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2006.08.18

お墓参り

March1
今日しか予定が空かなかったので、母さんと一緒に、おばあちゃんのお墓参りに行って来た。うちのお墓は、ちょっと遠いとこにあって、電車だと、いくつも乗り換えをしたうえに、最後にはなかなか来ないバスを待ち、なんだかんだで2時間以上もかかる。今の時季は、お盆の臨時バスみたいなのが出てるから、ふだんよりは待たされないんだけど、それでも、この暑さの中、いくつもの乗り換えでの階段とかは、母さんには厳しい。だから、あたしが運転して、車で行くしかないんだけど、ハッキリ言って、あたしのパンダちゃんは、乗り心地がヒジョーに悪い。サスペンションやスプリングを硬いのにしてるから、平らなマンホールのフタを踏んだだけでも、「ゴゴン!」ってなる。その上、シートはノーマルのふにゃふにゃシートだから、その「ゴゴン!」が、「ボヨ~ン‥‥ボヨ~ン‥‥」って反復される。

だから、運転してるあたしは、まだいいんだけど、助手席に乗ってる人は、すごく疲れるらしい。だけど、このパンダちゃんは、最初は、運転席にレース用のバケットシートが付いてただけで、助手席も後ろのシートも付いてなかった。それで、フルチューンのレース仕様として、ナンバーを外した状態で売られてた。でも、このパンダちゃんに、ひと目惚れしちゃったあたしが、カーショップの人に聞いてみたら、「ナンバーを取得して公道を走れるようにもできますよ」ってことだったので、契約したってワケだ。

それで、その時の話では、シートとかはノーマルのを付けてくれるし、他にも、色々と外してあったり交換してある保安部品とかはノーマルに戻すけど、サスペンションやスプリングなどの足まわりは、車検に対応してるパーツを使ってるから、このままにするってことだった。なんでかって言うと、エンジンも排気量の大きいものに交換してあるし、エンジンの中も改造して圧縮比とかも高くしてあるし、吸気はインジェクションからキャブレター仕様に換えてあるし、排気も出口までぜんぶ換えてあるし、ミッションやクラッチも換えてあるから、ノーマルの足まわりに戻すと、すごくバランスが悪くなるってことだった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、あたしは、去年の5月に、母さんと箱根旅行に行った時も、母さんは何も言わなかったけど、きっとすごく疲れたハズだと思った。それで、あたしは、いつもお世話になってるカーショップの工場長に相談したら、カーショップがお盆休みになる1週間、使わない代車をタダで貸してくれるって言うので、12日の夜から19日のお昼まで、車検の時みたいに、パンダちゃんを預けて、代車のニッサンのマーチを借りてた。だから、どんなに遅くても、18日までにお墓参りに行かないとダメなので、今日、行って来たってワケだ。

それで、あたしは、12日の夜にカーショップへ行ったんだけど、代車のニッサンのマーチは、前回の車検の時まで借りてたのが古くなりすぎたとかで、新車になってた。だから、あたしは、ちょっとビビッた。ただでさえ、慣れてない右ハンドルなのに、新車ともなると、左側を擦ったらシャレじゃ済まないし、左側のことばっか考えて運転してると前の車にぶつけそうな気がするし、それよりも何よりも、車の形がカエルみたいでヘンテコだし、形だけでもカエルみたいなのに、色までヘンテコな出がらしのお茶みたいなグリーンのメタリックだし‥‥。

あたしは、もうとっくに春を過ぎて、夏になって、暦の上では立秋を過ぎて秋になってるってのに、こんな時季に、ゲロゲーロ! 甲子園では、全国の球児たちが熱戦を繰り広げてるってのに、あたしと来たら、青空球児好児よろしく、緑色のカエルみたいな車に乗って、左側にビビリながら、ゲロゲーロ! 最近、コアラのマーチの「牧場ミルク」に凝ってるあたしなのに、まさか、カエルみたいな形と色のニッサンのマーチに乗ることになるなんて、ゲロゲーロ!

それでも、結果から言うと、何よりも助かったのは、エアコンが良く効いたことだ。あまりにも暑かった今日、もしも、あたしのパンダちゃんだったら、エアコンはほとんど効かなくなるし、エアコンをつけっぱなしで長いこと運転してるとオーバーヒートしちゃうし、あたしは慣れてるからガマンできるけど、母さんが大変だったと思う。だけど、このニッサンのマーチは、炎天下の駐車場に停めといて、車内の温度もすごく熱くなってるのに、エンジンをかけてエアコンをつけると、冷たい風がゴーッて出て来て、ほんの数分で車内が涼しくなった。

ま、これは、今どきの車なら当然のことなんだろうけど、中途半端なクラシックカーみたいなのに乗ってるあたしとしては、感動モノだった。だから、乗り心地がいいだけじゃなくて、エアコンは良く効くし、渋滞情報まで分かる便利なカーナビもついてたニッサンのマーチのオカゲで、あたしは、すごく助かった。つまり、形も色もカエルみたいだけど、単なる「カエル型の自動車」ってワケじゃなくて、優秀な「カエル型の自動車」だったってワケだ。

