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2006.06.20

ジェットストリームな夜

まずは、頭の中に、「ミスターロンリー」のインストゥルメンタルをBGMとして流しつつ、ゆっくりと次のナレーションを読んでちゃぶだい。


遠い地平線が消えて、深々とした夜の闇に心を休める時

遥か雲海の上を音もなく流れ去る気流は、たゆみない宇宙の営みを告げています

満天の星をいただく、果てしない光の海を豊かに流れゆく風に心を開けば

きらめく星座の物語も聞こえてくる、夜の静寂のなんと饒舌なことでしょうか

光と影の境に消えて行った、遥かな地平線も瞼に浮かんでまいります

日本航空があなたにお送りする音楽の定期便、ジェットストリーム

皆様の夜間飛行のお供をするパイロットは、私、城達也です‥‥


‥‥ってなワケで、残念ながら、あたしは、城達也のジェットストリームをリアルタイムで聴いたことは、数えるほどしかない。あたしの場合は、「スネークマンショー」の中で伊武雅刀がやってた、ジェットストリームのパロディの「ジェットストリップ」を聴いて、それで、「本物はどんなのだっけ?」って思って、あらためて聴いてみたって感じだった。だから、それまでにも、何度かは聴いたことがあったとは思うけど、試験勉強のBGMとして聴いてた程度で、城達也のナレーションをシッカリと聴いたのは、伊武雅刀のパロディを聴いてからって感じの今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あんまりハッキリとは覚えてないんだけど、あたしが「スネークマンショー」で、伊武雅刀扮する欲情達也の「ジェットストリップ」を聴いて、それから本家本元の城達也のジェットストリームを聴いてから、半年もしないうちに、城達也は番組を降板して、そのすぐあとに亡くなった。そして、伊武雅刀はと言えば、昔は「宇宙戦艦ヤマト」のデスラー総統だったり、最近では「白い巨塔」の鵜飼教授だったりしながらも、ナゼだか、4年くらい前から、本家本元のジェットストリームのパーソナリティーもやってる。自分がパロッてた番組、それも、「欲情達也」なんて下品な名前にしてパロッてたんだから、番組からのオファーがあった時には、「ヤベッ!」って思ったことだろう(笑)

だけど、小林克也マニアのあたしとしては、伊武雅刀は、デスラー総統でもなければ、鵜飼教授でもなく、ましてやジェットストリームのパーソナリティーでもなく、やっぱ、スネークマンショーでの「畠山桃内」のイメージが強い。だから、男女の陳腐な三文芝居のあとに、細川俊之以上にいやらしい声で、「ホテル・ニュ~~~越谷~~~」なんてエコーが響きまくっちゃうと、あたしは、「これぞ伊武雅刀だぁ~!」って思っちゃう。知らない人には何のことだか分んないと思うけど、チョロっと書いとくと、こんな感じだ。


男 「あ~!やば~い!電車が終わっちゃった~!」

女 「あたし、気分が悪いの‥‥どこかで休みたいわ‥‥」

ナレーション 「気分は‥‥とっくにホテル‥‥だけど、ラブホテルはやめにしたい‥‥そんな、クリスタルなあなたに‥‥ホテル・ニュ~~~越谷~~~」


こんなのが、どんどんエスカレートしながら、えんえんと続いてって、最後に「あいてて良かったぁ~♪」って言うのが、スネークマンショーの「愛のホテル」だ。オマケに、これに使われてるBGMが、ジェットストリームをホーフツとさせる「エーゲ海の真珠」だから、欲情達也の「ジェットストリップ」だけじゃなく、全体的なイメージとして、伊武雅刀は、「ジェットストリームのパロディ」ってイメージが強い。だから、今、本家本元のジェットストリームのパーソナリティをやってることに、なんか、違和感を感じちゃうのだ。なんていうか、ルパン三世の声をやってた山田康雄が亡くなったら、ルパン三世のモノマネをしてた栗田貫一があとを継いだけど、アニメを見ても、どうしても、「山田康雄のルパン三世のモノマネをしてる栗田貫一の声」にしか聞こえなくて、すごく違和感を感じるのとおんなじようなもんだ。

だから、あたしは、伊武雅刀が、「白い巨塔」で、どんなにシリアスに鵜飼教授を演じても、いやらしくニヤリと笑った瞬間に、どうしても「ホテル・ニュー越谷」を思い出しちゃう。そして、「ニュースキャスター」で、CNBテレビの会長の役で登場すると、今度は、最初は「鵜飼教授だ!」って思ってから、いやらしくニヤリと笑ったとこで、またまた「ホテル・ニュー越谷」を思い出しちゃう。結局は、伊武雅刀がどんな役をやろうとも、あたしにとっては、スネークマンショーの「畠山桃内」の延長ってワケだ。だから、あたしは、伊武雅刀がジェットストリームのパーソナリティーをやるんなら、本家本元のパーソナリティーよりも、やっぱ、パロディ番組のパーソナリティーをやって欲しいって思っちゃう。たとえば、インターネットラジオの「すときゃ!」の「アダチ区民放送局」でやってる「ジェットストリーム足立区」みたいに、本家本元のジェットストリームをパロッていながらも、単なるパロディじゃなくて、ちゃんとオリジナリティーがある。

