残酷列島ニポン
先週は、お仕事が長引いて、予定してた時間に帰って来られない日が3日もあったんだけど、そのうちの2日は、あたしが猫たちの夜ゴハンの当番の日だった。それで、その2日間は、別の人に当番を代わってもらった。こんな時は、ホントに、複数の人間で面倒見てて良かったって思う。
野良猫にゴハンをあげるのって、中途半端な気持ちじゃできないことで、一度でも食べ物をあげちゃったら、それから毎日、その猫が死ぬまで、雨の日も雪の日も、1日も休まずにあげ続けなくちゃならない。その子は、ゴハンがもらえると思って、その場所にやって来るようになっちゃうから、裏切ることはできないのだ。
だから、どこかに出かけた時に、出先で野良猫になつかれたりしても、撫でたり抱いたりするのは構わないけど、食べ物をあげるのはあまり良くない。たとえば、明らかに何日も何も食べてないみたいで、衰弱してるような場合は例外だけど、元気な野良猫の場合は、食べ物をあげたらダメだ。
また、自分の住んでる地域で、毎日ずっとゴハンをあげ続ける覚悟があったとしても、それだけじゃなくて、近所の人たちとの兼ね合いもある。近くに、猫を嫌いな人が住んでる場合は、野良猫にゴハンをあげてると、すごくイヤな顔をされるし、相手によっては、ひどい嫌がらせをされる場合もある。
幸い、あたしの住んでるマンションは、全員が動物好きで、ホントはペット禁止のマンションなんだけど、隠れて犬や猫を飼ってる人もたくさんいるし、管理人さんも大の猫好きなので、いつも協力してくれる。だから、今では、ちょっとした野良猫ネットワークができて、ただゴハンをあげてるだけじゃなくて、子猫が産まれたりすると、動物病院に連れてって三種混合ワクチンを打ってもらったり、里親さがしをしたりと、それなりのことができるようになった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、あたしは、猫が大好きだし、マンションの他の人たちもみんな猫が大好きなんだけど、それは、たまたまラッキーだっただけで、猫が嫌いな人が何人も住んでるマンションだったら、駐車場の隅で野良猫にゴハンをあげたりしてたら、すごくイヤな顔をされちゃうだろうし、ヘタしたら、猫たちが危害を加えられちゃうかも知れない。
だって、猫が嫌いな人って、他のものを嫌いな人と違って、なんか、異常な人が多いみたいだからだ。普通は、嫌いなら近づかないだけだと思うんだけど、猫が嫌いな人って、わざわざ自分から猫に近づいて行って、ライブドアのイノシシ社長が子供のころにやってたように、猫の足を針金でグルグル巻きにしてから川へ投げ込んだり、捕まえて足やシッポを切断したり、ボーガンで撃ち殺したり、子猫を生きたまま電子レンジに入れて焼き殺したりと、とてもマトモな神経とは思えないことを平然とやってのけるからだ。中には、自分が猫を殺して行く過程をデジタルカメラで撮影して、ネットで公開するような異常者もいるほどだ。
あたしが時々行く地元の銭湯の裏手には、近所では知らない人のいない有名な猫殺しジジイが住んでいる。このクソジジイは、農薬を混ぜた猫のエサをそこらじゅうに撒いて歩いて、それを食べた猫たちが、今までに何十匹も殺されてるのだ。野良猫だけじゃなくて、飼い猫も外を自由に歩くから、今までに何匹もの首輪をつけた飼い猫も、このクソジジイの毒エサで殺されてる。
このクソジジイは、どの猫がどの家で飼われてるのかを良く知っていて、殺した猫をわざわざその家まで持って行き、玄関の前に置いたり、庭に投げ込んだりする。そして、少し離れた場所に隠れていて、玄関のドアを開けたその家の人が、変わり果てた姿になった飼い猫を見て泣き崩れたりするのを ニヤニヤしながら見ているのだ。
それで、何年か前に、可愛いがってた飼い猫を殺された人たちが、所轄に警察に訴えに行った。警察は、クソジジイの家に話しをしに行ったんだけど、「自分の家の庭に猫が入って来て、植木や花壇を荒らすから、入って来ないように毒エサを撒いただけだ」って言うクソジジイの言いぶんに対して、警察は、「毒エサは外には撒かずに、自分の敷地内だけに撒くように」って指導しただけで、何のオトガメも無しだった。
