ヤラセは地球を巣食う
今日は、まず、読者からのメールを1通紹介する。
お名前:N
E-mail:xxxxx@xxxxx.com
コメント:きっこさん、はじめまして。いつも楽しく拝見しています。私はかれこれ10年以上、西新宿でOLをやっております。以前、日テレで「峰竜太のホンの昼メシ前」(1996.6~2002.3)という番組が平日の午前の時間帯に放送されていました。それで、古い話なのですが、その番組から会社に「西新宿のOLのお勧めレストラン」という企画を放送するので取材に協力して欲しい、と連絡があり、私達が協力することになりました。当日は、広報部の号令で、会議室に当時20代の女子だけ集められて、取材が行われました。用紙が配られ、「お勧め1店舗とその理由を記入してください」と言われ、私達は一斉に書きました。しかし、それは形だけのアンケートで、番組スタッフはその用紙を集めようともしなかったのです。そして、1人のスタッフから、「西新宿の六歌仙という焼肉屋を知っている人、手を挙げてください」と言われたのですが、私達は誰1人そのお店を知らなかったので、誰も手を挙げませんでした。そうしたら、1人の後輩OLがそのスタッフに呼ばれ、その「六歌仙」というお店をいつも利用しているということにして、こういうコメントを言ってくださいと指示されたのです。そして、何度か練習させられてから、カメラが回り、「焼肉の六歌仙はとっても美味しくて、店員さんも皆親切で感じがいいし、私達はいつも食べに行ってま~す♪ 特に●●と●●が最高に美味しいんですよ~♪」というヤラセのインタビューを強要されたのです。つまり、最初から、その「六歌仙」という焼肉屋の宣伝をするために、私達は利用されていたのです。私達は、その時点で完全にしらけてしまい、それ以来、日テレに対して不信感を抱くようになりました。古い話で恐縮ですが、きっこさんにお伝えしたくなり、思わずメールしてしまいました。
‥‥この担当ディレクターが、焼肉の「六歌仙」とどんなツナガリがあったのか知らないけど、一度も食べに行ったことがないどころか、そんなお店の存在すら知らなかったOLに、番組サイドが用意した大嘘のコメントを言わせるなんて、日本テレビがシロートを利用する悪質なヤラセって、10年も前から日常的に行なわれてたんだね‥‥なんて思って感心しちゃった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、日本テレビのヤラセって言えば、何よりも有名なのが、報道番組でのヤラセだ。倫理的な見地からも、絶対にウソがあってはいけないハズの報道番組で、これでもか! これでもか!のヤラセの連発で、今や、日本テレビの報道番組は、完全にバラエティー化しちゃってる。日本テレビのニュース番組は、朝でも昼でも夕方でも夜でも、どれもヤラセの宝庫だけど、特にヤラセを連発してたのが、平日の夕方にやってた「ニュースプラス1」だろう。有名なところでは、2003年11月5日の放送での「イセエビ事件」がある。「究極の美味!幻のイセエビを探せ!」って企画で、イセエビ漁の達人ていう地元の漁師さんに、レポーターが同行して、2日目にようやく幻のイセエビが網に掛かった‥‥ってのがヤラセで、実は、このイセエビは、獲れなかった時のために、スタッフが地元の魚屋さんで買っておいたものだった。実際には獲れなかったから、買っておいたイセエビを網に入れて、一度、海に沈めて、それから網を引き上げて、いかにも獲れたように演出して、レポーターはミゴトな演技で絶叫して大コーフンして見せたのだ。
さらに、放送の中では、このイセエビを「1000匹に1匹しか獲れない幻のイセエビ」って言って大ゲサに取り上げてたんだけど、地元の人たちによると、「ただの脱皮したばかりのイセエビで、別に珍しくも何ともないよ。卸値も他のイセエビと同じで、1匹800円ほどだよ」とのことだった。何でもない食材を「幻のナントカ」にしちゃって、ギョーギョーしく取り上げるのって、「どっちの料理ショー」だけの十八番かと思ってたんだけど、日本テレビ自体の十八番なんだね。
