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2005.02.19

眞鍋かをりの割引券

あたしのお部屋の壁の収納スペースの中に、60cmくらいの高さのミニタンスが入ってて、その中の引き出しのひとつに、色んな領収書を溜めている。毎日入れるんじゃなくて、何日かに一度、お財布が領収書でふくらんで来たら、まとめて入れてる。領収書だから、ふだんは、その引き出しに入れるだけで、出すことはない。でも、年に一度だけ、中身をぜんぶ出す時がある。それは、確定申告の時期、つまり、今だ。

ドラクエ7よりもメンドクサクて、自律神経が海外出張しちゃいそうなくらい大変な作業、確定申告は、どう考えても、税務署の嫌がらせとしか思えない。だって、杉の花粉が飛び始める時期と重なってるからだ。今は、カレー療法のオカゲで、何とか症状もおさまってるけど、一時は、クシャミや鼻水、目の痒さと闘いながら、何日も徹夜して書類を作ってたので、泣きたくなるほどつらかった‥‥って言うか、実際に涙が止まらなかった。それでも、赤字続きのあたしとしては、ちゃんと申告してお金を返してもらわないと、生活して行けないから、必死で作業をしてた。

あたしは、事務所から独立して何年も経つので、最初のころに比べたら、作業は格段に早くなったし、要領も良くなった。だけど、それでも、何でこんなことをしなくちゃならないのか、理解に苦しむほどメンドクサイ。

良く、高橋英樹だの吉永小百合だのの芸能人が、初日の2月16日に自ら税務署を訪れて、ワイドショーのカメラに囲まれながら、満面の笑みで書類を提出して、ヒトコト聞かれると、必ず、「大切な税金ですから、正しいことに使って欲しいですね。」なんて優等生ぶりをアピールしてる。今回は、仲間由紀恵が確定申告のポスターをやってるので、仲間由紀恵も初日に税務署を訪れ、「確定申告はお早めに。」なんて、とんでもないセリフをノタマってた。だけど、芸能人なんか、専属の税理士に何十万円もの法外な料金を払って、ぜんぶやってもらって、本人は何も分からずに、他人に作ってもらった書類を持って来るだけなんだから、ちょっと頭のいい犬でもできるじゃん。

こう言うのって、たくさんの使用人に習字を書かせて、その中で一番上手に書けたのを学校に持って来る花輪君みたいで、なんか腹が立つ。カメラの前で、偉そうに、「皆さん、税金はきちんと払いましょう。」「確定申告はお早めに。」なんて言いたいんなら、一度くらい、自分で書類を作ってみてから言って欲しい。そうすれば、今の税制がいかに不公平で、収入の少ない者や社会的弱者にばかり負担をかけているかが分かるはずで、簡単に、「確定申告はお早めに。」なんてセリフが、出て来るワケがない‥‥なんて思ってる今日この頃、皆さん、確定申告に苦しんでますか?(笑)


‥‥そんなワケで、あたしは、ネットで、「土日にささっと! 確定申告2005」って言うソフトを見つけて、2500円と安かったので、買ってみようかと思って、説明を読んでみた。そしたら、結局は、源泉徴収をペタリって貼りつけるだけの人たちのためのソフトで、「変動所得や臨時所得のある方で、平均課税を選択されている方」には対応してないって書いてあった。そしたら、こんなもん、何の役にも立たないじゃん! 源泉徴収を貼りつけるだけの人たちのためのソフトって、どこにどのくらいノリを塗るとか、そんなことをアドバイスしてるんだろうか?

やっぱり、自力でがんばるしかないので、あたしは、1年ぶりに引き出しの中の領収書をぜんぶ出して、区分け作業を始めた。ここには、領収書だけじゃなくて、エステの割引券とか、映画の優待券とか、古い免許証とか、色んなものが混じってるので、まずは、領収書とそれ以外のものに、オオザッパに分ける。それから、項目別に領収書を区分けする。この時、心を無にして作業しないと、「あっ! こんなものを買ったんだ!」「あっ! こんなとこに行ったんだ!」なんて感じで、領収書の1枚1枚にリアクションしちゃって、ぜんぜん終わらなくなる。あたしは、お部屋のお掃除をしてても、つい、懐かしいアルバムを見始めちゃったり、昔の日記代わりの手帳を読み始めちゃったりして、なかなか終わらなくなるタイプなので、たかが領収書と言えど、されど領収書って感じで、アナドルことができないのだ。

今回は、心を無にして作業してたから、ワリと順調に進んでた。それなのに、オオザッパな区分けが終盤に差しかかったころに、1枚の割引券を見つけちゃって、動いてた手がストップした。それは、関東の人なら誰でも覚えてると思うけど、あの、千葉県は船橋市にあった、世界最大級の屋内スキー場、「ザウス」の優待券だった。

