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2006.10.08

いよいよ発売です♪

今日、俳句の月刊誌を立ち読みしようと思って、ある大きな本屋さんに寄ったら、ナナナナナント! 10月10日が発売日のハズの「きっこの日記」が、新刊コーナーの一番目立つ場所に、ダダーッて平積みになって並んでた! あたしは、これこそビックル一気飲みしちゃって、すぐに外に出て、白夜書房の担当の編集さんに電話して聞いてみたら、「6日が搬入日だったので、書店の判断でフライングで並べたんじゃないか?」ってことだった。週刊誌や月刊誌の場合は、発売日は厳守だそうで、どんなにフライングしても、発売日の前日の夕方くらいに並べるのがギリギリらしいんだけど、新刊本の場合は、発売日の数日前に搬入したら、あとはそれぞれの書店の判断で、早めに並べちゃうことが多いらしい。

とにかく、この本を作るのはすごく苦労したし‥‥って言っても、あたしの何十倍、何百倍も、担当の編集さんががんばってくれて、やっとここまで辿り着くことができたんだけど、1冊の本を作るってことが、これほどまでに大変なことだなんて知らなかった。もちろん、テキトーにチャチャチャッと作っちゃうような本もあるんだろうけど、この本は、担当の編集さん‥‥って何度も書くのは大変だから、Tさんてことにするけど、そのTさんが、全身全霊を傾けて作ってくれた。

たとえば、装丁ひとつをとっても、何十人ものデザイナーの作品一覧の中から、あたしのイメージに合った人を数人選び出してくれて、その中で、あたしに決めさせてくれた。どんな紙を使うか、どんなインクを使うかってことも、たくさんの候補の中から、予定より原価率が上がりそうになっても、なんとかイメージに合うものを選択してくれた。そして、ページ数に関しては、通常の1300円の本の上限ページ数だと、どうしても掲載したい話を何本か削らなきゃならなかったから、ものすごくムリを言って、50ページ近くも増やしてもらった。他にも、あげたらキリがないほど、いろんな部分で苦労して、ムリを通してもらって、やっと出来上がった。だから、今日、本屋さんに自分の本が並んでるのを見て、「発売日の前に並んでたから驚いた」ってのも事実だけど、そんなことよりも、なんか、自分の子供みたいに見えて、涙が出るほど嬉しかった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、いろいろと調べてもらったら、あたしが見た本屋さんだけじゃなくて、あちこちの大型書店が、6日の搬入日か7日に並べちゃってるみたいだし、それも、一番目立つ場所に、ズラーッと並べてくれてるみたいだった。だから、この日記を読んでる人の中にも、もう手にしてる人もいると思うけど、各ネット書店にも、一般の本屋さんと同じで6日に搬入されてるから、予約してくださった人たちのところへは、すでに、どんどん発送が始まってるそうだ。だから、早ければ今日か明日には届くと思うし、遅くても10日前後には届くと思う‥‥ってワケで、あらためて、皆さん、どうもありがとうございました♪

で、「きっこの日記」を出版したいって言うオファーは、1年くらい前からあったんだけど、急に増え始めたのは、耐震偽装問題のころからだった。去年の暮れからポツポツと増え始めて、今年の2月か3月ころには、メールボックスを見るたびに、必ず何通か、どこかの出版社からのメールがあった。だけど、その時点では、あたしはまったくそんなことは考えてなくて、すべてお断りしてた。白夜書房のTさんからも、たしか、2月の終わりころにメールがあったんだけど、その時は、他の出版社と同様に、お断りした。だけど、そのメールに、あたしの好きなパチンコの話題が書いてあったのがキッカケで、出版の話はお断りしたけど、タマにメールで、パチンコの情報交換をしたりしてた。

そして、そのあと、あたしのほうの状況が変わって、出版する気持ちになったので、6月ころに、日記上で、出版の意思があるってことを書いて、出版してくれる会社を募った。そしたら、ものすごい大手の出版社から、海外の出版社まで、40社近くからオファーのメールがあった。それで、その中で10社くらいにしぼって‥‥なんて言うと、偉そうで申し訳ないんだけど、決してそんな意味じゃなくて、その中には、「これから出版社を立ち上げるので、第1号になって欲しい」って言うような、ちょっと非現実的なものとかもあったし、あと、有名な出版社なんだけど、「きっこの日記」をぜんぜん読んでないような人からのものもあったし、ものすごく漠然としたことしか書いてないものとか、過激すぎるものとか、そう言うのを外して行ったら、10社くらいになった。それで、そこから、またしぼって、最終的に6社にして、こちらから聞きたいことを返信した。

それで、返って来たメールのうち、5社は、出版に関することがすごく具体的に、書類みたいに書かれてて、違う部分は、印税率だとか、「うちに決めていただければ、何新聞と何新聞にこれくらいの大きさで広告を打てますよ」って言うことだけだった。だけど、残りの1社、白夜書房のTさんだけは、ぜんぜん違ってた。出版に関することには、ひと通りは触れてあったんだけど、それよりも、自分がどれほど「きっこの日記」を好きかってことが、えんえんと熱く書かれてた。あの話も良かった、この話も良かった、あの時の話には感動したって、そんなことがいっぱい書かれてた。だから、あたしとしては、すごく嬉しかったんだけど、なんか、出版を前提として考えるにはダメかな?って感じちゃって、悪いとは思ったんだけど、Tさんに、「ごめんなさい」のメールを送った。

