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2005.06.29

Legarize it

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大雨が続いていた沖縄は、今日、梅雨明けしたそうだけど、北陸や東北は、例年より2週間も遅れて、今日、ようやく梅雨入りしたそうだ。そして、今度は、新潟に大雨が降っているらしい。でも、一番北にある北海道には、梅雨が無い。こんなに小さな島国なのに、やっぱりタテに長いんだな〜なんて思いつつ、あたしの住んでる東京はと言えば、ほとんど雨の降らない空梅雨で、連日の猛暑で、さらに連日の熱帯夜で、本格的な夏が来る前に、すでに夏バテしそうだ。

その上、あたしは、今年の夏は、どこまでエアコンを使わずに耐えられるかチャレンジしてるので、ホントに厳しい。風通しのいいニポン家屋とは違って、窓を開けてもほとんど風の入って来ないマンションだし、建物自体が昼間の気温で熱くなってるので、中にいる人間は、夜になっても、オーブンの余熱で温められてるパイみたいな状態なのだ。

だから、夜になると、外気よりも室内の気温のほうが高いから、窓を開けると、室内の熱が外へと逃げて行く。1時間ほど窓を全開にしておくと、室内は少し涼しくなるんだけど、窓を閉めると、建物の余熱で、じわじわと室温が上がり始めて、また暑くなって来る。だから、夜の間、窓を開けっ放しにしておけば、いくらか涼しくはなると思うんだけど、変質者や強盗だらけのこの街で、窓を開けたまま寝るなんて、とてもじゃないけど危なくてできない。

この前は、近くのマンションで強盗殺人事件があったし、夜道で女性が襲われることも多い。空き巣や変質者の犯罪も多いので、夜、窓を開けている間は、常に窓の外に気を配ってないといけない。だから、あたしは、ハンドバッグには、いつもスタンガンとマスタードスプレーを入れてるし、いつ変質者が侵入して来ても闘えるように、ベッドの下には金属バット、マクラの下には三段式の特殊警棒を置いている。あたしのお部屋は2階だけど、ベランダに干しておいた下着を前に何度も盗まれたので、今は室内に干すようになった。だから、2階だからって、少しも安心なんかできない今日この頃、皆さん、自分の身は自分で守ってますか?


‥‥そんなワケで、あたしは、昨日までは何とかウチワだけで暑さに対応してたんだけど、あまりの暑さに、もう耐えられなくなって、今日、ついに、扇風機を出した。これで、ウチワをあおぎ続けなくてもいいので、ずいぶんラクになったんだけど、室温自体が暑くなってるから、基本的には、ウチワの時と同じで、生暖かい風が来るだけだ。それでも、ウチワよりはぜんぜんマシなんだけど、生暖かい風をずっと浴びてると、だんだん気持ち悪くなって来る。

それで、また、定期的にベランダ側のガラス戸を全開にして、室内の熱を逃がさなきゃならなくて、これじゃあ、他のことが何もできない。これなら、意地を張らずに、エアコンをつけたほうがいいのかな〜なんて思いつつ、ベランダで夜風にあたりながら一服してたら、下から猫の声が聞こえた。姿は見えないけど、マックスの声に間違いなかった。それで、耳を澄ませて聞いてたら、他にも何匹かの猫がいるみたいな気配がした。あまりにも暑いので、たぶん、猫たちは、昼間はどこか涼しい場所で休んでいて、夜になってから行動をしてるんだろう。

それで、まだ夜の11時だったので、あたしは、猫たちと遊びながら外で涼もうと思って、駐車場に行ってみることにした。せっかくだから、久しぶりに「マタタビパーティー」を開催しようと思って、マタタビの枝、マタタビの粉、マタタビの実が入ってるキンチャク袋を持って、駐車場に降りて行った。駐車場は、室内よりもずっと涼しくて、すごく気持ちが良かった。ここにハンモックを吊るしたら、きっと熟睡できるだろうな‥‥なんて思いつつ、寝てる人たちの迷惑にならない程度の声で、「マックス〜!」って呼んでみた。そしたら、すぐに、マックスとペペロンチーノがスタスタとやって来て、そのあとから、ジジ3兄弟のうちの2匹もやって来た。

