« 釣りバカきっこ危機一髪 | トップページ | 確変ドライアイ »

2005.09.02

チーチ&チョンの末路

24_gunjbag003_poc030705
28日の日曜日に、富士スピードウェイで行なわれたFポンの第7戦で、ロッテラーが優勝したってニュースを28日の夜に知っちゃって、28日の深夜のスポーツニュースでも見ちゃったんだけど、それでも、とにかくレースが観たくて、29日の深夜の放送はシッカリと録画してたのに、時間が無くて、まだ観てない‥‥とは言いつつ、「釣りバカ日誌13 ハマちゃん危機一髪」は観たんだけど。

スーパーに寄ったら、お刺身でも食べられる北海道の「新サンマ」が入荷してて、1匹120円だったので、2匹買って来て、お刺身を作った。それで、大葉と糸切りにしたショウガを添えて、大葉の上にお刺身を乗せて、糸ショウガを巻いて食べるふうにしてみた。それで、母さんのとこに行って、一緒に食べながら、「釣りバカ日誌13 ハマちゃん危機一髪」を観ようと思ったのに、母さんは、裏番組のテレビ東京の水曜ミステリー「信濃のコロンボ9 乗せなかった乗客/軽井沢の霧に消えた殺人者は幻なのか…貞淑な若妻に迫る復讐のピアノ!シリーズ最大の怪奇」を観たいって言うので、ここで親子は決別した(笑)

で、あたしは、チャリで母さんのとこに、「サンマのお刺身」と「お豆腐とオクラのサラダ」を届けて、すぐに帰って来て、シャワーでサッパリして、お酒の用意をして、テレビの前に座ったら、9時10分前だった。「釣りバカ日誌13 ハマちゃん危機一髪」は、カンジンの釣りのシーンは少ないし、何をやらせてもオーバーな丹波哲郎が出て来るし、マドンナ役の鈴木杏香の弟がヒキコモリって言う、何だかメチャクチャなストーリーだけど、ハマちゃんの明るさだけはいつも通りだから、お酒を飲みながらなら楽しめる。新サンマも美味しくて、焼酎のロックをチビチビと飲みながら映画を観てたら、いい気持ちに酔っぱらっちゃった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あたしは、「釣りバカ日誌」を観終わったら、Fポンの第7戦のVを観ようと思ってたのに、ハマちゃんでホンワカ気分になって、お酒でいい気分になったので、何だかモータースポーツ観戦の気分じゃなくなった。それで、「釣りバカ日誌」と同じくらいに笑える映画を観ようと思って、ビデオラックを物色したら、「モンティパイソン」のシリーズと、「チーチ&チョン」のシリーズが目に止まった。それで、「モンティパイソン」は面白いけど、ちょっと風刺がキツクて今の気分じゃないから、最初から最後まで大笑いできる「チーチ&チョン」を観ることにした。

「チーチ&チョン」のシリーズは、コメディアンのチーチ・マリンとトミー・チョンのコンビが繰り広げるマリファナネタのドタバタコメディーで、とにかくバカらしくて、何も考えずに大笑いできる。あたしが持ってるのは、「Up in Smoke」(邦題、スモーキング作戦)、「Nice Dreams」(気分は最高)、「Still Smokin’」(まだ吸ってるの?)の3本だけど、どれも最初から最後までマリファナを吸いまくりで、鉢植えのマリファナも、栽培してるマリファナも、吸ってるマリファナもぜんぶ本物だから、演技してるってよりも、ただのマリファナ愛好家2人の「素」の姿みたいに見えて、全体的に「どうでもいいや」って言うマッタリ感が漂ってて、その「やる気の無さ」がまた笑える。

映画の中では、2人はミュージシャンて設定なんだけど、1作目の「Up in Smoke」では、2人でロックバンドを結成しようと思い立ち、その資金を作るために、チーチのイトコのマリファナ博士が栽培してる良質のマリファナを盗み出して、それを売ってお金を作ろうとする。2作目の「Nice Dreams」でも、ヘンテコな「クジラ救済の歌」を歌ったりしてるけど、有名なミュージシャンに間違われて記者会見をしたりしちゃうから、決して売れっ子のミュージシャンてワケじゃなくて、限りなくシロートに近いって設定だ。

今回、あたしが観たのは、1作目の「Up in Smoke」なんだけど、メキシコのマリファナ密輸団が、チーチ&チョンの2人を自分のとこの運び屋と勘違いしちゃって、シートの中からドアの中から天井の中からスペアタイヤの中からアリとアラユル場所にマリファナを詰め込んだ密輸用のバンを渡しちゃう。そんな車だとは知らずに、そのまま運転して出発しちゃった2人は、コメディー映画ならではの色んなラッキーが重なって、何も知らないうちに国境を越えて、アメリカへと入る。そして、途中で知り合った女の子たちから、LAのクラブでロックコンサートを開催してるって話を聞いて、自分たちも出場することにする。それで、飛び入りで出場したはいいんだけど、いつものヒドイ歌で、観客からは大ブーイングの嵐が巻き起こっちゃう。

その時、会場の前に停めてたバンに、タバコの火が引火して、車が燃え出す。そして、車の中に隠してあった何十キロものマリファナも燃え出して、その煙がどんどん会場の中へと流れ込んじゃう。それで、ここまで言えば、この先は誰にでも想像できると思うけど、その想像通り、会場中の観客がみんなブッ飛んじゃって、ヘタクソなチーチ&チョンの歌もカッコ良く聴こえちゃって、大モリアガリ大会になっちゃう‥‥って言う、バカ映画に良くあるパターンだ。これは、「バンドを始めるための資金を作るためにマリファナを売る」って言う基本ストーリーを「孤児院を救う資金を作るためにバンドを始める」に変えて、最後の大モリアガリ大会を刑務所の中で「監獄ロック」を歌うジョン・ベルーシに変えれば、まんま「ブルースブラザーズ」になる。

