カキリンゴ風呂
前にも書いたかも知れないけど、あたしの住んでるマンションは、バスルームがワリと広い。そして、湯舟もワリと大きくてワリと深い。とは言っても、サスガに脚を伸ばして入れるほどは大きくないけど、普通のマンションの湯舟みたいに体育座りみたくしなくても、ヒザを富士山くらいに曲げただけで、肩まで浸かることができる。これは、詳しくは分からないんだけど、不動産屋さんが言うには、築15年くらい経った時に全面改装して、それまではバスルームの中に洗濯機スペースがあったそうなんだけど、間取りを変えて、洗濯機スペースを洗面台の隣りにしたので、そのぶんバスルームが広くなって、そのぶん大きな湯舟になったそうだ。
あたしが借りたのはそのアトだから、前の状態は見てないんだけど、この広いお風呂が気に入ってココに決めたワケだから、前の状態のままなら借りてない。だから、言うなれば、お風呂のために、家賃が高くても無理して住んでるワケだ。それでも、大家さんと不動産屋さんが親戚で、不動産屋さんとあたしが知り合いなので、ここだけの話‥‥って言っても、もしも同じマンションの人がこの日記を読んでたらマズイから、やっぱ書くのはやめるけど、ソートー特別扱いをしてもらってる。それに、ここは事務所としても使ってるから、家賃の半額は経費として申請できるので、そのあたりのことを総合して考えると、ものすごく安いってことになる。
それで、お金の無いあたしの唯一のゼイタクは、何と言ってもお風呂に入ることだ。お金さえあれば、玲奈ちゃんみたいにチョクチョクと銭湯に行きたいんだけど、銭湯なんてゼイタクは月に1回か2回が精一杯なので、自分のとこのお風呂を色々と工夫して、楽しめるようにしてる。蒸し熱い夏の夜は、水風呂にバスクリンを濃い目に入れて、ブラックライトをだけをつけて、フェイ・ウォンのCDをかけて、ジンのロックを飲みながら入る。そうすると、水が発光して、宇宙に浮かんでるような気分になる。そして、寒い冬の夜は、登別カルルスで白い濁り湯にして、ランプ型の電気をひとつ点けて、春風亭小朝の落語のCDを聞きながら、塩辛とキュウリのキューちゃんをオツマミにして、辛口のニポン酒を飲みながら温まる今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、いよいよ寒くなって来たので、登別カルルスのお風呂でニポン酒って行きたいんだけど、今は禁酒中の上に、温泉の素も切れていた。それで、お酒はともかくとして、せめて温泉の素くらい欲しいと思ったんだけど、あたしにとって温泉の素は、「あると嬉しいけど無くても困らないもの」って部類になる。だから、「無いと困るもの」よりは、当然、優先順位が低くなる。たとえば、トイレットペーパーと温泉の素が無くて、どっちかしか買えない情況だったら、どんなに登別カルルスのお風呂に入りたくても、ここはトイレットペーパーを買うって選択をする。まあ、これは誰でも同じだと思うけど、あたしの場合は、自分の食べ物とキャットフードが無くなりそうになってたら、自分の食べ物をガマンしてもキャットフードを買う。自分の食べ物とファンデーションが無くなりそうになってたら、自分の食べ物をガマンしてもランコムのフォトジェニックを買う。じゃあ、キャットフードとファンデーションが無くなりそうになってたらどうするかって言うと、答えは出てるんだけど、ギリギリまで悩みつつ、結局、キャットフードを買って、ファンデーションは仕事用のものを間に合わせで使う‥‥って感じだ。
だから、ちょっと普通の人とは優先順位が違う部分もあるとはと思うけど、温泉の素の場合は「無くても困らないもの」、つまり、あたしにとってはゼイタク品なので、「無いと困るもの」がすべて揃ってからじゃないと買えない。ようするに、いつもギリギリの生活をしてるあたしとしては、なかなか買えないものってワケだ。でも、こんなに寒くなって来たから、どうしても温泉の素が欲しい。それで、11月17日の日記、「GO!GO!マリン」には書かなかったんだけど、あの日はお誕生日のDMを持ってパチンコ屋さんに行ったので、帰りにお誕生日プレゼントをもらって来た。それが、「温泉の素セット」だったのだ。だから、流れ的には、この日記はもっと前に書くつもりだったんだけど、思わぬインチキマンション問題のネタが続いちゃったので、リトル遅くなっちゃった。