‥‥そんなワケで、隣りの家に向かって、ラジカセを大音量で鳴らし続けて嫌がらせをしてた、奈良県の「騒音おばさん」こと、河原美代子(58)が、警察に逮捕された。色んなワイドショーやニュースで取り上げられたから、一躍、時の人になっちゃって、あの「引越し!引越し!さっさと引越し!」って言う叫び声をサンプリングしてリミックスした着メロまでできちゃったほどだ。
同じ奈良県で、同じような事件を起して、ひと足先に逮捕されてた出口香代子(49)は、傷害罪を適用され、懲役1年の実刑判決を受けた。このおばさんは、約1年半に渡って、ラジオや目覚まし時計などを大音量を鳴らし続け、隣りの家に嫌がらせをしてた。それで、懲役1年の実刑ってことは、10年近くも嫌がらせを続けてた河原美代子のほうは、もっと長い実刑を食らうことは明らかだろう。
ここで、あたしが不思議に思うのは、騒音を出してたおばさんが、警察に逮捕されて、その上、実刑まで食らうのに、数え切れないほどの猫を殺し続けてるクソジジイは、何で逮捕されないのか、と言うことだ。初めに書いた、猫を殺してる画像をネットで公開してた異常者って言うのは、福岡に住んでる20代の引きこもり男なんだけど、有名な事件だから知ってる人も多いと思う。こいつが事件を起したのは3年前なんだけど、掲示板へのアクセスIPからプロバイダーを割り出され、犯人は特定され、逮捕された。だけど、最初は、書類送検だけで、簡単に釈放されてしまったのだ。
しかし、この処分に憤慨した全国の動物好きの人たちが、ネット上などで、こいつを起訴させるための署名運動を始めた。そして、それは大きなムーブメントとなって、その努力の結果、こいつは起訴された。数え切れないほどの人たちの力で、この残虐な異常者の犯罪が公になったワケだけど、それでも、最終的な判決は、「懲役6月、執行猶予3年」と言うもので、今年の10月になれば、3年の執行猶予が終わるので、また、同じように猫を殺しても、こいつは、刑務所に行くことはない。
それでも、この「懲役6月、執行猶予3年」って言う判決は、猫殺しに対しては異例の重さなのだ。この事件が、新聞などでも取り上げられて、あまりにも大きな社会的な問題になったために、裁判長は、特別に重い刑を言い渡したのだ。通常だったら、猫を殺したくらいじゃ、起訴もされずに、何のオトガメも無しなのが、この国の法律なのだ。
去年の9月に、大阪の花博記念公園で、野良猫を16匹も虐殺した異常者がいた。ある猫は、人口の滝壺の中に投げ込まれ、ある猫は、コンクリートに叩きつけられて内臓が破裂し、ある猫は、口の中に石や木の枝を詰め込まれ、生まれたばかりの子猫から、その公園で多くの人たちに可愛がられてた古株の猫まで、16匹もの猫が惨殺された。そして、殺害現場を目撃した人の通報で、警官が駆けつけて、このクソオヤジは逮捕された。だけど、これほどひどいことをしたのにも関わらず、このクソオヤジは、わずかな罰金を払っただけで、その他のオトガメはいっさい無し。何度も言うけど、これが、この国の法律なのだ。
1匹の猫を殺した福岡の引きこもり男は、懲役6月で執行猶予3年、16匹の猫を殺した大阪のクソオヤジは、わずかな罰金だけ、すでに50匹以上の猫を殺してる、銭湯の裏手に住んでるクソジジイは、何のオトガメも無し。これって、あまりにもアンバランスだと思う。1匹の猫を殺した男が懲役6月なら、16匹もの猫を殺したクソオヤジは無期懲役、50匹以上も殺してるクソジジイなんか、死刑にしても足りないくらいだと思うんだけど。
‥‥そんなワケで、ラジカセを鳴らしてたおばさんが刑務所に行くのに、猫を殺し続けてる異常者は、何のオトガメも無しでチマタにはびこる今日この頃、憲法9条なんか改悪する前に、このデタラメな法律を何とかして欲しい。今の法律じゃ猫殺しを取り締まれないって言うのなら、とりあえず、銭湯の裏手に住んでるクソジジイは、あたしの得意の黒魔術で、呪い殺してもいいですか?
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