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2006.01.22

花のお江戸の釣りバカ日誌

turi ゆうべは、フジテレビのプレミアムステージで、「花のお江戸の釣りバカ日誌」をやったんだけど、あたしは、とても9時には帰って来れないので、留守録しといた。それで、映画は11時19分までだったから、あたしが帰って来た11時ころには、まだ終わってなかったんだけど、先に終わりの部分だけ観てもジンジャエールなので、そのまま録画しつつ、日記を書いた。それで、0時ころに日記を書き終わってから、急いでお風呂に入って、深夜1時くらいから観始めた。最近、色んなことがありすぎて、精神的にまいってて、リトル体調を崩してるので、お酒はひかえてる‥‥って言うか、とてもお酒を飲める状態じゃないので、ほうじ茶をいれて、ソファーにゴロンとして、電気毛布にくるまって鑑賞した。

 

前にも書いたけど、「釣りバカ日誌シリーズ」は、通常の映画の他に2本のスペシャルがある。1本が、6と7の間にやったスペシャルで、もう1本が、10と11の間にやった時代劇スペシャル、「花のお江戸の釣りバカ日誌」だ。あたしは、「釣りバカ日誌」の大ファンだとか言いながら、この「花のお江戸」は1回しか観たことがないので、ゆうべの放送をすごく楽しみにしてた。それで、いつもだったら、夜の7時くらいまでには帰って来れるようにして、お酒とオツマミを用意して、ゆっくりとお風呂に入って、それで楽しむんだけど、サスガに土日はそんなワケに行かないから、不本意ながら録画ってことになったのだ。

 

それで、クタクタだし、眠いし、体調が悪いし、ものすごく寒かったけど、なんとか最後まで観た。そしたら、ハマちゃんのオカゲで、なんとなくホンワカした気分になって、安心して眠ることができた。やっぱり、映画って、観てる間が楽しいのは当然として、観終わったアトに、暖かい気持ちになったり、幸せな気持ちになったりするのが大切なことで、これは、本の読後感と同じだと思った今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?

 

 

‥‥そんなワケで、あたしは、何年ぶりかで「花のお江戸の釣りバカ日誌」を観たんだけど、これは、ハマちゃんの祖先の「江戸時代のハマちゃん」が主人公の映画で、何よりもキャスティングが楽しい。ハマちゃんは、そのまま「浜崎伝助」って名前で、妹役の酒井法子と2人で長屋暮らしをしてて、釣りばかりしてるダメ浪人だ。もともとはちゃんとした藩につとめてたんだけど、仕事中に釣りばっかりしてるので、クビになった。それで、妹役の酒井法子に内職をさせて、自分は釣りばっかりしてる。長屋の大家さんは、営業3課の課長から部長に昇進した谷啓だし、他の鈴木建設の面々も、色んな役どころで顔を出す。

 

この映画は、「お正月スペシャル」として作られたから、レギュラーメンバーの他にも色んなタレントが出て来るんだけど、特に冒頭のシーンがものすごい。ハマちゃんが隅田川で釣りをしてると、すぐ近くで仇討ちが始まって大騒ぎになるんだけど、その仇討ちをするほうが、三倉茉奈と佳奈の双子で、カタキだと間違えられるのが上島竜兵、それで、上島竜兵がカタキじゃないって分かったマナカナは、今度は近くで釣りをしてたハマちゃんをカタキだと勘違いする。ようするに、持ってた似顔絵が、上島竜兵にもハマちゃんにも似てたってことなんだけど、ハマちゃんの機転で、この仇討ち騒ぎは一件落着する。そこに登場する籠屋の2人が、前に観た時には分からなかったんだけど、今回、「チッチキチー」の大木こだま、ひびきだってことに気づいた。だから、映画の冒頭から、胸焼けがしそうなほどの濃いキャスティングなんだけど、これはあくまでも「ツカミ」だから、アトはアッサリ味になる。

 

それで、ハマちゃんが隅田川で夜釣りをしてたら、大きな藩のご隠居のスーさんが釣りにやって来て、そこで意気投合しちゃう。ちなみに、隅田川って言っても、エサはミミズの他にイソメを使ってたし、釣れてたのはクロダイだったから、海に近い汽水域だろう‥‥って言っても、もちろんこのシーンは、ロケじゃなくてセットだけど。で、帰り道に、スーさんの命を狙ってる刺客が暗闇にひそんで待ち伏せしてたんだけど、夜目が利くハマちゃんが、その刺客を発見する。そして、ハマちゃんがパッと刀を抜くと、ツカから先は伸び縮みする釣り竿になってて、その釣り竿で、刺客の刀を釣り上げちゃう。そんなこんなで、スーさんを助けたハマちゃんは、色々とあってスーさんの藩で働けることになるんだけど、そこからどんどん面白いストーリーが始まるってワケだ。

 

