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2005.08.28

いっぱい泣いて、いっぱい笑って

buena
今夜は、9時から「猫の恩返し」があるから、すごく楽しみにしてた。オマケに、あたしは、この映画を観ると泣きまくるので、ドライアイもラクになるし、一石二鳥で言うこと無しだ。それで、今日は、ずっと自宅でお仕事してたので、早めに切り上げて、夜の7時ころからオツマミを作り始めた。もちろん、オツマミを作るのに2時間も掛かるワケはなく、早めに作っておいて、あとは映画が始まるまで、ゆっくりとお風呂に入るって作戦だ。

とにかく、浦安鉄筋家族よりも恐ろしい台風一家‥‥じゃなくて、台風一過のオカゲで、今日の東京は35度の猛暑になって、自宅でお仕事をしてたあたしは、まるで温室の中にいるみたいだった。窓を全開にしても、風はぜんぜん入って来なくて、入って来たのはアブラゼミだけだった。ジージージージーと鳴きながらお部屋の中を飛び回るアブラゼミは、まるで若槻千夏のようで、暑苦しさが倍増した。オマケに、子供のころは昆虫がオヤツ代わりだったと言って、アブラゼミのカラアゲを美味しそうにカリカリと食べてた若槻千夏を思い出しちゃって、暑苦しい上に気持ち悪くなった。アブラゼミを食べ終わったあとに、歯の隙間からセミの脚を1本飛び出させたまま、ニカッと笑って「ごちそうさまぁ〜!」って言った若槻千夏の笑顔は、今でもあたしのトラウマになってる。

なんてことも言いつつ、あたし的には、月末なもんで、お金はいつも以上に無いんだけど、サイワイにも食材は色んなイタダキモノがあるので、ワリと充実してる冷蔵庫&フリーザーって感じで、組み合わせ次第、アイデア次第で、オカズもオツマミも色々と作れる。だから、今日はお昼にキャベツとチクワ入りの金ちゃんラーメンを食べただけだったので、「猫の恩返し」を観ながら食べるのは、オツマミって言うだけじゃなく、ゴハンとしてのウエイトもザ・バンドってことにして、いっぱい作ってパクパク食べることにした今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、夜になって少し涼しくなって来て、食欲も出て来たし、若槻千夏の幻影にも悩まされることもなくなったので、あたしは、オツマミ作りを開始した。でも、いくら涼しくなったとはイエ〜〜〜イ!‥‥じゃなくて、いくら涼しくなったとは言え、両隣りのお部屋の人たちはエアコンをつけてるような気温だから、キッチンで火を使ってると、じわじわと汗が出て来る。だから、トットと作ってサッサとお風呂に入ろうと思った。

まず、フリーザーからサーモンの切り身を出して、レンジで解凍しながら、ジャガイモの皮むきをした。ジャガイモは、固めの食感を楽しみたいから、2cm角のスティック状に切って、下茹でしないでフライパンで炒める。解凍したサーモンは4cm角くらいの食べやすい大きさにスライスして、軽く塩コショウをしておく。ジャガイモをフライパンの片側に寄せて、空いたスペースにオリーブオイルを足して、そこに小麦粉をはたいたサーモンを並べて焼く。サーモンを裏返したら、バターを1カケ入れて、ニンニク1粒をスライスして入れて、ガーリックバターの香りがサーモンにもジャガイモにも行き渡るようにフライパンを回して行く。お箸とかで掻き回すと、サーモンが崩れちゃうので、できるだけフライパンだけの動きで混ぜ合わせて行く。最後に味見をしながら塩コショウを足して、お皿に盛りつけてからパセリをパラパラと振りかければ出来上がり。パセリは、小分けしてフリーザーで凍らせてあるから、手で揉むだけですぐに使える。

続いては、これが一番暑くてつらかったんだけど、焼きナスを作った。作ったって言っても、ただ網でナスを焼くだけなんだけど、丸ごとのナスを網に乗せて、焦がさないように、つきっきりで回転させてなきゃなんないし、ワリと時間が掛かるから、すごく暑かった。中くらいのナスを2本焼いて、焼きあがったらすぐに冷たいお水に入れて、お水の中で皮を剥いて行く。そして、ヘタの部分を残したまま、タテ4つに切って、お皿に乗せて、ラップをして冷蔵庫で冷やしておく。これで、食べる時にショウガ醤油をかける。

あとは、輪切りにしたキュウリとカニカマをマヨネーズとラー油で和えたのと、オクラを刻んでオカカとお醤油をかけたのと、冷ヤッコの上にオカカとミョウガをたっぷり乗せたのを作って、ぜんぶ冷蔵庫に入れた。良く考えると、どれも素材を切っただけで、とてもお料理とは言えないんだけど、とにかく、サーモンと焼きナスを作っただけで、あたしの体力はMAXだったので、もう火は使いたくなかったし、とにかく暑くなって来たので、冷たいものを食べたかったのだ。

