オハギの不条理
最近、疲れが溜まってるのか、はたまた、疲れが溜まってるのか、それとも、疲れが溜まってるのか、ようは、疲れが溜まってるんだと思うけど、何だか、あたしの持ち味である動物的なカンが働かない。それで、トータルの成績としては、1勝2敗で負け越してる。何がって‥‥新商品や期間限定品の見定めがだ。
麻辣仙人の新しい味で、錬った黒ゴマを加えた、「麻辣黒仙人」て言うのが新発売されて、普通の麻辣仙人がすごく美味しかったから、これは間違いないって思って買ってみたんだけど、残念なことに、イマイチだった。袋には、「黒ごま坦々麺風コクピリ麺」って書いてあって、そう言われればそんな味なんだけど、何て言うか、麻辣仙人の一番の魅力であるヒーヒーしちゃう辛さが、黒ごまで抑えられちゃってて、どうしても物足りない。
それから、カルピスが無くなったので、いつものスーパーに買いに行ったら、普通のカルピスの隣りに、「期間限定バナナカルピス」って言うのが並んでた。何だか、すごく美味しそうだし、新発売ってことで、普通のカルピスよりも安くなってた。それで、思わず買っちゃったんだけど、お家に帰って来て、さっそく作って飲んでみたら、これがまた、ハッキリしたバナナ味じゃなくて、普通のカルピスにビミョ~なバナナフレーバーがプラスされたって感じの中途半端な味と色で、これなら、普通のカルピスのほうが遥かに美味しい。
何が悔しいって、麻辣仙人にしても、カルピスにしても、確実に美味しいってことが分かってる普通の味のが隣りにあったのに、わざわざ期間限定のほうを買って、それで美味しくなかったから、悔しさもヒトシオだ。あたしの体内では、まるで、他にレクリエーションが無いからデモでストレスを発散してる中国人たちのように、小さいきっこたちが、今にも暴動を起こしそうな雰囲気だ。そして、株式会社トーハトに騙され、カルピス株式会社にも騙されたあたしは、完全に打ちひしがれ、盗んだバイクで走り出した32の夜‥‥なんて言ってみた今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?(笑)
‥‥そんなワケで、あたしは、泣きながら、夜の街をさまよい歩いた。歩き疲れたあたしが、ふと顔を上げると、暗闇の中に、ぼおっと浮かび上がるコンビニの灯かり。そして、あたしは、まるで灯かりに吸い寄せられる羽虫のように、コンビニの中へと入って行った。そこには、ボロボロになったあたしの心を癒してくれるかのように、アイスのケースが、魅力的に光り輝いていた。中を覗くと、エスキモーのアイス、チェリオの「期間限定バナナチョコ」が‥‥。
思わずそのアイスを手に取ったあたしは、何の迷いもなく、ソッコーで買ってみた。普通、チョコバナナって言うと、中がバナナで外がチョコだ。それは、お祭りとかで売ってる本物のチョコバナナ、つまり、バナナにワリバシを刺して冷やしておいたものに、チョコをコーティングして、チョコが固まる前に、ケーキとかの飾りにつかうカラフルなデコレーションをパラパラと振りかけてあるやつ、あれを基本にしてるから、他のお菓子も、中にバナナ味のクリームとかが入ってて、外がチョコでコーティングされている。
だけど、驚くべきことに、このアイスは、中がチョコで外がバナナなのだ。だからこそ、「チョコバナナ」じゃなくて「バナナチョコ」って名前なんだし、袋の絵も、ちゃんとそう言うふうに描いてあるんだろうけど、それにしても、中がチョコで外がバナナだなんて、オハギと同じで、あたしの常識の物差しでは計ることができないような感覚だ。
アンパンは、パンの中にアンコが入ってるし、おまんじゅうも、モナカも、どれでもアンコは中に入ってる。そして、オニギリは、中に具が入ってて外がご飯だ。つまり、アンコは中に入れるもので、ご飯は具を包むものなんだから、そのアンコとご飯とを組み合わせるのなら、普通は、中にアンコを入れて、それをご飯で包むのがマトモな感覚だと思う。それなのに、オハギって、中がご飯で外がアンコだ。これって、あたしにとっては、ちっちゃいころから不思議なことで、今なお不思議なことで、これからもずっと不思議なことなのだ。だって、百歩譲って、手につかないようにドライ加工したアンコだったら、ご飯の外側を包んでも許せるけど、普通のつぶあんのままだったら、手で持てないじゃん。
親指と人差し指とで、恐る恐るつまんで持ったら、食べ終わったあとに、親指と人差し指を舐めなきゃならない。だけど、大きなオハギは、2本の指だけで持ち続けることはできないし、ひと口かふた口食べたあと、その先を食べるためにも、中指や薬指を添えて持ち替えなきゃならないから、結局は、ほとんどの指にアンコがつき、ペロペロ舐めなきゃならなくなる。ネイルに気合いを入れてる時だったりすると、一番困る。爪の隙間にアンコが入ると、舐めただけじゃ取れない。