1993年の夏にオープンしたザウスは、「SSAWS」って書くんだけど、これは、Spring、Summer、Autumn、Winter、Snow、の頭文字を取ったもので、ようするに、春夏秋冬いつでも雪があってスキーができます、って意味らしい。ザウスは、ニポンのバブルが絶頂だったころの象徴のひとつで、当時、流行り始めたスノーボードのブームも手伝って、一時は大ブレイクしたんだけど、世の中が不景気になるにつれて、経営はどんどん悪化して行った。そして、2002年、前代未聞の経済音痴、コイズミが総理大臣に就任したために、やむなく閉館したのだ。

ザウスの経営が苦しくなり始めたのは、1998年ころからで、ホントにヤバクなったのは、2000年あたりだ。そのため、ブレイクしてたころは、1日券が6000円近くて、子供でも4000円以上も取ってたのに、どんどん安くし始めた。でも、安くするって言っても、窓口での指定料金を値下げしちゃったら、それまでの値段でも構わないって思ってる人たちまで安くなっちゃう。そこで、お客が来なくて困ってたザウスが考えたのは、窓口での料金は今まで通りにしておいて、割引券や優待券をバラ撒くって言う作戦だった。入場料を割り引くだけじゃなくて、道具のレンタルも無料になる券を大量に作り、関東一円のスキー用品店を始め、あらゆる所にバラ撒き続けた。

だから、ザウスの割引券は、ぜんぶで何種類あるか分からないけど、その中の1種類の割引券が、あたしの領収書の間から発掘されたワケだ。何で、この券を見て、区分け作業の手が止まっちゃったかって言うと、この券には、ちょっとした思い出があるからだ。あたしが、事務所から独立して、フリーで働き始めて、1年目くらいの時のこと、ようやくお仕事が軌道に乗り始めた時に、ある事件に巻き込まれて、やっと掴んだお仕事の半分近くを失うことになった。その時に、あたしを助けてくれたのが、今でもお世話になってる某事務所の社長なんだけど、その人と出会ったのが、この割引券の撮影をしたスタジオだったのだ。

あたしは、アシスタントとして参加してたんだけど、その現場で知り合ったその社長に、すごく気に入ってもらえて、後日、事務所に来るようにって言われた。あたしは、すぐに訪ねて行き、あたしが巻き込まれた事件のこと、大切なお仕事を失ったことなどを話した。そしたら、その社長は、「ちょっと畑は違うけど‥‥」って言いながら、広告専門だったあたしに、テレビ関係のお仕事を紹介してくれた。そのオカゲで、あたしは、何とか復活することができたし、色んな人脈もできて、今でもこのお仕事を続けていられる。「捨てる神あれば拾う神あり」って言葉を実感した出会いだった。

ちなみに、この思い出の割引券が、どんなデザインなのかって言うと、お世辞にも褒めることはできない。短いオカッパ頭で、今の姿からは想像もできないほど、パンパンに太った眞鍋かをりがモデルで、オレンジ色のキャミソールは、そのムチムチな体で、今にも肩紐がちぎれそうだ。大きなガラスの器の上に、ザウスが乗っていて、その上に雪が積もっていて、かき氷になっている。そして、アンパンマンみたいな、まん丸の顔の眞鍋かをりが、スプーンを持って、ペコちゃんみたいに、口の端から舌を出してる。2つ折りになってて、中を開くと、ソニンよりも立派な肩幅で、まるでアメフト選手みたいな眞鍋かをりが、ニッコリと微笑んでいる。そして、「初心者にはプライベートレッスン」ってとこには、車の初心者マークを持った真鍋、「中、上級者にはニューモデルのレンタル」ってとこには、ガッツポーズをした眞鍋、「ビアホール開設」ってとこには、大ジョッキを掲げて口を開けた眞鍋‥‥って感じで、もう、真鍋ファンにはたまらないシロモノだろう。

‥‥そんなワケで、思い出のある割引券なんだけど、領収書の山を整理してたら、次々に発掘されて、結局、ぜんぶで10枚も出て来た。だから、思い出は1枚だけで十分なので、残りの9枚は、ネットオークションにでも出品しようかと思う。何でも、井上和香がキャバクラ嬢をやってた時のダイレクトメールが、ネットオークションで、なんと、30万円で落札されたって話もあるくらいだから、まん丸顔でオカッパ頭の真鍋かをりの割引券も、もしかしたら、1000円くらいで売れるかも知れない。誰にも見られたくなくて、本人が落札するかも知れないし(笑)

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