裏道の落とし穴
今日の夕方‥‥って言うか、もう暗くなってたから、まさしく「春の宵」なんだけど、品川のスタジオを出たら、一番渋滞してる時間だったので、メチャ混みの表通りを避けて、裏道で行けるとこまで行こうと思った。それで、幹線道路からそれた裏道へ入ったんだけど、そこも渋滞を逃げて来た車で渋滞になってて、似たような状態だった。もしかしたら、表通りのほうが、まだマシだったかも知れないんだけど、もう裏道に入っちゃったし、前も後ろも車の列だから、今さらどうしようもなくて、そのままちょっとずつ前進するしかなかった。それで、あたしの前はタクシーだったんだけど、あきらめて、そのあとをノロノロとついて行った。
それで、タクシーの前も、その前も、普通の乗用車だったんだけど、その前がトラックだったので、そこから先は見えなくて、どれくらい車がつながってんだか分からない。先が見えたって見えなくたって、掛かる時間に変わりはないんだけど、渋滞にハマッた時って、どうしても先の様子を知りたくなる。先の様子が分からないと、イライラが倍増しちゃうからだ。だから、バスの前のほうの席に乗ってたりすると、渋滞にハマッても、ずっと先のほうまで見えるから、あんまりイライラしない。「あ、この先のスクランブルまでは、ずっとこんな感じで詰まってるんだな」とかって分かれば、同じ渋滞でも、先がどうなってんのか分かんない状態とは違って、いくらイライラしたってどうせ「無理だ!」‥‥ってことになり、ワニのうでたて‥‥じゃなくて、カメのふっきん‥‥じゃなくて、アジのひらきなおりみたいな気分になる。
ちなみに、この無理のある持って行き方は、あのサンプラザ中野さんが、この「きっこの日記」を愛読してくれてるって話をセクシーな小耳にはさんだからで、ほとんどの人のことを呼び捨てにしてるあたしが、サンプラザ中野「さん」て書いたのも、本人に見られた時のことを考えての根回しチックな運びなのだ。さらに、ちなみに、爆風スランプの「無理だ!」のネタは、2005年10月29日の日記、「胃の中の小さいきっこたち」にもリトル登場してるので、サンプラザ中野さん、興味があったら過去ログを読んでみてちゃぶだい‥‥なんて言ってみた今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、武道館のステージで、爆風スランプが「大きなタマネギの下で」を歌い出すと、2コーラス目くらいに、上からワイヤーで吊るされた黒柳徹子が降りて来るって言う演出はどうかな?って、あたしは、ずっと前に想像したことがあるんだけど、コレって、たぶん、他にも色んな人が考えただろうし、サンプラザ中野さん自身も考えただろうし、もしかすると、パッパラー河合さんあたりが、ダメモトで黒柳徹子にオファーを入れたことがあるのかも知れないと思う‥‥なんて妄想をめぐらしてたら、突然、あたしの前のタクシーが、右の細い路地へと曲がった。
あたしは、一瞬考えたんだけど、この渋滞を回避するために、プロしか知らない裏道の裏道へ入ったんだって思って、トッサの判断で、タクシーに続いて右折した。トリプルアクセルを2回跳ぶ予定だった荒川静香が、瞬時の判断でトリプルとダブルに変更したみたいに、あたしも、瞬時の判断をしたってワケだ。あたしの愛車、スーパーパンダには、当然、カーナビなんかついてるハズもないし、都内や横浜、川崎の裏道は、ほとんど知ってるから、コレと言って困んない。だけど、サスガに、裏道の裏道とかになると、地元とか、目黒とか、六本木とか、青山とか、そう言った良く使う場所しか分かんなくて、品川ナンバーのクセに、品川はリトル苦手なのだ。
で、あたしは、そのタクシーをカーナビ代わりにして、他力本願大作戦でついてったワケだけど、これがまたドンピシャで、どこをどう曲がったのか分かんないほどクネクネと走ったんだけど、とりあえず大通りに出た。それで、タクシーの幅ギリギリくらいの細い路地から、一気に片側3車線の大通りに出たんだけど、その時点では、その大通りが何通りなんだか、あたしは分かんなかった。それで、路地から見ると、その大通りはケッコー流れてて、右から左へ車がビュンビュンと走ってた。だから、あたしの前のタクシーは、すごく慎重にしてて、なかなか大通りに出なかった。あたしは、タクシーまで2メートルくらいの車間距離があったんだけど、タクシーがなかなか大通りに出ないから、あたしはちょっとずつ前進して、いつの間にか、タクシーとテール・ツー・ノーズになってた。それで、ようやく大通りの車の流れが無くなったみたいで、タクシーが左にハンドルをきりながらスーッて前進した瞬間!
