« 追星 | トップページ | 好きなCM、嫌いなCM »

2005.05.29

インディオからの贈り物

122 あんまり、お金を出して買う気にならないお菓子に、ポップコーンがある。あたしは、ポップコーンは大好きで、特に、最後のほうに出て来る硬いとことか、セミのヌケガラっぽい、茶色の半透明のカリカリしてるとことかには目が無いんだけど、袋に入って売ってるポップコーンは、どうしても高いような気がして、あんまり買う気にならない。だって、ポップコーンのモトを買って来て、自分で作れば、100円のポップコーンと同じ量が、20〜30円くらいで作れるからだ。それに、売ってるヤツよりも、自分で作ったほうが、出来立てで美味しいし、塩加減も自分のお好みにできる。

 

お鍋で作るのだけじゃなくて、アルミ箔で出来たフライパンみたいなのの中にポップコーンの元が入ってて、そのまま火にかけて振ってると、膨らんで来るヤツも好きだ。あれは、それなりの値段がするから、特なのか損なのか分からないけど、それでも、パンパンって音が完全にしなくなるちょっと前に火から下ろして、あたしの好きな、セミのヌケガラみたいな部分を多めにするように、微調整することが出来る。

 

だから、メッタに出来合いのポップコーンは買わないあたしだけど、昨日、コンビニで、琴線に触れまくるポップコーンを見つけちゃって、105円だったから、ハズレだったとしても、そんなに悔しくないなって思って、思わず買ってしまった。それは、フリトレーの「讃岐風あっさりおつゆに七味唐がらし味ポップコーン」って言うヤツで、白い袋の真ん中に、真っ赤な唐辛子の絵が描いてあって、その中に「七味唐がらし味」って書いてあって、その左側に、讃岐うどんの写真がついてる。そして、その讃岐うどんの写真の上には、「かつお節の風味が生きた和風だしをあっさり、うすくち醤油で仕上げました。ピリッと七味唐がらしが効いたポップコーンです。」って書いてある。

 

それで、帰って来てから、さっそく食べてみたら、これが、絶品も絶品、大絶品で、あまりの美味しさに、ビックルを飲むのも忘れちゃった今日この頃、皆さん、ポップコーンはお好きですか?(笑)

 

 

‥‥そんなワケで、この、フリトレーのポップコーンが、どのくらい美味しかったかって言うと、ここ10年で、あたしが食べたすべてのスナック菓子の中で、ナンバーチュウ‥‥じゃなくて、ナンバーニャン‥‥じゃなくて、ナンバーワンの美味しさだった。七味唐がらし味って言っても、七味の辛さはほんの少しだけで、味としては、讃岐うどんのおつゆの味がする。それも、ちょうどいい薄さで、決して濃い味付けじゃない。それで、美味しい讃岐うどんに、パラパラッと七味をかけた程度に唐がらしが効いてて、絶妙のバランスだった。

 

今まで、期間限定のお菓子や、新製品のお菓子を食べるたびに、10点満点で、8点とか、5点とか、それぞれに点数をつけて来たけど、このポップコーンは、美味しすぎて、点数なんかつけられない。無理につけるとしたら、10点満点で、50点とか100点とかの世界になっちゃう。何しろ、味もバツグンに美味しい上に、それが讃岐うどん味だから、十分に食事の代わりになる。これ1袋とお茶があれば、食事として成立するのだ。さらに、唐がらしのカプサイシンの効果で、美容にもいいし、言うこと無しだ。

 

でも、これは、我ながら、ちょっとヒイキ目の評価かも知れない。それは、「ドリトス」とか、「たこやき亭」とか、従来のスナック菓子が美味しくないフリトレーだから、あたし的には、最初からそんなには期待してなかったのだ。それで、食べてみたら、思ってたよりも遥かに美味しかったから、すっごく美味しいと感じたのかも知れない。だから、これが、他のスナック菓子も美味しいカルビーとかコイケ屋とかの商品だったとしたら、あたしは、最初からそれなりに期待してたと思うし、そんな精神状態で食べてたら、感動も半分、評価も半分だったかも知れない。

 

