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2006.05.13

大人になれば

Sapporo
子供のころには食べられなかったのに、大人になったら食べられるようになった食べ物って、誰にでもいくつかは思い当たると思う。それから、子供のころには大嫌いだったのに、大人になったら食べられるようになったどころか、正反対に、大好きになっちゃった食べ物がある人もいると思う。あたしの場合は、前にもチョコっと書いたけど、レーズンパンがそれだ。小学校の給食で、時々、レーズンパンが出たんだけど、あたしはアレがイヤでイヤで、コッペパンの場合もイヤだったけど、特に食パンのレーズンパンの場合は、最初からレーズンが全面に見えてるから、全身が脱力するほどイヤだった。それで、1個1個、レーズンをほじくり出してから、パンだけを食べてたんだけど、レーズンを取っても、そのまわりにレーズンの色や味が染みてて、すごくイヤだった。

あたしは、ブドウは大好きだったけど、そのまま食べたら美味しいブドウを何でワザワザ干して、まずくするんだろう?‥‥って思ってたし、どうせ干すなら、カラカラになるまで干せばいいのに、何で中途半端にブヨブヨする感じに干すんだろう?‥‥とか、もうヒトコトじゃ言えないけど、とにかく、見た目も、食感も、味も、干しブドウってものの存在理由が、すべて理解できなかった。さらには、そのままで美味しいパンに、何でワザワザ気持ちの悪い干しブドウなんかを入れて、まずくしちゃうんだろう?‥‥って思ってた。

だけど、これは、あたしだけじゃなくて、クラスに5~6人は、あたしと同じにレーズンパンが嫌いな子がいた。それで、あたしの場合は、レーズンさえ取れば何んとかガマンして食べられたんだけど、一番ひどい子なんか、レーズンを取っただけじゃダメで、レーズンの色の染みてる部分のパンもむしりとって、完璧に白いパンだけにしないと、食べることができなかった。

でも、あたしは、大人になったら、レーズンパンが大好きになった。特に、ブドウ同士だからなのか、レーズンパンは赤ワインに合う。レーズンパンだけでもいいんだけど、バターを塗ると、もっと合うようになる。それから、レーズンの入ったバターロールを横にパカッと切って、そこにスライスチーズとブルーベリージャムをはさむのが、最強の組み合わせだ。コレと赤ワインは、ホントに良く合うと思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あたしは、子供のころには理解ではなかった「レーズンバター」ってものも、大人になってお酒を飲むようになったら、大好きなオツマミのひとつになった‥‥とは言っても、レーズンバターが合うのは、ワインとかウイスキーとかブランデーとかで、あたしがメインで飲んでるのは焼酎とニポン酒だから、レーズンバターを買うことは、メッタにない。ずいぶん前に、ニポン酒を飲んでる時に、何かオツマミはないかなって思って冷蔵庫を見たら、いただき物のレーズンバターを発見した。それで、小さなガラスの器に、クラッシュドアイスを敷き詰めて、その上にスライスしたレーズンバターを乗せて、見た目には美味しそうなオツマミができた。だけど、レーズンバターを食べて、それでニポン酒を飲んだら、これがマズイことマズイこと‥‥。

川島なお美みたく、血液だか体だかがワインでできてるような人だったら、四六時中レーズンバターを食べてても問題ないんだろうけど、あたしの場合は、血液が焼酎のお湯割りか、辛口のニポン酒でできてそうなので、いくらレーズンを好きになったって言っても、ニポン酒を飲みながらレーズンパンやレーズンバターを食べるのはキビシイ。だから、赤ワインじゃないにしろ、せめてコーヒーとか紅茶とか牛乳とかが欲しい。でも、子供のころに大嫌いだったレーズンパンが、ただ食べられるようになったってだけじゃなくて、自らお金を払って買うようになるほど好きになったってことは、ものすごい変化だと思う。

他にも、お酒のオツマミ系のものって、子供のころは嫌いでも、大人になってから好きになるパターンが多いみたいだ。たとえば、塩辛関係のものとか。普通のイカの塩辛の他にも、カツオの内蔵を使った「酒盗(しゅとう)」とか、アユの内蔵を使った「うるか」とか、色んなものがある。他にも、やたらとアルコール臭い「ウニの瓶詰め」とか、イカの細切りに何かが和えてあるヤツとか、わさび漬けとか、こう言う系統のヤツって、お父さんのお酒のオツマミって感じだ。

