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2006.10.07

続・一次情報と二次情報

9月29日の日記、「一次情報と二次情報」で、「さくらちゃんを救う会」と「広島ドッグパーク」のことを取り上げて欲しいというメールがたくさん届いてるってことを書いた。それで、あたしは、たくさん届いてるメールのすべてが二次情報や三次情報ばかりで、現時点では何とも判断できないので、確実な一次情報が分かった時点でハッキリしたことを書くって言った。それで、ようやく、ハッキリしたことが分かったので、まずは、結論を書く。

「さくらちゃんを救う会」のほうは、さくらちゃんのお父さんの友人や、三鷹保育運動連絡会の会長さんなどに確認をとり、間違いないということが分かった。また、サンプラザ中野さんの知り合いも「さくらちゃんを救う会」に関わっていて、サンプラザ中野さん本人も「協力して欲しい」と言っている。

それから、「広島ドッグパーク」のほうは、実際にボランティアに参加している何人もの人たちからメールをいただき、そのうちの数人とは電話で話し、あまりにも悲惨な状況を聞いた。あたしは、電話の向こうで、話しながら泣き出してしまった女性の言葉に、絶対に嘘はないと確信した。ボランティア団体の人にも確認を取ったし、500匹以上の犬たちが重度の虐待を受けていて、瀕死の状態に置かれている‥‥っていうのは事実で、ボランティア団体が必死にレスキューをしていて、全国にカンパを呼びかけてるってのも事実だった。

ただ、両方とも事実だけど、これらを悪用して、募金詐欺を働いているヤツラがいることも事実だったので、今回の日記の最後に、「さくらちゃんを救う会」と「広島ドッグパーク」の正式なURLを添付するので、もしも募金をしようと思う人がいたら、この窓口からにして欲しいと思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、本当は、たくさんのメールを紹介したいんだけど、今回は、どのメールもすごく長いので、1通ずつ紹介する。


お名前:T
E-mail:xxxxx@xxxxx.ne.jp
コメント:きっこさん、はじめまして。Tと申します。日本で圧倒的な知名度を誇るきっこさんにメールを送るのはかなり緊張しますがよろしくお願いします。「さくらちゃんを救う会」の件で多くのメールがきっこさんの元に寄せられていると言う事で、そのメールに目を通すだけでも大変だと思いますし、私のメールが果たしてきっこさんの目に触れるかどうかも分かりませんが、関係者が知り合いなので、他人事とも思えず書かせていただきます。私は救う会の広報の方と知り合いです。15年前くらいは仕事でちょくちょく関わりを持ちましたし、一緒に食事に行ったりもしましたし、今も度々やり取りがある、そんな仲です。ですので今回の救う会の活動にも肯定的で募金にも協力している、そういうスタンスの人間です。だからこそ今回の「救う会叩き」とも呼べるネット上の嫌がらせにはとても胸を痛めています。中でも一番酷いのは「死ぬ死ぬ詐欺」などというご両親が聞いたら愕然とするような中傷が流されていることです。詐欺ということは「自分の娘が死ぬかも知れないということをエサに大勢の人間から善意のお金を騙し取ろうと画策している」ということですよね。もっと言えば「本当は死にそうな娘などいないのにウソをでっちあげて募金を募り大金を騙し取ろう」ということです。私も一児の娘の父親ですが、もし自分の娘が難病で死にそうな状態におかれ、手術のための募金活動をしている時にこんなこと言われたらショックで立ち直れないかも知れません。彼らとて、募金集めのプロではなく、まさに手探り状態でやっていることですから不手際もそりゃあるでしょう。だからこそ自分達の至らなさを認め、批判や指摘を受けるたびに甘んじて受け止め、少しずつ運営方法などを改めながら一人でも多くの人に納得してもらえるよう気を配りながら活動を続けているわけです。彼らは本業の傍ら、寝る時間も惜しんで、くだらない問い合わせにまで逐一真摯に対応しています。できる範囲で最大限の努力をして、かなり頑張ってやっていると私などの目には映るんですがね。そんないわれなき中傷の嵐が吹き荒れているだけでも大変な心労なのに、わざわざきっこさんに「救う会のことを取り上げて欲しい」とメールをしてまで「救う会叩き」の片棒を担がせたい人間がいたとは本当に驚きです。なんか嫌な時代になってしまいました。と、暗~くまとまったところで(笑)このメールを終わりにしたいと思います。お忙しい中、長々読んでいただきありがとうございました。


