ビーチパーリー
ちょっと前のことなんだけど、8月22日の月曜日の「笑っていいとも!」で‥‥って、言っても思い出せるワケがないだろうから、「テレフォンショッキング」にゴスペラーズの村上てつやが出た日‥‥って、言えば、見てた人は思い出すかも知れないけど、とにかく、その日の「いいとも!」の中の「バラバラチョイス」のコーナーでのことだ。一応、見たことない人のために説明しとくと、「バラバラチョイス」ってのは、たとえばお題が「山」だったら、回答者全員が「山」の付く単語を考えて、「山登り」とか「山小屋」とか「山猫」みたいな感じでフリップに書く。ただし、他の回答者とカブらないように考える。それで、全員が別々の答えだったらOKってゲームだ。
そして、この日のお題は「ビーチ」だったんだけど、結果から言うと、タモリは「ビーチボーイズ」、「甘〜い」とか言うネタがちっとも面白くないスピードワゴンは、安達祐実と「できちゃった結婚」が近い井戸田が「ビーチマット」、合コンでお持ち帰りのヤリマクリの小沢が「ビーチタイム」、いつ弁護士活動をしてるんだか分からない橋下徹は「ビーチボール」、この日の明け方まで彼女とニャンニャンしてて寝不足でキゲンの悪かった香取慎吾は「ビーチク」って言うくだらない下ネタ、勝俣州和と坂下千里子は「ビーチフラッグ」でカブッちゃってNG、そして、ガレッジセールの川ちゃんは「ビーチパーティー」って答えだった。
それで、この川ちゃんの答えが出た時に、みんなから「え〜?」って声が巻き起った。香取とか千里子とかが「そんな言葉、聞いたことないよ!」「勝手に作ったでしょ?」みたいな感じで、ブーイングが起こったのだ。そうしたら、川ちゃんのほうも、「え?」って感じになって、「なんでみんなビーチパーティーを知らないの?ビーチに集まって、バーベキューしたり踊ったりするビーチパーティーだよ〜」って言ったんだけど、勝俣がいつものデカイ声で、「そんなのがいいんなら何パーティーだってアリになっちゃうだろ!」とかって怒鳴って、他の回答者も誰も知らない感じだし、会場もみんな知らない感じで、その場の雰囲気としては、「川ちゃんがテキトーに作った言葉」ってイメージで番組は流れて行った今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?(笑)
‥‥そんなワケで、細木数子が自信マンマンに「絶対に金メダルは取れない!」って断言したのにも関わらず、アッサリと金メダルを取っちゃって、細木数子の占いがインチキだってことを改めてニポン中に証明してくれたのがヤワラちゃんなら、そのヤワラちゃんを妊娠させると言う誰にもマネできない暴挙‥‥じゃなくて、博愛主義の精神でニポン中を感動させてくれたのが谷選手だけど、その谷選手にソックリなことでオナジミなのが、ガレッジセールの川ちゃんだ。
まあ、今さら川ちゃんの説明はいいとして、あたしは、この「ビーチパーティー」って言葉を聞いた時、すぐに、大好きなレゲエシンガー、グレゴリー・アイザックスの名曲、「プライベート・ビーチパーティー」を思い出したので、「ビーチパーティー」って言葉にぜんぜん違和感を感じなかった。それで、川ちゃんの「ビーチパーティー」って答えに対して、他の回答者たちからはブーイングが出てたんだけど、このコーナーのMCはガレッジセールのゴリなので、ゴリの判断で「OK」ってことにしてた。
そして、1週間ほど経ったの8月30日のこと、テレビ東京で夜7時から、「ぶちぬきプレゼンツ 代わりに親孝行 勝手に里帰り大作戦」て言う2時間の特番があった。ロンブーとか極楽とんぼとか雨上がり決死隊とかココリコとか色々と出てて、他人の実家に、そこの息子の代わりに勝手に里帰りして、息子に代わって親孝行をするって言う企画の番組だった。スタジオに全員が集まっていて、事前にロケした何本かのVをみんなで見ながらギャーギャー騒ぐって内容だった。
たとえば、ロンブー淳の山口県の実家に、雨上がり決死隊の2人が淳の代わりに訪ねて行って、お父さんとお母さんに親孝行をする‥‥って言っても、それはそれ、お笑い番組だから、親孝行と言いつつ、迷惑なことをしたり、淳の昔の恥ずかしい話を聞き出したりして、スタジオでそのVを初めて見る淳のリアクションを楽しむって流れだ。それで、淳の場合は、高校時代に付き合ってた彼女とか男友達とかまで呼び出して、淳が彼女と初めてキスした駐車場へ行ったり、昔の浮気話を暴露したりって感じで進んで行った。