キーッ!ドンッ!‥‥ガシャーン!
右から走ってきたバイクが、タクシーの前の部分にスゴイ勢いで突っ込んで、バイクを運転してた人が、タクシーのボンネットの上を飛び越えてった!
あたしは、あまりのことに、どうしていいか分からず、しばらくハンドルを握ったまま固まってたんだけど、タクシーの運転手さんがすぐに降りて、バイクの人のほうへ走って行ったり、通行人とかも走って行ったので、あたしも車から降りて、大通りへ出て行った。そしたら、そのバイクの人は、10メートルくらいも飛ばされてたのに、奇跡的に大ケガはしなかったみたいで、ちゃんと立って話をしてた。どっちかのヒジのあたりをさすってたから、打撲とかはあったんだろうけど、あたしは、車から降りた時に、死んだかも知れないと思ってヒザがガクガクしてたから、無事だと分かったトタンに、腰が抜けるほどホッとした。
‥‥そんなワケで、バイクの人は無事だと分かったし、タクシーの運転手さんは警察や救急車を呼んだみたいだし、あたしは関係無いから、もうサクサクと帰りたいんだけど、タクシーがどいてくれないと、あたしの車は前に進めない。でも、タクシーの右の前のタイヤのとこには、バイクが突き刺さってて、このままじゃ動かせないみたいな状態だし、タクシーの運転手さんはバイクの人と話してるから、そこまで行って、あたしのほうから「すいませんけど車を動かしてくれませんか?」なんて、とても言える空気じゃなかった。
それで、しかたなく自分の車に戻って、運転席に座ってボーッと待ってたら、タクシーの運転手さんが車に戻って来た。あたしは、このチャンスに、車をどけてもらうように頼もうと思って、車から降りた。そしたら、運転手さんは、タクシーに乗せてたお客さんに、ペコペコと頭を下げて、「料金は結構ですから、ここから別のタクシーを拾ってくれませんか?」って感じのことを言ってた‥‥って言うか、こんな大変なことになってんのに、そのお客さんは、一度もタクシーから降りて来ないで、ずっと新聞か何かを読んでたのだ。あたしは、事故よりも、このお客のほうにビックルを一気飲みした。
あたしは、「言うチャンスを逃したかな‥‥」って思ったんだけど、お客さんを帰したら、運転手さんはあたしのとこに来て、「どうもすいません。すぐに動かしますからね」って言ってくれた。これで、あたしはホッとして、運転席に戻ったんだけど、運転手さんが、いくら必死にバイクを引っぱっても、なかなか動かないみたいだった。でも、その時には、ずいぶんと野次馬が集まって来てて、その中の男の人が何人か、運転手さんを手伝って、バイクをズルズルと引っぱった。そして、タクシーは、ギーギー言いながら左に曲がって、あたしは、やっとのことで前に進むことができた。あたしの後ろにも、3台も車が溜まってたから、みんなホッとした。
バイクの事故は、その時は大丈夫そうに見えても、頭の打ち所が悪いと、あとから意識不明になったりすることもあるって聞くから、今日の事故はまだ安心はできないけど、それでも、ちゃんと救急車を呼んでたみたいだから、これ以上は、あたしが心配してもしかたない。だけど、交通事故で死ぬくらいバカバカしいことはないから、運転をする人は、ホントに気をつけて欲しい。3月6日付の警察庁の発表によると、今年の交通事故による全国の死者は、3月3日で1000人を超えたそうだ。これは、1970年以降、最も遅いペースだって言うんだけど、遅くても早くても、わずか2ヶ月ほどで1000人もの人が死んでるワケで、毎日どこかで、10人から20人の人が死んでるってことになる。ちなみに、この2ヶ月間で、交通事故による死者が全国で一番多かったのが、トヨタのオヒザモトの愛知県、次が千葉県と埼玉県で、そのあとが、福岡県、兵庫県と続いてる。だから、必ずしも人口に比例してるってワケじゃないから、もしかしたら、このワースト5の県は、県警の姿勢に問題があるのかも知れない。
‥‥そんなワケで、あたしは、やっと大通りに出られたんだけど、少し走り出した時に、反対車線を走るサイレンを鳴らしたパトカーとすれ違った。東京は、どんなに遅くても、通報してから10分くらいでパトカーが来るから、あたしは、すごく長く停まってたみたいに感じたけど、実際には、10分も経ってなかったんだと思う。つまり、結果的には、事故で前に行けなくても、渋滞の道を進むよりは、時間を短縮できたワケだ。でも、たった数十分を短縮しようと急いだために、もしかしたら、あたしが事故に遭ってた可能性もある。だから、何のオチも無くて申し訳ないけど、少しは気持ちに余裕を持った運転をしようと思った今日この頃なのだ。
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