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2005.08.07

必要の無い男

37sato
F1は、前回のハンガリーGPが終わってから、今度のトルコGPまでの間の約20日間が、短い夏休みになる。とは言っても、それぞれのチームには色々とやることがあり、のんびり骨休めができるのは、シューマッハ様のような一部のトップドライバーだけだけど、そんな貴重な夏休みに、あたし的には、大きなニュースがあった。それは、8月2日付けのフェラーリ・チームの公式発表、「今シーズンいっぱいでのバリチェロの離脱」だ。バリチェロがフェラーリを離れる噂は、ずっと前からあったし、それどころか、BARホンダとの水面下での契約の話もあちこちのタブロイド紙に書かれてたから、あたしは、ある程度は覚悟しつつも、バリチェロ本人がトボケてたから、ほんのちょっとだけはフェラーリに残るって期待も失ってなかった。

それで、あたしは、正式な発表があるのはシーズンオフだと思ってたから、とりあえず今シーズンは、ノンキにバリチェロを応援してればいいやって思ってた。そしたら、シーズン半ばでの突然の離脱発表。まあ、これには、複雑な裏の事情があるんだけど、とにかく、今回のフェラーリ・チームの公式発表は、「今シーズン限りでバリチェロが離脱」することと、バリチェロの代わりに加入するのが、「現ザウバーのマッサ」ってことだけだった。つまり、バリチェロが、来シーズンからどこのマシンに乗るのかは、公式には発表されなかった。

だけど、次に乗るマシンも決まってないのに、長年、チームのために尽くして来たバリチェロをフェラーリが手放すハズはないから、チマタで囁かれてる「BARホンダとの2年契約」って噂は、もう間違いないだろう。そうなると、何が気の毒って、今シーズン限りで乗るマシンが無くなる佐藤琢磨だ。タクマとBARホンダとの契約も切れるし、何よりも、確実にポイントを獲得できるドライバーが欲しいBARホンダのニック・フライ代表が、前回のハンガリーGPで8位に入り、ようやく1ポイントを獲得できたタクマと、大ベテランのバリチェロのどっちを選ぶかなんて、火を見るよりも明らかな今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、世の中では、とうとうコイズミが発狂しちゃって、「解散だぁ〜!」「死んでやるぅ〜!」って大騒ぎしてるみたいだけど、あたしにとっては、そんなクダラナイことなんかどうでもいい。解散、大いに結構、総選挙、大いに結構。どうせ、また、選挙にも行かない無責任な国民たちのセイで、代わりばえのしないアホ内閣が誕生するんだろうけど、どんなアホ内閣だとしても、今よりはマシになるだろう。だから、そんなことよりも、あたしにとっては、バリチェロの移籍問題のほうが百万倍も重要なのだ。ようするに、コイズミの代わりなんか、犬でも猫でもミミズでもミジンコでも光合堀菌でもアホの坂田でもできるけど、バリチェロと同じ熱い走りができる天才ドライバーは、どこにもいないってことだ。

さて、今回の移籍問題で、揺れに揺れてるのは、何と言っても、BARホンダだ。もともと、何でBARホンダが、水面下でバリチェロに接触したのかって言うと、ファーストドライバーのバトンが、ウィリアムズへ移籍しようとしてたからだ。つまり、バトンがいなくなったあとに、タクマをファーストドライバーへと昇格させ、サードドライバーのデビッドソンをセカンドドライバーに繰り上げるってのは、あまりにも無謀‥‥って言うか、正直に言って、来シーズンを捨てるようなものだからだ。今までのレースを見て来たら、タクマがセカンドドライバーの実力すら無いことは明白だし、あたしから見たら、サードドライバーのデビッドソンのほうが、確実に、速いし巧いしセンスがいい。

だから、バトンがウィリアムズへ移籍しちゃうんなら、バトンに代わる優秀なドライバーをどこからか引き抜かないと、BARホンダに未来は無いってワケだ。それで、BARホンダは、あくまでも、バトンの代わりとして、バリチェロと接触した。だけど、バリチェロとの契約の話が決まったと思ったら、今度は、バトンがウィリアムズへの移籍を白紙に戻しちゃって、BARホンダに残留する意思を明らかにした。これは、色んな細かい問題があるんだけど、1番の問題は、ウィリアムズが来シーズンのエンジンもまだ決まってなくて、そんなチームへの移籍に、バトンが不安を抱いたからだ。でも、バトンは、ウィリアムズから、すでに10億円以上とも言われる契約金を受け取っていて、その他の条件も、ウィリアムズ側に有利な状況になってる。ウィリアムズ側は、「我々はバトンと拘束力のある正式な契約を結んでいる」って主張して、絶対にバトンをBARホンダに譲らない姿勢を見せている。だけど、この契約ってのは、ウィリアムズの以前のマネージメントチームとのもので、今は新しいマネージメントチームに代わってるので、バトンとしては、そこが突っつきどころなのだ。そして、BARホンダ側としては、これは、バトン個人とウィリアムズとの契約上の問題なので、表面上は口を出すことができない。

