、お昼の郡山さん、夜の郡山さん」というネタまで開発してしまった。もちろん、このネタを披露する場所はないし、披露したところで文化放送のヘビーリスナーにしか通じないだろうから、1人でモノマネをして楽しんでいるだけだけど。


‥‥そんなワケで、ラジオの交通情報と言うと、やっぱり面白いのはTBS『日曜サンデー』の爆笑問題の太田光さんによるイジリだろう。田中裕二さんが「警視庁の碓氷(うすい)浩子さん」と呼びかけると、それにかぶせるように太田さんが「ヒロコ先生!」とか「ヒロコ隊長!」とか「ヒロコキャプテン!」とか、その時まで話題にしていたトークの内容にちなんだ敬称をつけて呼び、交通情報が終わって田中さんが「警視庁の碓氷浩子さんでした」と言うと、太田さんが「お見事!」と合いの手を入れる。これがお約束のパターンだ。

たいていは、太田さんのイジリは交通情報のお姉さんたちにスルーされてしまい、お姉さんたちは淡々と原稿を読み上げるだけなんだけど、たまにクスッと笑ったりもする。そして、ごくタマにだけど、太田さんのイジリにちゃんと応える時がある。たとえば、それまで政治に関するトークをしていた流れからの交通情報の場合、太田さんが「○○大臣!」とか呼びかけると、淡々と交通情報を読み上げた後、最後に「以上です、太田総理!」とか言ってくれる時もある。

もちろん、キチンと交通情報を伝えることが仕事だから、あまりふざけることはできないし、どのお姉さんもマジメに原稿を読み上げているけど、ワリとノリのいい飯島純さんとかは、けっこう笑ったりするし、機転を利かせた応答をしてくれる。また、すごくマジメに原稿を読む長谷川万希子さんが、突然、「以上です、太田隊長!」とか言ったりすると、太田さんのほうも、一瞬、戸惑ってから「お見事!」と言ったりする。

毎年11月に赤坂サカスで開催されるTBSの公開イベント『ラジフェス』では、『日曜サンデー』も生放送の途中から爆笑問題の2人と担当アナがスタジオを飛び出て赤坂サカスへ行き、公開生放送の形を取る。そして、この時も交通情報があるので、最後の「お見事!」を観客全員で言うのがお約束になっている。交通情報が終わり、田中さんが「警視庁の碓氷浩子さんでした」と言った瞬間、太田さんと大勢の観客がいっせいに「お見事!」と言う流れは、ラジオで聴いていても圧巻だ。

こんなことから、TBSの交通情報では、この爆笑問題の太田さんのイジリの印象が強すぎるため、何のイジリもしない他の番組でも、交通情報の後にそれぞれのパーソナリティーが「警視庁の長谷川万希子さんでした」とか「警視庁の恩田美穂子さんでした」とか言った瞬間、ついついラジオに向かって「お見事!」と言いたくなってしまう(笑)


‥‥そんなワケで、TBS『日曜サンデー』の交通情報での太田さんのイジリと言えば、「警視庁の阿南(あなみ)京子さん」を思い出す。交通情報キャスターの草分け的存在の大ベテランで、2015年まで、長年、TBSラジオの交通情報を担当していた。セクシーボイスが人気で、太田さんのイジリに対しても「以上です、太田隊長」とか「以上です、太田キャップ」とか返すこともあったし、2014年3月には、アニメ化された人気漫画『となりの関くん』の話題からの交通情報の時、太田さんが「となりの京子!」と呼びかけたら、阿南京子さんが「私も『となりの関くん』好きです」と答えたため、太田さんがオロオロしてしまう一幕もあった。

2014年11月の『ラジフェス』では、赤坂サカスのステージに阿南京子さんが登場して、爆笑問題とのトークを繰り広げた。あたしは、ラジオを留守録したものを後から聴いたんだけど、すごく面白かった。でも、そんなに人気のあった阿南京子さんは、翌2015年2月からラジオをお休みするようになり、7月に半年ぶりに出演した『大沢悠里のゆうゆうワイド』で、中咽頭がんの治療中であること、腫瘍が声帯から離れていたため切らずに放射線と抗がん剤の治療を受けたこと、現在は経過を見ていることなどを報告した。そして、この年の10月に、交通情報から降板することが発表された。

「京子」と言えば、もう1人、TBSには白井京子さんもいた。2014年末までTBSの情報キャスターで、元プロ野球選手でTBSラジオ社員の小桧山雅仁さんと結婚してフリーになった白井京子さんだ。結婚していたことがスポーツ紙で報じられると、さっそく宮川賢さんが『パカパカ行進曲』の中の交通情報のコーナーで、例のエロい口調でイジリを入れてたけど、白井京子さんのほうも嬉しそうだったことを覚えている。

ま、これは、イジリというよりも、文化放送『まいどスポーツ』で、ガンちゃんこと岩本勉さんが「警視庁の○○さん」と呼びかけた後、「今日もよろしくお願いしま~す」とか「今日は暑かったですね~」とか、必ず一言を付け足す気配りみたいなフレーバーもあるから、リスナーとしては「家族的な和気藹々とした雰囲気」を楽しむことができる。


‥‥そんなワケで、テレビの世界では、一時、「お天気お姉さん」がブームになった時代があったけど、ラジオの世界では、やっぱり「交通情報のお姉さん」だろう。毎日、聴き込んで行くと、それぞれの声や話し方に特徴があり、そこからキャラが見えてくるようになり、「どんな人なのかなあ?」と想像するのが楽しくなってくる。今はネットが発達しているから、たいていのお姉さんのことをある程度は調べることもできるし、画像検索でお顔を拝見することもできるし、中にはブロやツイッターをやっているお姉さんもいる。だから、ラジオが大好きなあたしは、これからも文化放送の青山さんと郡山さんのモノマネの腕を磨きつつ、他局のお姉さんたちのモノマネにもチャレンジして行きたいと思っている今日この頃なのだ。


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