1200万ドルの男
6月5日に、リニューアルした富士スピードウェイで行なわれたFポンの第4戦は、6月6日の深夜2時半、ようするに、日付としては、2日後に放送された。それも、毎度オナジミのカットしまくり映像で、必死に起きて見てたあたしとしては、眠いやら辛いやら切ないやら悲しいやらだったんだけど、なんで1週間も前のことを書いてるのかって言うと、本編には、ゆうべのF1の第8戦、カナダGPのことを書こうと思ってるので、「皆さん、いかがお過ごしですか?」までの前置きの部分には、Fポンのことを書こうって思いついたからだ。
だから、あんまり細かくは書かないけど、予選の結果を見てなかったあたしは、スターティンググリッドを見て、大っ嫌いなマッチのチーム、KONDOのモリゾーカラーのマシンが2台、5番と6番グリッドに並んでるのを見て、ビックルを飲んだ。あんなヘナチョコチームが、こんな前のほうに並んでるなんて、何かの間違いとしか思えないからだ。あたしの大好きなロッテラーなんか、ケツから3番目だったって言うのに‥‥。
でも、レースがスタートしたら、1コーナーにダンゴで突っ込んでって、接触があって、真横からの映像だったんだけど、イン側でグリーンのマシンがジャンプしたのが見えた。山本左近かロニーか分からないけど、KONDOのマシンのどっちかだった。ザマーミロ! あとから分かったんだけど、山本左近が、PIAA NAKAJIMAのデーモン小暮と接触したらしい。それで、みんな避けようとして、グチャグチャパニックになった。何だか、この前のF1の第7戦、ヨーロッパGPの再現みたいで、ちょっとデジャブっぽかった。
それで、レースの途中から急に雨が降り出して、そのうち土砂降りになって、ストレートなんか川みたいで、教習所で習った「ハイドロブレーメンの音楽隊現象」が起こっちゃって、まっすぐに走れない状態になって、ロッテラーはお尻をフリフリしながら走ってた。それで、次々にスピンするマシンが続出して、ロッテラーも、一時はトップに立ったんだけど、結局、リタイヤしちゃった。優勝は、IMPULのトレルイエ、2位も、IMPULの本山哲で、3位には、5ZIGENの松田次生が入った今日この頃、皆さん、F1に興味がない人は、Fポンなんてぜんぜん分かんないでしょ?(笑)
‥‥そんなワケで、ゆうべのF1の第8戦、カナダGPだけど、それが、なんと、20台のマシンのうち約半数の9台がリタイヤすると言う、Fポン以上の大波乱のレースだったのだ。もちろん、そのリタイヤの理由は、がんじがらめの厳しいレギュレーションによって、コースに耐えられるだけのブレーキシステムを搭載することが許されずに、ほとんどのマシンが、ブレーキのトラブルでリタイヤしたって言う、まったくのお笑い草って言うか、吸っただけで笑える草があるんなら、少し分けてくださいって感じだ(笑)
とりあえず、例によって、スターティンググリッドだけをサラッと流しとくけど、ポールがバトン(BARホンダ)、2番がシューマッハ兄(フェラーリ)、3番がアロンソ(ルノー)、4番がフィジケラ(ルノー)、5番がモントーヤ(マクラーレン)、6番が佐藤琢磨(BARホンダ)、7番がライコネン(マクラーレン)、8番がヴィルヌーブ(ザウバー)、9番がトゥルーリ(トヨタ)、10番がシューマッハ弟(トヨタ)、11番がマッサ(ザウバー)、12番がクルサード(レッドブル)、13番がハイドフェルド(ウィリアムズ)、14番がウェバー(ウィリアムズ)、15番がアルバース(ミナルディ)、16番がクリエン(レッドブル)、17番がカーティケヤン(ジョーダン)、18番がモンテイロ(ジョーダン)、19番がフリーザッハー(ミナルディ)、そして、なんと、あたしが応援してるバリチェロ(フェラーリ)は、ピットレーンからのスタート、つまり、最後尾からのスタートだった。とりあえず、フジテレビ的には、番組のスポンサーでもあるホンダが、ポールと6番と言う好グリッドだし、タクマの6番は今季最高だから、夜中の2時だって言うのに、いつも以上の「タクマ!タクマ!」の大絶叫で、あまりのヤカマシサに、あたしは耐えられなくなり、音声を消した。
‥‥そんなワケで、無音も寂しいので、景気づけにグリーンデイをかけて、観戦した。そしたら、スタートで、なぜだかポールのバトンと2番のシューマッハ兄がぜんぜん加速しなくて、一瞬のうちに、アロンソとフィジコの2台のルノーが、両側から抜いてった。これじゃあ、何のために予選をがんばったんだか分かりゃしない。せめて、1コーナーくらいはそのままの順位で突っ込んでくれなくちゃ、あまりにもカッコ悪い。特に、シューマッハ兄は、お話にならない遅さで、マクラーレンの2台にも抜かれちゃって、先が思いやられるスタートだった。
