フジテレビの逆襲?
ナスを3本、1cmくらいの輪切りにして、フライパンで炒めて、半分くらい火が通ったとこで、サバの味噌煮のカンヅメをあけて、汁ごとドバッと入れる。それで、お箸でサバを食べやすい大きさに崩してから、すりおろしたショウガとトウバンジャンを加えて、ひと煮立ちさせれば、「ナスとサバのピリカラ味噌炒め」の出来上がりだ。ちなみに、ナスの代わりに、ゴーヤーを使っても、すごく美味しい。
そして、一番大きいグラスに、焼酎のロックを作って、テレビの前に座ったら、ちょうど、F1の第13戦、ハンガリーGPが始まった。今回は、シューマッハ兄が、予選でブッチギリの19秒台を出して、今シーズン初のポールだったので、あたしは、シューマッハ兄は嫌いだけど、今回もバリチェロのマシンにはあんまり期待できない状況だったので、この際、フェラーリチームのために、アゴ勇を応援すっか‥‥なんて思ってたら、スタート直後の1コーナーのツッコミで、多重クラッシュが発生した。
1コーナーでの多重クラッシュは、そんなに珍しいことじゃないけど、みんなブレーキをかけてる場所だから、そんなに大きな事故にはならない。だけど、今回は、クリエン(レッドブル)の右サイドに、ヴィルヌーブ(ザウバー)が、あまりにもムチャな角度で突っ込んだので、クリエンのマシンが空中にハデにふっ飛んで、一度、仰向けに落ちてから、もう半回転して元に戻った。ロールバーが無かったら、クリエンは首の骨を折ってただろう。車高の低いフォーミュラーマシンは、左右にグルグル回るスピンは多いけど、上下にグルグル回ることはメッタに無いから、あたしは、ちょっとコーフンした。
それで、このハデなクラッシュのオカゲで、あんまり目立たなかったけど、アロンソ(ルノー)は、イン側でフロントウイングを破損してたし、真ん中あたりでは、バリチェロもブレーキが間に合わなくて、シューマッハ弟(トヨタ)のマシンをコンコンと突っついてたのが可愛いかった今日この頃、皆さん、「きっこの日記」の影響で、F1を観るようになりましたか?(笑)
‥‥そんなワケで、7月29日に24才の誕生日を迎え、F1史上、最年少のチャンピオンへの道が見えて来て、最近、リトル調子に乗っちゃってるアロンソは、破損したフロントウイングをブラブラさせながら走ってて、ピットの手前の12コーナーあたりで、そのウイングを落とした。そして、アロンソは、ピットで新しいウイングをつけてもらって、ナニゴトも無かったかのようにコースに復帰したんだけど、その、アロンソの落としたウイングをよけ切れずに、巻き込んじゃったのが、ナナナナナント! またまたレッドブルのクルサードだった! クルサードのマシンは、右のフロントタイヤをふっ飛ばしながら、そのまま右のウォールに突っ込んだ!
結局、レースが始まって、たった5分で、レッドブルの2台は消えちゃったワケで‥‥レッドブルのホーナー代表はブチ切れちゃったワケで‥‥ハンガリーの夏は富良野の夏よりも暑かったワケで‥‥ってことで、昔から「きっこの日記」を読んでる人は、あたしの多用する「‥‥そんなワケで」ってのが、「北の国から」の純のセリフから来てるってことは知ってると思うけど、最近、読み始めた人たちのために、こんな説明もはさみつつ、日記は先へと進んで行く。
さて、あまりにも情けないコスワースのエンジンに見切りをつけ、来シーズンからの2年間、ついに、念願だったフェラーリのエンジンを提供されることになったレッドブル・レーシングチームは、大幅にレギュレーションが変更になる来シーズンからの最注目チームだ‥‥なんて思ってるのは、たぶん、あたしくらいだと思うけど、とにかく、あたしは、来シーズンは、今シーズンが終わった時点でのバリチェロの動向に注目して、バリチェロがフェラーリに残るにしても、他のチームに移籍するにしても、ドライバーとしてはバリチェロ、チームとしてはフェラーリ、そして、大穴としてはレッドブルを要チェキして行こうと思う。
‥‥そんなワケで、レースのほうは、なかなか面白い展開だったんだけど、何よりも素晴らしかったのは、ハンガリーのテレビ局の提供してた国際映像だった。今回のレースは、基本的に、ライコネン(マクラーレン)、シューマッハ兄(フェラーリ)、トゥルーリ(トヨタ)、シューマッハ弟(トヨタ)あたりの先頭集団のバトルと、バリチェロ(フェラーリ)を中心とした下位グループのバトルと、真ん中を走るその他大勢って言う3ブロックに分かれた展開だった。
それで、先頭集団のほうは、ドライバーのバトルじゃなくて、チームの作戦によるバトルだった。つまり、今回のハンガロリンクってサーキットは、抜くポイントの少ないショートコースなので、マシン同士が闘って抜いたり抜かれたりするんじゃなくて、どこでピットに入れて、どのくらい燃料を積むかって言うチームの作戦が勝敗を分けるのだ。ようするに、相手のマシンがピットインしてる時に前に出ちゃえば、あとは抜かれることが無くなるってワケだ。だから、満タンにしたら9秒かかるピットインを半分の燃料補給で5秒で済ませたり、最初の作戦よりも早めにピットインさせたりと、チーム同士の頭脳戦が繰り広げられて、このあたりに注目して観てると、チェスや将棋の名勝負を観てるような楽しさがある。
そして、今回の国際映像の素晴らしかった点は、こう言ったチーム同士の作戦上のバトルを余すところなく伝えてた上に、下位グループのバトルもシッカリと放送してた点だ。唯一のケアレスミスは、ピット作業のタイムが表示されなかったケースが何度かあった点だけど、他の映像が素晴らしかったから、このくらいは大目に見てやろう。
