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2005.07.07

DEEP IMPACT

TKY200507040309
「ディープインパクト」って言っても、映画のことでもないし、競馬の馬のことでもなくて、NASA(米航空宇宙局)の「ディープインパクト探査計画」のことで、昨日、アメリカの独立記念日に合わせて行われたけど、大成功したみたいだ。「したみたいだ」って言うのは、これで終わったワケじゃなくて、まだ探査は続くからだ。今回の「成功」ってのは、一番難しいとされてた「子機の撃ち込み」が成功したってことで、これで、計画の9割は成功したと言えるだろう。

ぜんぜん興味の無かった人たちのために、簡単に説明しとくと、「ディープインパクト探査計画」ってのは、地球のずっと外側を回ってる「テンペル1彗星」って言う彗星の核に向けて、無人探査機から、銅でできた子機を発射して、彗星の一部を破壊して、飛び散った物質を調べるって言う計画だ。間違っても、無人契約機で悪徳金融業者からお金を借りちゃって、しつこい取立ての電話にイヤケがさして、電話の子機を壁に投げつけるって計画じゃないので、その点はご了承ください(笑)

それにしても、地球から4億3000万kmも離れてる彗星まで無人で飛んでって、ちゃんと核を狙って子機を発射して命中させるなんて、あまりにもすごすぎる。4億3000万kmって言ってもピンと来ないけど、地球から太陽までが約1億5000万kmだから、その約3倍だ。これでもピンと来ないから、もっとイメージしやすく言うと、地球1周が約4万kmだから、4億3000万kmって言うのは、地球を1万周以上もする計算になる。

NASAが、ディープインパクト号を打ち上げたのが、今年の1月13日。それから昨日まで、約半年をかけて、4億3000万kmを飛んだことになる。毎日、地球を63周ずつしたってワケだ。何がスゴイって、こんな長い距離、途中にガソリンスタンドとか無いのに、1回も燃料を入れないで飛んでったってことがスゴイと思う。メチャクチャ燃費がいいか、すっごくデカイ燃料タンクを付けてったかのどっちかなのかな?‥‥なんて思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?(笑)


‥‥そんなワケで、燃費の問題もスゴイと思うけど、あたし的には、もっとスゴイと思うことがある。それは、地球から4億3000万kmも離れたとこにあるテンペル1彗星は、そこにじっと止まってるんじゃなくて、太陽のまわりを回ってるってことだ。つまり、ディープインパクト号は、4億3000万kmも先にある上に、動いてるものに向かって飛んでって、ちゃんと到着したってワケだ。ゴルフなら、止まってるボールを打つワケだから、ブヨブヨに太ったオッサンでも簡単に打てるけど、野球の場合は、飛んでくるボールを打つワケだから、運動神経や反射神経、動体視力など、色んな能力が必要になる。とても、ブヨブヨに太ったオッサンじゃ打つことはできない。

地球は、太陽のまわりを1年で1周だけど‥‥って言うか、正しくは、太陽のまわりを1周する時間を1年って決めたワケだけど、地球のずっと外側を回ってるテンペル1彗星は、地球の時間で計算すると、太陽のまわりを5年半で1周するらしい。だから、ディープインパクト号は、今、彗星がいる場所じゃなくて、半年後に彗星がいる場所を計算して、そこに向かって飛んでったんだろう。

もちろん、NASAは、軌道とか、良く分かんないけど他にも色んなこととか、世界一の高性能のコンピューターで計算して、ちゃんと到着するようにディープインパクト号を打ち上げたんだと思うけど、それにしてもスゴイ。だって、テンペル1彗星って、直径が、たった6.5kmしかない、ちっちゃな彗星なのだ。6.5kmって言ったら、あたしが歩いても1時間半で1周できちゃう。だけど、こんな小さな彗星でも、核の内部には、太陽系ができた46億年前の物質があるので、それを調べることが、太陽系誕生の謎を解くカギになるらしい。こう言う話を聞くと、あたしは、ワクワクドキドキが止まらなくなる。