つまり、いつものシリーズとは、ひと味もふた味も違う内容で、まさしく「娯楽映画の王道」って感じの「花のお江戸の釣りバカ日誌」なんだけど、まだ観てない人も楽しめるように、あたしはそれなりに気を使って書いてるから、興味を持った人はレンタルして観て欲しい‥‥なんてことも言いつつ、「釣りバカ日誌シリーズ」のひとつの楽しみは、毎回のロケ地なんだけど、この映画では、山形県の鶴岡市にある庄内藩校、「致道館」を使ってる。ここは、庄内藩の人材育成のために、酒井家九代目藩主の忠徳公が、文化2年(1805年)に設立した学校で、ここを舞台にしてロケをしてる。

 

ちなみに、近くにある旧風間家住宅「丙申堂」や「致道博物館」、「湯野浜海岸」は、「蝉しぐれ」のロケ地で 湯田川温泉は、「たそがれ清兵衛」のロケ地なので、この3本の映画のロケ地を巡る周遊バスツアーなんかもあったりする。「ペ」なんかの映画のロケ地を見学しに韓国くんだりまで行って、ニポンのお金をバラまいて来るくらいなら、「釣りバカ日誌」のロケ地を見学に行ったほうが、何億倍も有意義だろう。

 

‥‥そんなワケで、この映画のタイトルについてる「花のお江戸」だけど、これは、「いっぱい花が咲いてる江戸」って意味じゃなくて、「華やかな江戸」って意味だ。こんなこと、あたしが説明しなくても、誰でも分かると思うけど、どうしてこんな言葉が生まれたのかって言うと、それまでは、奈良(大和)がニポンの中心だったからだ。別に、奈良に対抗したワケじゃないんだろうけど、「江戸だって繁栄してるんだぜ!」って感じの自画自賛ぽい言葉だ。

 

平安時代までは、「花」って言えば「梅」のことで、奈良でも、春には梅を愛でていた。そして、今みたいに「桜」を愛でるようになったのは、平安時代に入ってからで、安土桃山時代には庶民にも「桜」のお花見が定着した。豊臣秀吉の「醍醐(だいご)の花見」とかは有名だし、この時代を境にして、ジミで味わいのあるものから、ハデでバカ騒ぎするものへと、ニポン人の嗜好が変化したってワケだ。ちなみに、あたしは、一番好きな花が梅で、一気に咲いて一気に散るヒステリックな桜は、あんまり好きになれない。だから、感覚的には、平安時代が向いてるんだと思う。

 

こんなふうに、ニポン人の嗜好も変化したから、「花のお江戸」の「花」ってのは、もちろん「繁栄」って意味なんだけど、植物学的には、ハデな「桜」ってことになる。逆に言えば、ハデな「桜」を「繁栄」の象徴として使った表現てことになる。そんな「花のお江戸」だけど、銭形平次の歌にも、「花のお江戸の八百八町」って歌詞が出て来るし、時代劇には欠かせない言葉だ。チョコっと調べてみたら、美空ひばりの「花のお江戸のやくざ姫」だとか、若林豪の「花のお江戸のすごい奴」だとか、クレイジーキャッツの「花のお江戸の無責任」だとか、他にも色んな映画があった。クレイジーキャッツの映画には、当然、谷啓も出てるんだろうから、そしたら谷啓は、「花のお江戸の無責任」にも「花のお江戸の釣りバカ日誌」にも出てるってワケで、無責任どころか、ものすごい責任感だ(笑)

 

テレビの時代劇だと、橋幸夫の「若さま侍捕物帖」の主題歌が、「花のお江戸の若さま侍」って言うタイトルだし、色んな時代劇に、「花のお江戸のナントカ」って言うタイトルの回がある。アニメでも、「キテレツ大百科」に、「コロ助珍道中/花のお江戸でアルバム作り」って言う回があった。他にも、探せばたくさんあると思うけど、なんでこんなに多用されるのかって言うと、音数の問題もあるんだと思う。五七五の俳句や、五七五七七の短歌を見れば分かるように、ニポン語のリズムの基本は5音と7音なので、「はなのおえどの」みたいな7音の言葉は、すごく使いやすいのだ。これが、「花の江戸の」だったり、「花の東京の」だったら、読んだ時にシックリ来ない。

 

‥‥そんなワケで、花のお江戸で生まれて、花のお江戸で育ったあたしとしては、「花のお江戸の釣りバカ日誌」には、谷啓よりもハナ肇を出演させて欲しかったんだけど、この世にいないんだから仕方ない。そう言えば、あれほどハデだった植木等は、今は入れ歯の洗浄剤のCMとかでタマに見かける程度だし、ハナ肇の他にも、何人かのメンバーは亡くなってる。そんな中で、今でも元気に活躍してるのは、当時はジミだった谷啓だけなのだ。結局、パッと咲く桜のような人生を選んだ人は、パッと散るのも早いけど、ジミでも味わいのある梅のような人生を選んだ人は、桜が散ったアトも静かに咲き続けてるってことなのかも知れない。まあ、ハデに咲いたイノシシ社長が、ハデに散って行ったアトも、梅が好きなあたしとしては、いつまでもジミに咲き続けようと思う今日この頃なのだ。

 

 

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