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2006.04.04

石橋からボタモチ

遅ればせながら、ゆうべ、オーストラリアGPの予選と決勝をタテ続けに観たんだけど、とても、日記に書く気が起こらない。何でかって言うと、あまりにも色んなことがありすぎて、たくさんのマシンがクラッシュしすぎて、まるで、コイズミ独裁政権のデタラメ改革みたいなメチャクチャなレースだったからだ。ぜんぶ書いてたら、ものすごい長さになりそうだし、一生懸命にぜんぶ書いたとこで、レースを観てた人には「今さら」って感じだし、興味の無い人には「それがどうした?」って感じになっちゃう。だから、マクラの部分だけで、決勝を究極にハショッて書いてみるけど、まずは、フォーメーションラップでモントーヤ(マクラーレン)がスピンして、フィジケラ(ルノー)がエンストしてスタートできなくて、もう一度、フォーメーションラップのやり直しで、最初からグダグダ。で、やっとこさスタートしたと思ったのもトコノマ、1コーナーでマッサ(フェラーリ)が飛ばされてクラッシュして、ロズベルグ(ウィリアムズ)もトバッチリで2台ともリタイア。3コーナーでは、トゥルーリ(トヨタ)とクルサード(レッドブル)が接触して、セーフティーカーが入る。4周目に再スタートした瞬間、今度はクリエン(レッドブル)が単独クラッシュで、またまたセーフティーカーが入り、10周目に再スタート。で、ようやくレースらしくなって来たんだけど、23周目には、ウェバー(ウィリアムズ)がギアトラブルでリタイア、34周目には、シューマッハ兄が最終コーナーで、らしからぬ単独クラッシュで、またまたセーフティーカーが入る。で、やっと再スタートしたと思ったら、今度は38周目に、リウッツィ(トロロッソ)がクルサード(レッドブル)と接触してクラッシュして、またまたまたまたセーフティーカー‥‥まるで、インディーを観てるみたいなハレホレ状態のレースで、トドメは、バトン(ホンダ)が、チェッカー手前の150メートルで、チキチキマシンになっちゃって、煙と火を噴いてストップ。サスガ、フジテレビが絶賛してるジャパンパワーは、タイヤにしてもエンジンにしてもワンダホーだ。あたしは、今回のテイタラクを見て、ホンダの車だけは絶対に買わないようにしようと思った今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、ポールポジションからスタートしたバトンは、パワー不足のマシンに、青山のホンダ本社の重すぎる期待を乗せて、血マナコになって走ったワケだけど、グダグダのレース展開のオカゲで、どんどん順位を下げ続けちゃって、気がついた時には、お情けの10位って言う結果にあまんじるしかなかった。山田優ちゃんも、セクシーなクチビルを半びらきにして、さぞかしガッカリしたことだろう。だけど、オカゲさまで、使いもんになんないブレーキに苦労しながらも、バリチェロが7位に入賞して2ポイントをGET MY LOVE!ってワケで、バトンがチェッカーを受けてたら、8位で1ポイントだったから、あたし的にはオッケーだ。ちなみに、結果は、こんな感じだ。


1.アロンソ(ルノー)M
2.ライコネン(マクラーレン)M
3.シューマッハ弟(トヨタ)B
4.ハイドフェルド(ザウバー)M
5.フィジケラ(ルノー)M
6.ヴィルヌーブ(ザウバー)M
7.バリチェロ(ホンダ)M
8.スピード(トロロッソ)M
9.クルサード(レッドブル)M
10.バトン(ホンダ)M
11.アルバース(ミッドランド)B
12.佐藤琢磨(スーパーアグリ)B
13.井出有治(スーパーアグリ)B
R.モントーヤ(マクラーレン)M
R.モンテイロ(ミッドランド)B
R.リウッツィ(トロロッソ)M
R.シューマッハ兄(フェラーリ)B
R.ウェバー(ウィリアムズ)B
R.クリエン(レッドブル)M
R.トゥルーリ(トヨタ)B
R.ロズベルグ(ウィリアムズ)B
R.マッサ(フェラーリ)B


分かりやすいように、ミシュランタイヤを使用してるマシンには「M」、ブリジストンタイヤを使用してるマシンには「B」って書いといたけど、これを見れば分かるように、完走した13台のうちの上位10台は、3位に入賞したシューマッハ弟(トヨタ)だけがブリジストンタイヤで、残りの9台はすべてミシュランタイヤだ。また、11位のアルバースは1周遅れ、12の佐藤琢磨は2周遅れ、13の井出有治は3周遅れと、ほとんどレースには参加してなくて、他のマシンに抜かされながら、最後尾をチンタラと走ってただけだ。そして、リタイアした9台のうちの6台がブリジストンタイヤだ。もちろん、タイヤの問題だけでリタイヤしたマシンばかりじゃないけど、これほど極端に優劣の差が出ちゃうと、ブリジストンタイヤは、もうダメなのか?‥‥って思うかも知れないけど、そんなこたーない。

