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2006.08.26

シバリエという歌姫

Fire1
あたしは、頭で考えてることが、どんどん連鎖してく‥‥って言えば聞こえはいいんだけど、ようするに、考えてることが、「風が吹けば桶屋が儲かる」みたいに、どんどんダッフンしてく。だから、もともとの目的を見失うことが多い。たとえば、真冬に、外に出てしばらく歩いてたんだけど、どうしても寒くて寒くて、「やっぱりホッカイロを腰のとこに貼ってから出かけよう」って思って、自宅へ引き返す。それで、自宅に戻って、玄関でブーツを脱ごうとすると、ブーツのファスナーが固くて、なかなか脱ぐことができない。履く時には、ファスナーはスムースに上がったんだけど、下げる時に引っかかるみたいだ。それで、なんとかブーツを脱いでから、ファスナーのとこに、ロウを塗るかCRC-556をスプレーしようと思って、キッチンにCRC-556を取りに行くと、冷蔵庫のドアが少しだけ開いてたのを発見した。アセッて冷蔵庫を開けてみると、一番下の段の左端に、安売りしてた3個入りの焼きソバを2つ、ムリヤリに入れてた上に、ちょうどその部分に当たるドアポケットの位置に、2リットルの紙パックの焼酎が入ってて、それぞれがぶつかってた。だから、冷蔵庫のドアを「バン!」って閉めた時にはちゃんと閉まるんだけど、しばらくすると、自然に押されて開いちゃうみたいになってた。それで、何とかしようと思ったんだけど、冷蔵庫の中には余裕がなくて、どうすることもできない。2リットルの紙パックの焼酎は、ドアポケットの一番外側のこの位置にしか入らなくて、ドアポケットの他の位置に入れてある1リットルの牛乳とかと入れ替えることができない。それで、「冬だし、焼酎は室温でもいいか」って思って、焼酎を外に出すことにして、持ち上げたら、思ってたよりも軽かった。だから、「これなら、普通のビンに移し換えれば、この位置に入れてもちゃんとドアが閉まるな」って思って、空いてる中くらいの焼酎のビンを探して、そのビンに紙パックの焼酎を移して、冷蔵庫に仕舞った。それで、ホッとしたあたしは、玄関に向かい、ブーツを履き、外へ出て、駅へと向かった。もちろん、最初の「ホッカイロを腰のとこに貼る」っていう目的を思い出したのは、さっきと同じくらいのとこまで歩いて来て、「今日は寒いな~」って思ってからだし、ブーツのファスナーの件に至っては、次にブーツを脱ぐ時まで思い出さない今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、久しぶりに、あたしの得意ワザ、「マクラの一気書き」を炸裂させてみたんだけど、このケースの場合は、自宅に戻ったオカゲで、冷蔵庫のドアが開いてたことに気づいたんだから、結果的には、完全なムダ足だったワケじゃない。でも、他のケースの場合には、ものすごいムダ足をしちゃったり、一番カンジンなことを忘れちゃったり、それによって、二次的被害にまで及んだりすることもある。

たとえば、土曜日で、その日の「釣りロマンを求めて」が児島玲子ちゃんのコーナーがある日なのに、録画予約をするのを忘れて出て来ちゃったとする。それで、運転してる途中で「ハッ!」と気づいて、大慌てで自宅に戻る。それなのに、玄関を入ったトタンに、ベランダに干してある洗濯物のこととか、水槽のお魚たちのこととか、関係無いことが色々と気になり出しちゃって、結局、ヨケイなことばっかやっちゃって、カンジンの録画予約を忘れて、そのまま出て来ちゃったりする。

こんな時、あたしは、カタッパシからお友達に電話して、誰かに録画を頼むんだけど、そうしたらそうしたで、その日に限って、夜までのお仕事が夕方で終わっちゃったりして、まっすぐ帰って来たら、「釣りロマンを求めて」に間に合っちゃったりする。それで、番組を観て、玲子ちゃんのコーナーだけを録画して、ホッとしたとこに、録画を頼んどいたお友達から、「釣りロマン、バッチリ録画したよ。帰りにでも取りに来てね。」なんて、メールが届いたりする。それで、マサカ、「観られたからもういいや」なんて返信はできっこないから、それからテキトーに時間を見計らって、お礼のタバコとかお菓子とかを買って、ワザワザ遠くまで受け取りに行って、思いっきり感謝してるフリをする。これこそ、あたしだけじゃなく、お友達にとっても二次的被害だろう。