フリトレーって、ペプシコーラのスナック部門の会社だから、「ドリトス」のシリーズを食べれば分かるように、とにかく、やたらと味が濃い。マトモな味覚の人間なら、2〜3個食べただけで、ノドがカラカラになっちゃう。さらに、味の濃さが均一じゃなくて、いっぱい粉が掛かってるとこなんか、罰ゲームみたいに味が濃い。ようするに、何にでもケチャップを山のようにぶっかけて食べる、味覚音痴のアングロサクソンならではの、非常識な味の濃さであり、大ザッパな味付けなのだ。だから、ジャパンフリトレーが日本向けに開発した「たこやき亭」にしたって、アメリカ人の鈍感な舌のスピリッツを継承してるみたいで、やたらと味が濃くて、ニポンの食べ物をテーマに開発したのにも関わらず、ニポン人の口には合わない。大阪よりも味の濃い、東京のあたしが「濃い」って思うんだから、たこやきの本場の大阪の人にしてみたら、「こんなもん、たこやき味とちゃいまっせ!」とか言われちゃうだろう。

 

そんなフリトレーが、繊細なニポン人の舌に合うポップコーンを開発、発売したってことは、やっぱり、「味が濃すぎるぞ!」って言う苦情が、いっぱい来たのかも知れない。とにかく、今回の「七味唐がらし味」は、七味唐がらし味って言いつつも、実は「讃岐うどん味」だって言う二段落ちもさることながら、フリトレーとしては考えられないような、ちょうどいい味の濃さで、とりあえずは、あたしのベストスナックの仲間入りを果たした。

 

‥‥そんなワケで、他のスナック菓子はともかく、ポップコーンに関しては、もともとは、あたしたちニポン人と同じモンゴロイドである、インディオの食べ物だった。アメリカ大陸の先住民たちは、今から5000年以上も前に、乾燥させたトウモロコシを使っていた。それは、ポップコーンを作って食べるだけじゃなくて、儀式に使う装身具の飾りにしたり、占いに使ったりと、色んな用途があった。ようするに、カチカチに乾燥してるから、冷蔵庫も真空パックも無い時代には、大切な保存食だったワケで、ふだんは、儀式に使ったり占いに使ったりしてても、イザって時には、貴重な食料になったのだ。

 

それで、ひと昔前には、1492年に、コロンブスがアメリカ大陸を発見したって教えられたし、最近では、コロンブスよりも先に、バイキングだとか、中国人だとかが、先に発見してたとか、色んなことが言われるようになった。まあ、誰が先でも、そんなことはどうでもいいけど、何よりも問題なのは、誰も住んでなかった無人島なら「発見」でいいけど、紀元前から先住民たちが住んでた大陸なのに、それに対して「発見」とかって、何だか違うような気がする。そして、殺戮と強奪のDNAがタップリのアングロサクソンたちは、われ先に移住して来て、先住民族を殺しまくり、土地を奪い取り、まんまとアメリカ大陸を奪い取ったってワケだ。

 

それでも、侵略者ばかりではなく、初めのころは、先住民族たちと友好的にやろうって言う人たちもたくさんいて、特に、イギリス人の宣教師たちは、決して暴力を振るうようなことはなかった。そして、1620年の感謝祭の時に、先住民族のインディオたちから、ポップコーンをプレゼントされたのだ。これが、現代のポップコーンの始まりだって言われてるけど、サスガ、味覚音痴なアングロサクソンは、プレゼントされたポップコーンが何の味もしないと言って、なんと、砂糖をかけたり、クリームをつけたりして、食べたそうだ。これじゃあ、ポップコーンの始まりって言うよりも、トーハトのキャラメルコーンの始まりっぽいけど、この時のポップコーンが、海を渡ってイギリスへと伝えられたり、アメリカ大陸の中で、白人の口に合うように変化しながら、少しずつ広まって行ったそうだ。

 

‥‥そんなワケで、もともとは、あたしたちと同じ黄色人種、インディオが生み出したポップコーンが、5000年以上の歴史を経て、今、まさに、ニポン人の味覚に合う、讃岐うどん風味の「七味唐がらし味」として、あたしたちの元へと帰って来たワケだけど、そのポップコーンを作ってるのが、インディオたちを殺して、その土地を奪った、アングロサクソンたちの資本なんだから、皮肉な巡り合わせだとしか言いようがない。だけど、本場の讃岐うどんでさえ、そのほとんどが、オーストラリア産の小麦粉を使った不正表示のインチキうどんなんだから、それなら、アングロサクソン資本が作った和風のポップコーンでも、十分に、ニポンの味を堪能できると思う今日この頃なのだ(笑)

 

|

« 追星 | トップページ | 好きなCM、嫌いなCM »