で、あたしの行くパチンコ屋さんのお誕生日プレゼントは、「変なバッグ」と、「温泉の素セット」と、あと何かの3種類なんだけど、あたしは毎年、「温泉の素セット」って決めてる。それで、去年もオトトシもその前も大きな箱に入ったセットで、5種類の温泉の素がそれぞれ6袋ずつ、合計30個も入ってたので、すごく助かってた。で、今年ももちろん「温泉の素セット」にしたんだけど、そしたら、今年のはすごく小さな箱だった。小さいって言っても、15cm×30cmくらいの箱なんだけど、去年までのがその3倍くらいの大きさの箱だったので、ずいぶん小さくなったような気がした。だけど、それでも、持った感じがケッコー重かったので、10個か15個くらいは入ってるだろうと思ってた。それで、帰って来て、中も見ないでタナの上に乗せておいた。
‥‥そんなワケで、それからしばらくして、お誕生日の日の深夜に、初めて使ってみることにした。それで、袋から箱を出したら、箱には「昔のお風呂」って書いてあって、木でできた手オケとかお風呂用のイスとかの絵が描いてあって、何だか和風でイイ感じだった。あたしは、ワクワクしながら箱を開けたんだけど、そしたら、ナナナナナント! 箱の中は3分割されてて、右端に「ヘチマ」、左端に「セッケン」が2個入ってて、温泉の素は真ん中だけだった。でも、温泉の素は、タバコの箱2個ぶんくらいの大きさの箱で、普通は中に5袋とか6袋とか入ってるサイズの箱だったから、「ま、いっか!」なんて思ってその箱を取り出したら、ナナナナナント! ヤタラと軽い! それで、その箱を開けてみたら、ナナナナナント!‥‥って、これはもういいか‥‥なんてこともツブヤキつつ、2袋しか入ってなかった。詳しく書くと、温泉の素は「さくら」と「ゆず」が1袋ずつ、セッケンは「竹セッケン」と「炭セッケン」が1個ずつ、それと、ヘチマが1個‥‥。
いくら低脳コイズミのセイで不景気が続いてるからって、いくらレイプ魔コイズミのセイで10月度の倒産従業員数が1万人を超えたからって、いくら売国奴コイズミのセイで10月度の失業率が4.5%を超えたからって、いくら総合経営研究所と癒着してたコイズミのセイで有給休暇の取得率が46.6%と過去最低になったからって、何であたしの1年に1回の楽しみ、パチンコ屋さんのお誕生日プレゼントが、こんなにもスケールダウンしちゃうんだよ〜!
こんなことなら、総合経営研究所の内河健にコイズミ内閣の経営指導をしてもらって、A工法だのV工法だののインチキ手抜き工法で徹底的なコスト削減をしてもらえば、何の役にも立たないコイズミチルドレンて言う無駄な鉄筋をどんどん削除してくれるだろうから、何よりの節約になるのに‥‥。どうせ、最初から手抜き工事で建てられてるハリボテ内閣なんだから、地震が来なくても自然倒壊するだろうし、見せ掛けだけの鉄筋なんか必要無いだろう‥‥なんてことも言ってみつつ、去年までは、温泉の素が30袋入ってたから、1袋50円だとしても1500円のプレゼントってことになる。だけど、今年のは、たぶん500円くらいだと思うし、何百個もまとめて仕入れてるだろうから、きっと350円くらいに違いない‥‥って言うか、こんなに不景気なんだし、コイズミ信者たちのオカゲで徹底的な大増税が目前まで迫ってるんだから、パチンコ屋さんのプレゼントがスケールダウンしちゃうことは仕方ないと思う。だけど、せめて、小箱の中には5袋入ってて欲しかった。
‥‥そんなワケで、あたしは、お誕生日の日の深夜に「ゆず」を使って、次の日に沸かしなおして入って、次の日に「さくら」を使って、次の日に沸かしなおして入ったので、温泉の素が無くなった。だけど、11月の月末は、いつもに増して生活がキビシクて、電話とガスが止まりそうになってた。それで、とても温泉の素なんか買う余裕はなかったんだけど、暖房の無いお部屋だと、お風呂に温泉の素を入れたかどうかが重要なサバイバルポイントになる。ただのお湯だと、すぐに湯冷めして寒くなっちゃうんだけど、温泉の素、特に、登別カルルスを入れた場合には、お風呂から出て来てもしばらくポカポカしてるからだ。
それで、あたしは、何とか温泉の素の代わりになるものはないかって思ったんだけど、そんな時にハッと気づいたのが、果物だった。ちょっと前に、俳句の仲間が、庭で採れたカキを送ってくれてて、別の俳句の仲間は、リンゴを送ってくれてて、いつも食べ物が無い我が家にしては、珍しく果物なんて言うゼイタク品があったのだ。それで、毎日どっちか1個ずつ、大事に食べてたんだけど、まだいくつか残ってたので、この皮をお風呂に入れてミルコ・クロコップってワケで、カキの皮はザルに乗せてベランダで乾かしてから使うことにした。リンゴの皮は、そのままお風呂に入れることにした。