‥‥そんなワケで、話はちょっとダッフンするけど、ラジオってスゴイと思う。だって、音を電波に変えて発信して、その電波をラジオで受信すると、また、モトの音に戻るなんて、今さらながら、ワンダホーな発明だ。ふえるワカメちゃんとか、濃縮果汁還元とかは、いくらモトに戻るって言っても、誰かが運ばない限り、置いてある場所はそのままだ。あたしが、海でワカメを採って、乾燥させて小さくしたら、その場所でお水かお湯に浸ければモトに戻る。だけど、ワカメを採ったり乾燥させたりしたA地点から、遠く離れたB地点の自宅に行ってモトに戻したいと思ったら、A地点からB地点までは、車を運転したり、電車に乗ったりして、自分で乾燥したワカメを運ばなくちゃならない。

でも、ラジオの場合は、この、車を運転したり、電車に乗ったりする部分が省略される。映画の「ハエ男の恐怖」とか「フライ」みたく、A地点にあったものを別の形にして、B地点へ転送して、そこでモトの形に戻す。コレって、スゴイことだ。だから、FMラジオになれば、ステレオになるワケで、右と左のスピーカーから別々の音が出るんだから、もっとスゴイことだ。ジェットストリームの最初のジェット機の音も、左のスピーカーから右のスピーカーへと流れて行くから、ホントに飛び立って行くように感じる。

だけど、そんなことを言ったら、テレビはもっともっと遥かにスゴイってことになる。だって、音がステレオなのは当然として、カラーで映像まで出る上に、番組によっては、副音声なんてのまでついてるからだ。だから、テレビ局から出てる電波って、目には見えないから分んないけど、きっと、すごく複雑な電波なんだと思う。ラジオの電波が、2~3本の「素麺」だとしたら、テレビの電波は、何本もの「ちぢれ麺」を組み合わせたような感じなのかも知れない。

‥‥そんなワケで、タダでさえ、すんごく複雑な感じがするテレビの電波なのに、今度は、「地上デジタル波」とかいうワケの分かんない電波になる上に、今のテレビじゃ見られなくなるそうだ。どこのバカが考えたんだか知らないけど、お米を買うお金もない国民が3割近くもいて、毎日100人近くの国民が生活苦から自殺してるっていうのに、新しいテレビなんか買えるワケないじゃん。これで、ますます、国民のテレビ離れが加速しそうだ。

そう言えば、最近、各テレビ局の女子アナが、白いスーツで並んでて、順番にセリフを言う「地デジ」の告知CM、シツコイくらいにやってるから見たことのある人も多いと思うけど、アレって、地域によって違うらしい。あたしは、東京だから、NHKの島津有理子アナ、日本テレビの馬場典子アナ、TBSの竹内香苗アナ、フジテレビの中村仁美アナ、テレビ朝日の丸川珠代アナ、テレビ東京の森本智子アナの6人がやってるCMしか見たことないけど、地方は地方局の女子アナを使ってて、局数の少ない地域だと、3人とか4人とかだったりするらしい。それでも、頭にアンテナみたいなのをつけて、「女子アナからデジアナへ」とかって、アホみたいなことを言ってるんだろうか?

あたしは、このCMの東京バージョンのを見るたびに、一番最初に、「2011年7月24日から」って言うNHKの島津有理子アナの声が、何度聞いても、安田大サーカスのクロちゃんの声に聞こえちゃう。だから、きっと、テレビ局で音声を電波に変える時に、映画の「ハエ男の恐怖」みたいに、その装置の中にハエか何かが紛れ込んじゃって、一緒に電波として送られて来て、お家のテレビで音声として復元する時に、島津有理子アナの声とハエの声とが混ざっちゃってるのかも知れない。

どっちにしても、2011年から、すべてのテレビ放送が地上デジタル波になって、今のテレビで見られなくなったら、今よりは明らかにテレビを見る人の数は減る。5月に行なわれたインターネットのリサーチでは、今のテレビで見られなくなったら、「もうテレビは見ない」って答えた人が全体の20%もいて、「テレビを買い換えて見る」って答えた人は40%だけだった。そして、残りの40%は「まだ分らない」だったから、この「まだ分らない」の人たちが全員、「テレビを買い換えて見る」に気持ちが変わったとしても、2011年からは、テレビを見る人の数は、今よりも20%ほど減ることになる。だから、実際には、もっと多くの人たちが、テレビ離れをすると思う。

すでに、地デジ放送を見てる人たちに対するアンケートでは、地デジ放送に対して、「満足」と「どちらかと言えば満足」の合計が50%、「不満」と「どちらかと言えば不満」の合計が17%、「どちらとも言えない」が32%だった。この結果を見れば分かるように、無理して高いテレビを買ったところで、やってる番組自体がくだらないヤラセ番組ばっかなんだから、画面だけが良くなったって、何の意味も無いってワケだ。ナンミョーに洗脳されてる久本雅美の気持ち悪い歯グキとか、今よりも鮮明な画面で見たって、気持ち悪さが倍増するだけだろう。それだったら、この機会に、ヤラセだらけでバカバカしいテレビなんか見るのはやめちゃって、パソコンとラジオだけの生活に切り替えたほうが、いくらかは健全になれると思う。

‥‥そんなワケで、最後は、頭の中に、「夢幻飛行」のインストゥルメンタルをBGMとして流しつつ、ゆっくりと次のナレーションを読んでちゃぶだい。


夜間飛行のジェット機の翼に点滅するランプは、

遠ざかるにつれ、次第に星のまたたきと区別がつかなくなります

お送りしておりますこの音楽も、美しくあなたの夢に溶け込んでいきますように‥‥

日本航空がお送りした音楽の定期便、ジェットストリーム

夜間飛行のお供をいたしましたパイロットは、私、城達也でした

また明日、午前零時にお会いしましょう‥‥


‥‥なんて感じでシメてみた今日この頃なのだ。


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