JR西日本の大嘘
脱線事故を起したJR福知山線の後ろに車両に、JR西日本の職員が2人も乗車していたのに、事故後、被害者の救出をせずに、そのまま現場を離れたそうだけど、それは、上司の指示だったそうだ。一般の乗客やマンションの住人、近くの工場の人たちまでが、みんな、必死に救助活動をしてたって言うのに、あの惨劇の現場にいて、いくら上司の指示とは言え、数え切れないほどの被害者を見捨てて、あの現場を離れられる神経が分からない。
だいたい、ナンでもカンでも会社や上司のせいにしてるけど、この電車に乗り合わせてた職員だって、あの惨劇の状況を本当に正しく報告したんだろうか? いくら無責任な上司であっても、あの状況を正しく報告して、1分1秒を争う緊急事態だと言うことを伝えれば、まさか現場をホッタラカシにして出勤しろとは言わないだろう。結局、報告した職員のほうだって、こんな大変なことには巻き込まれたくないって言う気持ちが働いて、曖昧な報告しかしなかったんじゃないだろうか?
あたしが、何よりも呆れ返ったのは、事故後、何日もしてから、JR西日本の職員が、被害者の遺族のところへ「見舞金」を配って歩いたそうなんだけど、その時の袋が、白黒の水引じゃなくて、お祝いごとで使う「紅白の水引」がついたノシ袋だったってことだ。第三者からの見舞金じゃなくて、直接、加害者側からのものなのに、この非常識さは考えられない。泣きながら、JR西日本の非常識で無神経な対応を訴えてた遺族たちは、本当に悔しそうだった。いくら何でも、こんな間違いはありえない話で、「ウッカリしてました」じゃ済まされない。ワザと相手を怒らせようとしてるとしか思えない今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、その後、事故当日に、天王寺車掌区の古川宏二区長(53)ら43人が、事故が起こったことを知りながら、ボーリング大会を開いてて、そのあとも二次会、三次会と、お酒を飲んで楽しんでたって言う話や、姫路鉄道部長や相生駅、網干総合車両所の両助役ら管理職9人と一般社員10人が、事故の連絡を受けながら、「神戸支社長杯」とか言うゴルフコンペを楽しんでたって言う話など、あまりにも無責任なJR西日本の体質が次々に発覚した。このゴルフコンペでは、昼食時に、レストランのテレビで生々しい事故現場の中継を見ながら、「まいったねぇ〜こりゃあ〜」といって談笑した上に、午後からも平然とプレーを続行し、プレー中にミスショットをした者に対して、「脱線事故」に絡めたギャグを言った者もいたって言うから、開いた口も塞がらない。
他にも、大阪支社の宮原総合運転所の係長ら11人は、関連会社の社員3人とゴルフをして、その後、居酒屋で酒盛りをしていたり、広島駅長や助役らが、事故当日から3日連続で契約社員との懇親会を開いてたり、京都建築工事所北陸派出所の助役らは、関連会社の社員たちと総勢28人で、事故当日から1泊2日で京都、滋賀のゴルフ温泉旅行に出かけていたりと、現在、分かっているだけでも、管内の支社の185人もの社員が、事故の事実を知りながら、ゴルフや飲み会、温泉旅行などを楽しんでいた。もちろん、これらは、隠蔽できずに表ザタになったぶんだけであって、他にもまだまだ出て来るだろう。
これらのレクリエーション三昧や接待漬けの様子を知って、あたしが思ったのは、いくら民営化されたって、やってることは親方日の丸の公務員どもと同じじゃん‥‥ってことだ。結局、国民の血税を湯水のごとく使いまくることが当たり前になっちゃってる官僚どもの天下り先なワケだし、そう言うヤツラが牛耳ってるうちは、民営化なんてのは名前だけで、今回みたいな大事故が起こった時に、まずやることは、証拠隠しや事実の隠蔽であって、人命なんかは二の次って言う、国のやり方そのものだってことだ。
大問題になった天王寺車掌区のボーリング大会にしても、事実発覚後、古川宏二区長は、「副区長から事故の連絡が携帯電話に入ったのだが、ホーリングに夢中になっていて気づかず、ゲーム終了後に着信履歴を見て連絡して、初めて事故を知った。」と言う大嘘をついた。もちろん、これは、本当に区長がこう言ったのか、それとも、責任逃れのために会社ぐるみで考えられた作り話なのかは分からないけど、とにかく、区長は、事故を知りながらボーリングをしていたことだけは事実なのだ。なぜかと言うと、問題が大きくなってから、古川宏二区長は、こう言ったからだ。
「ボーリングは中止させるべきで、認識が甘く軽率だった。深く反省している。」
携帯が鳴ったことに気づかず、事故の事実を知らなかったのなら、こんなセリフは出ないはずだろう。このセリフは、あくまでも、「事故を知っていたのにボーリングをやっていた」って前提がなければ出て来ないものだ。つまり、最初の言い訳がましいセリフは、何よりも責任逃れの隠蔽工作を最優先した、腐りきったJR西日本の体質そのものの表れなのだ。
だいたい、ボーリングのゲーム中に、43人の参加者のうち、少なくとも20人以上の携帯に、友人や家族、同僚などから、「大変な事故が起こった」と言う内容のメールが届き、その時点での死者の数までが知らされており、そのうちの数名は、その場で区長に報告したと言う。そして、ゲーム中に、すべてのレーンで事故に関する会話があり、参加者全員が事故の重大性を認識していたのだ。
それなのに、ゲームはそのまま続けられ、責任者である区長も、その場を離れることはなかった。それどころか、上から、「事故のことは知らなかったことにしろ」と言う指示が参加者全員に出され、二次会の居酒屋でも、「テレビがついていなかったので、事故が起こったことは知りませんでした。」、三次会の寿司屋でも、「阪神戦が無かった日なのでテレビが消されていて、事故のニュースは見ませんでした。」と言う大嘘をつく始末。
三次会まで参加した20代前半の車掌は、「ボーリング大会などのレクリエーションを欠席したり、そのあとの二次会などを断ると、減給の対象になるため、上司の誘いは絶対に断れないのです。こんな大事故が起こった日に、二次会、三次会と言うのは、さすがにまずいと思ったのですが、とても言い出せませんでした。」と話している。そして、同じく三次会まで参加した30代の運転士は、「二次会でも三次会でも、話題は事故のことばかりでした。上司である幹事(55)に命令されて、夕刊を買いに行かされた者もいて、夕刊の一面の写真を皆で回して見ました。」と話している。それなのに、その後、「事故のことは知らなかったことにしろ」と言う指示と言うか、命令を出して、参加者全員の口封じをしたのが、JR西日本と言う組織なのだ。
‥‥そんなワケで、国鉄を民営化したことによって、車両の強度やダイヤの安全性などは二の次の営利優先主義が、取り返しのつかない大事故を引き起してしまったのに、事故後の対応は、国鉄時代の悪しき体質そのもので、民営化による利点など、何ひとつ感じられない。だから、コイズミが頑固に推し進める郵政民営化も、JRの二の舞になりそうな気がする今日この頃なのだ。
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