冬の夜のF1話
ショックで書くのがリトル遅れちゃったけど、とっても悲しいことに、FIAは1月26日付けで、「保証金の支払いが済み、全チームからの了承も得られたため、スーパーアグリチームの今シーズンへのエントリーを認めます」って公式発表した。ドライバーは、まだ正式には発表されてないけど、タクマのために大慌てで作った即席チームなんだから、タクマが乗ることは最初から決まってる。そして、もう1人のドライバーは、井出らっきょだろう。これまで、井出らっきょの他に、MAX松浦とかアンソニー・デビッドソンとかの名前もあがってたけど、MAX松浦は、今シーズンも亜久里んとこのインディカーに残留することが決まったし、アンソニー・デビッドソンは、ホンダのテストドライバーから、サードドライバーへと格上げになった。それで、1月の半ばには、亜久里が井出らっきょを連れて、イギリスのファクトリーにシート合わせに行ったことから、スーパーアグリのセカンドドライバーは、井出らっきょに決まりだって言われてる。ま、あたし的には、ロッテラーかデーモン小暮だったら、ちょっとは応援しても良かったんだけど、それはチーム的にアリエナイザーだったから、最初からどうでも良かった。
あ、一応、最近「きっこの日記」を読み始めた人たちのために説明しとくと、井出らっきょってのは、あたしの嫌いな星野一義のインパルの井出有治のこと、MAX松浦ってのは、スーパーアグリのIRLプロジェクトからインディに参戦してる松浦孝亮のこと、デーモン小暮ってのは、あたしの好きな中嶋悟のPIAA NAKAJIMAの小暮卓史のことだ。ここまで説明することもないのかも知れないけど、あたしが、F1の次に好きなのが、フォーミュラーニッポンて言うレースで、略して「Fポン」て言う。それで、星野のインパルとか中嶋のPIAAとか言うのは、そのFポンに参戦してるチームのことだ。で、あたしが応援してるのが、PIAAのロッテラーなので、デーモン小暮はPIAAのセカンドドライバーだから、ついでに応援してる今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、F1的な視点から言えば、大嫌いな‥‥って言うか、眼中にも無いスーパーアグリチームだけど、周り中に迷惑を掛けてホンダをクビになったタクマのために作ったチームだから、一番いいのは、エントリーできないことだった。だけど、エントリーが認められちゃった今、一番面白いのは、自分のチームのセカンドドライバーにタクマが負けたら笑えるかな?って思った。我ながら、ホントに意地悪な性格だと思うけど、こんなことを思っちゃうくらい、今回の鈴木亜久里の強引なやり方にはムカツイタのだ。だって、まるでライブドアの時間外取り引きや粉飾決算みたいな方法で、1人のドライバーのためだけに中身の無いハリボテチームを作るなんて、真剣にレースに参戦してる他のチームに対して、こんなに失礼なことはない。
だから、イッソのこと、タクマよりも確実に速いと思われるFポンのドライバーがセカンドドライバーになれば、タクマのために作ったチームで、タクマの遅さが証明されるって言う皮肉な結果になって、笑えるかな?って思ったのだ。タクマって、コーナリングとかで「巧い!」って思う瞬間もあるんだけど、とにかくメンタル面が弱い‥‥って言うか、すぐにカッとして冷静な判断ができなくなるって言う致命的な欠点がある。だから、申し訳ないけど、紳士のスポーツであるF1には人間的に向いてない。そこんとこ、早く自分で気づいて欲しいと思う。
で、タクマよりも明らかに速いと思われるFポンのドライバーって言えば、PIAAのロッテラーは当然として、インパルのブノワ・トレルイエとか、本山哲とか、ダンデライオンのリチャード・ライアンとか、あとは、5ZIGENの松田次生あたりでも、よほどマシンのセッティングで差をつけられない限り、簡単に勝てると思う。ま、井出らっきょもケッコー速いから、今のままでもタクマは足元をすくわれるかも知れないけど、できることなら、確実に実力の違いのあるロッテラーやトレルイエ、ライアンあたりがセカンドドライバーになれば‥‥って、こんなことばっか書いててつまんないから、もっと楽しい話題に車線変更しよう。
