アメリと猫と夜更かしと
ちょっと前の話で給食‥‥じゃなくて、教職‥‥じゃなくて、恐縮なんだけど、夜中の3時だか4時だかから、サッカーのワールドカップの決勝戦があった日、つまり、ジダンの頭突きが炸裂した日のことだけど、サッカーに興味のないあたしは、深夜の2時すぎから放送する映画、「戦場のピアニスト」を楽しみにしてた。たしか、3~4年前に話題になった映画なんだけど、あたしは、戦争モノって苦手だし、映画館に行くほど観たかったワケじゃないから、テレビでやったら観ようと思ってた。それで、愛読誌の「テレビブロス」の番組欄に、「戦場のピアニスト」って書いてあったから、何日も前から楽しみにしてた。
で、お酒でも飲みながらのんびりと観ようと思って、1時半ころからオツマミを作り始めた。いただいたジャガイモを2個、1cmくらいの太さのスティック状に切って、フライパンで良く炒めて、火を止めてからイカの塩辛を入れて、余熱で塩辛に軽く火を通しながら和える。味つけは塩辛の味だけで、最後に一味唐辛子をパラパラッとかけて、5分で完成! 「タモリ倶楽部」の「浅草チャンジャ祭」で見てから、ずっと、ゴーヤーとチャンジャの炒め物が食べたかったので、手元にあるもので、それに順ずるものを作ってみたってワケだ。
それで、コレと、キュウリのキューちゃんの入ってる小さなタッパーを冷蔵庫から出して、あとは、お酒を作る。最近、凝ってるのは、「渋茶サワー」だ。炭酸は入ってないから、ホントは「渋茶割り」なんだけど、「サワー」って言ったほうが涼しい感じがするから、テキトー名づけちゃった。コレは、ヤカンでミネラルウォーターを沸かして、お茶っ葉を多めにネットに入れて、そのヤカンの中に入れたら、自然に冷めるまで、2時間くらいずっと放っとく。そうすると、ものすごく濃くて渋いお茶が出来る。コレをペットボトルに入れて、冷蔵庫で冷やしとく。で、大きなグラスに大きな氷を入れて、7分目くらいまで焼酎を入れて、残りの部分にこのお茶を入れると、サワーじゃないけど「渋茶サワー」が出来上がる今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、35度以上の焼酎なら、ウーロン茶とかで5対5くらいに割ってもいいんだけど、25度の焼酎だと、5対5で割ると薄くなりすぎちゃう。だからって、焼酎とお茶を7対3にすると、今度はお茶の味があんまりしない。それで、考えついたのが、うんと濃くて渋いお茶を作っておいて、それで割る方法だ。この方法だと、お茶の渋味が蒸し暑さを吹き飛ばしてくれるから、夏の夜にピッタリなのだ! なのだったら、なのなのだ!‥‥なんて、ショッパナから力説してみたりしつつも、あたしは、番組が始まる前から、チビチビと飲み始めてた。それで、2時10分ころから番組が始まったんだけど、最初は他の映画の宣伝みたいなのを放送してて、カンジンの映画が始まったのは、ずいぶん経ってからだった。
そんな感じで、ようやく映画が始まった時には、あたしは3杯目くらいを飲んでて、ワリと酔い始めてた。それで、主人公がラジオ局でピアノを弾いてる時に空爆されたり、女性と出会ったり、家族とやり取りしたりする最初のころは良かったんだけど、それからどんどんと悲しい展開になってって、だんだん観てるのがつらくなって来た。そのうち、冷血なドイツ兵が、ユダヤ人たちを虫ケラのように射殺してくシーンがヒンパンに映るようになって来て、あたしの神経は限界に近づいて来た。それで、「渋茶サワー」が7杯目か8杯目になったころには、このまま観てたら、オツマミの塩辛が人間の内臓みたいに思えて来ちゃいそうな雰囲気になって来たから、せっかく途中まで観てたんだけど、あたしはチャンネルを替えた。
だけど、時間も時間だし、ロクな番組もやってないし、そんなことよりも、せっかく「映画を観ながらお酒を飲もう」って思ってたから、とにかく、なんか楽しい映画を観たかった。それで、パソコンテレビの「GyaO」の映画チャンネルを見てみたら、あたしの大好きな映画、「アメリ」が配信されてたから、それを観ることにした。「アメリ」は、2回ほど観てるけど、とにかく、すごく好きな映画なので、何度でも観たい。それに、観たことのない映画を選んで、それが期待外れだったりして、「戦場のピアニスト」みたいに途中で観続けられなくなるよりは、観たことのある映画でも、楽しい気分になれることが確定してるもののほうが、あたし的にはリラックスできる。