とにかく、去年のニポンGPの時のフジテレビの映像は、「F1史上、最低最悪の国際映像」と言われ、全世界のモータースポーツファンからブーイングの嵐が巻き起こった。そして、それどころか、鈴鹿サーキットに取材に来ていた海外のプレスたちが、あまりの映像のヒドサに暴動を起こし、フジテレビのブースへと詰め寄ったほどだった。
何しろ、コースのあちこちで素晴らしいバトルが繰り広げられていたってのに、フジテレビは、それらの映像をほとんど映さずに、すべての放送時間の半分以上は、ただグルグルと走ってる佐藤琢磨だけを映し続けてたんだから、世界中からブーイングを受けるのは当然だった。バリチェロが接触したシーンだって、まったく放送せずに、その時も、ただダラダラと単独で走ってる佐藤琢磨のマシンを前から、横から、後ろから、上からと、視点を変えて映し続けてただけで、まるで、佐藤琢磨のプロモーションビデオを見せられてるようだった。その上、番組の放送中、最初から最後まで、「タクマ!タクマ!ニッポンのタクマ!がんばれタクマ!行け行けタクマ!」って、実況のアナウンサーは、レースなんか関係無く、ずっと絶叫してるだけだった。
モータースポーツの映像ってのは、それぞれの開催国で、放送権を持ってるテレビ局が一任される。そして、そのテレビ局が映した映像が、国際映像として、全世界に配信される。だから、レース展開を無視して、自国のドライバーだけを映し続けたフジテレビの恥ずかしい映像は、そのまま全世界に配信され、世界中からバッシングされたのだ。あたしは、この時、ニポンのモータースポーツファンのひとりとして、世界中の人たちに申し訳ない気持ちになったとともに、厚顔無恥なフジテレビのスポーツ部に対して、心の底からムカツイタのだ。
ニポンのテレビ局が、これほどの大罪を犯した以上、ニポン人のあたしとしては、よほどのことが無い限り、他国の映像に対しては、文句なんか言える立場じゃない。でも、どう考えても、フジテレビよりもモータースポーツに対する認識の低いテレビ局なんか、絶対にあるワケないから、文句を言うことも無いと思うんだけど。
‥‥そんなワケで、結局、ハンガリーのテレビ局の素晴らしい国際映像のオカゲで、あたしは、予想以上にレースを楽しむことができて、すごく嬉しかった。結果は、ライコネンが優勝、シューマッハ兄が2位、シューマッハ弟が3位で、それなりにドラマがあった‥‥と、ここまでは良かったのに、このあと、フジテレビが、またまたまたまた最低最悪なことをやってくれたのだ!
楽しかったハンガリーGPが終わり、30分後からは、Fポンの第6戦が始まるので、あたしは、焼酎のおかわりを用意して、そのままフジテレビを見てた。そしたら、深夜のスポーツニュースが始まった。それで、ナニゲなく見てたら、今のハンガリーGPの結果を伝えてて、最初の多重クラッシュのシーンと、最後のゴールシーンを映して、順位を発表した。その次は、ゴルフのナントカ大会のニュースで、宮里藍が映ってた。そして、その次のニュースを見たあたしは、自分の目と耳を疑ったのだ。テレビには、疾走する赤と白のインパルのマシン、そして、表彰台でバンザイをする井出らっきょの姿が映り、ニュースキャスターは、こう伝えた。
「今日、MINEサーキットで行われたフォーミュラーニッポンの第6戦は、モバイルキャスト・インパルの井出有治が優勝しました。2位には〜」
おいおいおいおいおーーーーーーーーい! フジテレビ!
これから放送するレースの結果を何で先に言っちゃうんだよ!
あたしは、大ゲサじゃなく、全身の力が抜けた。寝不足で、クタクタに疲れてて、それでも大好きなレースを観たいから、夜中の2時半までがんばって起きてたのに、さあ、いよいよレースが始まるぞって瞬間に、先に結果を放送するフジテレビ。楽しみにしてた推理小説を読み始めたら、1ページ目に犯人の名前が書いてあったようなもんだ。あたしは、F1やFポンの放送がある日は、絶対にインターネットのスポーツ速報とかを見ないようにして、結果を目にしないように気をつけてる。それなのに、なんじゃこりゃ!?
F1が終わって、Fポンが始まるまでの30分間、あたしが他のチャンネルに替えたとして、そこでのスポーツニュースで、これから始まるFポンの結果を知っちゃったんなら、あたしの責任だ。だけど、あたしは、ずっとフジテレビを見てたのだ。そして、フジテレビは、これから放送するレースの結果をその直前のスポーツニュースで、シッカリと伝えてくれたのだ。これは、深夜まで眠い目をこすって起きてる全国のモータースポーツファンに対する、フジテレビの宣戦布告なんだろうか? それとも、あたしに対する菊間アナの個人的な嫌がらせなんだろうか?(笑)
‥‥そんなワケで、あたしは、もちろん、明け方までFポンを観たんだけど、すごくいいレース内容だっただけに、あまりにも配慮の欠けたフジテレビの放送姿勢に対して、レッドブルのホーナー代表以上にブチ切れちゃったワケで‥‥3周目にクラッシュした野田英樹(MOHN)がデーモン小暮(PIAA NAKAJIMA)のことをドツイてたけど、それ以上にムカツイちゃったワケで‥‥フジテレビの船木正也スポーツ部長にソッコーで文句を言ったワケで‥‥だけど、あたしだってバレないように、TBSのスタッフに頼んで電話してもらったワケな今日この頃なのだ(笑)
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