そして、淳が実家に何度か元カノの藤崎奈々子を連れてっていて、その時にお父さんもお母さんも彼女をすごく気に入ったって話が出て、今は淳と藤崎奈々子が別れちゃったことを残念に思ってる‥‥って話になった。そしたら、スタジオのみんなが、「淳、ご両親のためにも元カノとヨリを戻せ!」みたいになって、シマイには「プロポーズしろ!」ってことになっちゃって、結局、淳は、テレビカメラに向かって、「藤崎奈々子さん、ボクと結婚してください!」って、公開プロポーズをさせられるハメになった。
‥‥そんなワケで、ちょっとダッフンしちゃったけど、この番組の中で、ガレッジの川ちゃんの実家には、極楽とんぼの2人が行った。それで、スタジオの川ちゃんは、お母さんにしてあげたら喜ぶことをフリップに書いたんだけど、ナナナナナント! そのフリップには「ビーチパーティー」って書いてあったのだ! 1週間前の「いいとも!」と、この日のテレビ東京の特番、まったく違う状況下で、同じ人が同じ言葉をフリップに書いたのを見て、あたしは、デジャブっちゃったような気持ちになった。
結局、極楽とんぼの2人は、特別ゲストに7代目くいしん坊の村野武範まで連れて、沖縄の川ちゃんの実家まで行ったのに、川ちゃんのお母さんは旅行中で留守だった。そして、せっかく、川ちゃんのお母さんのお友達をたくさん集めてビーチパーティーの準備までしたのに、カンジンのお母さんが現れなくて、すべてがボツになった。それで、そのままじゃ終われないので、そのあと山口県の淳の実家に寄って、その前の雨上がり決死隊に続いて、今度は極楽とんぼと村野武範が、淳の両親に親孝行‥‥って言うか、川ちゃんのお母さんにするはずだった、ナースのコスプレをさせたりしてた。
それにしても、いくら突然訪ねて行って驚かすって言っても、3人ものタレントのスケジュールを押さえて、たくさんのスタッフを連れて沖縄までロケに行ったのに、先方の都合を調べずにブッツケで行って、相手が旅行中で留守だったなんて、あまりにもユルすぎる。サスガ、テレビ東京だ。まあ、このユルさが東京ローカルの良さでもあるんだけど(笑)
‥‥そんなワケで、川ちゃんの「ビーチパーティー」の2連発を忘れかけてた昨日、ナニゲに好きで良く見てるNHK教育テレビの「日本語なるほど塾」を見たんだけど、昨日からの4回は、沖縄言葉の特集だから、特に楽しみにしてた。講師は、元「りんけんバンド」のメンバーで、「ちゅらさん」と「ちゅらさん2」で沖縄料理屋「ゆがふ」の店長の役をやってた藤木勇人(はやと)だ。それで、第1回の昨日は、「ハイサイ!ウチナーヤマトグチ」って言うタイトルで、ようするに、沖縄の言葉である「ウチナーグチ(沖縄口)」と、標準語である「ヤマトグチ(大和口)」が混ざって出来た言葉、「ウチナーヤマトグチ(沖縄大和口)」についての回だった。
ウチナーグチって言うのは、基本的には本土の言葉が訛ったものだけど、それ以外にも、英語、中国語、韓国語、インドネシア語、タガログ語、日本語の古語など、色んな言葉が元になってる。たとえば、有名な「チャンプルー」って言うのは、インドネシア語の「混ぜる」って意味の「チャンプル」から来てるし、「水」のことを「ワーラー」って言うのは、英語の「ウォーター」から来てる。番組では、「お冷や」のことを「アイスワーラー」って言うって紹介してたけど、耳から聞いただけだと、完全に英語の発音だ。だけど、沖縄では、食堂でお冷やを頼む時は、おじいちゃんもおばあちゃんもみんな「アイスワーラー」って言ってるワケで、英語だと思って使ってるんじゃなくて、沖縄の言葉として使ってる。
そして、番組では、いくつかの言葉を紹介してったんだけど、最後のほうで、ついに飛び出したのが、「ビーチパーリー」だ。藤木勇人は、「ビーチに集まって、バーベキューをしたり踊ったりすること」って、「いいとも!」で川ちゃんが説明してたのと同じことを言ってた。そして、何人かの人や、犬や猫までが一緒に踊ってるイラストを出して、「こんな感じです」って紹介してた。それで、沖縄には「海水浴場」って言う言葉は無くて、子供からお年寄りまで、全員が「ビーチ」って言うって説明してた。つまり、「ビーチパーリー」も「アイスワーラー」と同じで、限りなく英語みたいに思えるけど、沖縄の人たちは、完全に沖縄の言葉として認識し、使っているのだ。