そしたら、Tさんは、ものすごく丁寧な返信をくれて、「良い出版社に決まって、成功することをお祈りしています。出版されたら、絶対に買いますからね」って書かれてた。その返信を読んで、あたしは、1週間ほど考えて、5社に「ごめんなさい」のメールを送り、Tさんに、「一度はお断りしましたが、Tさんにお願いしたいので、よろしくお願いいたします」ってメールした。そして、そこから、今回の話がスタートしたってワケだ。

正直言って、あたしは、白夜書房さんが、どんな出版社なのかほとんど知らなかった。あたしが知ってることと言えば、タマに、テレビでヘンテコなCMをやってることくらいで、どんな本を作ってる出版社なのかも知らなかった。だけど、何度かのやり取りで、どれほど「きっこの日記」を好きかってことをセツセツと語るTさんに、すべてお任せしてみようって気持ちが強くなって来て、初めてTさんと会った時には、昔からの知り合いのような気持ちになっていた。Tさんから感じられたのは、とにかく、本を作る仕事が大好きで、「きっこの日記」も大好きだから、その「きっこの日記」を本にできるなんて、自分はホントに幸せだ‥‥って感じだったし、実際、そう言ってた。そして、あたしも、あたしの日記をこんなに好きでいてくれた人が本にしてくれるのなら、きっと、最高の形にしてくれるだろうって思った。

話は変わるけど、あたしが、この「きっこの日記」を書く上でコダワってることのひとつに、「文字だけで勝負する」ってことがある。この「さるさる日記」には、画像を添付する機能もあるし、文字の大きさを変えたり、色を変えたりすることもできるけど、あたしは、「さるさる日記」で書き始めた時に、そういった機能はいっさい使わずに、同じ大きさの文字だけで書き続けて、見た目じゃなくて、内容で勝負しようと思った。「勝負」って言っても、別にそんなに大ゲサなことでもないんだけど、あたしが書き始めた当時は、画像を貼ったり文字を巨大化させたりするのが全盛期で、内容よりも、見た目の奇抜さを狙ったもののほうが多かった。

それから、タイトルも、いかにも何かありそうな、変わったタイトルのものが多かった。だから、あたしは、「きっこの日記」って言うシンプルすぎるタイトルにして、画像も絵文字も何も使わずに、文章だけで書き続けてみようって思った。そうすれば、内容がつまんなければ、誰も読んでくれないし、たくさんの人が読んでくれるようになったら、それは、内容が面白いってことになるからだ‥‥って言いながらも、あたしは、すごく嬉しい時に、音符のマークだけは使っちゃうけど、それ以外は、絶対に使わないで書き続けて来た。

それで、あたしには、こんなコダワリがあったから、今回の書籍化の場合も、装丁はどんなデザインにしたいかって聞かれた時に、「すべてデザイナーさんにお任せしますが、絵や写真はいっさい使わずに、文字だけの装丁にして欲しいです」って答えた。そして、中に挿絵を入れましょうかって聞かれた時も、「絵はいっさい入れずに、すべて文字だけにして欲しいです」って答えた。それが、あたしのスタイルだからだ。

だけど、この本には、たった1枚だけ、イラストがある。これが、あたしのワガママで採用してもらったもので、今まで、6年間も「きっこの日記」を文字だけで書き続けて来て、はじめて「絵」を使った記念すべき1枚だ。ネタバレになっちゃうから、ここには書かないけど、あたしの大好きなイラストレーターさんに、特別に描いていただいた。小さな1枚のイラストだけど、何枚も描いていただいた中から選んだもので、あたしは、ものすごく気に入ってる。そして、これが、あたしから、買ってくださった人への「オマケ」でもある。

‥‥そんなワケで、「きっこの日記」の膨大な過去ログをぜんぶを本にしたら、それこそ、「百科事典」か「こち亀」みたいになっちゃうから、実際に1冊の本におさめられるのは、全体のわずか5%程度で、どの話をピックアップするかって作業が、何よりも大変だった。そして、あたしひとりで決めたら、すごく主観的なセレクトになっちゃうから、今までメールをくれた読者の中から、無作為に選んだ数十人に、「今までで良かった話、好きな話を教えてください」って言うアンケートをとったりもした。そして、Tさんをはじめ、編集の人たちも、単に「仕事だからやってる」って言うんじゃなくて、全員が「きっこの日記」の一読者の立場になって、ホントに良いと思うもの、ホントに好きなものを選んでくれた。そうして、ものすごく苦労してログをピックアップしてから、今度は、活字にするワケだから、すべての情報を精査しなくちゃなんないんだけど、これは、すべて、Tさんがやってくれた。何度も図書館に通い、あらゆる場所に確認の電話をして、ホントに、寝る時間を削ってまで、がんばってくれた。だから、Tさんは、この本が出来上がって、本屋さんに並んだのを見て、きっと、あたしよりも喜んでくれたと思う。Tさん、ホントにありがとうございました♪‥‥なんて、この場をお借りして感謝の気持ちを表わしてみた今日この頃なのだ。


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