‥‥そんなワケで、たとえ、4億3000万kmも離れてても、火星とか木星とかみたいに大きな惑星だったら、何とか到着できると思うけど、4億3000万km先にある直径6.5kmの目標って言ったら、1km先の砂ひと粒のほうが遥かに大きいワケで、その上、それが動いてるんだから、そこにちゃんと到着するなんて、神ワザみたいなもんだ。それも、計画通りにアメリカの独立記念日にちゃんと到着したんだから、これまたスゴイ。

まあ、あんまりスゴイスゴイって言っててもしょうがないから、トットと先に進むけど、あたしは、NASAのホームページを良く見る。今年の3月の初めには、「World Wind」って言う、3Dの地球儀を無料でダウンロードできるサービスをしてたので、すぐにダウンロードして、色々と楽しんでる。こんなに素晴らしいものをタダでいいの?‥‥って言うか、NASAってフトッパラ!‥‥って言うか、とにかく、あまりにも楽しくて、意味もなく、毎日、見るようになった。

どんなのかって言うと、あたしが文字で説明するよりも、実際にダウンロードして見てもらったほうが100倍も早いと思うんだけど、簡単に説明すると、マウスの操作だけで、地球を自由自在に回転、拡大、縮小ができて、拡大するとヤタラとリアルなんだけど、それは、人工衛星から撮影した写真を張り合わせて作ってあるからで、ようするに、絵じゃなくて、ホントに上空から見た景色なのだ。その上、ただ眺めるだけじゃなくて、色んな地表のデータ、たとえば、経度や緯度、国境線とかはもちろんのこと、国旗とかも表示できる。

まあ、これくらいだったら、普通の地球儀と変わらないんだけど、すごいのは、最初にダウンロードした基本データに、追加データを入れてくと、どんどん高性能になってって、地球の中のニポンの中の東京の中の新宿の中の高層ビルとかまでが見えるのだ。それも、真上からだけじゃなくて、ナナメから見ることもできるので、相模湾からの富士山を眺めたりもできるのだ。もちろん、ニポンだけじゃなくて、世界中、どこでも、見ることができる。ちなみに、あたしの「World Wind」は、フルスペックにしてあるので、世界各地の気温、気圧、降水量、降雪量、海面温度などの最高値と最低値と平均値や、過去に起こった大きな洪水、台風、火山の噴火などのデータを地球儀上にカラーで表示することもできる。

4月15日に、「世界最大の浮遊物」って呼ばれてる、東京都の1.5倍もある巨大氷山、「B15A」が、南極の氷の岬に衝突した。この岬は、「ドリガルスキー氷舌(ひょうぜつ)」って言って、伊豆半島くらいの大きさがある。ようするに、伊豆半島に、東京都が衝突したみたいなもんだ。これは、地球史上最大の衝突事故って騒がれて、衛星から写した画像が公開されたけど、あたしは、どうしても現場を見てみたくなって、「World Wind」を使って現場を確認してみた。もちろん、氷山が衝突してるとこは見られないけど、ぶつかる前の氷の岬や、その周りの地形が良く分かったので、衛星からの画像と照らし合わせて、真夜中にひとりでドキドキしながら楽しんでた。

‥‥そんなワケで、ずいぶんダッフンしちゃったけど、今回の「ディープインパクト成功」のニュースを聞いて、あたしは、すぐにNASAのホームページにアクセスして、すごい画像を色々と見て、またまたコーフンしまくった。南極での地球最大の衝突事故や、遥か4億3000万kmも彼方での、彗星に子機が衝突する瞬間の画像を見てると、映画の「スターウォーズ」や「宇宙戦争」なんか、バカバカしくて、とても観る気が起こらない。そして、こんなに小さな地球の中で、石油欲しさのために人殺しを続けてるブッシュや、自分のメンツのためだけにデタラメばかり続けてるコイズミが、ホントに、虫ケラ以下に見えて来る今日この頃なのだ。

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