エンジンの時間外取り引き
ゆうべは、F1の第2戦、マレーシアGPを見るために、夜の9時ころから準備をしてた。準備って言っても、放送時間の11時50分になったらテレビをつけるだけなので、何を準備するのかって言うと、心の準備だ。つまり、少しでも楽しく観戦するために、11時50分までに、リラックスした精神状態にしておくってことだ。それで、ちょうど、いただきものの北海道の塩辛があったので、それをオツマミにして、業務用の純米酒を飲むことにした。米どころでも水どころでもない山梨県のお酒だけど、2リットルで600円台の純米酒は、あたしの知る限り、ニポンイチ安いと思うし、痩せても枯れても純米酒だから、ケッコー美味しい。見たいテレビもなかったので、MAXのライブDVDの最高傑作、2000年の「No boundly」を鑑賞しながら、チビチビと飲んでいた。
今回のレースは、あたしの大っ嫌いなBARホンダの佐藤琢磨が熱を出して欠場になって、代わりにサードドライバーのアンソニー・デビッドソンが乗ることになっていた。だから、あたし的には、放送中ずっと「タクマ!タクマ!タクマ!タクマ!」って絶叫し続けるフジテレビのバカ実況を聞かずに済むので、いつもの何倍も嬉しかった。別に、佐藤琢磨には何の罪もないけど、自国の選手だけを異常なほど応援し続けるヒステリックな実況は、中国人や韓国人の時代錯誤なスポーツ観戦の感覚と同じで、見ているだけで恥ずかしくなって来る。だから、佐藤琢磨には気の毒だけど、欠場を知ったあたしは、小さいきっこたちと一緒に、小躍りして喜んだのだ。
ホントなら、衛星放送で見るのが一番いいんだけど、家には、そんなセレブなものなんかあるワケないから、ナンダカンダと文句を言いつつも、フジテレビを見るしかない。だから、放送が始まる前に、ネットのスポーツニュースとかで先に結果を知っちゃうと、ぜんぜん楽しめなくなるから、F1の日はパソコンも封印して、ワクワクしながら放送時間を待っている。
それに、もしも、ライブドアがフジテレビを乗っ取ったら、あのイノシシ社長は、前々から、「金にならないスポーツなんか中継する必要はない」って言ってて、すでに、ニッポン放送のJリーグの中継を打ち切る方針まで打ち出してるから、地上波でF1を楽しめるのは、今年で最後になるかも知れない。今年で見納めになるかも知れないって思うと、フジテレビのお粗末なF1放送も、何だか、いとおしく感じちゃう今日この頃、皆さん、マレーシアGPは見ましたか?
‥‥そんなワケで、あたしは、色んな意味で、今回のレースを楽しみにしてた。楽しみって言うか、興味があった。まずは、何と言っても、エンジンの問題だ。今シーズンからのファッキンなレギュレーション変更によって、2レースで1機のエンジンしか使えなくなったけど、今回は第2戦、つまり、前回のオーストラリアを走ったエンジンで、今回のマレーシアを走るって言う、初めてのレースになるのだ。だから、それぞれのチームのエンジンの仕上がりや調整、作戦など、見所は満載だ。
それにしても、どんな世界にも、イノシシ社長のように、法の抜け穴をついて来る卑怯者がいる。あたしが、BARホンダを嫌いなのも、ライブドアみたいな卑怯者のチームだからだ。今シーズンからの「2レースで1機のエンジン」って言う新レギュレーションには、「ただし、完走できなかったマシンは、ペナルティー無しでエンジン交換ができる。」って言う条項がある。もちろん、これは、ちゃんとレースをしてたのに、エンジンブローなどのアクシデントによって、やむなくリタイヤせざるをえなかったマシンに対する配慮だ。それなのに、BARホンダは、前回のオーストラリアGPで、この条項を悪用しやがった。
最後尾のポイント圏外を走っていたBARホンダのバトンと琢磨は、どうせこのままフィニッシュしてもポイントが得られないからって、マシンはどこにも異常が発生してなかったのに、レース終了直前にピットインして、ワザと完走しなかったのだ。つまり、こうすれば、次のレースで新しいエンジンが使えるからだ。もちろん、バトンや琢磨は、チームの指示通りに走ってただけだから、六本木のSMの女王様でも、決して責めることはできない。これは、チームのテクニカルディレクター、ジェフ・ウィリスの指示によるもので、新レギュレーションの抜け穴をついた卑怯な裏ワザだ。
