ダンスレッスンな日々
今日は、台風一過で、ものすごく暑くなるって言われてたんだけど、あたしは、悲しいことに、ワリときちんとしたカッコをして、電車で出かけるお仕事があった。それで、一応、夏用のタイトスカートのスーツをサックスとカーキの2種類用意しておいて、見た目にも涼しそうなサックスのスーツにした。だけど、実際に外に出てみたら、確かに気温は暑いけど、すごくカラッとしてて、ジャケットを着てても、日傘をさしてれば大丈夫だった。
それに、今日は、打ち合わせだけなので、重たい道具も無いし、電車も下り方面に向かうので、ぎゅうぎゅう詰めの上り電車とは雲泥の差で、涼しい車両に座ることができた。それで、電車が動きだして、しばらくしたら、涼しいのと、電車の揺れ方が気持ちいいのとで、眠くなっちゃって、ウトウトし始めた。でも、あたしは、どんなにウトウトしても、「半睡眠」って言う必殺ワザが使えるので、絶対に熟睡しない自信があった。このワザは、体は完全に眠ってても、耳だけが起きてて、社内アナウンスや周りの状況を耳から聞いてるってワザで、うまく説明できないけど、すごく都合良くできてるのだ。
だから、あたしは、安心して、ウトウトを楽しんでた。だけど、15分くらいウトウトしてたら、突然、電車がガコンッて揺れて、その瞬間、胸に違和感が走った。何が起こったのかは、自分の体の感覚でシッカリと分かったんだけど、ヌーブラがはがれて落ちたのだ。ヌーブラの左側がはがれて、ブラウスの中で浮いたみたいな感じになってて、右側はちゃんと貼りついてるので、微妙に右側に引っ張られるみたいな、何とも言えない感覚だ。
あたしは、この時ほど、スーツを着てて良かったと思ったことはない。ジャケットを着てたから、ほとんど見た目にはバレなくて、乗り換えの駅のお手洗いで、何とか直すことができた。これが、もしも、今の時季の薄手のお洋服だったら‥‥キャミワンピだったら‥‥そして、上りのぎゅうぎゅう詰めの電車だったら‥‥って考えたら、顔からテュポン並みの火を噴いちゃうほど恥ずかしくなる今日この頃、皆さん、暑さでヌーブラが落ちてませんか?(笑)
‥‥そんなワケで、あたしは、基本的にはキチンとしたカッコが好きなので、スーツじゃなくても、シンプルなブラウスにヒザ丈のタイトスカートってパターンが多いんだけど、ここんとこ連日の暑さで、だらしない系のお洋服が続いてた。だらしないって言っても、一般的なだらしなさじゃなくて、何て言えばいいかな? バリ島でマイタイを飲んでるみたいな?‥‥って、大っ嫌いな半疑問型で言ってみたりしつつ、とにかく、夏用のストッキングを履くのもイヤだったので、脚が出せなくて、エスニック調のロンスカや、ティアードフリルの長めのスカートに、ノースリーブのトップスを合わせるって言うパターンばっかりだった。
だから、久しぶりにスーツを着ると、何よりも脚に気合いが入る。ナマ脚にサンダルじゃなくて、やっぱり、キチンとストッキングを履いて、キチンとピンヒールのパンプスを履いて、腰掛けた時にヒザ小僧が出る丈のタイトスカートを履くと、背筋もシャキっとするし、姿勢も心構えも違って来る。
あたしは、カッコから入るタイプの人間だから、内職をする時には、「ショムニ」の制服を着ただけで何倍もハカドルし、MAXを踊る時には、衣装を着ただけで何倍も気合いが入るし、F1の観戦をする時には、レオタードを着ただけで何倍も熱が入る。そんな単純な人間なので、その日に着てるものによって、その日の性格が、若干、変わったりもする。これは、お洋服だけじゃなくて、ヘアメークや、香水や、バッグや、色んなものによって複合的に変化する。たとえば、ピシッとスーツを着て、ランコムのミラクをつけた場合と、フリフリのワンピで、サンローランのベビードールをつけた場合とでは、あたしの攻撃力は大きく変化する。一番、攻撃力が大きいのは、ピシッとモビルスーツに乗り込んだ時だけど、普段の生活の中では、「きっこ専用ザク」を使うことはメッタに無いので、これは置いとくとして、普段のお洋服だと、スーツを着てる時のあたしが、一番攻撃力がある。
たとえば、パチンコ屋さんに経済制裁をしに行った時も、フリフリのワンピの時はホドホドでカンベンしてやるけど、スーツを着てる時は、時間の許す限り徹底的に攻撃しちゃう。お友達と飲んでても、着てるお洋服によって、言葉遣いからして変わったりしちゃう。気心知れたお友達の場合は、そんなこともないんだけど、初めて会う男性が混じってたりすると、変に意識しちゃって、スーツの時は「カッコイイ女性」を気取ろうとしちゃうし、フリフリワンピの時は「カワイイ女」を演出しようとしちゃう。もちろん、相手は何とも思ってないことはジュージュー承知だけど、自然とそうなっちゃうんだから仕方ない。