じゃあ、お箸で食べればいいじゃん‥‥って言われると思うし、あたしも、そう思う。だから、もちろん、お箸があればお箸で食べるに決まってる。でも、突然、野外で、見ず知らずのおばあちゃんから、オハギが並んだお弁当箱を目の前に差し出されて、満面の笑みで、「あんだもボタモチ食べてけろ」とか言われて薦められちゃったら、周りの人たちがみんな、直接に手で取って食べてるのに、あたしだけ、「お箸ありませんか?」なんて聞けないし、だからって断るのはイヤだし‥‥って言うか食べたいし、だから、すごく困る。
あたしは、通常の状態だったら、指にアンコがつくのとか、爪の隙間にアンコが入るのは、そんなに困らない。じゃあ、何が困るのかって言えば、この場所まで来る間に、電車のキップを買うためにお財布から小銭を出したり、電車の中で吊り革につかまったり、色んなものを触ってるってことだ。あたしは、別に潔癖症じゃないんだけど、お金を触ったり、吊り革を触ったり、パチンコをしたあとに、そのままの手で食べ物を直接持って食べるのがイヤなのだ。ちゃんと除菌効果のあるセッケンで洗ってからじゃないと、オハギやお寿司を手づかみでは食べられない。だけど、河原とかで遊んでて、植物だの土だのを触ったり、野良猫を抱いたりしても、その手なら、ぜんぜん問題なく食べられる。ようするに、色んな人間が触ったものだけが苦手なのだ。
でも、周りの人たちが平気で食べてるのに、自分だけがオハギに手を出せないでいると、神経質な人って思われちゃいそうで、それがイヤだから、結局は、「ええい!」って感じでオハギをつまんで、パクパクッと食べちゃう。そして、ホントはすごく美味しいオハギなのに、キップを買う時に小銭を触ったことや、電車の中で吊り革を触ったことを思い出して、見ず知らずの数え切れない人たちの手が、このオハギを触ってるような気がしてきて、美味しさを味わう余裕なんかなくなる。だから、あたしは、オハギが大好きなのに、オハギが苦手なのだ。
人間の感覚は人それぞれだから、小銭や吊り革を触った手で、そのままオハギやお寿司を手づかみで食べることに何の抵抗も感じなくて、指の先についたアンコやご飯粒をペロペロと舐められる人たちが普通で、そう言ったことができないあたしのほうが神経質だって思う人もいるだろう。でも、あたしのほうからすると、自分が普通で、指をペロペロ舐められる人たちのほうが無神経だと思う。たとえば、あたしの感覚が、1000人に1人とかの超マイノリティーなら何も言えないけど、そんなことはないと思う。
電車の吊り革につかまる時に、わざわざハンカチを使ってつかんだり、小型の除菌スプレーを持ち歩いて、何にでもシューシューと吹きかけて、イスにまでスプレーしてから座ったりするようになると、完全に神経質を通り越して、もはや精神病だと思うけど、あたしの感覚は、ごく普通だと思ってる。だから、あたし的には、オハギを人に薦める時には、お箸も一緒に差し出すのが、最低限の良識だと思う。こう言った良識は、相手を思いやる心の現われであって、全世界のすべての人類が、このくらいの良識を持ってくれれば、戦争犯罪者を大統領に担ぎ上げる愚かなキリスト教徒もいなくなるだろうし、くだらないネット上の煽りに乗せられて暴動を起すバカな中国人もいなくなるだろう。
そんな、扱う人の良識を判断することができる食べ物、オハギって、実は、ボタモチと同じものだ。漢字で書くと、「お萩」と「牡丹もち」、つまり、同じものなのに、牡丹が咲く季節、春のお彼岸に食べる時にはボタモチって呼び、萩が咲く季節、秋のお彼岸に食べる時にはオハギって呼ぶワケだ。だから、今は春だから、本来なら、今日の日記も、オハギじゃなくて、ボタモチって書くべきなのだ。だけど、あたしは、オハギって言う呼び名のほうをいつも使ってるから、ネーミングの本意には反するけど、オハギって書いてる。この、同じものなのに、食べる季節によって呼び方が変わるって言うとこも、あたし的には納得できないことのひとつだ。それに、春と秋ならいいけど、夏や冬に食べる時は、何て呼んだらいいのか分からないし‥‥。
この、物理的にも、良識的にも、固有名詞的にも、どうしても納得できないオハギと同じように、エスキモーアイスのチェリオも、中がチョコで外がバナナだったんだけど、これは、オハギのアンコみたいにベトベトのバナナクリームが外側についてるんじゃなくて、ザクザクした食感のバナナアイスだった。それに、ちゃんと棒がついてるから、手を汚すこともない。そして、中は板チョコなんだけど、口溶けが良くて、外側のバナナアイスと同時に溶けて行くバランスの良さ。その上、バナナアイスもチョコも、両方とも甘さが抑えられてて、すごくサッパリしてて美味しかった。
‥‥そんなワケで、麻辣黒仙人、バナナカルピスと、開幕から2連敗だったあたしは、ようやく1勝を上げることができた。これで、とりあえずは、ヘッポコ巨人よりはいくらかマシになったので、Fカップの胸をホッと撫でおろした。だけど、これでも、まだ負け越しだし、それよりも大きな問題は、麻辣黒仙人とチェリオは食べちゃったけど、バナナカルピスは、まだ10杯以上も飲まなくちゃならないってことだ‥‥って言うか、仕方なく、今も飲みながら、この日記を書いてる今日この頃なのだ(笑)
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