建築界のゴールデントライアングル
千葉県市川市の姉歯(あねは)建築設計事務所の1級建築士、姉歯秀次(48)が、建物の耐震強度のデータを偽装して、たった震度5程度でも倒壊しちゃう恐れのあるマンションやホテルの「構造計算書」を作ってた問題って、シャレになんないよね。こいつ、少しも悪びれる様子も無く、テレビのニュースとかに平然と出て来て、インタビューとかに答えてたけど、「やしきたかじん」みたいな顔してるクセに、まるで他人事みたいに発言してた‥‥って言うか、こいつの髪の毛、すごく不自然なんだけど、ヅラ?(笑)
国交省は、こいつの1級建築士の資格を取り消す方針を固めたらしいけど、そんなレベルの問題じゃなくて、もしも大きな地震があったら数え切れないほどの人が死んでたかも知れないんだから、これって殺人未遂でしょ? まあ、これから告発されて刑事事件になったら、確実に実刑は免れられないと思うけど、こんなおっさんが刑務所に行ったところで、何千万円も払ってマンションを買った人たちは浮かばれない。
だけど、ホントにこのおっさんだけが悪いんだろうか? このおっさんが言うには、構造計算書の偽造を始めたのは、「イーホームズに確認検査をしてもらうようになった2003年ごろからです。イーホームズは検算すれば簡単に見抜ける偽造も見逃していたので、チェックが甘いと思いました。イーホームズ以外の会社はチェックが厳しいので数字は変えていないです。」とのことだった。で、この「イーホームズ」ってのは何かって言うと、たくさんある民間の「指定確認検査機関会社」のひとつで、ようするに、このおっさんは、他の検査機関会社はキチンと書類をチェキするからインチキはできないけど、イーホームズって会社だけは大ザッパなチェキしかしないので、インチキをやり放題だってワケだ。
だいたい、何でこんな「指定確認検査機関」なんてものが存在するのかって言えば、デタラメな構造計算書でホイホイとマンションやホテルを建てられたら困るからであって、すべての建築士が100%キチンとした書類を作ってるんなら、こんな検査機関なんか必要無いワケだ。だけど、中には意図的じゃなくても、何らかのミスで間違った計算書が出来上がっちゃう場合もあるのかも知れないし、今回みたいに意図的に数字を書き替えるヤツもいるかも知れないから、それを阻止するために、こう言った検査機関があるんだろう‥‥なんて思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、この流れを見てみると、一番悪いのは、もちろん「姉歯秀次」だけど、キチンとチェキしてなかった「イーホームズ」にも大きな責任があることが分かる。たとえば、これが車の車検だったら、ちゃんとディーラーに車を出して、バカみたいに高い料金を払って車検を頼んだのに、キチンとした整備をせずに車検場へ持ち込んだって形になる。そして、本来なら車検場の検査で整備不良箇所が発見されなきゃおかしいのに、チェキが甘くて車検に合格しちゃったってことだ。で、車検から戻って来た車に乗ったら、ブレーキが効かなくて、大事故を起こして死んじゃったとする。
この場合、ディーラーで整備を担当したメカニックが「姉歯秀次」、整備不良箇所を見落として車検を通した車検場が「イーホームズ」ってことになる。そして、死んだドライバーの責任はどっちがとるのか?ってことなんだけど、一応は自分の非を認めて、表面上だけでも謝罪の言葉を口にしてる姉歯秀次に対して、イーホームズのほうは、「自分たちには何の責任も無い」って言う、その言葉通り、無責任極まりない姿勢でいる。イーホームズのオフィシャルサイトを見てみたら、18日付けの「構造計算書の偽造問題について」って言うコメントがあった。それで、その中の「責任の所在」って言う項目を見てみたら、呆れ果てたことに、何の臆面も無く「今回の事件は、根本的に偽造をした姉歯建築設計事務所に責任があると思っております。」って書いてある。そして、自分のとこの構造計算書をチェキするプログラムはもちゃんと「大臣認定」のものを使ってて、そのプログラムのチェキをくぐり抜けるような巧妙な偽装工作をしたのは姉歯建築設計事務所なんだから、「弊社の通常の審査業務における過失はないものと思っております。」って見解なのだ。
だけど、姉歯秀次は、「イーホームズ以外の会社はチェックが厳しいので数字は変えていないです。」って言ってんだから、他の指定確認検査機関に同じ書類を出したら、どの会社でもNGになっちゃうワケでしょ? だからこそ、姉歯秀次は、「ちゃんとした書類の場合は別の検査機関会社、偽造した書類の時だけはイーホームズ」って使い分けてたんでしょ? ようするに、たくさんある検査機関会社の中で、唯一、イーホームズだけが、ズサンな検査をしてたってことじゃん。イーホームズのオフィシャルサイトのトップには、堂々と「安心して暮らせる21世紀の未来型住環境に貢献します。」って書いてあったけど、いつ倒壊するかも知れないマンションなんかで「安心して暮らせる」か?