‥‥そんなワケで、まだドライバーも正式発表できないスーパーアグリと違って、真剣にレースに参戦してる他のチームは、すでにニューマシンでのテストを繰り返して、セッティングを煮詰めてる真っ最中で、開幕へ向けてチャクチャクとスケジュールをこなしてる。そんな中で、あたしが注目してるのは、当然、フェラーリとホンダだけど、期待通りに、どっちのニューマシンもカッコ悪かった(笑)
フェラーリのニューマシンは、「248F1」て言うんだけど、「248」ってのは、2.4リッターのV8って意味だ。だけど、今までのマシンは、「F2003」「F2004」「F2005」って来てたから、「248F1」なんて呼ぶよりも、「F2006」のほうが分かりやすいと思う‥‥って言うか、今年のマシンを「248F1」にしちゃったら、来年は何て名前にするんだろう? 来年のを「248F1−07」とかにするんなら、今年のは「248F1−06」にしなくちゃ変だし、イマイチ、良く分かんない。マクラーレンみたいに、エンジンが変わったことなんか関係無く、去年のが「MP4−20」だから、今年のが「MP4−21」ってふうに、開発順にナンバリングするだけでいいのに‥‥。
ま、名前なんかどうでもいいんだけど、そんなことよりも、思わずヒザカックンになっちゃったのは、そのカッコ悪すぎるスタイルだ。サイドミラーがヤタラと外側についてて、サイドミラーを「目」だとすると、元レースクイーンの愛人と別れたばかりのジャイアンツの外野手の顔みたいで、とても1番バッターにはなれそうにない。その上、フロントウイングが、薄いカミソリの刃みたいなのが3枚も重なってて、思わずミルコ・クロコップが「切レテナ〜イ!」って言っちゃいそうだ。できることなら、「お〜い、山田く〜ん! ミハエルさんのウイング、1枚もって行きなさ〜い!」って言いたくなる。
フェラーリのデザイナー、アルド・コスタは、「V8エンジンの導入に伴って、メカニカルな部分でも空力的な部分でもラジカルな改良を加えた」って言いつつも、「空力についてはまだ暫定的な段階で、シーズンの開幕戦を迎えるまで仕様は決まらない」とも言ってる。だから、もうちょっとマシになるかも知れないけど、よほどシューマッハから文句が出ない限り、サイドミラーの位置やウイングの基本構造までは手を入れないだろう。シューマッハは、16日にニューマシンのシェイクダウンを行なったけど、まあまあ走れてたみたいだから、それほど大幅な変更はなさそうだ。
だけど、23日から行なわれたバルセロナのカタロニア・サーキットでの合同テストでは、2年前の「F2004」のシャシーに新型V8エンジンを積んだマシンで参加したマッサが、トップタイムを叩き出したのに対して、シャシーもエンジンも新型の「248F1」で参加したシューマッハは、マッサよりも1秒も遅いタイムで、7位の成績だった。フェラーリのテクニカルディレクター、ロス・ブラウンによれば、「新しいシャシーは、重量配分を最適化するために、センターセクションを中心にすべて設計しなおして、モノコック構造全体を軽くした。また、リヤサスペンションは完全な新設計、フロントサスペンションは大幅な改良を加えたし、トランスミッションもディファレンシャルギアを含めてすべて新設計で、コンポジット素材を多用して、軽量化に伴う強度不足を補っている。開発の初期段階では、V8エンジンの大きな振動からトラブルが発生したけど、それらはすべて改善されている」とのことだ。