そんなワンダホーな「ニュースプラス1」は、この「イセエビ事件」のわずか3週間後の11月27日、今度は、「恐怖!洗濯機が爆発!」って企画で、またまた手の込んだヤラセを炸裂させた。この企画では、「洗濯する衣類の種類によっては洗濯機が爆発を起こす」ってことを証明するための実験をやったんだけど、爆発するって言われてた種類の衣類を入れても、洗濯機は爆発しなかった。それで、後日、別の場所で、わざわざ洗濯機の中に衣類以外の異物を入れて運転して、爆発したところを撮影して、それを前回の映像とつなぎ合わせて、あたかも、「衣類を洗濯したら爆発した」っていうウソの映像を放送したのだ。
そして、年が明けての2004年3月1日には、「銀座・新橋・汐留のOL・サラリーマンが選ぶ店ベスト10」て企画で、日本テレビとつながりのあるお店をランキングに入れたいがために、番組のスタッフたちがセッセとインチキのアンケートを書き、アンケート結果を改ざんしてたことが発覚した。これは、冒頭に紹介したNさんからのメールのパターンと同じで、いかにも、「一般の人たちが選んだお店」「一般の人たちに人気のあるお店」ってことにして、日本テレビのプロデューサーやディレクターが懇意にしてるお店や、自分たちの知り合いが経営してるお店を宣伝しようっていうコンタンなんだろう。それにしても、ベスト10のうちの半分は、OLやサラリーマンからは1票も入ってなかったお店だったんだから、日本テレビのデタラメさが全開って感じだ。
まあ、どれも呆れ果てちゃうヤラセだけど、「人気のお店」なんてのは、まだ許せる範囲だ。だけど、このアトに発覚した「ニュースプラス1」のヤラセは、シャレにはならないほどヒドイものだった。2005年7月6日と、9月19日に放送された「個人情報の入った名簿の売買」に関するスクープは、3ヶ月にも及ぶ追跡調査をして、名簿を闇で売買する男を追ったんだけど、この男から名簿を買ってたほうの男が、番組のスタッフの知り合いで、番組から頼まれて「名簿を買う男」の役を演じてたのだ。ようするに、視聴者だけじゃなく、名簿を売ってる男まで騙してたワケで、最低最悪なヤラセ番組、「恋愛部活(ラブカツ)」のルーツがこんなところにあったとは、サスガ、民放の中でもっとも倫理観の低いテレビ局だけのことはある。
‥‥そんなワケで、悪質なヤラセが発覚するたびに、「十分に反省するとともに、再発防止につとめます」だとか、「誠に遺憾です。今後は制作体制の抜本的見直しを図ります」だとか、コイズミみたいにクチサキだけでゴマカシ続けて来た日本テレビだけど、これだけ連発しちゃったら、反省の色もなければ、何の対策もしてないことが丸見えだ。それで、表向きだけは反省してるフリをするために、今年の3月末で、「ニュースプラス1」は打ち切りになったんだけど、その最終日の4日前、3月27日に、「ニュースプラス1」は、最後っ屁をかましてくれたのだ。
「ニュースプラス1」の中で、「憤激レポート」とか言って、ホニャララ団の構成員みたいな顔したレポーターが、ダレカレ構わずに文句を言って回る企画があるけど、日本テレビは、アレで、大ボケを披露してくれた。あのレポーターが、道路の「バス専用レーン」を走ってる原チャリをつかまえて、「何でバス専用レーンを走ってんだ!」って文句を言ったり、その原チャリに対して「違反ライダー」ってテロップを入れたり、「無法者」って呼んだりしたんだけど、道路交通法では、原チャリって、「バス専用レーン」を走ってもいいんだよね‥‥って言うか、真ん中の車線なんか走ったら危ないじゃん。
で、そんな心配が、現実のものになっちゃったのだ。この「憤激レポート」を見てた大学生が、日本テレビが流した「原チャリはバス専用レーンを走ってはいけない」っていう間違った情報を信じちゃって、今まではバス専用レーンを走ってたのに、次の日には、ビュンビュンと車が走ってる危険な真ん中の車線を走ったために、トラックの風圧で転倒して、足を骨折しちゃったのだ。今まで通り、安全な上に法律でも認められているバス専用レーンを走ってれば、こんな事故は起こらなかった。「ニュースプラス1」は、翌日の放送で、「昨日の憤激レポートの中で、バス専用レーンについてお伝えしましたが、 道路交通法では原動機付き自転車の通行は違法ではありません。 しかし、バス運行の妨げになるような運転はマナー違反で事故の原因にもなりますのでご注意下さい」って訂正をした。だけど、何の違反もしてなかった人を「違反ライダー」だとか「無法者」だとか言ったことについては、ヒトコトも謝罪はしなかった。