猫たちは、もう、あたしのキンチャク袋の匂いを嗅ぎまわって、フガフガし始めてるので、急いで袋からマタタビの枝を出して、1本ずつあげた。猫って、誰でもみんなマタタビを好きなワケじゃなくて、すっごく好きな猫、ワリと好きな猫、大して好きでもない猫、ほとんど興味を示さない猫など、色んなタイプの猫がいる。人間でも、すごくお酒を好きな人もいれば、たしなむ程度の人もいれば、一滴も飲めない人もいるみたいに、体質なんだか嗜好の違いなんだか分からないけど、色んな猫がいる。

それで、ここの猫たちの中では、一番マタタビを好きなのが、白黒ブチのマックスと、チンチラハーフの小林君で、普通に好きなのが、茶トラのマイケル、白地にミケっぽいブチのペペロンチーノ、茶系のキジトラのカルボナーラ、黒猫のジジとジジ3兄弟で、あんまり興味が無いのが、白に薄茶のブチのハナコだ。あと、マックスのそっくりさんのマックスマイズと、グレーのキジトラのブチの猫ひろしには、まだ、マタタビをあげたことが無いので、好きかどうか分からない。

‥‥そんなワケで、マタタビ大好きマックスは、すでにゴロンと横になり、マタタビの枝を両手で器用にはさんで持って、「グルルルル〜グルルルル〜」って言いながら、目を閉じて、枝に顔をこすりつけていた。もう、その様子が可愛いの何のって、まるで、ササノハを持ってゴロゴロしてるパンダみたいだ。マックスは、色もちょうど白黒のブチだし、顔も体も丸っこいから、パンダっぽさもヒトシオだし、甘えん坊だし、とにかく、可愛くて可愛くてたまんない。その隣りで、ペペロンチーノは、枝を噛んだり舐めたりして、マイペースで楽しんでる。ジジ3兄弟のうちの2匹は、そんなに夢中じゃなくて、枝にジャレてる感じだ。

そうこうしてると、右のほうからマイケル、左のほうから小林君がやって来た。マイケルはともかく、一番のジャンキー、小林君は、さっそくフガフガ言いながら、ジジ兄弟のマタタビを横取りしようとしたので、あたしは、急いで新しいマタタビの枝を小林君とマイケルにあげた。小林君は、すごいイキオイで枝をくわえて、その場にペタンと横座りした。そして、地面に枝を置いて、その両端を右手と左手で押さえて、枝を噛んだり舐めたり顔をこすりつけたりしながら、ヨダレをダラダラと垂らし始めた。小林君は、チンチラとニポン猫のハーフなので、トラ猫の模様なのに体毛が長くて、シッポなんか、叶姉妹かWAHAHA本舗の梅垣義明のドレスかってくらいにハデハデだ。だから、全身の毛をドレッドにしたらカッコイイと思うんだけど、そう言うワケにも行かないだろう(笑)

ハナコやカルボナーラ、ジジ兄弟の残りは来なかったけど、もう6匹も揃ったし、それぞれがマタタビの枝でトリップし始めたので、あたしは、第2段階に入ることにした。今度は、マタタビの粉を手のひらに出して、マックスから順番に舐めさせた。あたしは、使い終わったコショウのビンをきれいに洗って、マタタビの粉を入れてるので、手のひらに、ポンポンと2〜3回振って、それを猫に舐めさせる。猫の舌はザラザラしてて、顔を舐められると痛いけど、手のひらなら痛くない。それどころか、ザラザラの舌で手のひらを舐められてると、親猫に毛づくろいされてる子猫の気分が、少しだけ分かったような気がする。