だけど、どうしても、バリチェロとバトンのコンビで来シーズンの優勝を狙いたいBARホンダとしては、なんと、「サードドライバーのデビッドソン+現金」をウィリアムズに差し出す代わりに、バトンを返してくれって言う、まるで、ニポンの腐り切ったプロ野球界みたいなことを言い出したのだ。もちろん、これは、完全に秘密裏に行なわれた取り引きなので、公には「噂」の域を出てないけど、複数の情報筋が伝えてるから、ほぼ間違いだろう。だけど、ウィリアムズは、バトンを譲る気はまったく無く、この、それなりにオイシイ申し出を突っぱねたのだ。あたしが、ウィリアムズのオーナーだったら、先の見えてるバトンなんかよりも、「実力のあるデビッドソン+現金」のほうを選ぶけどなあ‥‥。

‥‥そんなワケで、タクマが来シーズンもBARホンダに‥‥って言うか、F1のマシンに乗れるかどうかは、バトンの移籍問題の結果に掛かっている。バトンがウィリアムズに取られれば、BARホンダは、バリチェロとタクマのコンビってことになるし、バトンが残留できれば、タクマの乗るマシンは無くなるってことだ。ちなみに、タクマの奥さんは、今、妊娠5ヶ月で、今年の12月には赤ちゃんが生まれる。パパになるタクマにとって、このままBARホンダに残れるか、それともリストラされちゃうのかは、すごく大きな問題だろう。だけど、バトンがウィリアムズに移籍すれば、今まで通り、何の問題も無く、タクマにBARホンダのセカンドドライバーのシートが与えられるってワケじゃない。BARホンダのニック・フライ代表は、「我々は、確実にポイントを獲得できる2人のドライバーを必要としている。これは、チームがチャンピオンシップを戦う上での必要不可欠な条件だ。今回のレース(ハンガリーGP)では、タクマはそれなりの仕事をしたけど、彼が来シーズンもBARホンダのドライバーの1人でいるためには、今シーズンの残りのレースで、きちんと結果を出す必要がある。」って言ってる。つまり、バトンが移籍した上に、タクマ自身の残りの6戦の結果が良くなければ、来シーズンはタクマを使わない、つまり、今シーズンで契約を打ち切るって言ってるのだ。

バトンやタクマのファンには申し訳ないけど、あたし的には、バリチェロとデビッドソンのコンビが走ってくれることになったら、何よりも嬉しいし、そう言うことになれば、バリチェロ個人を応援するんじゃなくて、嫌いなBARホンダを無理に好きになるように努力するつもりだ。だけど、カンジンのデビッドソンが、BARホンダにいる限り、自分よりもヘタクソなタクマの下に置かれてて、ぜんぜんレースに出られないことにずっと不満を持ってるし、その上、今回、バトンを取り戻すためのカードとして使われちゃったもんだから、BARホンダを出る気がマンマンだ。それに、ニック・フライ代表も、「デビッドソンは豊富な経験を持っているし、彼自身はとにかくレースに出ることを願ってる。だから、彼が、BARホンダを離れて、よりレースに出られるチャンスのあるチームへ移るのなら、私は止めたりしない。」って言ってる。

‥‥そんなワケで、結局、何が一番いけないのかって言えば、ホンダなのだ。ホンダが、BARホンダの半分の株を持ってることを悪用して、実力のともなってないニポン人ドライバーなんかをムリヤリに起用させてるから、こんな問題が起こるのだ。ホンダは、黙って技術だけ提供してればいいワケで、ホントに勝ちたいんなら、ちゃんとした実力のあるドライバーと契約すべきだろう。今シーズンだって、タクマをサードドライバーに下げて、デビッドソンを走らせてれば、いくらなんでも、13戦目にして、ようやく1ポイントだなんて言う情けない結果だけは避けられハズだ。もちろん、今シーズンは、BARホンダにとっては、モズレー会長の嫌がらせとか、色んなアクシデントがあったけど、それにしても、あれほどのマシンを与えられていて、ミナルディのアルバースやレッドブルのクリエンよりもポイントが下、挙句の果てには、たった1レースしか参戦してないデラロサよりもポイントが下だなんて、あまりにもお粗末すぎる。とにかく、ここまで結果が出せないんじゃ、K1の「アケボノ」、M1の「千鳥」と一緒に、F1の「タクマ」も、そろそろ引退して欲しいと思う今日この頃なのだ(笑)

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