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2006.07.17

フランスVSイタリア

試合中に薄汚い言葉で相手を罵り、審判に隠れて卑怯な妨害の応酬、殴る蹴るから頭突きや踏み付けなどの暴力、人種差別、そして、サポーター同士の罵り合いや殴り合い、果ては、発炎筒を投げ込んだり、街中で暴動を起こしたり、放火をしたり、何人もの死者が出たりと、こんなものを「スポーツ」って呼ぶんなら、イスラエルがレバノンを空爆してるのも、レバノンのヒズボラがロケット弾で応戦してるのも、立派な「スポーツ」に見えて来ちゃう。そして、カタールが提案した「イスラエルに軍事行動中止を求める安保理決議案」に対して、G8の中で、唯一、拒否権を発動して戦争を煽っているアメリカは、まるで凶暴なフーリガンのように見えて来ちゃう。だから、いかなる理由があろうとも、野蛮な暴力には絶対反対のあたしとしては、暴力を振るった選手にMVPを与えるようなものは、とてもスポーツとは思えないし、やっぱり、どんなに熱く燃えても、文字通り命を賭けて戦っても、試合が終わればライバル同士がお互いを讃え合う本物の紳士のスポーツ、F1が好きだ。

そんなF1の第11戦、フランスGPだけど、2週間も前から楽しみにしてて、やっと放送が始まったと思ったら、テレビの画面に映し出されたのは、ナナナナナント! もうウンザリの、マテラッツィに頭突きをするジダンの映像だった‥‥。それも、何度も何度も繰り返して、まるで、懐かしの「どっきりカメラ」のブーブークッションの映像みたいに‥‥。あたしは、間違ったチャンネルにセットしてたのかと思って、デッキのチャンネル表示を確認しちゃったよ。だけど、間違いなくフジテレビだった。それで、なんでかって言うと、こんな予選の結果だったからだ。


1.シューマッハ兄(フェラーリ)
2.マッサ(フェラーリ)
3.アロンソ(ルノー)
4.トゥルーリ(トヨタ)
5.シューマッハ弟(トヨタ)
6.ライコネン(マクラーレン)
7.フィジケラ(ルノー)
8.デラロサ(マクラーレン)
9.ロズベルグ(ウィリアムズ)
10.クルサード(レッドブル)
11.ウェバー(ウィリアムズ)
12.ハイドフェルド(ザウバー)
13.クリエン(レッドブル)
14.バリチェロ(ホンダ)
15.スピード(トロロッソ)
16.アルバース(ミッドランド)
17.リウッツィ(トロロッソ)
18.ヴィルヌーヴ(ザウバー)
19.バトン(ホンダ)
20.モンテイロ(ミッドランド)
21.モンタニー(スーパーアグリ)
22.佐藤琢磨(スーパーアグリ)


そう、これを見れば分かるように、ルノーのお膝元のフランスなのに、予選で、イタリアのフェラーリがフロントローを独占しちゃったからだ。その上、タイヤに関しても、ミシュランのお膝元のフランスなのに、ブリジストン勢が上位5台のうち4台を占めちゃった。それで、視聴率のためなら何でも利用するフジテレビだから、この、ルノーやミシュランの不調をジダンの問題に結び付けて放送した今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、純粋にこの予選の結果だけを見れば、あたし的には、フェラーリのフロントロー独占もヒューヒューもんだし、マクラーレンのモントーヤが、マチュピチュ遺跡‥‥じゃなくて、ナスカの地上絵‥‥じゃなくて、ナスカーへの移籍を発表して、あたしの大好きなサードドライバーのデラロサがタナボタ式に走れることになったのもウヒャウヒャもんだし、バリチェロはホンダのヘナチョコマシンのセイで2回目の予選でKOされちゃったけど、それでも、ものすごくワクワクする予選の結果だった。それなのに、空気の読めないフジテレビが、小学生のケンカみたいなジダンとマテラッツィの問題なんかを神聖なるF1の世界に持ち込んで来たオカゲで、放送が始まったトタンに、あたしのテンションはガクッと下がっちゃったよ、まったく‥‥。

その上、永井大や、山田優ちゃんや、ゲストの「走る吉本芸人」の脇阪ジュイチは、用意された台本をリハ通りに読まされてんだから責められないけど、映像だけじゃ飽き足らずに、トークでも、ジダンとマテラッツィの問題をムリヤリにルノーとフェラーリの対決の図式に当てはめての展開は、完全に「逆フォロー」としか言えないし、フジテレビ、しつこすぎる! ア~ンド、センス悪すぎる!