今回、ブリジストンは、新開発のコンパウンドのタイヤを用意してて、ブリジストン勢の中では、ウェバー(ウィリアムズ)とシューマッハ弟(トヨタ)が、そのタイヤを予選から使ってた。で、予選の結果は、ウェバーが6位、シューマッハ弟が7位で、ブリジストン装着車の中では、一番いいタイムを出してた。その上、決勝でも、シューマッハ弟は3位に入賞したし、ウェバーは、ギアボックスのトラブルでリタイアしちゃったけど、それまでは、アロンソやライコネンを抑えてトップを走ってた。

オーストラリアGPが行なわれてるアルバートパークサーキットは、公園の湖を1周してる公道をコースにしてるので、もともと路面のグリップが悪い。その上、今回は、4回ものセーフティーカーの導入があったから、そのたびに、せっかく温まってたタイヤの温度が下がっちゃって、グリップが無くなるってパターンが続いてたから、ミシュラン勢も、みんな苦労してた。そんな状況の中で、ブリジストンの新開発のコンパウンドは、それなりの結果を出したのだ。

トヨタチームのシャシー担当テクニカル・ディレクターのマイク・ガスコインは、「最新型のコンパウンドを用意してくれたブリジストンに感謝している。どのチームも再スタート時のタイヤ温度の低下に苦労していたようだが、我々は比較的その苦労はなかった。」ってコメントしてる。だから、これは、ものすごく評価できることだし、リタイアしたウェバーも、レース後に、「ギアトラブルによるリタイアは悔しいけど、ブリジストンは素晴らしい仕事をしてくれた」って、タイヤを絶賛してた。また、ブリジストンのモータースポーツ・テクニカル・マネージャーの菅沼寿夫も、ウェバーのラップタイムを見て、「新しいコンパウンドに関する我々の開発の方向性は正しいと確信している」ってコメントした。

‥‥そんなワケで、ようやく、ミシュランに追いつきそうな感じのブリジストンなんだけど、残念なことに、来シーズン、2007年には、F1界を牛耳るバカ将軍様、FIAのモズレー会長のセイで、ミシュランがF1から完全撤退しちゃうから、タイヤに関しては、ブリジストンのワンメイクになっちゃうのだ。タイヤに限らず、すべてのパーツは、複数のメーカーがシノギを削って、刺激し合って進歩して行くもんなのに、1つのメーカーだけになっちゃったら、進歩は望めなくなる。もちろん、レースとしては公平になるけど、F1は、Fポンをはじめとした他のフォーミラーレースと違って、ドライバーの腕前を競うことだけがすべてじゃなくて、素晴らしいマシンを開発して、そのテクノロジーを一般車にフィードバックさせるって言う大きな役割があるハズだ。だから、タイヤメーカーが1社だけになっちゃったら、タイヤの進歩は望めなくなる。

たとえば、SBK(スーパーバイク世界選手権)って言うオートバイのレースだと、2003年までは、どこのタイヤを使っても良かった。だから、それぞれのチームが、スポンサーとの絡みなど、色んな事情もありつつ、ミシュランとかピレリとかダンロップとかと契約してた。だけど、二輪のレースは、四輪のレースよりもタイヤの性能の差が結果につながるため、ミシュランのタイヤを使ってるライダーばかりが勝って、それ以外のライダーがほとんど勝てないって言うことが続いてた。つまり、色んなチームが混戦しつつシーズンが進むから面白いのに、たくさんのチームの中で、ミシュランを使ってるチームだけが、いつも上位で争ってて、他のメーカーのタイヤを使ってるチームはカヤの外って感じになってた。

それで、これじゃあレースとして面白くないってことで、主催者側は、2004年に、タイヤをワンメイクにすることを決めた。で、ミシュランとダンロップは排除されて、タイヤはピレリしか使えなくなったのだ。それに怒ったニポンのチームは、みんなそろってレースから撤退しちゃって、モータースポーツってよりも、なんだかギャンブルのオートレースみたいな、ショボいものになっちゃった。そして、性能の悪いピレリなんかのワンメイクにしちゃったもんだから、ミシュランを使えてたころのコースレコードは、誰も更新できないような状況が続き、レース自体が下火になり始めた。今は、ニポンのチームも戻り、レース自体は、少しは盛り返して来たみたいだけど、それでも、複数のタイヤメーカーの開発競争が無くなったから、一般車に対するタイヤテクノロジーのフィードバックは無くなった。

‥‥そんなワケで、F1のほうも、「これでもか!」「これでもか!」って感じでレースをつまんなくしてるFIAのモズレー会長が、2007年からの「タイヤのワンメイク化」を独断で決めたため、それに反発したミシュランは、トットと完全撤退を決めちゃった。そして、ライバルがいなくなったブリジストンとしては、まさにタナからボタモチってワケで、来年からは、新型タイヤを開発する必要も無くなるってワケだ。こうして、また、コイズミ並みの無能男、モズレー会長の「改革」と言う名の「独裁」によって、先人の作り出した文化が、どんどん衰退して行く今日この頃なのだ。


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