‥‥そんなワケで、30分ほどですべての準備が終わったので、あたしはお風呂に入った。「猫の恩返し」に向けて気分を落ち着かせるために、クールバスクリンを入れて、ゆっくりとお湯に浸かった。サスガに、1時間半もお風呂に入ってると、最初に洗った髪は乾き始めてるから、お風呂から出てからがちょっとラクになる。お風呂上りに、パパッとお肌のお手入れをして、テーブルにオツマミを並べて、映画が始まる5分前に、バッチリ準備完了!‥‥で、テレビをつけてみたら、ちゃんとキレイに映ってたので、あたしはホッとした。実は、昨日の台風で、マンションの屋上の共同アンテナの向きがおかしくなったみたいで、テレビの映りが少し悪くなってたのだ。それで、管理人さんには伝えておいたんだけど、すぐに直してくれたみたいだ。

映画は、最初にジブリのオマケ映像みたいなのを流してたので、あたしは、フリーザーでキンキンに冷やしておいた「その他の雑酒」をゴクゴクと飲みながら、食べるほうのウエイトをザ・バンドしながら、のんびりと観てた。サーモンが思ったよりも美味しく出来てて、冷めててもガーリックバターの香りが良く出てて、すごくお酒に合った。そして、やっと「猫の恩返し」が始まった。

余談だけど、あたしは、フジテレビの「あいのり」の主題歌になってた I WISHの「明日への扉」を聴くたびに、「猫の恩返し」の主題歌、つじあやのの「風になる」を思い出す。この映画は2002年の公開で、I WISHの「明日への扉」は2003年のリリースだから、I WISHのほうがパクッたことになるけど、ここまでソックリだと、もはや「替え歌」と言ったほうがいいだろう。まあ、盗作が騒がれる前に、I WISHはトットと解散しちゃったから、もうツッコム人もいないと思うけど、最近は、大塚愛やオレンジレンジをはじめとして、「盗作」って言う意識すら持たずに、平然と他人の楽曲とソックリのものを自作としてリリースする恥知らずがたくさんいるので、頭蓋骨をパカッと開けて、脳みそのシワの数を数えてみたくなる。だって、何十曲もリリースしたうちの1曲が、たまたま誰かの曲に似てたって言うんなら、それは偶然かも知れないけど、大塚愛やオレンジレンジみたいに、出す曲、出す曲、すべてが誰かの曲にソックリだと、もはや確信犯としか思えないからだ。

‥‥そんなワケで、「猫の恩返し」が始まったワケだけど、あたしは、最初のとこの、ハルが猫の王子様を助けるシーンで、1回目の大泣きをすることが分かってたので、もう、焼酎のロックを用意してた。それも、何度もキッチンへ作りに行くのがイヤだったので、家中で一番大きな花瓶みたいなグラスに、巨大な氷を入れて、焼酎をドボドボと入れて、片手じゃ重くて持てないような焼酎のロックを用意してた。それで、それをチビチビと飲みながら映画鑑賞をしようと思ってたんだけど、何度か飲んだら、もう重たくて持つのが無理になって来たので、結局、目の前にドカンと置いて、ストローでチューチュー飲む作戦にした。誰かに見られたら恥ずかしい光景だけど、こんなことができるのも、ひとり暮らしのキラクなとこだ。それに、少し氷が溶けて来たら、ストローで掻き回すこともできるし、なかなか便利な作戦だ。

それで、あたしは、最初から泣く気で観始めたもんだから、要所要所で大泣きしたり、笑うポイントでは大笑いしたりしながら、「猫の恩返し」を楽しんだ。「猫の恩返し」は、「耳をすませば」の姉妹作品だけど、あたしは、「耳をすませば」の重さや青臭さが苦手だ。ああ言う感覚って、誰でもが通過して来る感覚だってことは理解できるけど、あんなふうに描かれると、重くて重くて息苦しくなって来る。それに比べて、「猫の恩返し」のハルの明るさ、アッケラカンとした性格は、観る者の心を救ってくれる。それに、色んなとこに散りばめられてる小さなギャグが、ホントに良く猫を観察、研究して作られてるから、「そうそう!」「あるある!」って感じで大笑いできる。これほど、涙と笑いのバランスが良く作られてるアニメ映画は珍しい。

「ドラえもん」に代表されるような劇場用のアニメは、通常のテレビ放送とは一線を画すために、ものすごく感動するように作られてる。「クレヨンしんちゃん」にしても「ちびまる子ちゃん」にしても、劇場用になると、ギャグも満載だけど、それを超えた感動がある。だけど、最近では、「感動」にマヒしてる観客のレベルに合わせてるのか、どんどんエスカレートして来ちゃって、まるで「感動」の押し売りをされてるみたいで、あたしは、ちょっと食傷気味だった。

‥‥そんなワケで、「猫の恩返し」の場合は、感動の押し売りをしないで、あくまでも「楽しませる」ってことを前提に作られてるアニメ映画だから、構えずに観ることができた。だからこそ、いっぱい泣いてドライアイがラクになったし、いっぱい笑ってストレスを発散できたし、心からリラックスして楽しむことができた。すぐに、感動だの芸術性だのって言う身分不相応な高みを目指そうとする昨今の映画や音楽だけど、映画や音楽は「娯楽」なんだから、監督が覚醒剤をやらなきゃ制作できないような「空中庭園」みたいな映画ばかりじゃなくて、「猫の恩返し」や「釣りバカ日誌」みたいに、もっとエンターテインメントの王道を行く作品が増えてくれたらなって思う今日この頃なのだ。

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