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2005.06.14

爆弾小僧

denji1
山口県の県立光高校で、三年生の男の子が、手製の爆弾を教室に投げ込んだ事件があったけど、その爆弾は、健康ドリンクの小型のガラスビンの中に、火薬だけじゃなく、殺傷能力を高めるために、クギも入れていたそうだ。そして、ワイドショーに出てた文化人ぶったオッサンが、「そう言った爆弾の作り方がインターネットで簡単に分かるってことが問題なんだ」って言ってた。

だけど、そんなの今に始まったことじゃなくて、ずっと前から、パイプ爆弾の作り方とか、もっと破壊力のあるプラスティック爆弾の作り方とかを図解入りで説明してる本だって売られてる。ようするに、情報が手に入るかどうかが問題なんじゃなくて、たとえ、そう言った情報が手に入ったとしても、ホントに爆弾を作ったりするヤツなんかいなかったワケで、仮に、興味本位で作ってみたとしても、どっかの山の中とか原っぱとかで爆発させてみるのが普通で、人間に向けては投げないだろう。

だから、今回の事件は、爆弾の作り方を紹介してるホームページに問題があるんじゃなくて、18才にもなった人間が、何十人も生徒のいる教室の中に、平然と爆弾を投げ込めるってことに問題がある。この加害者は、爆弾を2個作ったけど、一度もテストをしていない。つまり、自分の投げた爆弾が、どの程度の破壊力を持っているものなのか、知らずに投げたってワケだ。だから、最初は2個の爆弾を投げるつもりだったのに、1個目が予想外の大爆発を起したために、恐くなって、2個目を投げずに、その場から逃げ出したのだ。

どの程度の破壊力がある爆弾なのか知らないのに、それを平気で投げるなんて、普通じゃ考えられないことだ。だって、もしかしたら、自分まで大ケガしたり、死んだりしちゃうかも知れないじゃん。廊下から教室の真ん中までなんて、わずか数メートルの距離しかないのに、そんな近距離で、クギが飛び散るように作った爆弾なんか、普通は使わないだろう‥‥なんて思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、たとえば、コショウとか、七味唐辛子とか、タバスコとかの辛さなら、あたしたちは良く知ってるから、ラーメンにコショウをかける時も、きつねそばに七味唐辛子をかける時も、ピザにタバスコをかける時も、自分のお好みで、ちょうどいい具合にかけることができる。だけど、生まれて初めて、南米のナントカ王国の「ホニャホニャ」って言う料理を食べる時に、それにかける「ペケペケ」って言う、見たことも聞いたこともない香辛料が出て来たら、最初から、コショウや七味をかけるみたいに、パラパラとかけるだろうか?

普通なら、まずはペケペケをかけずに、ホニャホニャだけを食べてみて、それから、試しに、ちょっとだけペケペケをかけてみて、どのくらいの辛さの香辛料なのかをチェキして、それで、初めて、どのくらいの量をかけるのかを決めるだろう。だって、こんなワケの分かんない南米の香辛料なんだから、もしかしたら、ほんのちょっとで、口からエクトプラズムが出て来て幽体離脱しちゃうくらい辛いかも知れないからだ。

だけど、今回の山口県の高校生は、生まれて初めて見た、得体の知れない南米の香辛料、ペケペケなのに、どれくらいの辛さなのかをぜんぜん知らないのに、一度も味見をせずに、ホニャホニャの上にドバッとかけたってワケだ。そして、ヒトクチ食べて、その、あまりの辛さに驚いて、逃げ出したってワケだ。この状況に対して、果たして、「テーブルにペケペケを置いていたお店の責任だ!」なんて言えるだろうか? 「爆弾の作り方を紹介してるホームページに問題がある」なんて言うのは、これと同じ理屈になる。

これが、幼稚園児だとしたら、そんな子供の手の届くところに、ペケペケを置いていた大人の責任になるだろう。だから、今回の爆弾事件にしたって、もしも幼稚園児が、そのホームページにアクセスして、説明通りに爆弾を作り、幼稚園で爆発させて、たくさんの死傷者を出したんだとしたら、もちろん、そのホームページにも責任が生じて来る。だけど、幼稚園児は、たとえ、そのホームページにアクセスできたとしても、漢字も読めないし、言葉も理解できないし、爆弾なんか作れるはずがない。

