テレビブロスな日々
今や、無差別に送りつけられてくる迷惑メールの数はものすごくて、ほとんどの人と同じように、あたしも、自動的にゴミ箱に行くように設定してる。それも、自己学習機能がついてるシステムを使ってるから、99%の迷惑メールは手元には届かない。その上、あたしの場合は、フリーアドレスからのメールも、知り合いからのメール以外は、ぜんぶゴミ箱に行くように設定してるから、ものすごい量になる。1週間に1回くらいゴミ箱を見ると、何百通っていう迷惑メールがあふれてて、場合によっては1000通以上の時もある。
だから、昔は、大事なメールが混じってないか、件名だけはザッと確認してたんだけど、今はとてもやってらんないから、何も見ないでゴミ箱の中身を捨ててる。だけど、この前、その日に届くハズの大事なメールが届いてなかったから、久しぶりに、ゴミ箱の中のメールの、その日の日付のぶんだけをザッと見た。そしたら、大事なメールは混じってなかったんだけど、すごく気になる件名のメールがあった。差出人の名前が「kumi」ってなってたから、間違いなくエロメールだってことは分かったんだけど、件名が「サランラップ活用法」って書いてあったから、すごく気になった。それで、開封してみたら、こんなことが書いてあった。
「サランラップ活用法」
以前、叔母が皿の上にサランラップ引いて食べ物出してた。
「あとで洗わなくて済むのよ」
と言われたが、そんな貧乏くさいこと出来ねーと思ってたけど、一人暮らしになってなるほどと納得。
今は皿はもちろん、箸とかスプーンにもラップ巻いて使ってるよ。
洗わなくていいから便利。
枕も週1で洗濯するのめんどいからラップ巻いた。これで安心。
あとは風呂入ったあとに体拭くのが面倒くせぇから、ラップ巻いて風呂入ってる。
ラップはずせば濡れてない。便利。
コンドームだってラップで代用。便利便利。
ん?
(ここに有料エロサイトのURL)
‥‥これには笑った。こう言うメールって、ようするに、クリックさせてナンボだから、どのメールも、いかにクリックさせるかってことだけを考えてて、下品な言葉を羅列したりしてるけど、それは、下品でバカな人間が文章を考えてるからだ。だから、そう言うバカは、読む相手も自分と同じだと思っちゃって、自分が喜ぶような低俗なことを書いてるワケだし、文章にセンスのカケラもない。だけど、このメールは面白い。こんなのだったら、ゼヒ、続編も読んでみたいと思った今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、あたしは、他にも面白い迷惑メールがないかと思って、何通か開封してみたんだけど、他にはコレと言って面白いものはなかった。やっぱり、久しぶりに見ても、ほとんどの迷惑メールは相変わらず下品でバカな人間が書いた文章のものばかりで、「サランラップ活用法」みたいな傑作には出会えなかった。あとは、リトル気づいたんだけど、最近のエロメールって、差出人の名前が、「emi」とか「mari」とかじゃなくて、「高橋」とか「有賀」とか、ちゃんとした名前が書いてあるものが多いのと、件名も、「会っていただけますか?」とか「○○○丸出し」とかじゃなくて、「先日の件で」とか「予定が変更になりました」とか、普通のメールを装ったものが多かった。
だから、ついつい開けて見ちゃう‥‥なんて人はいないだろうし、やっぱり、バカな人間が書いてることに変わりはなさそうだった。今どき、「高橋」とか「有賀」とかの幼稚なヤリクチに騙されるのなんて、イラクの場所も知らないクセに自衛隊派遣に大賛成してた山本一太とか、妊娠させた彼女を強制的に人工中絶させたクセに「人命は地球よりも重い」ってノタマッた杉村太蔵とか、三権分立も知らないクセに国会議員をやってる大仁田厚とか、こう言う天然記念物レベルの大バカだけだろう‥‥って、またダッフンしちゃいそうだから、早めにクルリンパするけど、迷惑メールを普通のメールに装うのなんて、あまりにも稚拙だし、そんなもんに騙されるバカはいない。
だから、「サランラップ活用法」みたいに、迷惑メールだってことは分かった上で、それでも開封してみたくなるような件名にして、さらに、その内容も、思わず笑っちゃうようなものにすれば、クリックはしないとしても、とりあえずは読んでもらえる。迷惑メールって、1.件名も見ずに削除、2.件名を見て削除、3.件名を見て開封して内容を読まずに削除、4.件名を見て開封して内容も読んでから削除、5.件名を見て開封して内容も読んでマンマとクリック‥‥ってふうにステップアップしてくから、同じに削除されるとしても、1よりは2のほうがいいし、2よりは3のほうがいい。
「クリックしなけりゃ一緒じゃん」って思うかも知れないけど、そんなこたーない。今どき、クリックしただけで不正請求されちゃう詐欺メールなんか、よっぽどオメデタイ人でなきゃクリックするワケがないんだから、送るほうは、最初から最終段階を目指すんじゃなくて、まずは開封してもらうこと、内容を読んでもらうことを目指して、少しずつステップアップして行くべきなのだ。そして、そういった意味で言えば、同じに捨てられるメールでも、1よりは2のほうがいいってことになる。
‥‥そんなワケで、気の利いた件名を書いて、開封してもらうとこまでは、ちょっとでもセンスのある人だったら、簡単に思いつくだろう。だけど、その先の「内容を読んでもらう」ってステップに関しては、なかなか難しいと思う。たいていの場合は、件名に騙されたり惹かれたりして開封したとしても、一瞬で有料エロサイトへの誘導が丸出しの文面だってことが分かり、1行も読まずに削除しちゃう。だから、ここがポイントになる。一見、エロサイトだとは分からないような構成で、「サランラップ活用法」みたいな文章が書いてあれば、ついつい読んじゃう。