さらには、今回は、せっかく、マッチとウキョーの2大バカが出ないってのに、実況が、今年の開幕戦のバーレーンGPで、これ以上の恥ずかしさはないってくらいの、北朝鮮のニュースみたいなアホ実況を炸裂させてくれた竹下陽平アナだったから、あたしも、小さいきっこたちも、いっせいに溜息をついた‥‥なんてネガティブなことばっか言ってても悲しいだけだから、気持ちを切り替えて、焼酎の渋茶サワーとコンニャクのキンピラとキュウリのキューちゃんを用意して、いよいよフランスGP決勝戦のスタートだ!‥‥って言っても、ロズベルグとリウッツィが、予選後のエンジン交換で、それぞれ10グリッド降格になった。だから、ロズベルグは19番グリッド、リウッツィは22番グリッドからのスタートで、予選9位だったロズベルグ以降は、そのぶん繰り上がってのスタートだ!

で、フォーメーションラップでは、まだ、竹下陽平アナは抑え気味だったんだけど、それは、前回の実況を反省したんじゃなくて、スタートへ向けてのアイドリングだったみたいだ。フォーメーションラップが終わり、スタートの瞬間が迫るに連れて、だんだんと、例の北朝鮮のニュースみたいな、ギョーギョーしい演劇口調に変化して来た。それで、聞いてるこっちのほうが恥ずかしくなって来たんだけど、音を消すと臨場感が無くなっちゃうし、画面に映ってないマシンの情報が入らなくなっちゃうから、あたしは、少し小さい音にした。

‥‥そんなワケで、スタート直後、3番手のアロンソは、一気にマッサを抜きに掛かって、1コーナーでは並んだけど、マッサは必死にブロックした。そして、次のヘアピンでもガンガン仕掛けて行ったんだけど、これもマッサが必死にブロック。後ろのほうでは、タクマが何かのトラブルで発進できなくて、クラッチをコンコン当てながらちょっとずつ進んでる。他のマシンは、みんな無事にスタートして、久しぶりに、ワリと滑らかに1コーナーに流れて行った。タクマは、何とか走り出すも、2周目でリタイア。

マッサは、前を走るシューマッハ兄が、少しでもアロンソとの差を広げられるようにと、後ろのアロンソをブロックしつつ、それなりのチンタラ走行を続けて、頼りないながらも、フェラーリのセカンドドライバーとしての役割を何とか遂行してる。そして、それにイラつくアロンソは、タイヤスモークを上げながらのオラオラ状態で、明らかに熱くなってる。アロンソは、ニュータイヤに替えてのスタートだから、予選からのユーズドタイヤでスタートしたフェラーリ2台に対して、早い周回で勝負がかけるつもりだ。うう~ん、1周目からの熱いバトル、いいね~いいね~楽しいね~♪

あたしとしては、マッサがアロンソを押さえて、フェラーリがワンツーフィニッシュするだけじゃなくて、できるだけアロンソに後ろへ行ってもらって、シューマッハとアロンソとのポイント差が縮まったほうが、残りのシーズンが楽しくなるから、ここはひとつ、2番手のマッサだけじゃなくて、3番手のアロンソを狙う4番手、5番手のドライバーにもがんばってもらいたい。だけど、アロンソの後ろが、マクラーレンのライコネンやデラロサなら、ガンガン攻めてくれそうなんだけど、なんせトヨタのトゥルーリだから、攻めるってよりも、アロンソのペースについてくのがヤットって感じだ。