全員にマタタビの粉を舐めさせたら、最後の仕上げとして、マタタビの実を干したものをあげる。マタタビの実は、正常なものはロケット型だけど、虫えい(ちゅうえい)って言って、異常発育をしたカボチャ型の変な実がある。これは、まだ、マタタビの実ができないツボミの時に、虫が卵を産みつけたことによって、正常に発育できなくて、変形しちゃった実なんだけど、これが、正常なマタタビの実よりも効き目が強い。そのため、漢方薬にする実や、マタタビ酒にする実は、ほとんど、この、虫えいによって変形したほうの実が使われるし、取り引きする時も、正常な実よりも、変形した実のほうが高価なのだ。

この、虫えいって言うのは、マタタビの実に限らず、ヨモギ、サクラ、ナラ、ケヤキ、クリ、サツキなどを始め、色んな植物に見られ、マタタビのように実だけじゃなくて、葉とか茎とか色んな場所に見られる。ヨモギの茎の一部に白い泡みたいなカタマリがついてたり、サクラの葉の一部が赤く盛り上がってたり、クリの葉に細かいブツブツができてたりするのは、全部、虫が卵を産みつけたことにより異常発育した虫えいなのだ。そして、マタタビのツボミに卵を産みつけるのは、マタタビアブラムシ、ヨモギに卵を産みつけるのは、ヨモギエボシタマバエ、と言うように、それぞれの植物に、それぞれの虫がいるのだ。

虫が卵を産みつけたなんて思うと、何だかちょっと気持ち悪いけど、本来はタネに栄養を与えて、種族保存をすることが目的の実だから、正常に発育できないと、正常なタネもできないワケで、タネができなければ、タネに行くはずの栄養や成分が余っちゃうワケで、それで、効き目の強い実になるってことらしい。

マタタビには、ビタミンCやアミノ酸なども多くふくまれてるけど、何よりの特徴は、マタタビ酸って言う主成分で、これには、精神安定の効果と、神経機能を高める効果がある。つまり、落ち着くのに興奮する、眠くなるのに目が冴えるって言う、まるで、ヘロインと覚醒剤を一緒にやったみたいなノリの成分で、特に、人間よりも猫科の動物に、その効き目は顕著なのだ。

正常なマタタビの実の、マタタビ酸の含有量を5とすると、虫えいによって異常発育したマタタビの実には、7から8くらいのマタタビ酸がふくまれている。だから、あたしの持ってるマタタビの実は、ぜんぶ虫えいの実を乾燥させたものだし、マタタビの粉も、虫えいの実を粉末にしたものだ。そのため、猫たちのトリップ具合もバツグンで、みんな、とっても気持ち良さそうだ。

マリファナの場合も、北海道などに自生してる野性のものだと、主成分のTHC(テトラヒドロカンナビノール)の含有量は大したことないけど、同じタネから発芽したものでも、プランターで育てて、茎に糸を結んで引っぱったり、日照時間を狂わせたりしてストレスを与えると、何倍ものTHCを発生するようになって、効き目も倍増する。ニポンに自生してるマリファナは、カンナビスサティーパって言う種類で、もともとTHCは少ない種なんだけど、ストレスを与えながら育てれば、本場のカンナビスインディカ種よりも、効き目の強いマリファナを作ることができる。これと同じことを虫がやってくれたのが、マタタビの虫えいなのだ。

つまり、マタタビアブラムシが卵を産みつけることによって、タネができなくなるだけじゃなくて、不必要なストレスが掛かるために、普通よりもたくさんのマタタビ酸を発生しちゃうのだ。そして、マタタビアブラムシが孵化してから食べる実の量なんか、ほんのちょっとで、虫たちはそのままどこかへ行っちゃうから、残った9割以上のマタタビ酸は、人間や猫がいただくことになるのだ。

‥‥そんなワケで、マタタビトリップを満喫する猫たちに囲まれて、あたしは、真夜中の駐車場で、タバコに火をつけた。肺の奥まで煙を深く吸い込み、限界までガマンして、ゆっくりと吐き出すと、星ひとつ見えなかった曇った夜空が、すうっとひらけて行って、ぼんやりとした夏の月が、微笑んでいるように見えた。気がつくと、やなわらばーの「変わらぬ青」を口ずさんでいた今日この頃なのだ。

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