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2006.04.24

サンマリノGP

あたしは、フェラーリは大好きだけど、シューマッハ兄はあんまり好きじゃない。フェラーリとシューマッハ兄の組み合わせって、あまりにも似合いすぎてて、優等生同士のカップルみたいにイヤミな感じがするからだ。それに、落ち着きはらったシューマッハ兄のドライブよりも、ラフで熱いバリチェロのドライブのほうが、見ててコーフンして来る。だから、バリチェロのいない今のフェラーリは、リトル冷めた目で応援してる。

だけど、うんと昔、セナが活躍してたころは、熱いドライブのセナよりも、いつでも沈着冷静なプロストのほうが好きだった。だから、セナのファンだった人がバリチェロのファンになったりするんならスジが通ってるんだけど、プロストを好きだったあたしが、正反対のドライブをするバリチェロを応援してるのって、なんかスジが通らない。でも、それは分かってるんだけど、2000年のドイツGPで、苦節8年目で初優勝したバリチェロの大泣きを見ちゃったあたしは、母性本能をワシヅカミにされちゃって、それ以来、バリチェロを応援してる。だから、ホントのことを言わせてもらうと、一般車で言えば、ハデだけど遅いドリフト走行よりも、ジミだけど速いグリップ走行のほうが好きなワケで、外見よりも内容を重視してる。

だから、ドライブスタイルだけで言えば、バリチェロよりもシューマッハ兄のほうが好きなタイプなんだけど、あたしの場合は、マシンがどーのこーのとか、ドライブがどーのこーのとかじゃなくて、ずっと努力を重ねて来た人が、ついに表彰台に上った!ってのに弱くて、それがまた、フィジケラみたいなモテモテのイケメンじゃなくて、釣りバカ日誌のハマちゃんみたいなバリチェロだからこそ、ヨケイに胸がジーン・シモンズ‥‥なんてことも言ってみたデトロイト・ロック・シティな今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?(笑)


‥‥そんなワケで、今回のサンマリノGPは、ツッコミどころが満載だった。たとえば、レース開始早々に、井出らっきょがムリな位置から前に出ようとして、アルバース(ミッドランド)に接触した。アルバースのマシンは、バランスを崩しながら弾き出されて、5回転もしてメチャクチャになった。幸いにも、アルバースは無事だったけど、横にスピンしたんじゃなくて、運転席から地面に叩きつけられながらの回転だったから、一歩間違ってたら取り返しのつかないことになってたかも知れない。当然、アルバースは、「遅いマシンに乗ってるから、スタートで少しでも前へ出たいって思ったんだろうけど、彼が何を考えてんだか理解できないぜ!」って激怒してた。だけど、井出らっきょだけが100%悪いワケじゃないので、ペナルティーにはならず、「井出に対する厳重注意」ってことだけで済んだ。

他にも、ホンダチームのヒドサが目についた。バトンは、2回目のピットインの時に、ピットクルーのハレホレ音頭が炸裂しちゃって、まだ給油が終わってないのにGOサインを出しちゃうから、給油のノズルを差し込んだまま走り出しちゃって、ビヨーンて伸びたホースに絡まって何人もコケちゃって、まるで、モンティパイソンのギャグを見てるみたいだった。その上、ノズルは引きちぎれちゃうし、時間は大幅にロスしちゃうし、このミスで、それまで3番手を走行してたバトンは、8番手まで後退しちゃって、最低だった。

ドライバーが、たった1秒を縮めるために必死で走ってるってのに、チームが足を引っぱるなんて、青山のホンダの本社に怒鳴り込みたくなる。もちろん、ピットクルーだけの責任じゃないけど、バトンはフロントロー、バリチェロは3番手からのスタートだったのに、結局、バトンは7位、バリチェロは10位と、2台とも大きく後退してフィニッシュした。ポールがシューマッハ兄、2番がバトン、3番がバリチェロ、4番がマッサってことで、フェラーリ、ホンダ、ホンダ、フェラーリって順番でスタートして、フェラーリは1位と4位だったのに対して、ホンダは7位と10位、この結果の違いを見れば、ホンダチームには反省すべき点がマウンテンてことが良く分かる。

