Pirate of Malacca
やっとのことで確定申告が終わったのもトコノマ‥‥じゃなくて、チョイノマ‥‥じゃなくて、ツカノマ、今日は3つの句会のしめきり日なので、合計で18句を完成させなくちゃならない。毎日ちょこちょこと詠み溜めて来たのが80句くらいあるので、その中からデキの良いものをピックアップして、推敲して、しめきり時間までに投句するのが最終日の作業だ。それで、ゆうべ遅くから、その作業を始めたんだけど、お酒を飲みながら、テレビを見ながらだったので、なかなかハカドラなかった。そして、俳句を推敲しながら、夜の11時台のニュースを見てたら、番組の終わりころに、ニュース速報が入った。
「マラッカ海峡で、日本の船舶が海賊に襲われ、船長をふくむ乗組員3人が拉致されたもようです。」
テロや戦争関連のニュースは、毎日のように聞くけど、海賊のニュースは珍しい。でも、実際は、海賊は世界中にたくさんいて、ここ5年ほどのデータを見てみると、年間に300件から500件もの船舶襲撃事件が起こっている。そして、そのうちの約1割は、ニポンの船舶が被害に遭っている。しかし、たいていの場合は、積荷だけを奪われたり、船ごと積荷を奪われたりで、乗組員には手を出さない。そのため、ニュースでは大きく取り上げられないのだ。でも、今回は、ニポン人の乗組員が拉致されたため、ニュース速報で扱われたようだ。
今回の事件は、14日の夜、ペナン島南西のマラッカ海峡で、北九州市の海運会社「近藤海事」が所有するタグボート「韋駄天(いだてん)」(323トン)が、「クロシオ1」という荷船を引いていたところを海賊に襲われ、井上信男船長(56)、黒田俊司機関長(50)、フィリピン人の三等機関士の計3人が拉致された、と言うものだ。海賊は、十数人の武装グループで、ロケット砲を発射し、マシンガンを撃ちまくり、あっと言う間に韋駄天をジャックした。攻撃を受けた韋駄天は、船体の一部が破損したけど、自走が可能だったので、マレーシアの海上警察に護衛されながら、ニポン時間の15日午後5時過ぎに、マレーシアの港に到着したそうだ。そして、海賊は、3人を人質にして、インドネシア方面に逃走を続けていると言う。韋駄天には、ニポン人8人、フィリピン人6人が乗務していたが、拉致された3人を除く11人の無事が確認された今日この頃、皆さん、このニュースにビックルを飲みませんでしたか?
‥‥そんなワケで、このニュースを聞いて、あたしをふくめて多くのニポン人は、「え? 海賊?」って思っただろう。海賊って言うと、どうしても映画やマンガの中だけの話みたいに感じちゃうのが、あたしの正直な感想だ。海賊って聞いて、パッと頭の中に浮かんで来るのは、例の海賊ファッションに身を包み、左右の跳ね上がったカイゼル髭をたくわえ、片目に皮のアイパッチをしてて、帽子にはドクロのマークが入ってて、サメに食いちぎられた片手にはフックみたいなのがついてて、トドメには、肩にオウムがとまってる。さらに、そのオウムが、マストのてっぺんまで飛んで行き、片方の羽でうまいこと望遠鏡を持って、あちこちをキョロキョロと見回して、宝島を発見する。ようするに、ディズニーのアニメみたいな世界だ。
ディズニーと言えば、ディズニーランドには、「カリブの海賊」があるし、しばらく前には、「パイレーツ・オブ・カリビアン」て言う映画もあった。パイレーツと言えば、ピンクレディーの「波乗りパイレーツ」って歌があったし、絶対にしめきりを守らずに、ついに連載の仕事を干されちゃって、今ではファミレスのメニューやCDジャケットのイラストの仕事しかもらえなくなったマンガ家、江口寿の「すすめ!パイレーツ」って言うマンガもあった。でも、「すすめ!パイレーツ」は、野球チームの名前が「パイレーツ」って言うだけで、ホントに海賊が出て来るワケじゃない。
ちゃんと海賊が出て来るマンガと言えば、「ワンピース」が有名だけど、あたしは、あの、麦わら帽子にランニングシャツに半ズボンって言うイデタチが、どう見ても「夏休みに昆虫採集してる小学生」にしか見えないので、バカらしくてちゃんと見たことがない。やっぱり、キャラに魅力がないと、見る気が起こらないって言ういい例だ。
他に、海賊のマンガと言えば、やっぱり、「キャプテンハーロック」だろう。何たって、正式なタイトルが、「宇宙海賊キャプテンハーロック」って言うくらいだから、間違いなく「海賊」だ。でも、ここまでに出て来た海賊って、どれも悪者じゃなくて、正義の味方だ。他にも、マンガじゃないけど、古いとこでは、「ひょっこりひょうたん島」のトラヒゲとか、オモチャの「黒ひげ危機一髪」の黒ひげとか、悪者のイメージはない。
マンガなどのキャラクター以外で、「海賊」って言葉から思い出すのは、レコードやCDの「海賊盤」がある。今でこそ、海賊盤って言うと、無許可でコピーして作った粗悪品てイメージがあるけど、その昔は、ちょっと違ってた。かつての海賊盤レコードは、一般に発売されてるレコードをダビングして作るんじゃなくて、ライブ会場にコッソリと録音機材を持ち込み、隠し録りした音源をレコードにしていたのだ。だから、正規なルートでは売られていないライブを聴くことができたので、音も悪いしジャケットも粗悪だけど、コレクターの間では、とても高い値段で取り引きされていた。