お名前:A
E-mail:xxxxx@xxxxx.ne.jp
コメント:はじめまして。いつも楽しく読ませていただいています。広島市在住の29歳です。9月29日付けのきっこさんの日記の中で、広島ドッグパークについて少し触れられていたので、メールさせていただきます。私は先日、広島ドッグパークに行ってきました。先週、地元の夕方のテレビ番組でこの悲惨な事件の特集が放送され、それを見たのがきっかけです。(放送は確か9/27でした)放送後すぐに、この件に介入しているボランティア団体のサイトを見て、ペットシーツやジャーキーなどを送ったのですが、どうしても気になり、家族と「行こう」ということになりました。車で行ってみるとものすごく山の中で、あんな場所では潰れても仕方がないと思うような不便な場所でした。そしてその中は、本当にひどかったです。きっこさんもボランティア団体のサイトをご覧になったと思いますが、私が見た限りでは、あのサイトにある写真と惨状を伝える言葉は本物です。ここでそれと同じような言葉を並べても仕方がないので、私が手伝った内容をお伝えしようと思います。私たちと同じ時間帯に手伝いに来ていた人は、100~200人くらいだったと思います。まず、入り口にあるボランティア受付で、住所と名前を書き、担当の犬舎エリアを指示されました。犬舎に行くまでにゴム手袋、マスク、長靴、レインコートで防備したのですが、犬舎がまだ遠いうちから、マスクを通す強烈な糞尿のにおいに気分が悪くなりました。私たちの担当した犬舎はコンクリートの1階建てで、ガラス戸が壊れて寒く暗い3畳程度の広さの部屋に、通称バリケンという持ち運び用の犬かごが2、3個ずつ重ねられ、びっしりすし詰めになっていて、中には犬が入れられていました。これと同じ部屋が、長屋状態でいくつも連なっていました。指示では、犬舎を掃除するとのことだったので、まずかごを洗うため、犬たちをかごごと外に運び出しました。かごの扉を開けて犬を出そうとすると、出たいはずなのに、怖いのかみんな尻込みをしてなかなか出てきません。それでも声をかけながら待つと、糞尿で体中べとべとになった姿で出てきました。一度出ると、今度は寂しさから開放されたのか、犬たちはそれぞれみんな人間の体に自分の体を横付けしてぐいぐい押し付けてきます。その姿を見ていると、すごく我慢したけれどやっぱり涙が少し出ました。かごを洗い、犬舎を洗い、ペットシーツを敷いて犬たちをまた同じようにかごの中に戻したのですが、一刻も早く体を洗い、散歩に連れ出し、もっと広く暖かい場所に移せないものかと思います。疲れとやりきれない気持ちとで、帰り道はとても長く感じました。きっこさんの元に届いた100通あまりのメールというのはおそらく、組織票のようなものではなく「自分1人じゃ力不足だけど、きっこさんなら一度にたくさんの人の力を集められる」と考えた人が100人いた、ということだと思います。私もそう考えた1人です。できれば自分で大勢の人に伝えたいけれど、私にはその手段がありません。きっこさん、お願いします。ただ、きっこさんが募金を呼びかける必要はないと思います。私も、今回の件の中心であるボランティア団体のことは基本的には信じていますが、お金の面はなんとも言えません。きっこさんに一番協力をお願いしたいのは、動物の生体販売の禁止や、捨て犬などの譲渡会の紹介、動物への虐待に対する罰則強化(刑罰化)、今回のような事件を今後繰り返さないための問題提起です。下手な文章の上に長くなり、すみません。よろしくお願いします。


‥‥そんなワケで、「さくらちゃんを救う会」と「広島ドッグパーク」のことをイッショクタに取り上げるのもどうかと思うんだけど、あたしが言いたいことは、「両方ともホントのことだったから、協力できる人は協力して欲しい」ってことじゃない。それは、最後にリンクしてある双方のサイトを見て、ひとりひとりが自分で判断することだ。そうじゃなくて、あたしが言いたいのは、前回、あたしのとこに届いた大量のメールが、正反対のものだった‥‥って言うことだ。

「さくらちゃんを救う会」のほうは、両親がNHKのプロデューサーで、立派な持ち家まであるお金持ちなので、手術費用など自分たちで用意できるのに、一般から募金している。これは悪質な「死ぬ死ぬ詐欺」だ‥‥ってメールで、それらのメールに明記されてたサイトを見てみたら、「さくらちゃんを救う会」が、いかにも「怪しい」「ウサン臭い」って思わせるような内容が、まことしやかに書かれていた。

そして、「広島ドッグパーク」のほうは、どのメールも「助けてください!」「募金を呼びかけてください!」ってものばかりで、それらのメールに明記されてたサイトは、結論から言えば、本当にボランティアをしている団体のサイトだったから、これらのメールには悪意もなく、Aさんのメールの最後に書かれてるように、テレビや新聞で「広島ドッグパーク」のことを知った人たちが、あたしにメールを送って来たんだと思う。

だけど、「これらのメールには悪意もなく」って言うんなら、「さくらちゃんを救う会」のメールを送って来た人たちも、そのインチキサイトを見て、そこに書かれてる根も葉もないデタラメを信じてしまい、こんな酷いことは許せないって思って、あたしにメールして来た「悪意のない人たち」なのかも知れない。だけど、もしかすると、そのインチキサイトを作った悪意ある本人が、あたしにメールするように、周りを煽ったのかも知れない。