で、At last! ついに完成したのが、きっこ特製「カキリンゴ風呂」だ!‥‥って言っても、たいしたことない上に、この「カキ」と「リンゴ」で「カキリンゴ」って言うネーミングも、まるで電通に発注したみたいな安易なコピーで、「ど根性ガエル」の「ゴリライモ」とか、「キテレツ大百科」の「ブタゴリラ」とかと同レベルなんだけど、コレが思ったよりも効果があったのだ。入ってる間はリンゴの香りがしてリッチな気分だし、ナニゲにお肌もスベスベするし、出てからはそれなりにポカポカが持続した。ちょっと熱めのお風呂に、カキ2個ぶんの皮を干したものと、リンゴ1個ぶんの皮をそのまま入れて、フタをして15分くらい待ってから入ったんだけど、これだけの量なのに、意外にもお湯が薄いオレンジ色になってた。
人間の先入観て視覚に左右されるから、まったく同じ成分だったとしても、無色透明なお湯と色のついたお湯だったら、色のついたお湯のほうが、何となく効果があるように感じちゃうのだ。そして、先入観とか思い込みってのは、えてして人間の潜在能力を引き出すことがあるから、「効果がある!」って信じながら入るのと「効果なんか無い!」って思って入るのでは、同じお風呂でも効果に若干の差が出る‥‥ような気がする。これは、あたしがメークの指導をする時に使ってる方法のひとつで、外見だけじゃなくて、その人の内面の美しさを引き出してあげるメーク方法と同じことだ。
ひとりひとり方法は違うから、具体的なことは書けないけど、簡単に言えば、ほとんどの女性は、自分が欠点だと思ってる部分を隠すような、カバーするようなヘアメークをしてる。たとえば、顔が大きいと思ってる女性は、顔の輪郭を隠すようなヘアスタイルをしたり、鼻が低いと思ってる女性は、鼻を高く見せるために必要以上のシャドウを入れてたりする。だけど、こう言うのは、プロから言わせると「後ろ向きのヘアメーク」なのだ。顔の大きさにコンプレックスを持ってる女性が、顔の輪郭を隠すようなヘアスタイルをするってことは、必然的に髪の量が多くなり、全体的に重たいイメージになる。そして、何よりも問題なのは、常に「見られたくない」「隠そう」って言う気持ちでいるから、自然と気持ちが下向きになって、心も暗くなって、それが表情や態度にも出る。ようするに、負の相乗効果が生まれちゃうのだ。
だから、あたしの指導する方法は、まずは重たいバングスを上げて、顔をぜんぶ出すことから始める。そして、その人の一番魅力的な部分、たとえば、目なら目、クチビルならクチビルをサイコーに美しく仕上げてあげる。そうすると、目がパッと輝いたり、クチビルがセクシーにプルプルしたりして、その女性を見た人の視線は、目やクチビルに行くようになる。そうすると、顔の大きさは、それほど気にならなくなる。もちろん、ファンデの2色使いをしたり、フェイスパウダーで陰影をつけたりして、できるだけ小顔に見えるようなフォローも入れつつ、目やクチビルを輝かせるんだけど、そうすると、別人のように美しくなる。これが「前向きのヘアメーク」だ。
つまり、短所をカバーするんじゃなくて、長所を引き出すメークってワケだ。これがプロのやり方で、こうすると何よりも本人が自信を持つようになるから、自然に笑顔が出るようになって、内面的な美しさがどんどん出て来るようになる。自分に自信を持てるようになるから、セスジもピンと伸びて、スタイルまで美しくなる。これがヘアメークの持つ魔法の力で、マージ・マジ・アルマジーロってワケだ。外見だけ、表面だけ美しくするんなら、シロートでもできるけど、その人の持つ隠された魅力を引き出してこそ、プロのヘアメークってもんなのだ。なのだったら、なのなのだ‥‥とか、久しぶりに自画自賛してみても、電話とガスが止まりそうなんだけど(笑)
‥‥そんなワケで、お仕事でのテクニックを駆使して、「カキリンゴ風呂は絶対に効果がある!」って自己催眠ぽく自分に言い聞かせてみたワケじゃないんだけど、やっぱり薄いオレンジ色だったってことによる先入観が大きかったのか、それともホントに効果があったのか、とにかくあたしはポカポカして、グッスリと眠ることができた今日この頃なのだ♪
★今日も最後まで読んでくれてありがとう♪
★毎日がんばって更新してるので、クリックの応援ヨロシクお願いしま〜す!
↓ ↓
人気blogランキング
| 固定リンク