‥‥そんなワケで、あまりにもバカバカしくて大笑いできる「チーチ&チョン」のシリーズだけど、あたしが持ってる3本の他にも、何本も出てて、どれもマリファナネタと下ネタだけのおバカムービーだ。だけど、これらのシリーズが作られたのは30年くらい前で、今では、いい年のオジサンになっちゃってる。チーチ・マリンは来年で60才だけど、年上のトミー・チョンは、今年で67歳だ。そして、チーチ・マリンのほうは、まだ俳優としてがんばってて、最近では「スパイキッズ」のシリーズにも出てる。だけど、トミー・チョンのほうは、たいへんな人生を歩んでる。

チーチ・マリンのほうは、うまいこと「演技派の名バイプレイヤー」へと転身できたんだけど、トミー・チョンのほうは、「チーチ&チョン」のシリーズでの熱演で、コメディアンや俳優と言うよりも、「マリファナ愛好家の代表」みたいなイメージが植えつけられちゃったのだ。それで、テレビのコメディー番組などからの出演依頼が来ても、その役は、マリファナが好きなドジなオジサンの役とかが多かった。実際、トミー・チョンは、コメディアンは副業みたいなもので、本業は、映画のタイトルから命名した「ナイス・ドリームズ・エンタープライズ」って言う会社を経営してた。この会社は、マリファナを吸うためのパイプや水パイプ、ボング(筒型の大型パイプ)などを製造、販売する会社で、その他にも、トミー・チョンは、警察の薬物検査に引っかからないようにする方法をキャンペーンしたり、テレビで警察を挑発するようなギャグを連発してたので、ずっと当局から目をつけられていた。

そして、トミー・チョンは、2003年に「非合法なマリファナ用の喫煙器具を販売した罪」で逮捕されちゃって、「禁固9ヶ月」と「罰金2万ドル」の実刑判決を受けた。だけど、アメリカでは、小学生や中学生が普通にマリファナを吸ってるし、そう言う子供たちに、「何でマリファナを吸うのか」って聞くと、「タバコは体に害があるから」って答えるほどだ。マリファナの無害性は、多くの州で認められていて、だからこそ、カリフォルニア州やアラスカ州では、マリファナの使用は合法化されているのだ。営利目的で大量に所持してると捕まるけど、自分が楽しむぶんを所持したり吸ったりすることは、ちゃんと法律で認められている。だから、インターネットでのマリファナの販売も活発に行なわれてて、もちろん、これは非合法だけど、誰でも簡単に買うことができる。そして、あまりにも当たり前に売られてるのは、よほど大々的にやらない限り、ほとんど摘発されないからだ。

ちなみに、アメリカでは、州によって法律が大きく違う。たとえば、ギャンブルだったら、約半分の州で禁止されてるけど、残りの半分の州では合法化されてる。だから、自分の住んでる州でギャンブルをしたら逮捕されるのに、隣りの州に行けば、堂々とカジノが営業してるってワケだ。こう言った特殊な法律だけじゃなくて、一般的なものだと、道路交通法の違いがある。普通なら、赤信号はすべてストップのはずなんだけど、アメリカの場合は、州によって、赤信号でも右折だけはOKってとこがある。ニポンだと、白地に青い矢印の左折の標識が立ってる交差点と同じってことだ。信号が赤でも、この標識のある交差点なら、いつでも左折だけはできる。

でも、ニポンの場合は、道路交通法は全国共通だから、赤信号でも左折していい交差点には、必ずこの矢印の標識が立ってる。だけど、アメリカの場合は、赤信号でも右折していい州の交差点は、すべて右折していいから、何の標識も立ってない。だから、他の州から来た人が、赤信号の時に右折ラインで停まってると、後ろから来た地元の恐いオッサンに、すごいイキオイでクラクションを鳴らされることウケアイだ。そして、この州の人が他の州に行った時に、いつものクセで赤信号なのに右折しちゃうと、パトカーに追いかけられて拳銃を突きつけられちゃう。

ニポンの消費税にあたる「売り上げ税」にしても、そんな税金は導入してない州もあれば、すべての商品に7%もかけてる州もある。タバコ税に至っては、1.4%の州から150%の州まであり、その差は100倍以上だ。だから、売り上げ税が7%の州や、タバコ税が150%の州に住んでる人は、わざわざ隣りの州まで、マトメ買いに行くのが普通になってる。ニポンの都道府県も、アメリカの州みたいに、もっと独立性を高くしてくれればいいのに。そうすれば、コイズミみたいな独裁者がニポンをメチャクチャにすることはなかったのに‥‥。

‥‥そんなワケで、州によってはマリファナが合法化されてて、マリファナそのものを違法に販売してる人たちだって見逃してもらってるようなユルイ国なのに、マリファナを吸うためのパイプを売ってたトミー・チョンが逮捕されたってことは、ようするに「見せしめ」ってワケだ。そして、刑務所に入ったことによって、トミー・チョンの「マリファナ愛好家の代表」としての地位は、ますます高くなっちゃって、マリファナ合法化運動の戦士みたいな立場になっちゃった。たぶん、本人は望んでないのに、周りが勝手に旗印にしちゃったみたいなノリなんだと思うけど、片方は俳優として活躍、片方はマリファナ合法化運動の旗印に祭り上げられちゃったチーチ&チョンを見てると、ここでも、片方は俳優として活躍、片方はコカインのやり過ぎで死んじゃったブルースブラザーズがオーバーラップして来る今日この頃なのだ。

|

« 釣りバカきっこ危機一髪 | トップページ | 確変ドライアイ »