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2006.02.11

ビニールの魅力

昨日から泊まりのお仕事で、某スキー場へ行って来た‥‥なんて言うと、ものすごくリッチに聞こえるけど、実際は、午前中に東京を出発して、午後と夜に撮影をして、深夜に帰って来るって言う強行スケジュールだった。だから、「泊まり」って言うのは、温泉に浸かってから美味しいものを食べて‥‥なんてのじゃなくて、「帰りのロケバスの中で仮眠」ってことだ。だけど、あたしのお部屋よりも遥かに暖かいバスの中で、シートをリクライニングさせて、毛布を掛けて、それも4時間以上もグッスリと眠れたから、これは「仮眠」なんてレベルじゃなくて、あたし的には、素晴らしい「泊まりのお仕事」ってワケだ。それに、今回は、スキー場って言っても、スキーとかスノボーに関連した撮影じゃなくて、すべて室内だったので、現場もラクだった。

それにしても、自分で運転してると2時間でクタクタになっちゃうのに、ロケバスに乗ってると5時間でも疲れない‥‥って、そりゃあ当たり前のことなんだけど、自分で運転するかどうかは別にして、一番のポイントは、シートだと思う。あたしの車のシートはフニャフニャなので、1時間以上乗ってると、お尻も痛くなるし、何よりも腰や背中が痛くなって来る。ヒドイ時には、肩まで凝って来る。だけど、ロケバスのシートは、適度な硬さがあって、長時間座っててもどこも痛くならない。だから、今回なんか、行きと帰りと合計で9時間くらい座ってたのに、どこかが痛くなるどころか、ラクでラクで熟睡しちゃったくらいだ。

だから、あたしの車のシートを外して、代わりにロケバスのシートを付けたらどうだろう? それならイッソのこと、マッサージチェアにしたらどうだろう?‥‥なんて、またまた空想がダッフンしはじめたら、何かのテレビ番組で、車のシートにつける電動マッサージシートを紹介してたことを思い出した。やっぱり、あたしが想像するようなことなんて、もっと先に誰かが考えてて、すでに商品化されちゃったりしてるんだよな〜なんて思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あたしは、よくよく考えてみなくても、現場にいた時間よりもロケバスに乗ってた時間のほうが長かったワケだけど、こう言うのはマレなことで、普通の場合は、現場までの行き帰りの時間よりも、お仕事をしてる時間のほうが長い。お勤めの人だって、職場までの通勤時間よりも、職場にいる時間のほうが長い。だけど、タクシーの運転手さんとか、トラックの運転手さんとかは、運転することがお仕事だから、ずっと車のシートに座ってるワケだ。だから、ラクなシートとラクじゃないシートでは、つらさが大きく違うと思う。

カーショップに行くと、背中や腰のツボを押してくれるみたいなやつ、何て言うのか分かんないけど、小さい木のボールみたいなのが、ノレンって言うか、スダレって言うか、居酒屋さんの入り口に掛かってるやつみたいになってて、それをシートに掛けるてから座ると、背中がコリコリして気持ち良さそうなやつ‥‥あ〜っ!言葉じゃ説明しにくい!‥‥ま、何とか伝わったと思うけど、そんなのとかを売ってたりする。だけど、いくら気持ち良さそうでも、サスガにアレを自分の車のシートにつける気にはなれない。だって、誰かに見られたら恥ずかしいじゃん。

他にも、あたしの美意識に合わないのが、レースのシートカバーだ。ゆうこりんとかなら似合うのかも知れないけど、きっこりんの場合は、白いレースのシートカバーのついてる車は、ヒク。やっぱり、車のシートって、もともとのデザインがカッコイイものに、カバーとか何もしないで、そのまま乗るのがいいと思う。だから、フェラーリとかポルシェとかに乗ってる人で、シートカバーをつけてる人なんて、皆無にと思う。逆に、カローラとかサニーのセダンとかだと、前後の座席すべてに白いレースのカバーがついてたりする。ま、趣味は人それぞれだから、別にどうでもいいんだけど、初めてのデートの待ち合わせの場所に、カッコ良く現われたフェラーリに乗り込もうとしたら、シートにレースのカバーがついてたりすると、少なくとも、あたしは、ヒク。

‥‥そんなワケで、あたし的には、車に関しては、所さんの美意識が合う。前に所さんが車の番組をやってた時に、「シートカバーだとかオーディオだとかをゴテゴテとつけるのはカッコ悪い」って言うようなことを言ってた。あたしは、アメ車のことは良く分かんないんだけど、その時、所さんは、古いアメ車に乗ってて、黒いレザーもどきのビニールのシートと、ダッシュボードの真ん中に1個しかない内蔵スピーカーを自慢してた。所さんが言うには、「本物のレザーシートの似合う車もあるけど、古いアメ車の場合は、ニセモノのビニールシートのほうがカッコイイ」ってことで、レザーのタイトスカートが好きなのに、高くて買えないから、フェイクレザーのスカートをはいてるあたしにとって、この所さんの考え方は、リトル衝撃的だった。

「衝撃的」に「リトル」をつけると、自分で書いときながら、どんな感じなのかイマイチ分かんないんだけど、とにかく、あたしは、目からカラーコンタクトが落ちたって感じがした。ようするに、フェイクレザーでもフェイクファーでも、本物が買えないから仕方なくニセモノを着てる‥‥って考えるんじゃなくて、「フェイクの持つチープな味わいを楽しむ」ってことだ。コレって、単純なんだけど、深いことだ。「ビニールはレザーよりも劣る」「ビニールはレザーよりもカッコ悪い」って言うのは、「値段の高い物のほうがエライ」って言う先入観が生み出したものであって、所さんの感覚で言えば、「レザーにはレザーの魅力があるけど、ビニールにもビニールの藻力があって、それは比べるものじゃない」ってことなのだ。

