熱いぜ!デラロサ
衛星の生放送から3時間半も遅れて、深夜23時50分から放送した地上波のF1、バーレーンGPは、最初から、あんまり期待してなかった。なぜかって言うと、あたしの応援してるバリチェロは、フリー走行の1回目で、ニューマシンのギアボックスにトラブルが発生しちゃって、2回目、3回目、4回目と、すべて走れなかった。それで、急きょ、イタリアから新しいギアボックスを輸送しつつ、応急処置したギアボックスで、ダマシダマシ予選1日目を走ったんだけど、もちろんパッとしない。そして、予選2日目の朝に、やっと新しいギアボックスが届いたと思ったら、これにも問題が発生しちゃって、今度はエンジンまでダメになっちゃった。
それで、エンジンを交換して、前日のギアボックスを修理したものを載せて、何とか決勝を走ることにしたんだけど、いつ壊れてもおかしくない状態での決勝戦。その上、予選のタイムが悪くて、タダでさえ後方15番グリッドからのスタートだったのに、予選後にエンジンを載せ換えたから、規定によって最後尾の20番グリッドからのスタートになっちゃった。だから、バリチェロは、決勝の前のインタビューで、「今回の予選は、チームにとってもオレにとっても、最悪な週末だったよ。最初のギアボックスに続いて、やっと届いた新しいギアボックスにまでトラブルが発生するなんて、これじゃあ、ギアに指をはさんでギア~ッ!って叫ぶみたいなもんさ‥‥え? 寒いダジャレなんか言うなって? 40度も気温があるからサービスしてやったのさ! とにかく、オレのマシンはこんな状態だから、決勝は完走することだけを目標にして、ニューマシンのデータを集めることに専念するよ。」って言ってたのだ。
だいたい、スペアのギアボックスも間に合わないような状態でのニューマシンの筆おろし自体に、そもそもの問題があったんじゃないの?‥‥なんて言うのはシロートで、どっちにしても、フェラーリとしては、いつかはくぐらなきゃならないノレンなんだから、それなら、なるべく早いほうがいい。だから、気温や路面状況はともかくとして、タクマでも走れるような単純な高速コースのバーレーンなら、「へい!よろこんで!」って感じの居酒屋感覚なのだ‥‥なんて書くと、タクマ教のニワカF1ファンから文句を言われそうな今日この頃、皆さん、バーレーンGPは見ましたか?(笑)
‥‥そんなワケで、フェラーリのチーム的な都合はジュ~ジュ~に承知してても、やっぱり、バリチェロの熱い走りに期待してたあたしとしては、こんな状況だったので、いつもの決勝が始まる前のワクワク感がなくて、お酒もオツマミも用意しないで、シラ~って感じで放送時間を待ってた。だけど、フタを開けてみたら、これがなかなか面白いレースだったのだ。
バリチェロは、スタートと同時に右サイドへ飛び出して、恐怖の路肩走行で、最後尾から一気に5台のマシンをゴボウ抜き。まあ、そのうちの1台、レッドブルのクリエンは、エンストしちゃってピットからのスタートになって、結局はスタートできなかったから、正確には4台なんだけど、それにしても、ものすごく強引なバリチェロのスタートは、「どけどけどけぇ~! 天下のフェラーリ様のお通りだぁ~!」って感じで、シビレちゃった。さらに、第1コーナーの飛び込みでは、バツグンのラインをキープして、ここでも2台をパス。なんと、スタートからたった数秒で、あっと言う間に7台も抜き去り、コーナーの立ち上がりでは、もう13番手につけたのだ。
「ヒュ~! ヒュ~!」
