聖バレンチノ司教の憂鬱
いつの世も、戦争に行きたがる人間なんかいるワケないけど、3世紀ころのローマでも、若者たちは、戦争には行きたがらなかった。そんな若者たちに手を焼いていた皇帝、クラウディウス二世は、若者たちが戦争に行きたがらない理由は、きっと、愛する恋人と別れることがイヤなんだろうと推測して、なんと、結婚を禁止してしまった。結婚を禁止すれば、女性と付き合うこともなくなると思ったのだ。この呆れ返ったエピソードを聞くだけでも、クラウディウス二世が、コイズミ並みの知能の低さと、金正日並みの独裁ぶりを兼ね備えた、稀に見るバカ皇帝だったってことが分かるだろう。このバカ皇帝のせいで、愛する彼女と結婚できなくなった若者たちは、夢も希望も失い、兵士となって戦場へ送られて行ったのだ。
そんな若者たちを見かねたキリスト教の司祭、バレンチノは、バカ皇帝に内緒で、若い恋人たちを結婚させていた。兵役が決まった若者たちは、戦地へ赴く前に結婚しようと思い、遠くから何日もかけて、バレンチノのもとを訪れた。噂を聞きつけた若者たちは、次々とバレンチノのところへ集まり、毎日、何組ものカップルが、神の祝福を受けて結婚したのだった。
しかし、あまりにも噂が広がりすぎてしまい、とうとう、バカ皇帝の耳にも入ってしまった。当時、キリスト教は迫害されていて、何かにつけてキリスト教徒を目のカタキにしていたバカ皇帝は、バレンチノを捕まえ、ローマの宗教に改宗するなら、命だけは助けてやると脅した。でも、その脅しに屈しなかったバレンチノは、投獄され、西暦270年2月14日に、処刑されてしまった。
時代は変わり、キリスト教が力を持つようになると、過去の迫害の時代の司教たちを尊ぶようになって来た。そして、処刑されるまで、獄中で、看守を相手に愛の尊さを説いていたバレンチノは、後に、聖バレンチノとして、愛の守護聖人となった。そんなバレンチノの処刑日、2月14日は、古くから、若い恋人たちのための日として、色々なイベントが行なわれて来た。バレンチノは、英語読みすると、バレンタイン。つまり、バレンタインデーは、明治製菓が考え出したデタラメな日じゃなくて、1600年もの歴史がある、立派な記念日なのだ‥‥なんてウンチクからスタートした今日この頃、皆さん、バレンタインデーを迎えて、浮かれてますか?(笑)
‥‥そんなワケで、5世紀ころのローマでは、ルペルカーリアという豊穣祭が行われていた。そのお祭の中には、2月14日の夕方に、カレシのいない若い女性の名前を書いた札を箱に入れ、次の日に、カノジョのいない男性たちが、その箱から札を引き、当たったカノジョと付き合うことができるって言う、なかなかテンションの高くなりそうなイベントがあった。今で言う「出会い系サイト」や「合コン」、ずっと前の「紅鯨団」、もっとずっと前の「フィーリングカップル5対5」、そして、もっとずっとずっとずっとずっと前の「ルペルカーリア豊穣祭」ってワケで、民族や時代が変わっても、若い男女の性欲は、永遠に普遍なのだ。
自分の命を犠牲にしてまで、人々に愛の尊さを説いた聖バレンチノ司教の思いは、1600年を経た現在、若い男女を結びつけるバレンタインデーと言うイベントとして、様々な国や民族に浸透した。ニポンは、女性が男性へチョコレートを贈るけど、男性が女性へプレゼントする国もあるし、同性愛者なら、男性同士、女性同士で、プレゼントを交換するカップルもいるだろうし、みんなそれぞれ勝手にやってくれればいいと思う。でも、それはそれでいいんだけど、そしたら、自分が男性なのか女性なのか分からない人は、どうしたらいいんだろう。
3年前、アフリカのジンバブエ共和国の女性陸上選手、サムケリソ・シトレ選手は、アフリカ・ユース・チャンピオンシップに出場して、三段跳び、槍投げ、砲丸投げなど、合計で5つもの金メダルを獲った。若干17才の彼女は、驚くべき身体能力を発揮して、他の選手たちを圧倒した。しかし、大会後に、彼女は男性であると言う告発があって、大問題に発展し、裁判となった。でも、男性が女性に成りすまして出場したのなら、完全に金メダルの剥奪ってことになるけど、この選手の場合は、事情が違っていた。この選手は、法廷で、あくまでも自分は女性であると主張して、次のように述べている。