‥‥そんなワケで、この辺までなら、テレビのニュースを見てれば誰にでも分かることで、ここで終わったら「きっこの日記」の意味が無い。それで、最近何かと出番の多い迷探偵キッコナンに登場してもらって、姉歯秀次とイーホームズのどっちが悪者なのかを調べてみた。そしたら、ナナナナナント! どっちも悪くなくて、一番の悪者は他にいたってことが分かったのだ!
あたしが、最初に引っかかったのは、姉歯秀次の犯行動機だ。本人は、偽造書類を作った動機について、「コスト削減のプレッシャーがあった」って言ってるけど、その詳細については口を閉ざして何も語らない。それで、このセリフだけから推測すると、同業のライバルたちに負けないように、できるだけ安い見積もりを作るために、偽造を続けてたってことになる。だけど、マトモに考えたら、いくらコスト削減のプレッシャーがあったからって、数え切れないほどの人間の命に関わるこんなに危険なことを普通、できるだろうか? それも、仮にも1級建築士なんだから、一般の人の何倍も、その危険性については熟知してるハズだろう。
そこで、迷探偵キッコナンは、「もしかしたら、姉歯秀次がこんなことをしたのは、自分の意思じゃなくて、どうしても断れないような相手からの圧力なんじゃないだろうか?」って推理してみた。それで、色々と情報を集めてみたら、ビックルを連続一気飲みしちゃうような事実が分かったのだ。それは、今回、建築基準法の耐震基準を満たしてないってことが発覚した20棟のマンションのうち、なんと、半数以上を「株式会社ヒューザー」って言う同じ開発会社が建築主として手掛けていたのだ。これって、絶対に不自然だ。この株式会社ヒューザーってのは、千代田区丸の内の「パシフィックセンチュリープレイス丸の内」の31階にある会社で、1982年にできた若い会社で、代表取締役は「小嶋進」って男だ。この会社は、今回、倒壊の恐れがある危険なマンションとして名前が公表された神奈川の「グランドステージ川崎大師」をはじめとした、「グランドステージシリーズ」を首都圏を中心に展開してる。そして、今回、構造計算書の偽造が発覚した20棟のうち、東京都内の10棟のうちの6棟と、神奈川県内の4棟すべて、それから、千葉県内の6棟のうち2棟、合計で12棟が、この株式会社ヒューザーが建築主になっていたのだ。
神奈川の「グランドステージ川崎大師」は、建築主が「株式会社ヒューザー」、設計事務所が「スペースワン建築研究所」ってとこなんだけど、呆れ果てたことに、ヒューザーはスペースワン建築研究所に対して、「下請けは必ず姉歯建築設計事務所を使うように」って指示をしてたのだ。もちろん、このマンションだけじゃなくて、ヒューザーが手掛けるマンションのほとんどは、直接、姉歯建築設計事務所を使うか、どこかの設計事務所を使った場合は、その下請けに必ず姉歯建築設計事務所を使うようにと指示をしていたのだ。
‥‥そんなワケで、ここまで来れば、賢明なる「きっこの日記」の読者諸兄の頭の中には、「癒着」って言う2文字が浮かんで来たと思うけど、ようするに、何人もの社員を抱えてる大きな設計事務所だと、不正が発覚する恐れがあるため何かと都合が悪い。だから、株式会社ヒューザーは、姉歯秀次が1人で経営してる「姉歯建築設計事務所」なんて言う小さな個人事務所を利用して、「仕事を回してやる代わりに、うまいことやって安い見積もりを出せ」ってことになったってワケだ。