ルノーの水色のマシン2台がトップを走る絵は、今シーズンの最初に見飽きたから、何とか赤いマシンにがんばって欲しいのに、頼みの綱のアゴ勇は、2番手からズルズルと6番手にまで後退しちゃうし、大好きなバリチェロは最後尾からのスタートだし‥‥なんて思ってたら、アゴ勇が下がったぶん、バリチェロがガンガン順位を上げて、5周目には、もう16番手にまで上がってた。何だか、バリチェロのマシンは良さそうだ。こりゃあ、イケルかも知れない。
なんて言ってたら、たった13周で、アゴ勇がピットインした。これで謎が解けたんだけど、ちょっとしかガソリンを積んでなかったから、後輪にかかる比重が軽くて、それで、路面にパワーが伝わらなくて、スタートが遅かったんだ。でも、ミッションのトラブルじゃなくて、とりあえずホッとした。
20周目を過ぎたあたりから、2ストップ作戦のマッサ、ハイドフェルド、クリエン、アロンソ、ライコネン、フィジコ、モントーヤが、次々にピットインし始めた。この間に、タクマのマシンもピットロードに入ったんだけど、給油するのかと思ったら、何だか分からないうちに、そのままガレージに入っちゃった。どっかが壊れたみたいなんだけど、良く分からない。音声をつけたら何か説明してそうだけど、タクマのリタイヤだから、必要以上にギャーギャー言ってそうだし、ホンダなんかどうでもいいから、そのまま無音で見続けた。この流れで、順位が細かく入れ替わり、40周目には、アゴ勇が4番手、バリチェロが10番手で、フェラーリは2台とも調子が良さそうだから、このまま行けば、2台ともポイント圏内でフィニッシュできるかも知れない。残りは、無理しないで、大切に大切に走って欲しい。
だけど、レースは、中盤を過ぎてから、アクシデントの連続が始まった。まず、34周目、トップを走ってたフィジコが、ブレーキのトラブルでリタイヤ。そして、39周目には、フィジコの代わりにトップに立ったアロンソが、壁に接触してリタイヤ。これで、ルノーの2台が消えた。45周目には、ハイドフェルドが、エンジンストールで煙をモクモク出してリタイヤして、47周目には、バトンが最終シケインでクラッシュ。これで、セーフティーカーが入ったんだけど、このドサクサで、トップだったモントーヤが反則をしちゃって、なんと、失格になっちゃった。でも、これらのアクシデントのオカゲで、フェラーリの2台はどんどん順位が上がり、アゴ勇は2番手、バリチェロに至っては、最後尾スタートだったのに、4番手まで上がったのだ。そして、63周目には、バリチェロの前を走るトゥルーリのブレーキが壊れて、ふっ飛んだ。これで、バリチェロは、タナボタの表彰台だ。ようするに、バリチェロの前を走るマシンが、次々に消えてってくれて、気がついたら3位になってたってワケだ。そして、タクマは、ずっとガレージで修理してたんだけど、次のレースでの出走順位を少しでも上げるために、レース後半からコースへ復帰した。それなのに、これまたブレーキのトラブルで、スピンして、リアタイヤから火を噴いた。
結局、20台中、9台のマシンがリタイヤしたんだけど、そのほとんどが、ブレーキのトラブルが原因だった。前回のヨーロッパGPでは、磨り減ったタイヤで無理して走ったために、トップを走ってたライコネンが、あと1周で優勝ってとこで、タイヤがふっ飛んでクラッシュしたし、マッサもタイヤのトレッドが剥がれちゃったし、他にも、あと少しでタイヤがふっ飛びそうなマシンが続出した。これは、高低差のあるコースだったために、他のコースよりもタイヤの磨耗が激しい上に、フラットスポットができやすいことが原因なのだ。それでも、タイヤの交換を認めないモズレー会長に言わせれば、「タイヤを減らしたくなかったら、もっとゆっくり走れ!」ってことなんだから、何を言っても無駄なのだ。
そして、今回のカナダは、高速からの急激なブレーキを多用するコースなので、現在のレギュレーションのブレーキだと、最後まで持たないケースが出て来る。それでも、モズレー会長は、「ブレーキに負担をかけたくなかったら、もっとゆっくり走れ!」って言うと思うけど、磨り減ったタイヤや効かないブレーキで走らされて、何台ものマシンがクラッシュして、一歩間違ったら大事故になってたのに、それでも、まったくレギュレーションを変更するつもりのないバカ会長って、いったい、何がやりたいんだろう?