「私は、生まれた時には、男性器と女性器の両方がありました。それで、地元の有名な呪術師に頼んで、男性器を消してもらいました。でも、その時に、代金の一部に未払いがあったので、最近になって再び男性器が生えて来たんです。これから急いで未払いだったぶんの代金を支払いに行くので、次回の公判までには、男性器は消えているはずです。」
どこからツッコンでいいのか分からないけど、「生まれた時には、男性器と女性器の両方がありました。」って証言がホントなら、「両性具有」とか「ふたなり」とか言うものだから、性別を偽ってたワケじゃなくなる‥‥のかな? それよりも、外科的な手術とかじゃなくて、呪術師の魔術みたいなことで、男性器が消えたり、さらには、代金が未払いだったから、また生えてきたりって、一体‥‥。
あまりにも非科学的な話だけど、これを法廷で述べてるってことは、本人は信じてるんだろうし、それ以前に、ジンバブエには、今でも呪術師なんてものが存在してて、病気になった人たちは、あたしたちが病院に行くような感覚で、呪術師のところに行ってるんだろうか? 後日談は知らないので、この選手にどんな判決が下ったのか分からないけど、裁判の判決よりも気になるのは、不足してた代金を払っただけで、ホントにオチンチンが消えたかどうかだ。
‥‥そんなワケで、ちょっと前に、ブッシュの調教係、ライスおばちゃんが、「圧政国家」として名指ししたのが、キューバ、ミャンマー、北朝鮮、イラン、ベラルーシ、ジンバブエの6ヶ国だ。前回、「悪の枢軸」として挙げたのが、イラク、イラン、北朝鮮の3ヶ国だったけど、このうちのイラクは、アメリカがお望み通りにぶっ潰したから、残りのイランと北朝鮮を今回の「圧政国家」の6ヶ国に入れたのは当然だろう。また、キューバやミャンマーを加えるのも、世界をアメリカの思い通りにしたいブッシュからすれば、当然だ。それから、ポーランドの選挙で、ユーシェンコが毒を盛られて顔がすごくなっちゃった事件とかの絡みで、ポーランドの隣のベラルーシが挙げられたのも分かる。
でも、ジンバブエはどうなの?って感じがする。アメリカとジンバブエって、あんまり関係無いじゃん。だけど、ジンバブエって言えば、イギリスとの問題がある。フランスのコート・ジボアール問題と同じように、イギリスのジンバブエ問題があるワケだから、ようするに、世界のスネオ、ブレアが、世界のジャイアン、ブッシュに、「ジャイア~ン! このラジコンあげるから、あのジンバブエを何とかしてよ~!」って泣きついたんだろう。
アメリカは‥‥って言うか、ブッシュは‥‥って言うか、ブッシュを影で操るライスおばちゃんは、とにかく、次々に仮想敵国を作り、アメリカを今以上の軍事大国にしたいから、ケンカを売りまくってるだけなんだと思うけど、あまりにも行き過ぎだ。予想通り、ライスおばちゃんの挑発に乗っかって、北朝鮮は核兵器を出して来たし、ジンバブエもイランと手を組んで核開発するって言い出した。
イラクには大量破壊兵器なんか無くて、全世界から大ブーイングを浴びたから、これからは、相手を攻撃するための確実な大義名分が必要になる。そのために、ぶっ潰したい国を挑発して、大量破壊兵器を保有、もしくは、これから開発するって言わせる。これが、ライスおばちゃんの書いたシナリオなのだ。北朝鮮を攻撃した場合に、ホントは核兵器なんか持って無くて、核兵器の保有って発表がタダのハッタリだったとしても、公言した以上、それが攻撃の大義名分になる。ジンバブエやイランを攻撃しても、今は核兵器を持ってなくても、開発するって公言した以上、その言葉が攻撃の大義名分になる。
‥‥そんなワケで、愛の尊さを説いた聖バレンタイン司教の教えが、もっとも伝わってないのが、熱心なキリスト教徒を自負してて、選挙にまでキリスト教を利用するブッシュだってのも笑えない今日この頃だけど、アメリカもイギリスも、あんまりジンバブエを甘く見ないほうがいいだろう。何しろ、ジンバブエには、どんな化学兵器よりも恐ろしい、魔術でオチンチンを消すことのできる呪術師がいるんだから(笑)
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