‥‥そんなワケで、「アメリ」を選択してスタートさせてから、キッチンに新しい「渋茶サワー」を作りに行き、おトイレに行って戻って来たら、ちょうど映画がスタートした。「GyaO」の映画って、映画が始まるまでのCMがウザイから、あたしは、いつもこの方法で回避してる。で、ストーリーを書くと、これから観る人たちに悪いから、「GyaO」の解説に書いてある範囲でリトル書いてみると、アメリっていう22才の女の子のお話で、子供のころから空想癖があって、水面に平たい石を投げる水切り遊びが好きで‥‥って、やっぱ、説明するのはメンドクサイから、8月1日まで無料で配信してるから、興味のある人は観てちゃぶだい。
何が素晴らしいって、とにかく、カメラワークだ。ちょっとだけネタバレになっちゃうけど、たとえば、ある男性が、別の男性を追って、地下鉄の構内から地上へ出て行くシーン。車に乗って走り去る男性をバイクで追うんだけど、横から出て来た車にバイクがぶつかりそうになって、そこで、バイクの後ろのバッグが落ちる。そして、そこまで走って追いかけて来たアメリが、そのバッグを拾うんだけど、ここまでの一連の流れが、ひとつのカメラで切れ目なく撮られてて、そのカメラワークが芸術的なのだ。他にも、数え切れないほど、素晴らしいカメラワークが炸裂してて、もう、たまんない。
もちろん、定点カメラの映像も素晴らしい。たとえば、地面の低い位置にカメラがあり、手前の小石をナメながら道を映してる。そこに、アメリが右側から歩いて来て、左側の家を目指してる。 それなのに、カメラの前を右から左へ歩いて行くんじゃなくて、こっちへ、カメラのほうに向かって歩いて来る。そして、カメラのすぐ横にあった平たい小石を拾って、パッとポケットに入れて、それから、左の家へと歩いて行く。 ようするに、大好きな水切りをするための理想的な小石をいつでも探してるってことなんだけど、この計算しつくされたカメラアングルが、シビレちゃうほどステキなのだ。
他にも、レトロな雰囲気の中で、突然、控えめに使われるCGが、とってもワンダホーだ。逃がした金魚が寂しそうに見上げてたり、ドキドキする心臓が透けて見えたり、ポケットの中の鍵が透けて見えたり、好きな男性と会えた緊張が解けた時に、アメリの体が水になって流れちゃったりと、もう、ホントにツボだ。作品のほとんどがCGで出来てるような、最近のバカ映画なんかと比べると、あまりの水準の違いに、おんなじ「映画」ってジャンルの作品だとは思えないほどだ。この夏に公開されるニポンやアメリカのおバカ映画を「映画」って呼ぶんなら、「アメリ」は映画じゃなくて「芸術」になるだろう。
‥‥そんなワケで、大好きな「アメリ」を観ながら、「渋茶サワー」を飲んでたあたしは、酔っ払って爆睡しちゃって、気がついたら、パソコンはつけっぱなしだし、お酒やオツマミは出しっぱなしだし、最悪の状態だった。当然、「アメリ」も、最後までは観てない。それで、機会があったら、もう一度、ちゃんと観ようと思ってたんだけど、忙しくてなかなか時間がとれなかった。特に、先週の中ごろからは、メチャメチャ忙しくて、寝る時間も3~4時間しかとれない日が続いてた。それで、ゆうべも徹夜で作業しなきゃなんないことがあったんだけど、クタクタのヘトヘトだったから、すべては次の日の回して、とにかく寝ることにした。
だけど、ベッドに横になっても、あまりにも疲れすぎてて、ぜんぜん眠れなかった。それでも、少しでも体を休めようと思って、目をつぶって横になってたんだけど、30分経っても1時間経っても眠れない。それで、もうどうしようもないから、起きて、少しお酒を飲むことにした。そうすれば、眠れるかなって思ったからだ。それなのに、お酒を飲み始めたら、ヨケイに目が冴えちゃって、2杯目、3杯目って、またまた「渋茶サワー」が増えて行く。それで、あたしは、こうなったらアジのヒラキ直りってことで、「アメリ」を観ながら飲むことにした。