あ、念のために書いとくけど、デラロサってのは、ペドロ・デ・ラ・ロサだから、ホントは「デ・ラ・ロサ」って書くんだけど、ゴチャゴチャしちゃうから、あたしは「デラロサ」って書いてる。それから、全世界の人が見てる前で、デラロサが川に落っこちた話は、2005年4月4日の日記、「熱いぜ!デラロサ」に書いてあるので、興味がある人は過去ログへどうぞ♪‥‥ってワケで、ヘタしたら、モントーヤよりもマクラーレンの「MP4-21」に乗り慣れてるデラロサは、1年以上ものブランクがあっての出走なのに、吉田照美以上にやる気マンマンで、前を走るウィリアムズのウェバーを煽りまくり、まさしく、水を得た魚って感じだ。レギュレーションの締め付けなどによって、今のF1は、守りに入ったジミなドライブが主流になっちゃったから、どうしても観戦してて熱くなれる場所が少なくなっちゃったけど、デラロサの走りは、かつてのマンセルをホーフツとさせるほど熱い。

‥‥そんなワケで、12周目に、リアがロックしてフロントがコーナーの縁石に乗り上げて飛んじゃったモンテイロがリタイアした他は、レースはサクサクと進み、波乱のアメリカGPとは正反対の、レースらしいレースって感じだ。トップの3台は、コース上でのバトルよりも、ピットインのタイミングと作業タイムでのバトルへと移行したみたいで、トップのシューマッハ兄だけは冷静に自己ベストの走りを続けてアロンソとの差を広げてるけど、アロンソはムリにマッサに仕掛けなくなった。そして、バリチェロ以降の後方集団は、カルガモ大行進のダンゴ状態で、楽しいレースを繰り広げてるのは、真ん中あたりって感じになった。

トップの3台は、みんな3ストップ作戦だから、マッサが17周目、アロンソが18周目、シューマッハ兄が19周目に1回目のピットインをしたんだけど、ほぼ互角‥‥って言っても、1分17秒台前半のハイペースで走り続けてた上に、6秒7でピットを出たシューマッハ兄と、アンダーが出ちゃってラップタイムを縮められない上に、ピットで8秒かかったアロンソは、ここでも差がひらいちゃった。そして、このピットのバトルが序盤の一番のミドコロだってのに、優秀なる竹下陽平アナは、アロンソがピットに入る時に、「さあ!そしてマッサが入ります!」ってやっちゃって、解説の森脇さんが、小さな声でボソッと、「‥‥いえ‥‥アロンソです」って訂正してた。

それにしても、F1の実況でワールドチャンプの名前を言い間違えるなんて、紅白歌合戦で都はるみのことを「美空‥‥」って言っちゃった生方惠一並みのお粗末さだよ。生方惠一の場合は、責任をとって、翌年、NHKを辞職したよね。別に、竹下陽平アナにフジテレビを辞職しろとは言わないけど、竹下陽平アナって、あまりにも言い間違いが多すぎる。あたしも鬼じゃないから、たった1回の言い間違いくらいで「辞めろ!」とは言わないけど、竹下陽平アナの場合は、たった1時間ちょっと放送で、3回も4回もドライバーの名前を言い間違えてて、そのたびに森脇さんに訂正されてるから、すごく耳障りだ。ハッキリ言って、ここまで言い間違いが多いと、レース観戦に集中できなくなって来るし、レース観戦のジャマをされてるような気分になって来る。

その上、ちゃんとした実況もできないクセに、「青きマタドール!」だの「灼熱のナントカ~!」だの、ヨケイなことばっか叫ぶし、3回目のピットインを「2回目のピットインです!」って言ったり、もうすでにマッサはピットに入って作業をしてんのに、「そろそろマッサがピットに入ります!」って言ったり、何から何までトンチンカン。1回くらいの名前の言い間違えなら大目に見てあげるけど、ここまでテッテーテキにひどい実況をやられちゃうと、せっかくのレースに水を差されるっていうか、全身が脱力しちゃう。