結局、ひとつのことから、別のことへと考えが連鎖してっても、あれやこれやとダッフンしてっても、もともとのことを忘れなければ何も問題は無いんだけど、あたしの場合は、カンジンのことを忘れちゃうから、始末に終えない。ずっと前のことだけど、遠出する前日に、ガソリンスタンドにガソリンを入れに行ったんだけど、スミッコで洗車させてもらって、掃除機も貸してもらって車内もキレイにして、タイヤの空気圧も見てもらって、エンジンオイルも見てもらって、お礼を言って帰って来たら、カンジンのガソリンを入れ忘れてた‥‥なんてこともあった。

‥‥そんなワケで、あたしの、この、「ひとつのことからどんどん連鎖してっちゃう思考回路」ってのは、どう考えても「短所」だと思うんだけど、ごくタマに、いいこともあったりする。1週間くらい前のことなんだけど、今、一緒にお仕事をしてるスチールカメラマンの人に車で送ってもらった時に、車の中でかかってたジャズファンクみたいな曲がすごくカッコ良かったから、なんていうアーティストなのか聞いてみた。そしたら、「Pot Heads」っていうニポンのバンドだって教えてくれた。カートリッジに入れてCDをかけてたから、その場にはジャケットは無かったんだけど、「ポットヘッドっていうのはヤカン頭って意味で、ジャケにはヤカンの頭をした人の絵が描いてるよ」って言うので、あたしは、すごく気になった。

それで、帰って来てから調べてみたら、あたしがカッコイイって思ったのは、「ゆげ」っていうタイトルのアルバムに入ってる「Cinq Funk」っていう曲だった。このバンドは、アコーディオンの佐藤芳明、ベースの鳥越啓介、ドラムスの田中栄二のトリオで、あたしは、アコーディオンを中心にしたバンドをちゃんと聴いたのは初めてだったから、すごく興味を持った。それで、このバンドのアコーディオンの佐藤芳明について調べてみたら、オフィシャルサイトに活動日記みたいなのがあったから、ずっとさかのぼって読んでみた。そしたら、2002年の5月ころに、「吉祥寺『マンダラ2』と南青山「『オージャスラウンジ』の2ヶ所で、ボーカル・柴理恵さんのバンド『ねうま』のライブに参加。いやあ素晴らしいですね、このバンド。音数少なくて、独特の世界観を持っていて、佐藤はとてもお気に入りであります。今後も彼らのライブに積極的に参加予定です!」って書いてあって、その後も、このバンドに参加してることが分かった。

だから、今度は、この「ねうま」ってバンドを調べてみたんだけど、 「ギター(湯川寅彦)、アコーディオン(佐藤芳明)、コントラバス(守屋拓之)、ドラム(菅沼雄太)の織りなすアンサンブルに、ヴォーカル柴理恵の透明な歌声が浮かぶクインテット」ってことが分かった。だけど、ニポンの音楽シーンに弱いあたしは、ドラムスの菅沼雄太が「EGO-WRAPPIN'」の人だってことくらいしか知らなかった。で、この「ねうま」が所属してる「風待レコード」のサイトを見てみたら、ファーストアルバムの「窓」の全10曲を視聴することができた。アルバムの全曲を無料で視聴できるなんて、松本隆はワンダホーだ!‥‥なんてことも言ってみつつ、最初は、アコーディオンの佐藤芳明のことに興味があったのに、すでに、あたしの興味は、ボーカルの柴理恵のすごい歌唱力と声に移ってた。