あたしは、この卑怯な裏ワザに、「エンジンの時間外取り引き」って言う名前をつけた。イノシシ社長が時間外取り引きで手に入れたニッポン放送の株数と、欽ちゃんにソックリな村上ファンドの社長が手放したニッポン放送の株数がピッタリ同じなのに、現在の法律では、これを裁くことができないらしい。これと同じで、誰がどう見ても、どこにも問題の無いマシンがリタイヤしても、エンジンの中までは調べることができないから、チーム側が、「エンジンが不調なのでリタイヤさせた。」って言えば、たとえどんなに不自然な行為であっても、ペナルティーを科すことはできないのだ。
今回のイノシシ社長と村上ファンドの周到なチームプレイによって、ニポンの証券取り引きにおける法の盲点は、次々と明らかになった。そして、第二、第三のライブドアが出て来たら、この国はメチャクチャになっちゃうから、アセッてあとから色々と法律を変更し始めた。これと同じように、F1のレギュレーションも、いくらルール上は問題が無いとは言え、あまりにもスポーツマンシップに反していて、ルールの弱みにつけ込んだ卑怯極まりない今回のBARホンダの作戦は、周り中からブーイングをあびる優になった。だけど、現在のルールでこれを罰することができない以上、「あいつが汚いことをやるなら、オレもやる。」って感じで、第二、第三のBARホンダが出て来る可能性が高い。そのため、FIAでは、このような行為を禁止する条項を早急にレギュレーションに加える模様だ。
それにしても、子供のころに、近所の犬に馬乗りになってガンガン殴りつけたり、野良猫を木の棒で叩き殺したり、捕まえた野良猫を川に投げ込んで溺死させたりと、想像を絶するほどの残虐な動物虐待を続けて来たイノシシ社長なら、大人になってからも、他人の気持ちを踏みにじるようなことを平然とできるんだと思うけど、仮にもスポーツの世界の人たちは、たとえ、ルールの抜け穴を見つけたとしても、それを悪用するようなことだけはして欲しくないと思う。当たり前のようにドーピングをしてるメジャーリーガーしかり、卑怯なチームプレイを堂々とやるF1チームしかり、こんな汚い大人の世界を見せられた子供たちは、「大人になれば何をやってもいいんだ。」って思って、きっと、イノシシ社長や村上ファンドの社長みたいな、お金以外は何も信じられない悲しい大人になってしまう。
それにしても、今回のBARホンダの作戦にしたって、あたしはもともとBARホンダが嫌いだから、「卑怯極まりない作戦」とかって言ってるけど、ニュートラルな立場から見れば、モトはと言えば、「2レースで1機のエンジン」なんて言うバカげたルールを作った、モータースポーツ音痴のモズレー会長に全責任があるワケで、こんなアホなルールなんかが無ければ、たとえポイント圏外であっても、すべての選手は完走を目指すに決まってる。そして、そう言った走りを積み重ねて行く中で、ドライバーも、マシンも、チームも、少しずつ成長して行くのだ。野球やサッカーにしたって、優勝チームが決まったあとの消化試合だからこそ、来シーズンに向けての様々な試みができるワケで、また、そう言った細かいところまでをチェキしてるのが、ホントのファンなのだ。
‥‥そんなワケで、あたしは、お酒を飲んでるうちに11時半ころになって、気持ちも良くなって来たので、レースが始まるまで、ちょこっとお風呂で温まろうと思った。それで、いつものように、FM TOKYOをつけて、お風呂に入った。髪を上げて、肩までお湯に浸かり、ボーッとラジオを聴いていた。ラジオは、ちょうどニュースの時間だった。北九州の地震のこととか、いくつかのニュースを伝えたあと、スポーツニュースになった。そして、プロ野球の結果や、サッカーのJ2リーグの結果に続いて、女性の局アナが、こう言った。
「続いて、今日、行なわれたF1シリーズの第2戦、マレーシアGPの結果ですが‥‥」
あたしは、あまりの突然のことに、急には対応できず、湯舟の中で固まったままだった。そして、固まってるあたしの耳に、次々と言葉が飛び込んで来た。
「ルノーのフェルナンド・アロンソが優勝し、同じくルノーのジャンカルロ・フィジケラも3位に入賞し、初戦に続いて、今年のルノーの強さを見せつけました。また、トヨタのヤルノ・トゥルーリが2位に入り、トヨタは初の表彰台に上りました。」
‥‥そんなワケで、あと10分で楽しみにしてたレースが始まるって時に、先に結果を知ってしまったあたしは、あまりのショックで、そのまま湯舟の中に、ブクブクと沈んで行った今日この頃なのだ(笑)
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