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2005.03.19

双眼鏡デビュー

たとえば、お仕事が三連休だったとしても、その他に、「お金が有り余ってる」「他に何も用事がない」「疲れが溜まってなくて元気マンマン」など、他の条件も揃わないと、旅行に行くことはできないし、条件が完璧じゃないのに無理をして出かけたら、せっかくの旅行が十分には楽しめない。これと同じで、あたしは、ある条件が揃うのを待っていた。それは、お仕事がお休み、もしくは、午後からで、午前中が空いていること、そして、「他に何も用事がない」「疲れが溜まってなくて元気マンマン」ってのは当然として、あとは、「お天気がいい」「花粉症の症状が治まってる」「木曜日か金曜日」って言う条件もあった。これらの条件が揃えば、あたしは、この前、懸賞で当たった双眼鏡を持って、多摩川にバードウォッチングに行こうと思ってた。

他の条件は分かると思うけど、なんで「木曜日か金曜日」なのかって言うと、多摩川は、土曜日と日曜日にたくさんの人が来て、河原にゴミを捨てて行くから、月曜日から水曜日くらいまでは汚くて、不愉快になるからだ。地元の人たちは、みんなちゃんと自分でゴミを持ち帰るんだけど、よそから来る人たちの多くは、そこらにゴミを捨てて行く。ちゃんと自治体がゴミ箱を設置してるのに、食べた場所、飲んだ場所に捨てて行く。河原から駅のほうへ戻るには、小さな橋を渡るようになってて、その橋を渡らないと駅には戻れない。そして、その橋のところにゴミ箱が設置してあるのに、ゴミは河原に捨てて、そのゴミ箱の前を素通りして、ゾロゾロと駅へと帰って行く。

そして、月曜日になると、地元の自治体の人たちが、ゴミを拾って歩く。あたしも、時々お手伝いするんだけど、半日かけてキレイにしても、次の月曜日にはゴミだらけ。いい加減、イヤになって来る。一番ムカツクのは、あたしたちがゴミを拾ってるのを見ながら、飲み終わったジュースの缶を河原に投げて行く親子連れだ。高校生たちは、たいていはゴミ箱に入れてくれるし、中には、手伝ってくれる子もいるけど、小さい子供を連れた若い夫婦とかは、一番タチが悪くて、お話にならない。注意すると、「みんな捨ててるのにオレだけに言うな!」とか、逆ギレする今日この頃、皆さん、ゴミはゴミ箱に捨ててますか?


‥‥そんなワケで、あたしは、せっかく双眼鏡が当たったのに、他の条件は全部揃っても、たったひとつだけ、すごく寒かったり、すごく疲れてたり、月曜日や火曜日だったりで、なかなかバードウォッチングに行くことができなかった。それで、今日、やっとのことで、すべての条件が揃ったので、多摩川に行くことができた。

昨日、マンションの猫仲間の奥さんから、タケノコとフキをいただいたので、両方ともカツオブシのダシで薄味に炊いて、タッパーに小分けにしておいた。中くらいのタッパーは、母さんに届けるぶんで、小さいタッパーは、自分のぶんだ。それから、この前、いつものスーパーで、「春の缶チューハイフェアー」をやってて、どれでも88円だったので、期間限定に弱いあたしとしては、サントリーの限定生産「沖縄パイナップルチューハイ」と、2005年限定「ダブル搾り 桜&チェリー」を2本ずつ買っておいた。

それで、今日は、お仕事は午後からだし、早く起きられたし、お天気はいいし、体調もいいし、カレー療法のオカゲで花粉症は治まってるし、金曜日だし‥‥ってことで、パパッと着替えて、パパッとお化粧して、双眼鏡と、ハンディータイプの野鳥図鑑と、タケノコとフキのタッパーと、缶チューハイをそれぞれ1本ずつバッグに入れて、原チャリに乗ってお家を出たのが、朝7時半。母さんに、タケノコとフキを届けて、それから多摩川に行ったけど、まだ8時前だった。

原チャリで河原に降りられる場所まで、多摩川に沿った道を上流に向かって進み、とりあえず河原に降りた。そして、ヘルメットを脱いで、河原を走る。顔に当たる風が気持ちよくて、気がついたら、ずいぶん上流のほうまで来ていた。川が二又に分かれてて、細いほうの川が土手のほうにえぐり込んでいる場所があったので、ここで鳥を観察することにして、原チャリを停めた。