他にも、レースの後半は、トップのシューマッハ兄と、それを追うアロンソの2台だけを映し続けて、他のマシンはいっさい映さなかったって言う、いつもだったら、あたしがマッサキに文句を言いそうなことがあったんだけど、今回ばかりは、素晴らしい配慮だったと思う。何しろ、あたしは、この映像で、感動しちゃって涙が止まらなくなったのだ。

シューマッハ兄は、優勝回数でも、タイトルでも、通算獲得ポイントでも、表彰台に上がった回数でも、セナの記録を上回っていた。もちろん、セナが11年しか走ってないのに対して、シューマッハ兄は今年で16年目で、出走回数も遥かに多いので、比べること自体にムリがある。だけど、セナは、多くのF1ドライバーの憧れの存在だし、そのセナの残した記録を塗り替えるってことは、現役のF1ドライバーの夢でもある。

それで、シューマッハ兄は、セナの記録を次々と塗り替えて来たんだけど、唯一、破れなかったのが、ポールポジションの回数だった。これにしても、セナの時代と今とでは、予選の方式も違うんだし、単純に比べるのはおかしいんだけど、セナの「65回」って言うポールポジションの数は、あまりにも重たいものだった。そして、今回、シューマッハ兄は、66回目のポールをとり、ついに、セナの記録をすべて塗り替えたのだ‥‥とは言っても、セナは、生涯出走回数161のうち、65回ものポールポジションをとってる。だけど、シューマッハ兄は、すでに230回以上も出走してるワケだから、ポールポジションの確率って意味では、まだまだセナの足元にも及ばない。

ま、細かいことは食器棚にでも置いといて、とりあえず、シューマッハ兄は、表向きのセナの記録をすべて塗り替えることができたってワケで、だから、今回の決勝戦で、ポール・トゥ・ウィンができるかどうかは、すごく大きな意味があった。そして、後半、グイグイと追い上げるアロンソに対して、熱く燃えながらも冷静に走り続けたシューマッハ兄は、すごくカッコ良かった。ホンの一瞬のミスが、すべてを終わらせちゃうような状況で、5センチの狂いも無いような正確無比なドライブを続けたシューマッハ兄は、あたしの好きだったプロストをホーフツとさせた。そして、熱く熱く追い上げるアロンソは、セナのようだった。この2台のバトルを観てたら、あたしは、だんだん胸が熱くなって来て、感動して、涙が止まらなくなった。ブラボーイモラ! ブラボーフェラーリ!‥‥って感じだった。

結局、アロンソの一瞬のミスで、その差は開き、シューマッハ兄が優勝したんだけど、表彰台でジャンプしたシューマッハ兄に、あたしは、心からの拍手を送った。そう言えば、ほとんどのチームがレースをボイコットしちゃった去年のアメリカGP以来、久しぶりの優勝だから、嬉しさもヒトシオだっただろう。そして、シューマッハ兄(フェラーリ)、アロンソ(ルノー)に続いて、3位には今季初表彰台のモントーヤ(マクラーレン)、そして、マッサ(フェラーリ)、ライコネン(マクラーレン)、ウェバー(ウィリアムズ)、バトン(ホンダ)、フィジケラ(ルノー)までがポイント圏内だった。

‥‥そんなワケで、あたしの応援してるバリチェロは、アンテナが1本も立たない圏外だったけど、とりあえずは10位で完走できたし、何よりもシューマッハ兄とアロンソのバトルに、プロストとセナのバトルの面影を感じることができたので、とにかくコーフンしたし、胸が熱くなった。最近のF1て、モズレー会長の支離滅裂な気まぐれのセイで、ドライバーもチームもたまったもんじゃないだろうし、レース自体がシラケ気味だったけど、久しぶりに10年以上前の、本気で楽しかったころのレースを感じることができた今日この頃なのだ。


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