‥‥そんなワケで、ヤラセとデタラメの宝庫だった「ニュースプラス1」は、3月末で打ち切りになったんだけど、それは、「ニュースリアルタイム」に模様替えしただけで、ヤラセが日常化してる日本テレビの体質が何ひとつ変わってないのは、他の数々のデタラメ番組を見れば一目瞭然だろう。他局でも行なわれてるヤラセだけど、その数と言い、悪質さと言い、日本テレビのヤラセは突出してる。日本テレビの場合は、視聴者もヤラセが行なわれてることを認識してるバラエティーだけじゃなく、報道やドキュメンタリーでも当たり前のようにヤラセが横行してることが、局自体の倫理観の欠落を証明してると思う。
たとえば、2005年3月13日に放送された、「NNNドキュメント ’05」の「ニート ~働けない若者の憂うつ」ってのも、ものすごいヤラセだった。この番組で、ニートとして紹介された「苅谷文」っ女性は、実は、劇団を主宰してるプロダクション所属のタレントだったのだ。テレビ朝日の「銭形金太郎」にも出たことがあるし、週刊誌のグラビアにも取り上げられたことがあるタレントなのに、日本テレビは、そういうことをぜんぶ隠して、ただのヒキコモリでニートってことにして、番組全編をヤラセで制作して、それを「ドキュメンタリー」として放送したのだ。2003年5月29日の「ズームイン!SUPER」では、特集のズームアイで「赤ひげ先生奮闘記」ってのを放送したんだけど、無料でホームレスの人たちを診てあげてるお医者さんを紹介する中で、番組スタッフの知り合いをホームレスの人の親族として出演させて、ウソの感動話を捏造して放送したのだ。日本テレビって、どこまで腐りきってるんだろう?
普通の神経をしてたら考えられないような、報道やドキュメンタリーにおけるヤラセも日常的に行ってる日本テレビだから、バラエティーに関しては、最初っから「ヤラセありき」で番組が制作されてることは当然だ。それも、プロのタレントにヤラセをさせて、視聴者だけを騙すってのなら許容範囲だけど、昨日の「ラブカツ」を見れば分かるように、日本テレビが行なってるヤラセは、番組に参加した一般人を騙し、笑い者にするような、あまりにもヒドイ内容のものばかりだ。
‥‥そんなワケで、バラエティーからワイドショー、報道からドキュメンタリーに至るまで、すべてのジャンルで、当たり前のようにヤラセが横行してる日本テレビで、さらに恥の上塗りをしてるのが、厚顔無恥を地で行く男、阿部祐二レポーターだ。元俳優ってのをウリにしてるだけあって、芝居掛かった大ゲサなリアクションはリアリティーのカケラもなく、正義漢ぶってトンチンカンな突撃レポートを繰り返す阿部祐二に、全国で苦虫を潰したような顔の人たちが激増中だ。そんな阿部祐二の名前が有名になったのは、全国のお茶の間を爆笑のウズに巻き込んだ、去年の「ヤラセ台風レポ」だろう。
2005年9月6日、朝の「ザ!情報ツウ」の中で、台風の現場からのレポートをしてた阿部祐二は、カッパを着て、ヘルメットをかぶり、雨の中にしゃがみこんでた。ようするに、立ち上がれないほど風が強いってことを伝えようとしてんだけど、それにしちゃあ風はそんなにすごいようには見えないし、足元の水面にもサザナミしか立っていない。それなのに、阿部祐二の動きや言葉はすごく不自然で、何だかおかしく見える。ようするに、ホントは風はぜんぜん大したことないのに、大ゲサな演技をしてるようにしか見えないのだ。それで、スタジオのテリー伊藤や松本アナとのやり取りが終わり、松本アナが別の現場を呼び出した。そしたら、阿部祐二は、もう自分の出番は終わったと思って、それまでは大ゲサにしゃがみこんで風に耐えてたクセに、突然、スックと立ち上がり、ナニゴトも無かったかのように、極めて普通の歩き方で、画面の右へとハケて行ったのだ。だけど、テレビのほうは、松本アナの呼びかけに反して、数秒間、阿部祐二のほうの映像が流れてたから、この阿部祐二の恥ずかしいヤラセが、全国のお茶の間に流れちゃったのだ。