ようするに、今までのV10は滑らかに回るエンジンだったから、振動によるトラブルも少なかったんだけど、今度のV8は振動の多いエンジンなので、軽量化したシャシーや足回り、そしてギアボックスへの負担が大きいってことだろう。ロス・ブラウンは「改善されている」って言ってるけど、同じエンジンを積んだ2年前のシャシーに、1秒もの大差をつけられた事実を見れば、ソートー乗りにくいマシンだってことがうかがえる。それも、フェラーリは、全チームの中で、1番早くからニューマシンの開発を進めてたんだから、そのフェラーリのニューマシンに、あのシューマッハ様が乗ったのに、こんなアリサマじゃあ、今年のフェラーリも去年の繰り返しのような気がする。
それに比べて、素晴らしい完成度なのが、ホンダのニューマシン、「RA106」だ。今回のバルセロナの合同テストには、フェラーリ、ホンダ、ルノー、トヨタ、マクラーレン、ザウバー、レッドブル、トロロッソの8チームが参加したんだけど、フェラーリみたいに、1台がニューマシン、もう1台は以前のシャシーにニューエンジンを積んだマシン、てパターンとか、2台とも古いシャシーのマシンとかのパターンが多い中、ホンダは、2台ともニューマシンを揃えて来た。これは、この次期のテストでは珍しいことで、ホンダチームの開発が一歩も二歩も他チームの先を行ってることの証明だ。そして、合同テスト4日目には、バリチェロの「RA106−01」が全マシンの中で2位、バトンの「RA106−02」が4位のタイムを叩き出したんだけど、1位はフェラーリのマッサで、古いシャシーのマシンだから、ニューマシンの中なら、バリチェロがトップだったのだ。で、翌日の最終日、27日は、悪天候で、ちゃんとしたテストができなかったので、この4日目の成績が、最終的な参考タイムになったんだけど、一応、タイムだけを載せとく。
1 マッサ(フェラーリ) 1'15.970 73 (F2004)
2 バリチェロ(ホンダ) 1'16.361 66 (RA106)
3 フィジケラ(ルノー) 1'16.365 68 (R26)
4 バトン(ホンダ) 1'16.739 81 (RA106)
5 アロンソ(ルノー) 1'16.754 109 (R26)
6 クルサード(レッドブル) 1'16.885 42 (RB2)
7 シューマッハ兄(フェラーリ) 1'16.907 78 (248 F1)
8 ハイドフェルド(ザウバー) 1'17.046 61 (F1.06)
9 トゥルーリ(トヨタ) 1'17.250 85 (TF106)
10 シューマッハ弟(トヨタ) 1'17.506 71 (TF106)
11 リウッツィ(トロロッソ) 1'17.590 93 (RBR1)
12 ライコネン(マクラーレン) 1'17.741 65 (MP4-21)
13 クビカ(ザウバー) 1'17.992 93 (C24B)
14 デ・ラ・ロサ(マクラーレン) 1'18.258 47 (MP4-20s)
‥‥そんなワケで、まだまだ開幕まで時間があるから、今からどーのこーの言ってても、結局は開幕してみないと分からない。何しろ、エンジンのスケールダウンだけじゃなくて、予選方式の変更やらタイヤ交換の復活やらと、ハッキリ言っちゃえば、去年までとはまったく別のカテゴリーのレースみたいになるんだから、フタを開けるまでは何も分かんない。ただ、少なくとも現時点では、優勝に一番近いとこにいるのが、ホンダであり、バリチェロだってことだ。
フェラーリは、F2004のシャシーのマッサがトップタイムを出しただけじゃなく、2日目にはF2005のシャシーを使ったジュネが、同じくトップタイムを出してる。つまり、エンジンだけは、ものすごくイイってワケだ。それなのに、新しいシャシーに同じエンジンを載せたニューマシン、「248F1」は、マッサよりもジュネよりも確実に速いハズのシューマッハがドライブしたのに、ガクッと遅かった。だから、新開発のシャシーや足回りとのバランスが悪いってことだ。