ちなみに、海賊盤て言うのは、英語の「Pirated edition」の直訳である「海賊版」と、レコード盤の「盤」とを組み合わせて作ったニポン独自の呼び名だ。「Pirated edition」って言うのは、本来は海賊盤レコードのことじゃなくて、著作権を侵害する商品全般の呼び名なのだ。英語圏では、海賊盤レコードのことは、「Bootleg」って言う。これは、ブーツの中に、脚の代わりにお酒を隠して密売してたことから生まれた言葉で、もともとは「酒類の密売」を意味する言葉だった。そして、それが転じて、海賊盤レコードのことを「ブートレッグ」と呼ぶようになったのだ。
もちろん、著作権を侵害する海賊盤レコードも、やってることは安倍なつみ並みに悪どいことだけど、もともとは、悪い意味だけじゃなくて、コレクター垂涎の貴重品て言う側面も持ってたし、街中の中古レコード店でちゃんと売買されてたため、一概に「悪者」って言うイメージはなかった。つまり、映画やマンガだけじゃなく、言葉としての「海賊」にも、そんなに悪いイメージはないってことになる。
じゃあ、「山賊」はどうかって言うと、海賊よりはちょっとイメージが悪いような気もするけど、ドラクエ8が大好きなあたしとしては、山賊のヤンガスにずいぶん助けられたので、これまた、悪いイメージは薄い。
やっぱり、「テロリスト」「強盗」「殺人犯」「暴力団」「マフィア」「ブッシュ」「コイズミ」「金正日」「島田紳助」「安倍なつみ」「ライブドア」などのような悪いイメージを持った言葉と違って、「海賊」や「山賊」には、どこか時代錯誤なイメージって言うか、「あびる優」と同じようにマンガっぽいイメージがあるため、どうしても現実的には受け取れない。だから、「船舶強盗団」とか、「海上暴力団」とか、現代的なネーミングが必要だと思う。
‥‥そんなワケで、今回の海賊の事件に話は戻るけど、東南アジア全般の海域は、世界中でもっとも海賊が多く出る場所で、特に、今回のマラッカ海峡は、地形的にも、襲撃しやすい場所だそうだ。マラッカと言えば、頭脳警察のパンタさんが、「PANTA & HAL」ってバンドをやってた時に、「マラッカ」って言うアルバムをリリースしたんだけど、そのアルバムの中に、「つれなのふりや」って言うレゲエの曲が入ってて、ジャマイカのお友達に聴かせたら、「今まで聴いたニポンのレゲエの中で一番カッコいい曲だ!」って言ったので、そのテープをプレゼントしたことを思い出したけど、この話は完全なるダッフンで、戻したはずの話が、さらにダッフンするって言う、あたしの得意ワザのひとつだ。
さて、今度こそ話を戻すけど、1ヶ月ちょっと前の2月7日の日本経済新聞の夕刊に、たまたま、世界の海賊事件のことが取り上げられている。その記事によると、2004年に世界で起きた海賊事件は、前年度の27%減で、過去5年間でもっとも少なくなったそうだ。その上、去年の12月26日のスマトラ沖地震によって、一般の人たちだけでなく、数多くの海賊船も被害に遭ったため、その後は、事件がパッタリと途絶えていたそうだ。しかし、3日前の3月12日、約3ヶ月ぶりに、ロケット砲などで武装した海賊船が、大型のガスタンカーを襲撃して、乗組員を拉致する事件が起こったため、海賊情報センターでは、周囲を航行する船舶に、警戒を呼びかけていたと言う。
ガスタンカーを襲撃しても、ガスタンクを奪うことは無理だろうし、今回のニポンの韋駄天も、ひと目でタグボートだと言うことは分かるから、高価な積荷などないことは分かる。つまり、海賊たちは、スマトラ沖地震で大打撃を受け、3ヶ月も活動できなかったため、積荷を強奪して換金すると言った手間の掛かることをやっている余裕がなくなり、乗組員を誘拐して身代金を要求すると言った、直接、現金を手に入れる方法に変更せざるをえなくなったんだろう。だから、高価な荷を積んでいて、常に海賊を警戒してる船よりも、荷を積んでなくて、危機感の薄い船を狙い始めたんだと思う。
日の丸の旗を掲げてるニポンの船は、世界中のどこにいても、その船内はニポンの領土ってことになるから、ニポンの法律が適用される。だから、防衛のためであっても、銃などの武器を持ち込むことは許されない。海賊たちは、そんなことは百も承知だから、武器で防衛してる他国の船など襲わずに、日の丸を掲げたニポンの船に襲撃を仕掛ける。つまり、日の丸の旗は、「私たちは武器を持っていませんから、どうぞ襲ってください。」って言う目印なのだ。
これほどの状況になっていて、拉致された3人は未だに消息不明なのに、郵政民営化以外のことは、すべて他人事のコイズミの指示は、イラクで香田さんが拉致された時とまったく同じで、「情報収集せよ。」と言う、いつも通りののんびりとしたものだ。香田さんも、コイズミのせいで殺された。北朝鮮に拉致されている人たちも、コイズミのせいで、次々に殺されているだろう。それでも、対話もせず、圧力もかけずに、口だけで「対話と圧力」ってセリフを繰り返すだけのコイズミは、任期が切れる来年の9月まで、このセリフで伸ばし伸ばしにして、メンドクサイことは、すべて次の総理に丸投げするのが見え見えだ。
‥‥そんなワケで、堤義明からワイロをもらいまくってた森やコイズミは、自衛隊を軍隊に変えて、他の国で戦争できるようにするために、憲法第9条の改悪に余念が無いけど、そんなことする前に、東南アジアを航行するニポンの民間船に、武装した自衛隊員を配備するほうが先なんじゃないの?‥‥なんて思う今日この頃、 だって、ニポンの船舶の船内は、ニポンの領土なんだから、これこそ、「自衛」の一環だと思うんだけど‥‥。
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