知らないうちに勢ぞろいした小さいきっこたちも、ブラジルの国旗を振りながら応援を始めた。レース前の、「完走だけを目標にしてデータを集める」ってバリチェロのコメントは、ライバルたちをアザムクためのモンゴル800‥‥じゃなくて、ホンダS800‥‥じゃなくて、ウソ800だったのか? バリチェロは、やる気マンマン、ナイジェル・マンセル、スーパーマリオかスタン・ハンセンかって感じで、あたしは、ガゼン見る気がして来た。
あ、こんなに書いて来たのに、バリチェロのことばっかで、他のマシンのこと、何にも書いてないや(笑) とりあえず、スターティンググリッドをサクッと流しとくと、頭から、アロンソ(ルノー)、シューマッハ兄(フェラーリ)、トゥルーリ(トヨタ)、ハイドフェルド(ウィリアムズ)、ウェバー(ウィリアムズ)、シューマッハ弟(トヨタ)、モントーヤの代わりのデラロサ(マクラーレン)、ライコネン(マクラーレン)、フィジケラ(ルノー)、バトン(BARホンダ)、マッサ(ザウバー)、佐藤琢磨(BARホンダ)、クルサード(レッドブル)、ヴィルヌーヴ(ザウバー)、モンテイロ(ジョーダン)、カーティケヤン(ジョーダン)、アルバース (ミナルディ)、フリーザッハ(ミナルディ)、バリチェロ(フェラーリ)、そして、ピットスタートのクリエン(レッドブル)って順番だった。
バリチェロは、6周目には、10番手まで順位を上げた‥‥って言っても、3周目にフィジケラが煙を出してピットインしたので、実質的にパスしたのは2台だけど、それでもブラボーだ。バリチェロの順位が上がった上に、ライバルのルノーが1台消えてくれたってことは、チーム的にもタナボタだ‥‥なんてセコイことを思ってたら、トップのアロンソを突っついてた2番手のシューマッハ兄のニューマシンが、11周目の10コーナーでギアボックスに異常が起こり、ギアが下がらなくなったみたいでコースアウトして、なんとリタイア‥‥。
でも、こんな状況になってまで、「よし! これでまたバリチェロの順位が上がった! さらに、シューマッハとのドライバーズポイントに差をつけて、フェラーリの頂点に輝くチャ~ンス!」なんて思っちゃうあたしは、なんてセコイんだろう(笑)
見ドコロとしては、8番手あたりをチンタラ走るタクマが、終始、デラロサにアオラレっぱなしで、トップを独走するアロンソの単独映像よりも、このあたりのバトルを映したほうが面白いって思ったみたいな国際映像は、デラロサをメインに映してた。そのおかげで、デラロサのすぐ後ろを走るバリチェロもちょこちょこと映ってて、あたし的にも嬉しかった。
とりあえず、あんまり細かいことを書いても面白くないから、思いっきりハショッて、57周の約半分を走った27周目にサクッと飛ぶけど、この時点で、シューマッハ兄、ハイドフェルド、フィジケラ、カーティケヤン、佐藤琢磨が、色んなトラブルでリタイアしてて、14台のマシンが生き残ってた。バリチェロは、やっぱり、ギアボックスに問題があるみたいで、走り方を見たあたしの予想だと、トルクのかかったドライブができないみたいだった。
だから、エンジン回転を抑え気味にして走ってるので、一時は6位まで上がったんだけど、アオってくるマシンとマトモなバトルができなくて、どんどんパスさせてた。そして、CMに入ったので、あたしはキッチンにお茶を取りに行って、大急ぎで戻って来た。この時のあたしのスピードは、ギアボックスが不調なフェラーリよりも、速かったかも知れない(笑)
テレビは、まだCM中で、あたしはホッとした。そして、しばらくしてCMが明けると、あれ? なんかおかしい。CMに入る瞬間には、確か27周目だったのに、CMが明けたら、なんと36周目になってる!
