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2005.03.08

世間オロオロ退職記

TBSの「世界ウルルン滞在記」って、無名の新人の場合と、名前の知られてる俳優やタレントの場合とで、企画自体に雲泥の差がある。まあ、ある程度は仕方ないけど、それがあまりにもアカラサマだから、見ててシラケて来る。昨日の放送は、佐田真由美だったんだけど、蝶よ花よの特別扱いで、まるで別の番組みたいだった。見てない人のために、ちょこっと説明すると、佐田真由美が、イタリアの靴メーカー、ブルーノ・マリ社に靴を作りに行くって企画で、オナジミの下条アトムの、視聴者をバカにしたみたいなナレーションからスタートした。

「心をこめたぁ~~~ブルーノ・マリの靴にぃ~~~佐田真由美がぁ~~~出会ったぁ~~~」

他の回を見てる人なら、ほとんどの人が、他の職人さんたちと一緒に靴工場で働く佐田真由美の姿を想像したはずだ。そして、そう言う生活を体験するのが、「ウルルン滞在記」って番組だと思ってたはずだ。でも、フタを開けてみたら、とんでもない特別扱いで、佐田真由美が何をしたかって言ったら、滞在期間を丸々使って、自分のパンプスとブーツを作っただけだった。

それも、どんな材料を使いたいのかを聞かれたら、何から何まで最高級の材料を指定して、なんと、パンプスとブーツの2足の材料費だけで、55万円だって! 通常、靴や服の材料費って言うのは、商品になって売る時の値段の20%前後だから、単純計算しても、1足100万円以上の靴ってことになる。そんなのが2足も自分のものになるなら、あたしだって行ってみたい‥‥なんて思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?

‥‥そんなワケで、佐田真由美の特別扱いは、枚挙にイトマが無くて、靴作りの指導をしてくれる工場の責任者のおじさんを始め、他の作業をしてる人たちまで、本来の仕事の手を休めさせて、自分の靴作りの手伝いをさせる始末。TBSが、ブルーノ・マリ社に、いったいどれほどの取材協力費を支払ったのか知らないけど、佐田真由美が滞在してた間は、本来の仕事はできなかったはずだ。どんな契約が取り交わされ、どんなダンドリになってたのかは、一般の視聴者には想像すらできないことだけど、一番感動するはずの最後のお別れのシーンに、滞在中、ずっとお世話になってた工場の責任者のおじさんの姿がなかったことに、誰もが首を傾げたはずだ。

それにしても、毎日、美味しいものを食べて、暖かいふかふかのベッドで寝て、最高級の材料を使いたいだけ使って、自分の靴を作って帰って来る。これのどこが、「ウルルン滞在記」なんだ! パプアニューギニアのハガハイ族の村に行って、フンドシ一丁で森の中を走りまわり、木に寄りかかって立ったまま寝た新人歌手の平尾勇気。中国の原始林の中の洞窟で暮らす民族のとこにホームステイして、畑仕事や水汲みをして来た青木さやか。マイナス40度の黒龍江で、ホジェン族と一緒にチョウザメ漁をして来た菅原卓磨。タンザニアのバラバイグ族の村に行き、40度以上の気温の中、水も飲まずに、ヤリを持ってライオン狩をして来た猪狩賢二。

これらと比べると、佐田真由美の特別扱いぶりは、一目瞭然だ。この甘さは、モンゴルの遊牧民のところへ行き、馬乳酒を飲んで、チーズを食べて、何にもしないでキャッキャとはしゃぎまわり、最後にフェルトでヘンテコな人形を作って帰って来ただけの山口もえ以上だろう。

実際、スタジオでVを見て、あまりの特別扱いぶり、そして、佐田真由美のワガママぶりに、清水圭やYOUばかりか、決して毒舌など吐かない石坂浩二までもが、遠まわしに皮肉っぽいことを言っていたほどだ。だから、何の感動もなかったばかりか、スタジオ中がシラケたムードになり、最後に、自分で作ったブーツに履き替えて再登場した佐田真由美に対しても、観覧者たちも冷め切っていて、変な空気が流れたまま、エンディングへと突入した。

無名の新人やお笑い芸人は、ナントカ族の村、有名芸能人は、フランスやイタリア、あまりにも分かりやすい、この企画の違い。でも、燃えるゴミと燃えないゴミを分別してるワケじゃないんだから、こう言うのって、なんだかなぁ~! by 久しぶりの阿藤快って感じだ(笑)

だから、逆に、今こそ、有名な芸能人が、ナントカ族の村に行き、フンドシ一丁で森の中を走りまわり、昆虫を食べて、川で水浴びをして、唾液を混ぜて作ったお酒を飲み、泥だらけになって動物を捕まえて、ハエの飛び回ってる中で魚の内臓でも食べて帰って来れば、確実に高感度が上がることウケアイだ。別に、ナントカ族の村じゃなくても、一生懸命に働いて、がんばってる姿を見せれば、多少なりとも、評判は良くなるだろう。つまり、もともと評判のいいタレントは、わざわざこんなことしなくてもいいけど、何かヤラカシちゃって、評判の落ちてるタレントは、自ら厳しい企画を立てて、「ウルルン滞在記」に持ち込めば、起死回生のチャンスを掴むことができるかも知れないのだ。

たとえば、こんなのはどうだろう?

「島田紳助がぁ~~~イースター島でぇ~~~自分の顔の石像を~~~作ったぁ~~~」

島田紳助が、イースター島に行って、1週間、不眠不休で、自分の顔の巨大石像を作り、巨石群の隣りに並べて来るって企画だ。アゴの先から汗を滴らせ、ひとり黙々と岩を削り続ける姿に、少しは同情が集まるかも知れない。この企画が成功すれば、柳の下の2匹目のドジョウを狙って、次々に評判の悪いタレントたちが、名乗りを上げて来るだろう。

「あびる優がぁ~~~香港の港町でぇ~~~倉庫の荷物を~~~運んだぁ~~~」

これなら、少しは人様の役に立つから、見直す人たちも出て来るかも知れない。でも、次のみたいなのは、何の意味もないだろう。

「萩原健一がぁ~~~ケニアでぇ~~~マサイ族とぉ~~~マバタキしない対決をしたぁ~~~」

「里谷多英がぁ~~~フィンランドでぇ~~~泥酔してぇ~~~暴れたぁ~~~」

さらには、こんなのは言語道断で、日枝会長の激怒する顔が見えて来る。

「高島彩がぁ~~~こんな時期にぃ~~~ライブドアの社長とぉ~~~鍋パーティーしてたぁ~~~」

「内田恭子がぁ~~~こんな時期にぃ~~~ライブドアの社長とぉ~~~メールのやり取りしてたぁ~~~」

「千野志麻がぁ~~~こんな時期にぃ~~~リーマンブラザーズの証券マンとぉ~~~密会してたぁ~~~」

‥‥そんなワケで、いくら外側を守っても、次々に社員たちの呆れた行動が発覚し、内側から崩壊して来たフジテレビは、「世界ウルルン滞在記」のパクリ番組、「世間オロオロ退職記」でも作って、あまりにも常識の欠落した女子アナたちをひとりずつクビにして行く様子でも放送してみたらどうだろう?‥‥なんて思う今日この頃なのだ(笑)


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