それに、料理する手間が掛からないから、子供が寝たあとに、お父さんとお母さんがチョコっとお酒を飲んだりする時に、冷蔵庫から出して、そのままオツマミにしたりする。それで、子供が、夜中に目が覚めて、トイレに行こうとすると、お父さんとお母さんの声が聞こえて来て、ドアの隙間から明かりがもれてるから、何してんだろうと思って覗きに行くと、2人で楽しそうにしてて、何か美味しそうなものを食べてる。だから、子供的には、なんだか自分だけ仲間はずれにされちゃったみたいな気持ちになって、ちょっと甘えつつ、部屋に入って行く。そうすると、お父さんが、「なんだ、まだ起きてたのか?お前も飲むか?」なんて、笑いながら言って、ビールの泡の部分だけを飲ませてくれたりする。

それで、「苦いよ~」なんて言いながら、ついでにオツマミを食べてみると、これがまたマズイ!‥‥ってのが、酒盗だったり、ウニの瓶詰めだったり、イカの何んとか和えだったりするワケだけど、この時に、「おいしい!」って言ったりすると、「お前は大人になったら酒飲みになるな~!あはははは~!」って、お父さんとお母さんが笑ったりする。なんか、「大人のふりかけ」のCMみたいだけど、似たような思い出のある人も多いと思う。

‥‥そんなワケで、子供のころには、ひとくち舐めて、「なんだこりゃ?」って思ったようなオツマミだったのに、今や大好物になっちゃって、「コレがなくちゃお酒が飲めないよな!」なんて人もいるだろう。あたしの場合は、普通の桃屋の塩辛は、子供のころから好きだったんだけど、酒盗はしょっぱすぎて食べられなかったし、わさび漬けはツンツンしすぎて食べられなかったのに、今は両方とも大好物だ。もちろん、お酒のオツマミとしても好きだけど、ご飯の上に、塩辛とわさび漬けの組み合わせか、酒盗とわさび漬けの組み合わせを乗せて、熱いお茶を注いだお茶漬けが大好きだ。

他にも、子供のころは食べられなかったセロリは、今はそのままシャリシャリとかじって食べるし、子供のころは火を通さないと食べられなかったピーマンは、今はナマで食べるのが一番好きになった。それで、子供のころに苦手だったセロリとかピーマンとかが、大人になって食べられるようになるのって、単に好き嫌いがなくなったってだけじゃなくて、味覚の変化があるんだと思う。子供のころには苦かったビールが、大人になったら飲めるようになるだけじゃなくて、「この苦味がうまいんだよな~!」ってなるワケで、これは、子供のころには「苦味」とか「渋味」とかに対して「美味しい」って感じなかった味覚が、年令とともに変化して、だんだんに美味しく感じるようになるんだと思う。

あたしの場合は、「酸味」も苦手だったみたいで、子供のころは酢の物が食べられなかった。ワカメとキュウリの三杯酢だとか、もずく酢だとか、ナマスだとか、今でこそ大好物だけど、子供のころは、口に入れただけでムセちゃったりした。他にも、酢コンブとか、酢イカとかの駄菓子も苦手で、とにかく、お酢を使ったものが食べられなかった。

‥‥そんなワケで、あたしには、こう言うのとは逆に、子供のころは大好きだったのに、大人になったら、子供のころほどは美味しく感じなくなったものがある。それは、カルビーの「サッポロポテトバーべQ味」だ。あたしは、子供のころは、「歌舞伎揚」「かっぱえびせん」「サッポロポテトバーべQ味」の3種類のお菓子が大好きだったんだけど、「歌舞伎揚」と「かっぱえびせん」に関しては、今でも変わらずに美味しく感じるし、大好きだ。だけど、「サッポロポテトバーべQ味」だけは、子供のころにはあんなに美味しかったのに、今食べると、なんかモノ足りないように感じるのだ。味が薄くなったみたいな、コクが無くなったみたいな、なんて言うか、深みを感じなくなった。

これは、あたしの味覚が変わったのか、それとも、製法や味付けが変わったのか、どっちなのか分かんないけど、どうしてもそう感じる。それで、そんなこと考えてもジンジャエールだし、どうでもいいか‥‥なんて思ったまま何年も過ぎて来て、「歌舞伎揚」や「かっぱえびせん」はちょこちょこ買うけど、「サッポロポテトバーべQ味」はメッタに買わないようになってた。そしたら、この前、ナナナナナント! 期間限定の「サッポロポテトWバーべQ味」ってのを発見した! 手にとって見ると、ジャガイモ君が2人並んでて、味の濃さが2倍になってるって書いてあった。それで、さっそく買って来て、さっそく食べてみたら、これが、子供のころに食べてた「サッポロポテトバーべQ味」とおんなじ味がして、すごく美味しくて、とっても懐かしい気持ちになったのだ!