河原は、ほとんどが砂利と小石で、手前のほうだけ雑草が生えていて、1本だけ木が立っていた。原チャリのエンジンを切ったら、急に静かになって、その木のほうから、色んな鳥の声が聞こえて来た。肉眼でも、小鳥が飛びまわってるのは見えるけど、種類までは分からないので、あたしは、さっそく、双眼鏡で見てみた。真ん中のダイヤルみたいなのを回すと、ピントが合うようになってて、すごく良く見える。あんなに遠くの木なのに、まるで手を伸ばせば届くような感じに見える。あたしは、改めて、双眼鏡ってスゴイって思った。ただ、ひとつだけ問題なのは、良く見るためには、双眼鏡に目をつけないといけないんだけど、まつ毛があるから、目をつけることができない。だから、本格的にバードウォッチングする時は、マスカラを塗ったらダメってことに気づいた。

‥‥そんなワケで、あたしは、しばらくその木に集まってる小鳥を観察して、図鑑を見たりして、スズメ、ツグミ、ヒヨドリ、ムクドリ、カワラヒワを確認することができた。小鳥たちは、順番に河原に降りて、何かをついばんだりして、また木に戻るって感じで、その木は、外敵から身を守りつつ、エサを探しつつ、ひと休みするような、理想的な場所になっていた。他には1本も木がない場所なので、この木を色んな小鳥たちが共有してた。

それから、あたしは、タケノコとフキをつまみながら、缶チューハイを飲んだ。空気は美味しいし、すごく気持ちが良くて、まさに、春って感じがした。そのあとは、河原のほうへ双眼鏡を向けて、川の浅瀬を歩いてるシラサギを観察した。シラサギは、のんびりと歩きながら、たまに羽を広げたり、広げた羽をクチバシで毛づくろいしたりしながら、急に川の中にクチバシを突っ込んで、小魚を獲って食べていた。ホントのところは分からないけど、毛づくろいしたりしてるのは、「ボクはぜんぜん魚なんか食べるつもりはないんですよ~」ってトボケてるフリで、それで油断して足元まで来た小魚をパクッて食べてるように見えて、すごく面白かった。結局、そのシラサギのことは、満腹になってどこかへ飛び立って行くまで、30分近くも見ていた。

そのあと、のんびり浮かんでるカモを見てたら、そこにコアジサシが2羽、飛んで来た。あたしは、アジサシが好きで、特にコアジサシは可愛くて大好きな鳥なので、忙しく動き回る2羽をずっと追い続けた。いつもは、離れた場所から肉眼で見てるだけだったので、今日は、双眼鏡で細かいとこまで観察することができて、可愛くて可愛くて、いっそうコアジサシを好きになった。

2本目の缶チューハイを飲みながら、タバコを一服して、今度は、河原でゴルフの練習をしてたおじさんを観察した。でも、あんまり面白くないので、あちこちキョロキョロと見回してたら、ひとりで奇妙な動きをしてるおじさんを発見した。地面がならしてある平らな場所で、ひとりでクルクル回ったりしてる。ちょっと遠かったんだけど、双眼鏡のピントを合わせたら、ハッキリと見ることができた。何をやってるのかと思ったら、社交ダンスの練習をしてたのだ。相手の女性がいると仮定して、相手の背中に手を回してるような形で、ステップを踏みながらクルリクルリと回ったりしてる。本人はマジメなんだろうから、笑ったら失礼なんだけど、あまりにもその動きがおかしかったので、あたしは笑いが止まらなくなった。でも、すごく離れてたから、おじさんは、あたしが笑ってることに気づかなくて、いつまでもクルクルと回ってた。映画の「Shall we dance?」は、ダサいおじさんの姿にちょっぴりジーンとしたけど、現実の「Shall we dance?」の世界は、やっぱり爆笑だった。

‥‥そんなワケで、あたしの双眼鏡デビューは、ほんの3時間ほどだったけど、小鳥たちの営みからクルクル回るおじさんまで、森羅万象の両端を観察することができたので、とっても意味があったと思う今日この頃なのだ(笑)


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