ここで問題になるのは、姉歯秀次の出す見積もりが建築基準法の耐震基準を満たしてなかったってことをヒューザー側が知ってたのかどうかってことだけど、橋本龍太郎じゃあるまいし、マサカ、ここまで来て、「知りませんでした」とは言えないだろう。そして、ここからがリトル複雑になるんだけど、姉歯秀次と癒着してたのは、株式会社ヒューザーだけじゃないのだ。姉歯秀次の偽造した構造計算書の通りに設計すると、5本必要な鉄筋を2本に減らしたり、3本必要な柱を1本に減らしたりってことになるワケだけど、ここで不思議なのは、何棟ものマンションやビルを建設して来た建設会社の作業員たちが、建設してる途中で、「あれ?なんかずいぶん鉄筋が少ないけど、これでいいのかな?」とかって、何で気づかなかったんだろう?ってことだ。一応はビル建設のプロたちなんだから、図面を見た段階で気づくのが普通なんじゃないだろうか?
‥‥そんなワケで、ここまで来れば、賢明なる「きっこの日記」の読者諸兄の頭の中には、またまた「癒着」って言う2文字が浮かんで来たと思うけど、ようするに、いくら建築主の「株式会社ヒューザー」と、設計事務所の「姉歯建築設計事務所」とが癒着してたって、カンジンの建設をする建設会社とも癒着してなかったら、こんな不正はできっこないってことだ。
そして、今回発覚した危険なマンションの建設の多くは、熊本県八代市に本社のある「木村建設株式会社」の東京支店(新宿区南山伏町)が請け負ってたのだ。それで、ここからが恐ろしい話なんだけど、今回、最初に発覚して、すでに営業を中止してるビジネスホテル、東京都中央区の「プレッソイン茅場町」ってのは、「京王プレッソイン」って言うチェーンになってて、その中で、まだ名前が公表されてないけど、「プレッソイン東銀座」とか、別のチェーンの「トレストイン田町」とかも、この木村建設株式会社が建設してたのだ。それから、株式会社ヒューザーの「グランドステージシリーズ」のマンションに関しては、まだ公表されてないけど、埼玉の「グランドステージ川口」や、東京都北区の「グランドステージ浮間公園」とかも、この木村建設株式会社が建設してるのだ。
‥‥そんなワケで、「株式会社ヒューザー」「木村建設株式会社」「姉歯建築設計事務所」って言うのは、建築界のゴールデントライアングル、魔の三角地帯って感じで、「タイ」「ミャンマー」「ラオス」の麻薬地帯も真っ青になるほどの恐怖のマンションや悪魔のホテルを建て続けて来たってワケだ。このトンデモナイ会社、「株式会社ヒューザー」や「木村建設株式会社」の株価が今後どうなって行くのかは皆さんのご想像にお任せするとして、少なくとも命の惜しい人たちは、倒壊したマンションやホテルのトバッチリを受けないように、この2つの会社が関わってるマンションやホテルからは、できるだけ離れたとこに引越ししたほうがいいと思う。何しろ、姉歯秀次が言うには、デタラメな構造計算書で建設したマンションは、あと90棟もあるって話なんだから‥‥。とりあえず、東京の墨田区の「グランドステージ錦糸町」と「グランドステージ東向島」、中央区の「グランドステージ茅場町」、神奈川の川崎市の「グランドステージ川崎大師」、藤沢市の「グランドステージ藤沢」、横浜市の「コンアルマーディオ横濱鶴見」は、大きな地震が来たら倒壊する恐れがあるので、お近くにお住まいの方は十分に注意してください‥‥なんて思う今日この頃なのだ。
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