母の日
今日は、全国的に「母の日」だった。あたしの母さんは4月生まれなので、4月のお誕生日と5月の母の日のプレゼントを合体させて、一度で済ませちゃうことが多いんだけど、これは決して、手抜きしてるワケじゃない。お誕生日のプレゼントの予算が5000円で、母の日のプレゼントの予算が5000円だとしたら、5000円のものを2つプレゼントするよりも、1万円のものを1つプレゼントしたほうが、いいものを選べるからだ。
‥‥とは言っても、オトトシは、ホントにお金が無くて、本をプレゼントすることしかできなかった。それでも、お花の歳時記と、読みたがってた小説の2冊をプレゼントしたら、すごく喜んでくれた。それから、去年は、一世一代の大計画をして、箱根旅行に行った。この違いを見れば分かるように、あたしの場合は、いい時と悪い時の差が大きい。だけど、プレゼントってのは金額じゃなくて、心だから、たとえお花1本でも、母さんは喜んでくれる。それで、今回の母の日は、まずは何よりも、「丸1日、母さんと一緒に過ごす」ってことを決めて、そのために、1ヶ月前からスケジュールを調整した。それから、プレゼントの予算に関しては、何とも言えない状態だったんだけど、とりあえず、何が欲しいか、母さんに聞いてみた。
それは、しばらく前にテレビを見てたら、「母の日のプレゼントで何をもらったら嬉しいか、また、もらって困るものは?」って言うインタビューを放送してて、「毎年、息子がプレゼントをくれるのは嬉しいんだけど、嫌いな色の洋服が多くて、どこにも着て行けない」って答えが多かったからだ。詳しく言うと、「せっかくのプレゼントなんだけど、年寄りくさい色の洋服なので着たくない」って人もいれば、「派手すぎて着れない」って人もいて、一概には言えないんだけど、ようするに、本人の趣味を無視した洋服をプレゼントする子供が多いってワケだ。いくつになっても、女性には自分の趣味があるワケで、子供が勝手に、「もう●●才なんだからジミな色がいいだろう」とか、「お母さんは、このくらいハデな色のほうがいいだろう」なんて決めつけるのは、まったくのナンセンスだと思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、あたしは、他のものならともかく、お洋服をプレゼントする場合には、本人にどんなものが欲しいのかを聞くのが一番いいと思った。あたしの場合は、母さんの趣味を良く知ってるし、あたしの選んだものなら、たいていは気に入ってくれることを知ってたけど、それでも、もしかしたら、すごく欲しいものがあるかも知れないって思ったから、今回は聞いてみた。そしたら、「スタイルが良く見えるジーパンが欲しい」って言った。母さんの欲しいものは、だいたいは分かってるつもりだったけど、マサカ、デニムパンツを欲しがってたなんて、あたしは知らなかった。だから、聞いてみて良かったって思った。
皆さんご存知‥‥かどうかは知らないけど、あたしはスカート派で、パンツをはくことは年に数回しかない。それは、貧弱なヒップにコンプレックスがあるからで、パンツをはく時には、MAXのナナさんが愛用してるのと同じ、ヒップパッド入りのショーツをはいてる‥‥なんてことを何万人も読んでる日記に書くのもどうかと思うんだけど、ずっと前にも書いたような気がするし、ま、いっか!ってワケで、ようするに、自分自身がデニムパンツをはくことが少ないし、2本しか持ってない。だから、デニムパンツに関しての知識もあんまり無いから、スタイリストのお友達に連絡して、アドバイスしてもらった。そしたら、そのスタイリストがオススメしてくれた5つのブランドの中に、あたしが持ってるブランドも入ってた。それで、そこのをプレゼントすることにした。