でも、これは、いつもは男っぽい性格の女の子が、お正月に振袖を着たり、夏に浴衣を着たりすると、ちょっと女の子らしくなるのと同じで、女の子なら誰でもが持ってることだと思う。ただ、あたしの場合は、それが、ほんのちょっとイチジルシイってだけで、大したことはない‥‥と思う‥‥って言うか、「イチジルシイ」のに「ほんのちょっと」ってのもおかしな話だけど、所詮は、「きっこの日記」ですから(笑)
‥‥そんなワケで、夕方、地元の駅に戻って来たあたしは、「きっこぉ〜〜〜!」って言うカナキリ声に振り向くと、そこには、スーツを着たヨーコがいた。まあ、同じ地元だから、バッタリ会うのは珍しくないんだけど、偶然にも、ヨーコもスーツを着てるってことに、あたしは軽くビックルを飲みつつ、駅の裏側のバスターミナルのほうに出て、駅の下にあるスタンドバーに入った。ここのビールは、とにかく冷えてて、それに安いから、お友達とちょこっと話す時に、タマに利用する。
それで、ヨーコが言うには、会社のナンタラで、取引先のカンタラで、今日はスーツだって話で、そんなことはともかく、MAXの新曲の「ニライカナイ」についての議論に突入した。やっぱり、あたしとヨーコにとっては、あの4人のダンスをどう言うふうに2人でやるかってことが重要で、特に、「ニライカナイ」の場合は、ダンス自体はすごく簡単なんだけど、4人のフォーメーションが複雑なので、2人で4人ぶんをやるのが、なかなか難しい。初代MAXの初期のころは、あたしが玲奈ちゃん、ヨーコが美奈子でOKだったんだけど、初代MAXの中期からは、あたしが玲奈ちゃんと時々りっちゃん、ヨーコが美奈子と時々ナナさんとかにしないと、フォーメーションが完成しなくなった。
それで、今回の「ニライカナイ」は、4人がナナメに並んだり、ボックスに並んだり、前列と後列で入れ替わったりするから、あたしが玲奈ちゃん、ヨーコがりっちゃんだと途中からダメになるし、ヨーコがアキでもダメになる。あたしの玲奈ちゃんは絶対に譲れないから、ヨーコは基本的にはりっちゃんをやってもらいつつ、場合によってはナナさん、それで、あたしが、時々アキをやらないと、フォーメーションが成り立たない。
それで、ビールを飲みながら、チラシの裏に図を書いて色々と議論をしてたんだけど、結局、実際にやってみないと分からないってことになり、駅の反対側の高島屋の裏にあるカラオケ屋さんに行くことになった。でも、カラオケ屋さんで1時間半ほど練習したんだけど、イマイチ、良く分からない部分もあったので、あたしのお部屋で、Vを観て研究することになった。それで、あたしのお部屋で、とりあえずスーツを脱いで、順番にシャワーを浴びて、ラクチンな部屋着に着替えて、大量にあるサザンスターを飲みながら、Vを観た。家にあるVは、NHKの「ポップジャム」を録画したものなので、思いっきりハショられてるけど、一応はすべてのダンスのパターンも折り込まれてるし、フォーメーションもハッキリと分かるので、ダンスの練習をするにはモッテコイだ。
‥‥そんなワケで、最初は、Vを観ながら、2人でダンスの練習をしてたのもツカノマ、1時間もしないうちに、ヨーコが、「ハラ減った〜!なんか作っておくれ〜!」って言い出して、あたしは、ナスのピリカラ炒めと、ポテトサラダと、キュウリのオイキムチを作って、本格的に飲み始めちゃった。それで、サザンスターを5〜6本ずつ飲んだあと、泡盛のビンに移し変えてある業務用の焼酎に切り替えたとこまでは覚えてるんだけど、そのあとの記憶が無い。それで、次の日の明け方、ノドが痛くて痛くて目が覚めたら、あたしはソファーで寝てて、あたしに向かって扇風機が微風でついてた。それで、離れたとこに、蚊取り線香がつけてあったんだけど、その煙が、扇風機で、ぜんぶあたしのとこに流れてたのだ。テーブルの上には、「きっこ、ごちそうさま!会社があるから帰るね。カギは閉めてからドアのポストに落としとくよ。それから、カが出たから、カトリセンコーをつけといたよ。Yoko」って言う、ありがたいメモが置いてあった今日この頃なのだ。ゲホゲホ‥‥(笑)
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