それで、藤木勇人は、沖縄の人でも、ある年令から上の人たちは「ビーチパーリー」って言うけど、若い人たちは「ビーチパーティー」って言うって説明してた。それで、ここからが面白いんだけど、普通に考えれば、「ビーチパーティー」って言葉は、どう考えても英語だと思うんだけど、これが、沖縄だと、「新しいウチナーグチ」だって言うのだ。つまり、もともとの「ビーチパーリー」って言葉がウチナーグチなので、「ビーチ」って言うウチナーグチに「パーティー」って言う英語が合体してできた「若い人たちが使うウチナーグチ」って言う捉え方をしてるのだ。ようするに、ガレッジセールの川ちゃんが、「いいとも!」やテレビ東京の特番でフリップに書いてた「ビーチパーティー」って言葉は、英語をカタカナで表記した言葉じゃなくて、川ちゃん的には、子供のころから慣れ親しんでる沖縄の言葉だったのだ。
‥‥そんなワケで、沖縄のお笑い番組と言えば、なんと言っても「お笑いポーポー」だったんだけど、この番組が終わっちゃった今となっては、「Oh!笑い けんさんぴん」が沖縄を代表するお笑い番組だろう。ちなみに、「お笑いポーポー」の「ポーポー」ってのは、玲奈ちゃんが言うには、なんか、クレープみたいのにお味噌を塗って細長く巻いてから揚げたお菓子の名前らしいんだけど、玲奈ちゃんの説明だと、イマイチ分からなかった(笑) ついでに、「Oh!笑い けんさんぴん」の「けんさんぴん」ってのは、「県産品」、つまり、「沖縄県産のもの」って意味だ。どんな番組かって言うと、「西武門(にしんじょう)食堂の人々」って言う吉本新喜劇の沖縄版みたいなのがメインで、他には、漫才やコントや歌や踊りなど、何でもアリのお笑いバラエティー番組だ。特に、番組の最後に流れる「けんさんぴん体操」の大ヒットもあって、平均視聴率15%を超える人気番組だ。それで、この「けんさんぴん体操」の歌、「わしたウチナーけんさんぴん」の歌詞があまりにもワンダホーなので、ついでに紹介しちゃおうと思う。
「わしたウチナーけんさんぴん」 作詞 ひがけい子
1 南の美ら島沖縄に 恵みの神が降りてきて
海の幸 山の幸 豊かな ゆがふの島になりました
大切にしましょう いつまでも 守礼の心も忘れずに
ハイサイ ハイサイ ハイサイ ハイサイ
わしたウチナーけんさんぴん
2 がんじゅう叔父がいうのさ 「仕事は休み休みハマリなさい」
10時茶 3時茶 さんぴん茶 オリオン 泡盛 アフターファイブ
お父や畑サー オジーや豚サー 兄々すっさー 僕ボクサー
ハイサイ ハイサイ ハイサイ ハイサイ
わしたウチナーけんさんぴん
3 うちのオバーがいうのさ 「ウチナーむんや一番上等」
サーターアンダギー ヒヤーチー オバーの得意な片ハランブー
アメリカ ソビエト 人工衛星上げてる ウチナー負けずに天ぷら揚げよ
ハイサイ ハイサイ ハイサイ ハイサイ
わしたウチナーけんさんぴん
4 紅型 花織 芭蕉布と かりゆしウエアで美らすがい
笑う門には福が来る ニガムシ カマジシ 噛まないで
イチャリバ兄弟 笑顔で 身から肝から美らカーギー
ハイサイ ハイサイ ハイサイ ハイサイ
わしたウチナーけんさんぴん
注目すべきは、2番の「オリオン 泡盛」ってとこだ。普通なら、「ビール 泡盛」ってするとこなのに、きっと沖縄では、「オリオン」が「ビール」の代名詞なんだろう。それから、「僕ボクサー」って言ってるけど、「僕さあ、ボクサーなの」ってのはガッツ石松のギャグなんだから、本来なら、沖縄出身の具志堅用高の「ちょっちゅね」のほうを使うべきだと思う。だけど、そんなことはお構いなしに、何でも取り入れちゃうとこが、沖縄のチャンプルー文化なんだろう。そして、3番の「ソビエト」もスゴイ。ソビエトが無くなって15年も経つのに、そして、この歌詞が作られたのは、わずか1〜2年前なのに、「ロシア」じゃなくて「ソビエト」って言うアバウトさがデジーことだ(笑)
‥‥そんなワケで、ただ単に、そこらの浜辺でバーベキューをしても、それは「ビーチパーティー」じゃなくて、「浜辺でのバーベキュー」なのだ。「ビーチパーティー」が「ビーチパーリー」であるためには、ビールは「オリオン」じゃなきゃダメだし、オツマミは「けんさんぴん」を揃えなきゃダメだし、犬や猫も一緒に踊らないと、川ちゃんが言うところの「ビーチパーティー」にはならないさぁ〜なんて思うチューこの頃なのだ(笑)
| 固定リンク