「なんじゃこりゃ~~~!」
さらに、次の次のCMの時も、残り10周のとこでCMに入ったのに、CMが明けたら、残り5周になってた。ようするに、タクマがチンタラと走ってたとこをすべて放送するために、タクマがリタイアしたあとの重要な映像をガンガンとカットして、尺に収まるように編集したのだ。恐るべし、フジテレビ! 普通なら、しかたなく編集するとしても、中盤のどうでもいいとこをカットして、ラスト10周とかは丸々放送すると思うんだけど‥‥。
とにかく、今回のレースは、失うものなんか何もない、デラロサのひとり舞台だった。ラスト5周、完全にデータ取りのためだけに走ってるバリチェロと、前を行くウェバーをガンガン攻めまくるデラロサの走りは、あまりにも対照的だった。そして、デラロサは、ウェバーをアオリまくり、なんと、残り2周でついに抜いて、5位に踊り出た。チョーカッコイイ! それに比べて、バリチェロは、クルサードにも抜かれて9位まで落ちてフィニッシュ。
結局、アロンソ(ルノー)、トゥルーリ(トヨタ)、ライコネン(マクラーレン)が表彰台に上ったけど、こんな3人よりも、5位のデラロサこそ、このレースのヒーローだろう。それなのに、フジテレビったら、タクマがリタイアしたあとは、バトンが映るたびに、「佐藤琢磨のチームメイトのバトンが~」って、いちいちタクマの名前を出しててウザすぎるし、46周目にバトンもリタイアして、BARホンダがいなくなったら、今度は急に、「トヨタ」「トヨタ」って騒ぎ出して、ホントにバカみたいだった。
さて、今回のスーパーヒーロー、ペドロ・デラロサだけど、こんなに笑わせてくれるドライバーは、なかなかいないだろう。今は、年間19レースもやるようになったけど、2年前までは17レースで、ニポンの鈴鹿が、たいていは最終レースだった。それで、2002年も鈴鹿が最終だったんだけど、その前の16戦目が、アメリカGPだった。鈴鹿の前のレースってのは、自然と注目度が高くなるんだけど、このアメリカGPのインディアナポリスで、当時、ジャガーに乗ってたデラロサは、やってくれたのだ。
奇しくも、今回のバリチェロと同じく、ギアボックスにトラブルが発生したデラロサのマシンは、27周目で走れなくなってしまった。しかたなく、マシンをコース脇へ寄せて、ステアリングを外し、車を降りたデラロサ。そして、こう言ったシーンは、必ずテレビカメラに映されてるってことを熟知してたデラロサは、全世界に放送されてることを前提に、ガードレールに片手をかけて、カッコ良くピョンと飛び越えた。しかし、彼は知らなかったのだ。ガードレールの向こう側が、川だったと言うことを‥‥。
そして、土手を転がり落ちたデラロサは、レーシングスーツのまま、まるで若手お笑い芸人のように、ミゴトに川へと飛び込んでしまったのだ。だけど、こんなに楽しいデラロサも、次のサンマリノGPで、モントーヤがケガから復帰して来れば、また長いことステアリングを握れなくなる。でも、ここに来て、重大なニュースが飛び込んで来た。イギリスの「インディペンデンス紙」の報道によると、モントーヤのケガの原因は、テニスで転んだんじゃなくて、オフロードバイクで遊んでて、ジャンプの着地に失敗してコケたって言うものだ。あたしも、テニスをやってて転んだだけで骨にヒビが入るなんて、おかしいなって思ってたんだけど、バイクの事故ならうなづける。
‥‥そんなワケで、今のとこ、マクラーレンチームの広報は、この報道を全面否定してるんだけど、もしも、このニュースが事実だったら、プライベートでバイクに乗ったりするのは、チームとドライバーとの契約で禁止されてる行為だから、モントーヤには何らかのペナルティーが発生して、乳首がズレてるポリスマンに逮捕されちゃいそうな今日この頃、そうなれば、次のサンマリノGPでも、デラロサのファンキーな走りが見られるかも知れないのだ! なのだったら、なのなのだ!(笑)
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