母さんとあたしは、ほとんどサイズが同じなので、こう言う時は便利だ。あたしのサイズで選べば、母さんにピッタリだからだ。それで、原宿のラフォーレにショップがあるから、そこに電話して、在庫を確認してもらって、取り置きしておいてもらったってワケだ。それで、この前、取りに行って来たんだけど、せっかくだから、デニムパンツに合うトップスもプレゼントしたくなっちゃって、すごく可愛いTシャツを見つけたから、それも買った。ベルトまで買う余裕は無かったから、ベルトは、あたしのをあげることにした。
‥‥そんなワケで、今日、午前中に母さんに会いに行って、プレゼントを渡した。サイズもピッタリだし、すごく気に入ってもらえたし、少なくとも、あたしよりは遥かに似合ってて、スタイルも良く見えた。今まで、母さんに着るものをプレゼントするって言っても、入退院を繰り返してたから、パジャマだったり、パジャマの上に羽織るカーデだったり、ヒザ掛けにも使えるパシュミナだったり、そう言うものが多かった。だけど、今回は、何が欲しいか聞いたら、「スタイルが良く見えるジーパンが欲しい」だなんて、母さんが元気になったことが実感できるリクエストで、ホントに嬉しかった。
それで、作ってった五目寿司を食べてから、近くの公園にでもお散歩に行こうと思ったんだけど、ちょうど今、世田谷美術館で、木版画家の吹田文明(ふきたふみあき)の展覧会をやってて、あたしはすごく見たかったので、母さんに聞いてみた。そしたら、母さんも見てみたいって言うので、一緒に行くことにした。それで、家まで車を取りに戻ってから、2人で行って来た。
吹田文明は、1926年(大正15年)に、四国の徳島県阿南市で生まれた。戦後は、小学校の図工の先生として、子供たちに絵や版画を教えながら、その図工の授業の過程で、色んな版画の技法を生み出して、作家としても活躍して行った。キメの粗いラワン材のベニヤ板を使って、木の持つ風合いを生かしたり、水彩絵の具と油絵の具を重ねて、水彩絵の具の持つ透明感と油絵の具の持つ重厚感とのコントラストによって、奥行きのある景を表現したりと、独創的な数々のアイデアで、現代版画の世界に新風を巻き起こして行った。1967年(昭和42年)には、世界最大の現代美術展、「サンパウロ・ビエンナーレ」の版画部門で、棟方志功、浜口陽三に続いて、日本人で3人目の最優秀賞も受賞した。
今回の展覧会は、80才を迎えた吹田文明の、初期から最近までの作品を約200点も展示してて、文字通り集大成のようなものだ。あたしは、写真でしか見たことがなかったから、初めて実物の作品を見て、あまりの素晴らしさに、ビックル‥‥じゃなくて、息を飲んだ。近づいて見ないと、とても版画だなんて信じられないような作品ばかりで、特に、宇宙や銀河、雲などをテーマにした作品は、精密な構図と絶妙なグラデーションによって、見ているうちに作品の中へ吸い込まれて行くような気持ちになった。母さんも、すごく惹かれたみたいで、ひとつひとつの作品の前に、長いこと立ち止まり、じっくりと観賞してた。だから、2人とも、800円の入館料は、確実にモトを取ったと思う(笑)
ちなみに、世田谷美術館では、6月25日まで開催してて、9月2日から10月22日までは、生誕地の徳島県立近代美術館で開催されるので、興味のある人は、ぜひ見に行って欲しい‥‥なんて告知もはさみつつ、長い時間を掛けて作品を鑑賞して、ギャラリーを出たら、吹田文明が子供たちに版画を教えてる昔の映像を流してたので、それも見た。それから、外に出て、ちょっと肌寒かったけど、公園の中をのんびりとお散歩して、カフェでコーヒーを飲みながらおしゃべりしたりして、日曜日の午後を満喫した。
‥‥そんなワケで、今年の母の日は、去年みたいなゼイタクはできなかったけど、一緒に過ごすことができて、とっても楽しかった。どこかへ旅行に行くのも、それはそれで楽しいけど、近場で、こんなふうに母さんと過ごすのは久しぶりだから、たまには、こう言う日曜日もいいなって思った。去年は、この時季に箱根に行ったから、今年は、秋になったら、どこかへ紅葉でも見に連れてってあげられるように、がんばって働こうと思った今日この頃なのだ。
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