ようするに、そのホームページの説明を読み、実際に爆弾を作れるだけの知能を持っている人間であれば、実際に爆弾を作ったり、それを人間に対して使うってことは、決してやってはいけないことだって言う常識も兼ね備えているって言う想定のもとに、爆弾の作り方が書かれているワケだ。つまり、今回の加害者は、高校生の知能を持ちながら、幼稚園児並みの常識しか持ち合わせてなかったって言うワケで、だからこそ、どんな破壊力があるのかも分からない爆弾なのに、平気で自分の目の前に投げることができたのだ。だから、一番の問題点は、ホームページではなく、勉強以外の社会常識を教えなかった学校であり、親なのだ。

‥‥そんなワケで、今日、日本テレビの「いつみても波乱万丈」をナニゲに見てたら、「笑っていいとも!」をはじめ、色んな番組で面白い実験をやってる「米村でんじろう」がゲストだった。科学の先生だから、子供のころから勉強ができたのかと思ったら、子供のころは劣等生で、勉強もスポーツもダメな、のび太みたいな子供だったそうだ。例によって、ビミョ〜に雰囲気の似た子役や役者を使って、安上がりな再現映像を作って、それを流しながら番組は進んで行ったんだけど、小学校時代、中学校時代が過ぎ、高校時代になったところで、面白いエピソードが登場した。

高校生になったでんじろうは、相変わらず、勉強もスポーツも苦手な上に、極端な人見知りで、友達が1人もいなかった。そして、でんじろうは、学校が終わると、誰とも遊ばずに、毎日、まっすぐに帰って来て、部屋に閉じこもり、唯一の趣味だった「武器作り」に没頭していた。石オノなどの石器に始まり、弓矢や吹き矢などの飛び道具など、色んな武器を手作りして、その威力を試して、改良を加えたりするのが、でんじろうの何よりの楽しみだった。

その中でも、でんじろうが一番熱中していたのが、なんと、爆弾作りだった。大量に買い込んだ花火や爆竹などをほぐして、黒色火薬を集めて、筒や容器などに詰め、何度も実験を繰り返した。少ない火薬で大きな破壊力が得られるようにと、試行錯誤しながら、だんだんに破壊力の大きい爆弾を作って行ったのだ。当時、実験中に、小型の爆弾が、手に持った状態で爆発したことがあると言い、左手の手首にあるヤケドのアトを見せてたけど、火薬のカタマリが皮膚の中に埋まっていて、イレズミみたいになっていた。

ホントなら、番組としては、一番のツッコミどころなのに、この手製爆弾のくだりに関しては、あまりにもアッサリと流していた。番組自体は、山口県の事件よりも前に撮られてるから、最初は、この爆弾のくだりをタップリとふくんだ編集になってたはずだ。だけど、放送日の前に、山口県の事件が起こっちゃったから、たぶん、あわてて編集し直したんだろう。何しろ、高校生って言う背景も、花火や爆竹をほぐして黒色火薬を集めたって方法も、少しでも破壊力を増すために色々と工夫したって部分も、あまりにも酷似してるから、時期が時期だけに、サスガにそのままは放送できなかったと思う。

‥‥そんなワケで、山口県の事件の加害者は、いくら幼稚園児並みの社会常識しか持ってなかったとは言え、もう18才、一般的に見たら、立派な大人だ。だから、少年としてじゃなくて、成人に近い扱いで取調べが行なわれている。そして、完全に殺意があったことから、容疑を「殺人未遂」に切り替えるそうだ。そうなれば、いくら未成年でも、ホントなら、そうとう重い処罰になるはずなんだけど、また、例によって、被害者のことよりも、加害者の将来のことばかりを優先したトンチンカンな方向へと話が進み、精神的なナントカだったとか、心だの情緒だのがナントカだったとかって、余計なヤツラがシャシャリ出て来て、ありとあらゆる屁理屈をこねまくって、結局、2〜3年でシャバに戻って来られるような、シャレにもならない結果になるだろう。そして、これほどの犯罪を犯していながら、名前も公表されないし、あたしは、コイツの名前を知ってるのに、ここに書くことができない。だけど、それじゃ悔しいから、今回の日記の文中のどこかに、コイツの名前を折り込んでみた今日この頃なのだ(笑)

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