で、今回は前回と違って、あたしは、眠りたくても眠れないような状態だったワケで、完全に最後まで観られそうだと思ったから、途中を早送りしないで、またまた最初っから観ることにした。それで、のんびりと飲みながら観始めたんだけど、3分の2くらいまで観たとこで、ベランダの外から、ものすごい猫の声が聞こえて来た。少し蒸し蒸ししてたから、ベランダのサッシを半分くらい開けて、カーテンだけ閉めて、風を通してたんだけど、「ウギャギャギャ~~!」って、すごい声が聞こえて来たのだ。それで、あたしは、慌ててベランダに出てって、下を見たんだけど、暗い植え込みの中みたいで、良く分かんない。とにかく、植え込みがガサガサいう音と、「ウギャギャギャ~~!」「ハァ~~!」「ウギャウギャ!」って感じで、猫同士がケンカしてる。
だけど、サスガに、深夜の2時近くに、2階のベランダから大声で猫を呼べないから、そのまま上から見守ってたら、「フギャ~!」って鳴きながら、1匹の猫が植え込みから飛び出して来た。ハッキリとは見えなかったけど、黒っぽいから、ジジかジジの兄弟みたいだった。たぶん、ヨソの猫がやって来てケンカになったんだと思う。それで、あたしは、居ても立ってもいられなくなって、キャミに短パンっていう最悪のカッコをしてたんだけど、上にカーデを羽織って、下に降りてった。
だけど、さっきいた辺りを探しても、もうどっかへ逃げちゃったみたいで、見つからなかった。それで、あたしは、小さな声で、「ジジ~ジジ~」って呼びながら、マンションの反対側の駐車場まで、グルッと回ってみたんだけど、そしたら、あたしの車の下から、「ア~‥‥ア~‥‥」って鳴き声が聞こえた。覗き込んでみたら、ジジっぽい猫が、目を光らせてた。それで、あたしが、「ジジなの? あたしだよ。もう大丈夫だよ」って声を掛けたら、「ア~ア~」って鳴きながら出て来て、しゃがんでたあたしの脚の間に頭をねじ込んで来た。あたしは、しばらく撫でて落ち着かせてから、ヒザの上に抱き上げて、どこかケガしてないか点検したんだけど、これといってケガはしてないようだった。
それにしても、イマイチ頼りにならないマックスやペペロンチーノはともかくとして、マイケルや小林君はどうしたんだろう? このエリアに、ヨソモノの猫が来た場合には、必ず体の大きいマイケルか小林君が撃退するシステムになってるのに、ジジだけを残してみんなどっかに行っちゃうなんて、無責任っていうか、無責ニャンっていうか、困ったもんだ。もしかしたら、ここんとこ、雨が降ったりやんだりが続いてて、いつもの居場所が濡れてて、居心地が悪いから、どっか別の場所に行ってんのかも知れないけど、それにしても、今は雨が降ってないんだから、定期的に猫パトロールしてくんないと、小柄な猫たちだけだと心配だよ。
そんなことを考えながら、ヒザの上でジジをかまってたら、あたしの白い短パンは、ジジの足でドロドロになってた。あ~仕事が増える‥‥なんて思ってたら、今ごろ、マックスがやって来た。マックスはヤキモチ焼きだから、あたしが他の猫をかまってると、どこからともなく、トットットットットットッて、変な早足でやって来る。それで、あと1mくらいのビミョ~な位置に停止すると、なんにも言わずに、ジーッとあたしを見る。何かを訴えてるみたいなその目が、ヤタラと重い(笑)
‥‥そんなワケで、あたしは、ジジをヒザから下ろして、今度はマックスを抱き上げたんだけど、マックスったら、まだ何もしてないのに、もう目を細くして、「グルルルル‥‥グルルルル‥‥」って言い出した。それで、一番喜ぶ首のつけねのとこをカリカリと掻いてあげたら、もう恍惚の表情で、ヨダレを垂らしながら、「グルルルル‥‥グルルルル‥‥」がひときわ大きくなった。それで、あたしは、しばらくマックスをかまってやってからお部屋に戻ったんだけど、あたしの短パンは、泥汚れの上にヨダレまで垂れちゃったし、そんなことはともかくとして、途中まで観てた「アメリ」が、またまた終わっちゃってた今日この頃なのだ。
★アメリ★(8月1日まで)
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