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2005.06.23

ニポンのラムだっちゃ(笑)

CORCOR152
ビールや発泡酒、ニポン酒や焼酎、スコッチやバーボン、ワインやシャンパン、ジンやウォッカなど、お酒には色んな種類があるけど、ニポンで一番飲まれてるお酒と言えば、間違いなく、ビールや発泡酒だろう。ビールの出荷量や消費量で、良く耳にするのは、「東京ドーム何杯ぶん」なんて言う数え方で、具体性には欠けるけど、何となく、「すごくたくさん」ってイメージだけは伝わって来る。ビールに高い税金をかけられれば、酒造メーカーは発泡酒を開発する、すると、その発泡酒にまで高い税金をかけられるので、今度は、麦以外のものを原料とした新発泡酒を開発する‥‥って感じで、庶民をいじめることだけを生き甲斐にしてる、無能なサディスト総理大臣、コイズミと、各酒造メーカーとのイタチゴッコはいつまでも続いて行く。ちなみに、「イタチゴッコ」って、英語だと「ラットレース」って言うけど、これって、犬や猫がお腹をこわした時に食べさせる草、「イヌハッカ」のことを英語で「キャットニップ」って呼ぶのに似てる‥‥なんて話は置いといて、これだけ次々に政府が税金を高くするのも、これだけ次々に各酒造メーカーが対策を練るのも、それは、すべて、ビールや発泡酒が大量に消費されてるお酒だからであって、ものすごくマイナーなお酒で、消費量も少なかったら、税金も上げられないだろうし、仮に、税金を上げられたとしても、酒造メーカーは、少ないマニアのためだけに、莫大な予算をかけてまで、安いお酒を開発したりはしないだろう。

でも、「ニポンで一番飲まれてるお酒は、ビールや発泡酒」って言っても、これは、1人当りの消費量が多いからで、ビールを10本飲める人はいても、ウイスキーを10本飲める人は、なかなかいない。だから、ホントの意味で比較するんなら、アルコール度数に応じて比較すべきだと思う。ビールや発泡酒のアルコール度数は、平均して5%くらいだけど、ニポン酒やワインになると、15%前後になるし、焼酎の場合は、腰抜け野郎が飲む20度とか25度のヘナチョコ焼酎を抜かせば、たいていは35度以上はある。ウイスキー類は40度以上だし、ジンやウォッカは、もっと高いものもある。テキーラなど、70度だの90度だのって、ほとんどアルコールだけみたいなのもある今日この頃、皆さん、お国のために飲んでますか?(笑)


‥‥そんなワケで、アホらしいほど税金をかけられて、飲めば飲むほどコイズミの思うツボだって言うのに、毎年毎年、東京ドームに何杯ぶんも消費しちゃうのは、もちろん、愛国心からじゃなくて、ただ飲みたいからだ。そして、こんなにたくさんのビールや発泡酒が飲まれてる影で、ほとんど飲まれてないお酒がある。あたしが、「ラットレース」って言葉をムリヤリに登場させた時点で、「きっこの日記」の賢明なる読者諸兄は、ウスウス気づいてたと思うけど、ラットレースと言えばボブ・マーリィ、ボブ・マーリィと言えばジャメーカ、ジャメーカと言えばラムってワケで、そう、ラムなのだ。「ラムなのだ」って言うよりも、「ラムだっちゃ」って言ったほうが電撃的かも知れないけど、とにかく、「ラム」って、ニポンではあんまり飲まれていないお酒だ。

でも、ラムって、一度ハマるとズルズルと行っちゃうほど、奥が深くて、楽しいお酒なのだ。ラムは、西インド諸島のバルバドス島に住むイギリス人が、サトウキビを原料にして作ったスピリッツで、「Rumbulion(ラムバリオン)」って言う、「興奮、騒動」って意味の現地の言葉が語源になっている。ちなみに、「スピリッツ」って言うのは「蒸留酒」のことで、ジン、ウォッカ、テキーラ、ラムが、世界4大スピリッツって言われている。あたしは、この中では、ジンとラムが好きで、ウォッカとテキーラは、出されれば飲むけど、好んでは飲まない。

ついでに書いとくと、ジンの原料は、大麦麦芽、トウモロコシ、ライ麦などで、ウォッカの原料も、ジャガイモ、トウモロコシ、ライ麦、大麦などで、産地によって色々な穀物が使われてるけど、テキーラは、どこのテキーラでも、必ず、竜舌蘭(リュウゼツラン)って言う、アロエに似た植物を原料にしてる。ラムも、原料はサトウキビって決まってるので、色んな原料で色んな味があるジンやウォッカは、モータースポーツで言えばF1みたいなもんで、同じ原料で勝負してるテキーラやラムは、同じマシンで走るFポンみたいなもんだ。

‥‥そんなワケで、レゲエは、イギリス人によって、アフリカからジャメーカに連れて来られた奴隷たちがルーツだけど、ラムにも同じような歴史がある。イギリス人によって、西インド諸島に連れて来られたアフリカの奴隷たちは、サトウキビ畑で働かされ、そのサトウキビがイギリスでラムになり、そのラムがアフリカへと運ばれ、奴隷と交換される。こう言った三角貿易の歴史が、そのまま、ラムの歴史でもある。