「サッポロポテトバーべQ味」の味が、昔も今も変わってないのなら、あたしの味覚が弱くなったんだと思うけど、そうすると、「歌舞伎揚」や「かっぱえびせん」など、他のお菓子の味が同じに感じることがおかしいってことになる。だから、これは、あくまでもあたしの推測なんだけど、昔の「サッポロポテトバーべQ味」は味が濃くて、なんかの時に、味を薄くした。だけど、「前よりも味が薄くなった」「前のほうが美味しかった」って声が多くて、それに対応するために、この「WバーべQ味」を期間限定で発売して、様子を見てみることにした‥‥って気がする。

‥‥そんなワケで、味覚とはまったく違う話なんだけど、あたしは、子供のころは虫が持てたのに、今は持てない。虫って言っても、あまりにもエキセントリックなヤツはもともとムリだから、カブトムシとか、セミとか、トンボとか、カナブンとか、そんな程度だし、持ち方も、カブトムシなら胴体を親指と人差し指ではさんで持ったり、トンボなら羽をそろえて持ったりって感じだ。間違っても、カブトムシのお腹を触ってみたり、トンボの胴体を触ってみたりってのは、子供の時でもムリだった。だけど、とにかく、手で持つことができた。

でも、今は、胴体だろうと羽だろうと、ヨホドの覚悟をしないと、持つことができない‥‥って言うか、ここ10年以上、持ったことがないから、持てるかどうか分かんない。ただ、テレビとかで、カブトムシやクワガタを採ってるナインティーナインを見たりすると、「おおっ!」と思って、リトル鳥肌実が演説を始めちゃう。だから、セミの唐揚げをバリバリと食べてる若槻千夏なんかを見た日にゃあ、もう気絶寸前になっちゃう。

子供のころは、たとえ恐る恐るであっても、虫を持つことができた。カナブンくらいなら、腕の上を歩かせて、そこから飛び立つのを見たりしてた。だけど、今は、もしもどこかからカナブンが飛んで来て、腕にとまったりしたら、絶対に「キャーッ!」って悲鳴を上げることは間違いないし、ただのカナブンでもそんな感じだから、それがシロテンハナムグリだったりしたら、もうパニックだ。なんでかって言うと、カナブンなら、まだ1色だからマシだけど、シロテンハナムグリは変なガラがついてるから、不気味さが2倍になっちゃうからだ。だから、カブトムシにしても、ニポンの黒っぽいカブトムシなら、まだマシなんだけど、最近の外国産のワケ分かんない不気味なカブトムシなんか、絶対にダメだ。あんな不気味なものをありがたがって買う人の気持ちも理解できないし、何が気持ち悪いって、エサの「昆虫ゼリー」ってものの存在だ。

「昆虫用ゼリー」なら分かるけど、「昆虫ゼリー」って言うと、なんか、中に昆虫をすり潰した汁が入ってそうじゃん!‥‥って言うか、フルーツゼリーと同じ容器を使うなよ! 子供が冷蔵庫に入れといた「昆虫ゼリー」をお父さんがフルーツゼリーと間違えて食べちゃった‥‥なんて話を聞くたびに、あたしは全身がゾッとしちゃう。「昆虫用ゼリー」を「昆虫ゼリー」って呼ぶのって、猫用のカンヅメを「猫缶」て呼んだり、カンヅメのラベルに猫の写真や絵を使うのと同じことで、これじゃあ、中に猫の肉が入ってるような気持ちになっちゃう。やっぱり、猫用のカンヅメには、マグロとかカツオとかの絵を描くべきだし、ちゃんと「猫用マグロ缶」とか「猫用カツオ缶」とか呼ぶべきだ。

‥‥そんなワケで、子供のころと比べると、「苦味」や「渋味」や「酸味」の中の「旨味」も判断できるようになったぶん、食べられるものも増えたし、美味しいと感じるものも増えたんだけど、それと反対に、子供のころには気軽に触れてたものが、不気味で触れなくなったりして来た。子供のころには、何とも思ってなかった猫缶とかも、気を回しすぎちゃうからか、変な想像をするようになった来た。これも、すべて、大人になったからなんだろうけど、子供のころの感覚が、どんどん消えてくことに、なんとなく淋しさを感じちゃう今日この頃なのだ。

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