こんなにオチャメな阿部祐二だけど、人間的には、あたしにはまったく理解できないような感覚を持ってる。「感覚を持ってる」って言うか、マトモな人間なら誰でも持ってるハズの感覚が、この男には、スッポリと欠落してるのだ。ようするに、この男には、「相手の気持ちを思いやる心」ってものが、ミジンも無いのだ。大爆笑の「ヤラセ台風レポ」からさかのぼること4ヶ月あまり、2005年4月25日、あの未曾有の大惨事、JR福知山線の脱線事故が起こった。この時、阿部祐二が何をやったのかって言うと、圧死した運転士の実家を直撃して、年老いたご両親にマイクを突きつけ、あーだこーだと質問を浴びせかけたのだ。
そして、無神経な突撃取材を拒否されると、今度は、場所を変えてから運転士の実家に電話をして、心労で倒れそうな母親に向かって、非情な言葉を浴びせ続けたのだ。あれほどの被害者を出してしまった大事故を起こし、自分の息子の死を悲しむ余裕すらなく、その上、自分の息子の亡骸はまだ電車の中だったって言うのに、何という非情さだろう。ナポレオンの辞書には、「不可能」って文字が無いけど、阿部祐二の辞書には、「常識」って文字も、「良識」って文字も、「道徳」って文字も、「人権」って文字も、「モラル」って文字も、「デリカシー」って文字も、そして、「心」って文字も無いらしい。
‥‥そんなワケで、日本テレビの「ザ!情報ツウ」は、朝ッパラから極楽加藤のガラガラ声を聞かされて、ぜんぜんスッキリできない「スッキリ!」って番組に変わったけど、この、無神経で無分別で無責任な阿部祐二は、今も懲りずに出演し続けてる。そして、今は、秋田の小学生殺害事件で、またまた非常識な取材を繰り返してるのだ。マスコミの他の記者たちは、すべて、警察の捜査を最優先させ、暗黙の報道協定をしいて取材を続けてるのに、阿部祐二だけは、そんな協定なんか無視しちゃって、警察の捜査よりも自分の取材を優先させてるのだ。
事件が起こった当初から、被害者の男の子の家族に突撃取材を繰り返し、相手の気持ちを無視した冷酷なレポートを続けて来た阿部祐二だけど、特に、逮捕直前の畠山鈴香容疑者に対する取材のヒドサは、目を見張るものがある。他の記者たちが、警察の捜査のジャマにならないようにと気配りをしてた時期に、阿部祐二は、被疑者に取り入って自宅に上がり込み、そこで隠し撮りした映像を番組でジャンジャン垂れ流したのだ。それどころか、弟の画像をモザイク無しで放送するといった無神経さで、被疑者家族に大きな精神的苦痛を与え、その上、警察の捜査を妨害していたのだ。ちなみに、現在、警察では、娘の彩香ちゃんに対する「傷害致死」と「死体遺棄」を立件するための取り調べを続けてるけど、今回の阿部祐二の暴走がなければ、この事件は、もっと早く解決されていただろう。
‥‥そんなワケで、制作サイドの姿勢も最低最悪なら、起用してるレポーターの質も最低最悪な日本テレビだけど、ここまでヤラセやデタラメがまかり通ってると、もう何も信じられなくなる。たとえば、「おもいッきりテレビ」で、みのもんたに電話で人生相談して来るオバサンたちは、ホントに一般人なの?‥‥とか、「鉄腕ダッシュ」のダッシュ村の池にモリアオガエルが来たけど、アレって、スタッフが捕まえて来たモリアオガエルを置いたんじゃないの?‥‥とか、日本テレビの番組っていうだけで、考えられるすべてがヤラセに見えて来る。そして、もう少しすると、日本テレビが総力をあげてブチカマス、年に一度の最大のヤラセ祭、「24時間テレビ」がやって来る。今年もまた、数々のヤラセで全国の人たちを感動させて、子供たちのナケナシのお小遣いを巻き上げるんだろうけど、ここまで悪質なヤラセをやるんなら、「愛は地球を救う」じゃなくて、「ヤラセが地球を巣食う」ってタイトルにして欲しいと思う今日この頃なのだ。
★ 今日も最後まで読んでくれてありがと~♪
★ 日本テレビは氏家体制になってから前よりもヒドクなったと思う人は、クリックお願いしま~す!
↓ ↓
人気blogランキング
| 固定リンク