つまり、あたしが何を言いたいのかって言うと、どっちにしても、二次情報や三次情報だけで短絡的に行動するんじゃなくて、まずは一次情報を調べる努力をして欲しいってことだ。たとえば、「さくらちゃんを救う会」のことなら、いかにもそれらしいことが書いてあるインチキサイトを見たからって、それだけであたしにメールして来るんじゃなくて、まずはちゃんとした「さくらちゃんを救う会」のサイトを見てみるべきだ。そうすれば、そこには、インチキサイトがネット上に流してるデマの数々について、すべてきちんと弁明してある。さらに、事務局の住所も電話番号も明記してあるんだから、募金活動が不審だと感じたのなら、自分で連絡して確認してみるべきだろう。そして、当事者サイドの言いぶんを聞いてみて、それでも疑わしい点がたくさんあったのなら、そこで、初めて、あたしにメールするなり、警察に届けるなり、好きにすればいいと思う。

ようするに、自分では何も調べずに、ネット上のウワサだけを鵜呑みにして行動する人がいかに多いかってことで、だから、テレビに映るイメージだけで、コイズミやアベなんかを支持するような人たちがいるんだろうなって思った。コイズミやアベの悪行三昧なんて、ちょっと図書館に行って調べれば、それこそマウンテンのように出て来るのに‥‥ってワケで、「広島ドッグパーク」については、次のような意見もある。


お名前:WK
E-mail:xxxxx@xxxxx.jp
コメント:きっこさん、初めまして。いつもブログを読ませて頂いています。ふむふむ言いながら、そりゃぁ~違うなぁ…とか言いながら(笑)今日は、お礼のメールです。広島の大規模レスキューに関して、心から感謝したいと思いました。あの大規模レスキューは、現時点で、日本国内のレスキュー団体の管理下にあります。映像や画像がショッキングな事もあり、殊更、凄絶さを煽る発信者側にも問題はありますが、その煽りに乗せられて、ヒステリックに叫んでいる人が多いのも事実です。私は、広島へ行ってレスキューに参加する予定は、当分はありません。今は、混乱と狂騒でごった返しているでしょうし、異常な熱気を帯びている部分が否めないからです。500頭以上のレスキューともなれば、今後、レスキューが長期化していく事は避けられないでしょう。そうなると、必ず、煽られて熱病に罹っていた人達が、醒めて行く時が来ます。まるで波が引くように、静かになって行く事は、経験上何度もありました。私は、2000年にも起きた『山梨元イベント犬を救え!プロジェクト』で、4頭のスコティッシュテリアをレスキューしました。保護施設に居た子以外にも、関連の劣悪ショップで販売されていた3頭を買い上げてのレスキューでした。当時は、ただ一心に救いたい気持ちで、スコティッシュテリアを飼育している仲間で協力し合って、レスキューしました。その時に、『Scottie Rescue Japan』と言う非営利団体を立ち上げて、不幸なスコティッシュテリアのレスキュー以外にも、正しい認識を持って貰うための活動をスタートさせました。結果的には、レスキューして2年で意思の統一が図れず、空中分解です。レスキューが落ち着くと何か刺激を求めるかのように、仲間内で揉め事が発生し事を収めても納得出来ない人が離れて行き…。今は、ブリーダーである私の個人的な活動として、レスキューを細々と続けています。6年間で10頭をレスキューしました。その内、後肢形成不全や重症な疾患がある子、飼育するのには難しいと思われる気質の子など4頭は私が里親になって居ます。1頭は、引き取ってから8日間で亡くなった子も居ました。レスキューは、継続する事に意味があるのですが、悲惨な状況から脱して犬達が落ち着いてくると、興味を無くしてしまいます。映像や内容が悲惨であればあるほど、心理的な部分で操作されてしまいます。きっこさんが、ブログで書けば大きな影響が及ぶのは、良い方向だけではなかったでしょう。すでに、募金の詐欺まで出てくる始末です。隙間があれば、必ず、突っ込んで来る輩が居るのです。だから、今回、きっこさんが冷静で居てくれた事、とても嬉しかったです。ありがとうございます。ああ言う書き方をしてくれた事で、頭に血の昇った人たちが、少しは冷静になってくれるかなぁ…と思います。私は、今は静観しています。ですが、小額の支援金は送りました。今後、長期化するであろうレスキューがスタッフやボランティアの手できちんと整理された状態でHPで公開された時、自分が動ける事をやっていこうと思っています。きっこさん、ありがとうございました。


‥‥そんなワケで、あたしは、あくまでも、「問題提起」として、自分の知り得た情報を掲載してるだけだから、最終的に判断するのは、何度も言ってるように、読んでる人ひとりひとりだ。「広島ドッグパーク」の問題は、必死にレスキューを続けてる団体と同じ名前や似た名前を名乗って、募金を集めてる詐欺グループがいくつもあり、すでにたくさんの被害者が出てる。だから、あたしは、そういった被害者が出ないように、正しいボランティア団体のサイトをリンクしておくけど、正しいサイトだからと言っても、WKさんのような意見もあるワケで、今回の2つの問題に興味を持った人は、それぞれのサイトを隅から隅まで見た上で、さらに、自分で、真実を知る努力をして欲しいと思う今日この頃なのだ。


 「さくらちゃんを救う会」の正式なサイト

 「広島ドッグパーク」のレスキューをしている団体の正式なサイト


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