だけど、時代は移り、いつまでも過去のことをギャーギャーわめいてるのは、中国人や韓国人ぐらいになり、グローバルな先進国の人々は、過去の過ちによって生み出された音楽やお酒であっても、それを糾弾したり封印したりするんじゃなくて、平和への道具として扱うようになって来た。それが、レゲエであり、ラムなのだ‥‥って言うか、ラムだっちゃ(笑)

さて、そんなラムだけど、あたしが良く飲むのは、ジャメーカの「レゲエラム」と、ニポンの「ルリカケス」だ。でも、レゲエラムは高いので、地元の行きつけのレゲエ屋さんに行った時に飲む程度で、お家では、もっぱらルリカケスを飲んでいる。これは、鹿児島の徳之島にある高岡醸造ってとこで作られてるラムで、900mlの他に1升瓶があるので、とってもお得だ。インターネットの酒屋さんとかを利用すると、1升瓶を1本でも買うことができるんだけど、そうすると、3000円前後になっちゃうので、あたしは、6本単位で直接注文してる‥‥って言うか、お友達の共同購入に乗せてもらってるんだけど、そうすれば、送料を入れても、1升が2000円台で買える。ラベルには、奄美大島と徳之島だけに生息してる天然記念物の鳥、ルリカケスの美しい絵が、向かい合わせに2羽、描かれていて、大地の恵みを感じさせる甘さにはイヤミが無く、ロックにして、氷を溶かしながら飲んで行くと、40度の強さも心地いい。

高岡醸造は、ルリカケスの他にも、色んなラムを作っている。ルリカケスと同じく1升瓶の「御酒(おみき)」は、50度で、1本2600円前後。あとは全部、720mlのボトルで、40度の「キングラム」が1800円ちょっと、50度の「徳州(とくしゅう)」が2000円弱、35度の「セレナーデ」が2500円弱だ。でも、これらは、あたしが共同購入してる値段なので、どこかを仲介させて単品で買うと、もっと高くなる。ちなみに、インターネットのある酒屋さんを調べてみたら、ルリカケス(1升)が3150円、御酒(1升)が3570円、徳洲(720ml)が2520円って書いてあったから、仲介屋って、右のものを左に移すだけで、ずいぶんボロ儲けをしてるみたいだ。

この中で、ルリカケスの他に、あたしが飲んだことのあるのは、キングラムと徳洲だけなんだけど、ハッキリ言って、味は、どれもほとんど変わらない。だから、ルリカケスの1升瓶を買うのが、一番お得だろう。たまに、ルリカケスを飲ませてくれるお店もあるんだけど、原価の安いお酒なのに、ただ珍しいってだけの理由で、1杯650円とか800円とか、あまりにも法外な値段をつけてるから、とてもお店じゃ飲む気になれない。

‥‥そんなワケで、ニポン産のラムでは、そのシェアを一手に引き受けてる高岡醸造だけど、他にも、ニポン産のラムがある。それが、小笠原の母島にある「小笠原ラム・リキュール株式会社」で作られている、「ボニン・アイランズ・ラム」だ。だけど、これは、15年くらい前から作られてるそうだけど、あたしは飲んだことがなくて、名前しか知らないので、何とも言えない。

ようするに、飲む人が少ないから作る人も少ないワケで、次々に新製品が売り出される発泡酒と比べると、その差は歴然としてる。だけど、そんなラムの世界に、その名の通り、確固たるスピリッツを持った女性が現れた。それが、金城祐子さんだ。「金城」って名字を見れば分かるように、沖縄の女性で、新しい国産ラムの開発に乗り出したのだ。

沖縄のお酒と言えば、何と言っても泡盛だけど、その泡盛の原料は、タイ米だ。つまり、沖縄を代表するお酒が、厳密に言えば、純国産じゃないのだ。それで、金城さんは、本当の意味での地酒を作ろうと思い立ち、沖縄のサトウキビの発祥の地である南大東島で、ラムを作り始めた。「グレイスラム」と言う株式会社を立ち上げ、試行錯誤の末、ようやく出来上がったラムは、「CORCOR(コルコル)」って言う名前のホワイトラムで、これは、産地の南大東島が、サンゴ礁が隆起してできた円形の島で、その姿が、「サンゴでできた王冠」のようなので、「CORAL CORONA」の頭文字をとったそうだ。

‥‥そんなワケで、お酒として飲むラムは、たいていが、ダークラムやゴールドラムで、透明なホワイトラムは、お酒として飲むよりも、ケーキやお菓子作りなど、料理に使うことのほうが多い。それが、何で、ホワイトラムを作ったのかって言うと、農林水産大臣賞にも耀いた国内屈指の良質のサトウキビの素材を活かすために、人工香料や化学色素を添加せず、無添加、無着色にこだわった結果、ホワイトラムに行き着いたと言うのだ。ちなみに、「CORCOR」は、今年の夏に発売される予定になってるから、もう少ししたら、手に入れることができるだろう。あたしとしては、ナジミの薄いホワイトラムなんだけど、金城祐子さんの心意気にもホレたし、「CORCOR」って言う名前もステキだし、発売されたら、絶対に飲んでみようと思う今日この頃なのだっちゃ(笑)

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