それで、柴理恵のことを調べたら、この「ねうま」ってバンドの他にも、沢田穣治って人と2人でライブもやってた。沢田穣治がギターを弾いて、柴理恵が歌うってスタイルみたいだった。で、沢田穣治のオフィシャルサイトを探して、日記をさかのぼって読んでたら、あたしは、自分の目を疑うような記述にぶつかった。去年、6月1日のとこに、JR福知山線の尼崎の大事故のことが書いてあって、そのあとに、「昨日まで彼女の実家のある栃木に行って来て最後の別れを、、してきました」とか、「告別式がおわって見送ってすぐ、、恵比寿のスタジオに直行しました、、、彼女がいない、、最初の仕事、、、」とか書かれてた。それで、あたしは、「えっ?」って気持ちになって、そのまま読み進んで行ったら、「ちゃんとやらなければ、、気になってシバリエが旅立ちできなくなるからね」とか、「ありがとう シバリエ」とかって書かれてて、同日付けの別枠にも、「お別れを言ってきました」「死に顔のやさしさはたとえようがありませんでした」「まだまだいっぱい語り合いたかった、音楽も作りたかったのに。 無念です」「やすらかに眠ってください」って書いてあって、あたしは、何だか、心臓の鼓動が早くなって来た。

で、もう一度、「柴理恵」で検索して、ずっと見て行ったら、「柴理恵さん本人も先ごろ突然亡くなられたとの事で」とか、「昨年の5月に柴理恵さんは亡くなって しまいました」とか、「でもでも柴理恵さんは、もういないんですねぇ、、、、」とかって言葉が目に入って来た。あたしは、「そうだったのか‥‥」って思いながら、最初のアコーディオンの佐藤芳明の活動日記に戻って、2005年の5月のとこをもう一度、細かく読んでみたら、「東京へ向かう車中で電話。あまりに突然の、友人の訃報。ショック。そして無念。」ていう1行を発見した。

だから、あたしは、とってもステキな歌姫を知った喜びと、知った数十分後に、もうその歌姫が若くして亡くなってしまってたってことを知った驚きとで、すごく複雑な気持ちになった。もっと早く知ってたら、一度でもライブに行けたのに‥‥って思いながら、あたしは、もっと彼女のことを知りたくなり、検索したサイトを順番に見てったら、ナナナナナント! いつもお世話になってるパソコンテレビ「GyaO」のところに、「そして実際にバンド活動をしていた柴理恵が女性シンガー役で登場。聞くものを魅了させる、儚くも強いボーカルを劇中で披露している点も ... 映画のなかの音をズーット流しておきたい。終わりの空の場面と、柴理恵という人の鼻歌は本当にすごかった。」ってコメントを見つけた。それで、すぐにアクセスしてみたら、柴理恵が出演した唯一の映画、「Fire!」ってのをちょうど配信してるとこだった!

あたしは、やることがマウンテンなのに、彼女がどんな人だったのか、どんなふうにしゃべる人だったのが、どうしても知りたくなって、この映画を観た。そしたら、これがまた、思いっきりあたしの琴線に触れまくる映画で、細かいことは、これから観る人のために書かないけど、ひとつだけ書かせてもらうと、前出のコメントにもあるように、まだ暗い明け方の屋上で、柴理恵が鼻歌を歌うシーンがあるんだけど、あたしは、もう、オシッコを漏らしそうになるくらい胸がジーンとした。そして、もうひとつだけ書いとくと、最後にエンドロールが流れても、そこで消さないで、そのまま観続けて欲しい。エンドロールのあとに、もう少し続きがあるから。そして、一番最後に、亡くなった柴理恵へのメッセージがあるから。

‥‥そんなワケで、この「Fire!」って映画の公式サイトで、サントラのクレジットを見たら、沢田穣治とシバリエになってて、映画の中の鼻歌も、ちゃんとした曲だったってことも知った。青春モノの映画だから、世の中をシャに構えてる人とかは青臭いって感じるかも知れないけど、あたしは、ものすごく良かった。本編は1時間40分ちょっとで、そんなに長くないから、興味を持った人は、ぜひ観て欲しいと思う。何しろ、シバリエの歌ってる姿を見られるのは、もう、この映画しかないんだから‥‥なんて思う今日この頃なのだ。


 「Fire!」 (無料配信は9月4日正午まで)
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 「Fire!」公式サイト
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