そして、そんなフェラーリよりもダメなのが、マクラーレンの「MP4−21」だ。合同テストの初日は油圧系のトラブルでほとんど走れず、何とか直ったと思ったら、2日目にはギアボックスからのオイル漏れで、ライコネンは満足の行くテストができなかった。そして、いつも冷静なライコネンとは思えない、「メルセデスのエンジンは使いもんになんねえ!」ってセリフをノタマッたのだ。ホントは、「ハッキリ言って、僕は走る前からメルセデスの新型エンジンには期待してなかったけど、この酷いタイムを見れば分かるだろ? メルセデスのエンジンなんかじゃ、勝てるレースも勝てないよ。」って言ったんだけど、あたしなりに要約すると、「おめえに食わせるタンメンはねえ!」‥‥じゃなくて、「メルセデスのエンジンは使いもんになんねえ!」ってワケで、去年もメルセデスのセイで優勝を逃したライコネンだから、今年もエンジントラブルによるリタイヤが連発すれば、完全にブチ切れちゃうだろう。
そして、そんなメルセデスのヘッポコエンジンのオカゲで、去年はチャンプになれたルノーにしても、ニューマシン「R26」はトラブル続きで、フィジケラは2日続けて何度も走行をストップしてる。だけど、同じマシンでも、アロンソのほうは安定した走りを見せてたから、開幕までには信頼できる仕上がりになりそうだ。でも、アロンソは、来シーズンはマクラーレンへの移籍が決まってるんだから、ルノーをドライブするのは今年限りで、来シーズンは、ルノーがライバルになる。そんな立場での参戦なんだから、レギュレーションが大幅に変更になった今シーズン、マシンの不具合をあれこれとチームに報告して、マシンのポテンシャルを上げちゃうと、来シーズン、自分が困る。だから、上位の成績を狙いつつも、マシンの性能アップのためには、あんまり積極的には関わらないような気がする。
そして、来シーズンにアロンソが移籍して来るマクラーレンのほうは、ライコネンかモントーヤのどっちかが切られちゃうワケだから、マクラーレンに残りたければ、今シーズン、いい成績を上げなくちゃならない。去年までの成績や立場だけから考えれば、ファーストドライバーのライコネンが残り、モントーヤが切られるのが当然だけど、メルセデスエンジンに不満タラタラのライコネンが、果たして残留を希望するかってこともあるし、今シーズンのモントーヤの成績によっては、立場が逆転する可能性だってある。だから、モントーヤ的には、ライコネンに対して気を使わないアグレッシブな走りを見せるだろう。
こんな感じで、ニューマシンの完成度だけじゃなく、各ドライバーの思惑も加わり、波乱万丈な今シーズンになりそうだけど、まだまだ分からないのは、ウィリアムズやMF1みたいに、まだニューマシンを発表してないチームもあるってことだ。ウィリアムズのニューマシン、「FW28」は、バルセロナの合同テストには参加しなかったし、シェイクダウンは31日だから、今は何も分からない。それも、今回は、エンジンがコスワースになったし、タイヤがブリジストンになったし、エアロデザイナーも総入れ替えになったし、何から何まで去年とは違うニューマシンだから、お話にならないほどダメか、ものすごく速いか、それともソレナリなのか、マシンに乗るウェバーでさえも未知の世界だろう。そして、MF1のニューマシン、「M16」の発表は、2月3日の予定になってるし、どんなマシンなのかは、何も分からない。
‥‥そんなワケで、たいていは、オーストラリアGPが開幕戦になるF1なんだけど、今シーズンは、コモンウェルス・ゲームって言うオリンピックみたいなのがオーストラリアで開催されるため、オーストラリアGPは4月に移動になって、開幕戦は、3月12日のバーレーンGPになった。そして、その1週間後の3月19日には、第2戦のマレーシアGPが行なわれる。ようするに、開幕戦が終わったら、ソッコーでマレーシアに移動して、ソッコーで予選を走るって言うハードゲイだ。新しいマシンで、新しい予選方式でレースが行なわれる上に、どっかの誰かのセイでマシンの数まで増えちゃったのに、果たしてこんなスケジュールで安全なレースができるんだろうか?‥‥なんて思いつつも、あたし的には、早く開幕して欲しくてワクワクしてる今日この頃なのだ。
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