それから、その時の所さんのアメ車には、カーラジオしかついてなくて、それもスピーカーが1個で、ようするにモノラルだった。今は、ケータイでもそれなりの音質が楽しめる時代だけど、所さんのアメ車は、ザーザーと雑音が混じりながら、音楽が流れてた。そして、所さんは、「ね、いいでしょ?」みたいなことを言ってた。つまり、古いアメ車なのに、高級なカーオーディオなんかつけて、素晴らしい音質で音楽をかけても、似合わないしカッコ悪い。それよりも、雑音混じりの音楽のほうが、古いアメ車には似合ってる‥‥ってことだった。

たとえば、ハゲてる人の場合は、カツラを使ったり、残ってる髪を利用して隠そうとしたりするパターンと、そのまま堂々とアリノママに生活してるパターンと、アジのヒラキ直りでスキンヘッドにしちゃうパターンとに分けられる。だけど、所さんの場合は、「オデコにサングラス」って言う新しいワザによって、見る人の目の錯覚を利用して、後退した広いオデコを感じないようにさせてる。カツラやイチキュー分けの場合は、あくまでも「隠す」って言う行為であって、そこには「陰のエネルギー」を感じるし、松山千春みたいなスキンヘッドの場合には、「陽のエネルギー」を感じる。陰のエネルギーは、周りの人に気を使わせるし、陽のエネルギーは、周りの人にはうっとうしい。だけど、所さんの場合には、アリノママに生活してる人たちと同じで、陰のエネルギーも陽のエネルギーも無く、肩の力を抜いた、すごくリラックスした雰囲気がある。所さんを見てると、まるで、オデコのサングラスからアルファー波が出てるような気がして来る(笑)

その上、そのオデコのサングラスが、ひとつのファッションになってるんだから、一石二鳥、二人三脚、五十歩百歩‥‥って、これはリトル違うけど、とにかく、良く考えられてると思う。人と違うことが、すべてカッコイイってワケじゃないけど、お金持ちだからベンツ、お金持ちだからシャンパンって感覚は、あまりにもダサすぎると思う。所さんは、ものすごくたくさん車を持ってるけど、いわゆるお金持ちが買う車とかじゃなくて、コダワリのある変な車を買う。陶器を集めるのも趣味だけど、それも、いわゆるお金持ちが買うような陶器じゃなくて、高くても安くても値段なんか関係なく、自分が見てイイと思ったもの、面白いと思ったものを買う。そして、部屋の床とかに雑然と並べてる。こう言うアバウトさって、すごくカッコイイと思う。

‥‥そんなワケで、創刊されたばかりの「5l(ファイブエル)」って言うフリーペーパーに、あたしの大好きな赤瀬川原平さんが、「世相、真面目にななめ読み」ってエッセイを連載してんだけど、これがまたサイコーに面白くて、あたしは、このフリーペーパーをもらうために、ダイソーの100円ショップに行ってる。で、この2号では、原平さんは人間の物欲について書いてるんだけど、「ラクテンとか、ホリエモンとか、○○ファンドの人々の買い物が、最近話題になっている。株とか会社とかを買うわけである。金額が大きいから注目されているが、この人々の買い物には物欲がない。」って言ってる。ようするに、本当にその株券が欲しかったり、本当にその会社が欲しいのなら、カメラや洋服を欲しいと思うのと同じで「物欲」があるけど、これらは単なるお金を増やすための道具に過ぎず、買ってもすぐに売るワケで、そう言う買い物は、「遠くから見ていて寂しいのである。」って言ってる。

原平さんは、買い物の楽しさ、物欲の楽しさを「性欲」にたとえてる。若いうちは、性欲もあるし、物欲にしても、アレが欲しいコレが欲しいって、欲しいものがいっぱいある。だけど、それらをすべて買うお金は無い。だからこそ、一生懸命に働いて、お金を貯めて、欲しかった物を買う時に喜びがある。だけど、「ラクテンとか、ホリエモンとか、○○ファンドの人々の買い物」を見てると、お財布からお金を出すこともなく、買った物を手にすることもなく、すべては書類の上だけのことで、何の楽しさも無い。まるで、老人の性欲のようだ、って言ってる。ようするに、性欲も無くなり、欲しい物もすべて手に入れて物欲も無くなり、それでマネーゲームに興じるんなら分かるけど、若い人たちが、老人の性欲のような、物欲の無い買い物に明け暮れている姿は、本当に虚しく感じる‥‥ってことだ。

‥‥そんなワケで、総理大臣が、「国民に‥‥格差ができるのは‥‥悪い‥‥ことじゃない‥‥」とか、「成功した‥‥人間を‥‥ねたむような‥‥考え方は‥‥間違っている‥‥」とか言ってるんだから、どんなに悪いことをしても、お金さえ儲ければ成功者だなんてカン違いしちゃう人たちも出て来るだろうし、実際に、そう言うヤツラだらけだし、挙句の果てには、小学生までが株をやってるなんて話を聞いて、あたしは呆れ果てた。小学生に「寂しい買い物」をさせるなんて、小学生のうちから「老人の性欲」のような生き方をさせるなんて、子供はともかく、親が狂ってるとしか言いようがない。所さんなんか、未だに物欲が全開で、小学生がそのまま大人になったみたいにステキなのに‥‥。ま、こんなに狂った世の中が、あと10年も続いたら、ホントの家族なんて、「サザエさん」とか「ちびまる子ちゃん」とか、アニメの世界だけになっちゃうかも知れない‥‥なんて思う今日この頃なのだ。


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