‥‥そんなワケで、レースも中盤に差し掛かり、2回のピットを終えたシューマッハ兄が、まだピットが1回のアロンソの後ろについて、オラオラ状態だし、なかなか面白い展開になって来た‥‥と思ってたら、39周目に、ウェバーがハデにスピンして、左のリアタイヤが剥がれて吹き飛んだ。ここで、竹下陽平アナは、「マーク・ウェバーがリタイアに終わっています」って実況した。それからしばらくしたら、ピットでウェバーのマシンのリタイアを交換してる映像が映し出されたから、あたしは、「え?ウェバーはリタイアしたんじゃないの?」って思ったんだけど、その映像に対する竹下陽平アナのフォローは何もなく、ぜんぜん関係無いことをペラペラとしゃべってた。

それで、あたしは、ワケが分かんないまま観てたんだけど、それから1~2周したら、今度はウェバーのマシンがバックでガレージに入る映像が一瞬映し出されて、竹下陽平アナは、「こちらはマーク・ウェバー、どうやらレースを諦めるようです」って実況した。てことは、さっきの「マーク・ウェバーがリタイアに終わっています」ってのはウソで、タイヤを交換してコースに復帰して、何周か走ったけど、結局、リタイアになったってことなの?何のフォローもないメチャクチャな実況で、何が何だかぜんぜん分かんないよ‥‥。

この時点で、レースは42周目で、そのままCMに入り、CMが明けたら、48周目になってた。いつものハショリで、ここでは6周をハショッたんだけど、そのすぐアトに画面に出た順位は、16位のロズベルグまでで、その中にウェバーの名前は無かった。画面に映るのは上位のマシンだけだし、竹下陽平アナもナニゴトも無かったかのように、シューマッハがどうの、アロンソがどうのって、上位のことしか実況しないから、これは、誰がどう見ても、ウェバーは39周目から42周目の間でリタイアしたって思うよね? 竹下陽平アナも、2回も「リタイアした」って実況してたし。

だけど、レース後にリザルトを見たら、ウェバーは「53周でリタイア」って書いてあった。つまり、実際には、ウェバーはタイヤを直してレースに復帰して、この時点でもちゃんとコースを走ってたのだ。後方のマシンが画面に映らないのはフジテレビの責任じゃないけど、映らないマシンの状況を伝えるべき実況アナが、ウェバーが10周も前にリタイアしちゃったとウソをつき、その後、まだコース上を走ってるのに、すでにリタイアしたものとして放送した挙句に、何のフォローも無し。なんだこりゃ? バラエティーのヤラセよりもひどいじゃん‥‥。

‥‥そんなワケで、竹下陽平アナのあまりにもひどい実況で、レース展開がぜんぜん分からなかったから、とにかく結果だけを書くと、優勝は、ダントツの速さを見せたシューマッハ兄(フェラーリ)、2位は、アグレッシブな走りと最後のピットワークでのチームプレーが幸いしたアロンソ(ルノー)、3位は、イマイチ踏ん張りきれなかったマッサ(フェラーリ)、4位はシューマッハ弟(トヨタ)、5位はライコネン(マクラーレン)、6位はフィジケラ(ルノー)、7位はデラロサ(マクラーレン)、8位はハイドフェルド(ザウバー)、ここまでがポイント獲得で、以下、9位はクルサード(レッドブル)、10位はスピード(トロロッソ)、11位はヴィルヌーヴ(ザウバー)、12位はクリエン(レッドブル)、13位はリウッツィ(トロロッソ)、14位はロズベルグ(ウィリアムズ)、15位はアルバース(ミッドランド)、16位はモンタニー(スーパーアグリ)、残り6台はリタイアってことみたいだ。デラロサは7位に入賞してるし、4位、5位、6位あたりのバトルも素晴らしかったんじゃないかって予想できるけど、何しろトップの3台以外はテレビには映らないし、アナウンサーは何も伝えてくれないから、最初から最後までずっと放送を観てたのに、「いかに竹下陽平アナが使いもんにならない無能アナだったか」ってこと以外、感想が書けない今日この頃なのだ。


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