‥‥そんなワケで、モズレー会長のワンマンぶり、バカっぷりは、今に始まったことじゃないので、ほっとくとして、とりあえずは、優勝がライコネン、2位がシューマッハ兄、3位がバリチェロと、今季初めて、フェラーリの2人が表彰台に上がり、あたしとしては、何よりも嬉しかった。何でかって言うと、バリチェロがフェラーリをドライブするのは、今季で最後になっちゃうかも知れないからだ。
BARホンダのバトンは、チームと、「第13戦のハンガリーGPが終わった時点で、ランキング首位に対して75%のポイントを獲得していなかったら、自由に移籍させる」って言う契約をしてる。簡単に言えば、ハンガリーGPが終わった時点で、トップのドライバーが100ポイントだったら、バトンは75ポイント以上を獲得してないとダメってことだ。だけど、現在トップのアロンソは、今回のカナダGPが終わった時点で、59ポイント、一方、バトンは、現在0ポイントなのだ。つまり、残り5戦をすべて優勝したとしても、50ポイントだから、アロンソが2位や3位に入れば、首位に対しての75%は、そうとう苦しい‥‥って言うか、現実問題としては、絶対に無理だろう。だから、前々から言われてるように、バトンが来季からウィリアムズへ移籍するのは、ほぼ間違いないだろう。
そうなって来ると、BARホンダが、バトンの代わりに誰と契約するかってことに注目が集まるんだけど、イタリアのスポーツ紙が、BARホンダとバリチェロとの水面下での契約の話をスッパ抜いたのだ。バリチェロ本人は、「何だよ、それ? そんな話、初耳だよ! わっはっはっはっは〜!」ってトボケてるけど、今まで、色んなドライバーに、数々の移籍の話が出るたびに、みんな同じように、シーズン中はトボケて来た。これは、現在、契約してるチームに対する配慮でもあり、契約の話は、シーズンが終わってから正式に発表するのがスジなので、このバリチェロの言葉は鵜呑みにはできない。それに、ホントにただのウワサなら、もっと怒った口調で否定するハズで、笑いながら否定するのは、心理学的に見ても、真実を隠してトボケてる場合に良く見られるパターンなのだ。さらに、このスポーツ紙には、移籍の契約金が1200万ドル(約13億円)って言うリアルな数字までが書かれていて、真実味がマンマンなのだ。
だから、もしもそんなことになったら、あたしの大好きなバリチェロは、あたしの大嫌いなBARホンダに乗ることになるワケで、あたしの大嫌いなタクマのチームメイトになるワケで、そしたら、当然、あたしは、バリチェロを応援するのをやめることになる。あたしは、あくまでも、フェラーリに乗ってるバリチェロが好きなんだから、これは、当たり前のことだ。
‥‥そんなワケで、もしかすると、バリチェロを応援できるのは今季が最後かも知れないので、今回、赤いレーシングスーツの2人が表彰台に上がったのは、あたし的には、何よりも嬉しかったのだ。その上、モナコでのセコ過ぎる走りで、バリチェロを怒らせちゃったシューマッハ兄は、バリチェロに気を使って、「今回のレースの結果は、とっても嬉しいよ。特に、最後尾からスタートしたバリチェロが3位に入ったことが、自分のことよりも嬉しいよ。」って、心にもないことを言って、ワダカマリを払拭するために必死だった。これで、何とか、2人の仲はモト通りになっただろうから、残りのシーズンも前向きに戦えるだろう。あとは、F1界の若貴兄弟とも言われてるほど仲の悪いシューマッハ兄とシューマッハ弟とのワダカマリだけだけど、こればっかりは、あまりにも根が深いから、たぶん、相撲協会が仲裁に入っても、モト通りにすることは無理だろうって思う今日この頃なのだ(笑)
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