それで、つまらなければ「な~んだ」で終わっちゃうけど、面白ければ、クスッと笑って、リトル幸せな気分になる。それでも、騙されてクリックはしないんだから、詐欺としては失敗してるワケだし、大量の迷惑メールを無差別に送信してる努力はムダになってるワケだ。だけど、開封もされずに捨てられる迷惑メールよりは、何倍もイイトコまで行ってるワケだし、あと一歩のとこまで来てるってことになる。
で、読ませるためには、どんな文章を書けばいいのかって言うと、短くて、面白い文章だ。どんなに面白くても、迷惑メールだって分かってる前提だから、あたしの文章みたいに何千文字もあったら、誰も最後までは読んでくれない。だから、何よりも重要なポイントは、「短い」ってことになる。だけど、これが、何よりも難しいのだ。文字数に制限がなければ、誰でもそれなりに面白いことを書けると思うけど、決められた短い文字数で、読み手の興味を惹いたり、笑わせたりする文章って、なかなか書けるものじゃない。
あたしの身のまわりで、「短くて面白い文章」って言うと、すぐに思い浮かぶのが、「テレビブロス」の「ブロス探偵団」だ。あたしが、唯一、お金を払って買い続けてる雑誌がテレビブロスなんだけど、その中の番組表のNHK教育テレビの下のスペースに、だいたい100文字前後にマトメられてる。テレビブロスには、2週間ぶんの番組表が載ってるから、1冊に14個の「ブロス探偵団」が載ってるワケだ。知ってる人は知ってるだろうけど、知らない人のために例をあげとくと、5月21日のとこには、こんなのが書いてある。
「乗っかっちゃって」
いなば食品が「いなばウアーキャンペーン」と銘打って手足のついた缶がスケートするいかにも急ごしらえのCMを展開。こうなったらもう一つの「イナバ」、イナバ物置も便乗CMやってくれないかな。「100人反っても大丈夫!」なんつって。
‥‥そんなワケで、こんなふうなプチネタとか、番組に対するダメ出しとかが、ワリと毒舌風味で書かれてて、ミゾオチにストライクの大傑作もあれば、単なる悪口みたいなレベルの低いものもあるんだけど、平均すれば、100文字前後の文章としては、すごく水準が高い。あたしは、数年前から、面白いのだけをコレクションしてて、パソコンにマトメてる。それで、誰が書いてるのかって言うと、編集部内でも一部の人だけの秘密になってるそうで、一説には、「地方在住で1日中テレビを見てる主婦」って情報もある。
あたしは、テレビブロスが大好きで、買ってくるとトイレに置いて、トイレに入るたびに、あの細かい文字を読む。それで、2週間して次の号が出るころには、「ピピピクラブ」まですべてを読み終える。毎月送られてくるファッション誌とかは、パラパラとめくって写真を見たりするだけで、興味のあるとこしか文章は読まないけど、テレビブロスの場合は、記事はすべて読んでるし、早めに読み終わっちゃったような時は、買うと大金持ちになれるとかノタマッてるインチキネックレスだとか、訴訟が耐えないことでオナジミの悪質美容整形外科だとかの広告まで、シッカリと読んじゃったりしてる(笑)
あたしは、「ブロス探偵団」の他にも、好きなコーナーは色々とあるけど、一番好きなのは、清水ミチコの「私のテレビ日記」で、たいていはマッサキに読んでる。「私のテレビ日記」は、右隣りにはロマンポルシェの掟ポルシェとロマン優光が交替で書いてるし、その下は千原兄弟だし、真下は光浦靖子だし、あまりにも毒々しい混沌の中に、一条の光のように輝いている‥‥なんてことも言ってみつつ、こんなに大好きなテレビブロスから、ナナナナナント! あたしに、取材のオファーがあったのだ!
あたしは、基本的にはメディアの取材はお断りしてるんだけど、リスペクトしてるテレビブロスからのオファーを断わることなんかできない‥‥って言うか、こんなに名誉なことはないので、喜んでお受けした。インタビュアーは、元キリングセンスの萩原正人さんで、ネタバレになっちゃうから詳しくは書けないけど、某日の深夜から明け方まで、「のどごし生」を飲みながら、たっぷりとお話をした。だけど、あとから見てみたら、絶対に記事にできないNG箇所だらけだったので、原稿にする段階で、萩原さんや担当さんはそーとー苦労したと思う。この場をお借りして、萩原さん、担当の●●さん、どうもありがとうございました。
‥‥そんなワケで、興味のある人は、今度発売になるテレビブロスを買って欲しい。今まで、色んなとこから取材の申し込みがあって、どうしても断わりきれないものだけは受けて来たけど、どこも同じような質問ばかりだし、ヒドイとこになると、原稿チェックもさせてもらえない上に、長い回答を勝手に縮めて、あたしの答えた意味とは違った意味に解釈されるように編集されちゃったとこもあった。もっとヒドイとこなんか、あたしが担当者に送った私信を無許可で掲載するなんて言う、人間としてアルマジロ行為を平然とやってのけた週刊誌やニュースサイトまであったので、マスコミに対するあたしの不信感は何倍にもなった。そんな中で、今回のテレビブロスの取材は、ホントに楽しく受けることができたし、原稿自体も、今までのものとはぜんぜん違う内容で、すごく楽しいものになった。やっぱ、どんなに人気のあるタレントでも、性格の悪いヤツは性格が悪いってハッキリと書いてくれるテレビブロスは、他のオベンチャラ週刊誌なんかとは比べ物にならないほど、1本1本の記事に対する姿勢が素晴らしいなって感じた今日この頃なのだ。
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