これは、ニッサンの社長、カルロス・ゴーンに感謝すればいいのか、それとも、カルロス・ゴーンはルノーの社長でもあるから、ルノーのアロンソとかフィジコとかに感謝すればいいのか、それとも、カルロス・ゴーンにソックリなミスター・ビーンに感謝すればいいのか‥‥って言う以前に、カーショップの工場長に感謝するのが当たり前なんだけど、それはそれとして、この車、正面から見ると、あまりにもケロロ軍曹にソックリだから、ついでに、ケロロ軍曹にも感謝しとくであります!(笑)

‥‥そんなワケで、あたしは、涼しくて快適な車で、母さんとお墓参りに行って来たんだけど、母さんはとっても喜んでた。母さんにとっては、おばあちゃんはお母さんなワケで、あたしが母さんのことを大切に思ってるように、母さんはおばあちゃんのことを思ってるワケだ。それなのに、自分が入退院を繰り返してて、何年もお墓参りに行くことができなかった。それで、あたしがひとりでお墓参りに行って、入院中の母さんに報告するってパターンが続いてた。だから、あたしは、最低でも年に2~3回は行ってるけど、母さんとしては、今回のお墓参りが、退院してから初めてのお墓参りだし、6年以上ぶりになる。

今まで、あたしは、お墓参りのことを日記には書かなかったけど、なんでかって言うと、うちのお墓には墓石が無いからだ。これは、いい年こいた社会人として、とっても恥ずかしいことだと思う。おばあちゃんは、あたしが中学生の時に亡くなったんだけど、おばあちゃんは女手ひとつで母さんを育てて来たから、戦争で殺されたおじいちゃんのお墓は、墓石を買うお金なんか無くて、卒塔婆が立ってるだけだった。それで、今度は、母さんが、何とか墓石を買おうとがんばって来たんだけど、父さんがよそに家庭を作って出て行っちゃって、それからは、女手ひとつであたしを育ててくれたから、とても墓石を買うような余裕は無くなった。

だから、あたしががんばって働いて墓石を買うことが、社会人になった時のあたしの役割のひとつだったのに、あたしが社会人になった時には、母さんが病気で倒れて、莫大な入院費が掛かるようになり、墓石どころじゃなくなった。そして、本職のヘアメークのお仕事だけじゃぜんぜん足りなくて、夜もバイトをして、ギリギリの生活をするようになった。そんな時に、コイズミが総理大臣になって、社会的弱者にばかり痛みを押しつけて、大企業や金持ちばかりを優遇する異常な政策を始めたから、母さんの治療費はどんどん高くなり、あたしは、夜のバイトの時間を延長した上に、内職も始めて、1年間、1日も休まずに、フラフラになるまで働いたけど、それでもぜんぜん足りなかった。それでも、コイズミの悪政で、自殺した中小企業の社長や、一家心中した家族も数え切れないほどいるし、そういう気の毒な人たちと比べたら、あたしなんかずっとマシだと思うけど、総理大臣が代わっただけで、これほどまでに生活が苦しくなるなんて、思ってもみなかった。

戦争で殺された多くの人たちのおかげで、今の平和な生活がある。だから、今、生きてる人たちは、戦没者たちに感謝して、靖国神社をお参りしなくちゃならない‥‥って理屈は分かるし、あたしも、その通りだと思う。だけど、そんなことを言うんなら、コイズミの断行して来た「社会的弱者の口減らし政策」によって、倒産に追い込まれた数え切れないほどの中小企業や、自殺に追い込まれた数え切れないほどの人たちがいて、その人たちのおかげで、今、生き残ってる企業があるワケだし、ゼイタクな暮らしをしてる人たちがいるワケだ。だから、今、生きてる人たちは、戦没者だけじゃなく、コイズミの悪政によって殺された人たちに対しても、心から哀悼の誠を捧げるべきだろう‥‥って言うか、政府は、コイズミに殺された社会的弱者たちを祀るための「靖国神社」みたいな施設を作るべきだろう。

‥‥そんなワケで、あたしは、「お墓参り」っていうのは、「お墓石参り」とは違うから、そこに墓石があってもなくても、大切なのは「行く」ってことで、どんなに立派な墓石があっても、家族がぜんぜんお参りに行かないお墓よりは、卒塔婆しか立ってなくても、定期的にお参りに行ってるお墓のほうが、本来の目的に合ってると思う。だけど、今回、母さんと一緒にお墓参りに行ったら、母さんが、手を合わせながら、すごく小さな声で、おばあちゃんに、墓石を買えないことを謝ってた。それで、ポロポロと涙を流す母さんを見て、あたしは、「何とかしなくちゃ!」って思った。今までは、とにかく、母さんの病気を治すこと、母さんに元気になってもらうことばっか考えてがんばって来たけど、母さんにしてみたら、もういない自分の母さんに対して、肩を揉んであげることも、抱きしめてあげることも、今は何もできないのだ。そして、唯一、何かしてあげられることって言えば、墓石を立ててあげることだけなんだ。だから、あたしは、今回のお墓参りで、墓石よりも重い責任をしょわされたちゃったワケだけど、気持ちは、とっても軽くなった今日この頃なのだ。


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