恵さんの遺書
どっかの中学生だか何だかが、イジメにあったから自殺するって手紙を文部科学省の大臣に送ったら、どのテレビ局も朝から晩まで大騒ぎ。挙句の果てには、あのウサン臭いヤンキー先生までがシャシャリ出て来ちゃって、ひと昔前の青春学園ドラマの熱血教師気取りで、1人で熱くなっちゃってる。オマケに、ヤンキー先生の次は、ヤンキースのゴジラ松井にまでコメントを求めてるアホなテレビ局まで出て来ちゃって、もはや、中学生のイジメ問題が、北朝鮮の拉致問題とおんなじに、自民党の支持率稼ぎや、テレビ局の視聴率稼ぎに使われちゃってる状態だ。さらには、「文科大臣に手紙を送れば騒ぎになるんだ」って思ったヤツラが、どんどん便乗して似たような手紙を送り始める始末。
くだらないニュースを大々的に報じて、ホントに伝えなきゃなんない重要なニュースをインペイしようとする洗脳マスコミの卑劣なやり方は、今に始まったワケじゃないけど、中学生からの自殺予告にはバカ騒ぎするクセに、実際に1人の人間がイジメによって自殺した事件をまったく報じないのは、明らかに、何らかの大きな力が働いて、情報操作してることの何よりの証明になるだろう。その、全国ではほとんど報じられなかったイジメによる自殺の事件と言うは、地元の地方紙しか取り上げなかった次のニュースだ。
「教諭自殺で中学校が父母に説明」 (11/02)
曽於市の公立中学校の女性教諭が、上司からのいじめを受けたと遺書をのこし、自殺していた問題で、学校は、昨夜、保護者に説明を行いました。この問題は曽於市の公立中学校に勤務していた久留恵さん(32)が先月29日の朝、県内の親族の家で、首をつって自殺をしていたものです。久留さんのパソコンには、名指しで上司の名前をあげいじめを受けたといった内容の遺書が残されていました。久留さんが勤めていた中学校では、きのう朝の全校生徒に続いて、昨夜、保護者に経緯を説明しました。説明会で学校側は遺書に残されているような上司からのいじめの事実はなかったと説明したということです。子供たちの心のケアについて学校側はスクールカウンセラーにアドバイスをもらうなどして対応するということです。
‥‥そんなワケで、サスガに、今回は、「いかがお過ごしですか?」は使わずに進めるけど、この記事は、「MBC(南日本ブロードキャスト)」って言う、TBS系列の鹿児島県の放送局のニュースサイトに掲載されてたものだ。だから、鹿児島県民を対象にしてて、「曽於市」ってのも、あたしは読めないけど、鹿児島県民にはオナジミなんだろう。で、調べてみたら、「曽於市(そおし)」って読むことが分かった。それで、あたしが、なんでこの事件を取り上げたのかって言うと、数日前に届いた1通のメールが発端だった。
お名前:久留●
E-mail:xxxxx@xxxxx.ne.jp
コメント:きっこさん、はじめまして、毎日楽しく日記を読ませていただいています。私は鹿児島に住む会社員です。今日はいつも日記を読む側の自分が、どうしてもきっこさんに取り上げてほしい事があったのでメールさせていただきました。私の妹は久留恵と言って、鹿児島の準過疎地にある南之郷中学校で教師をしていたのですが、校長の鎌田くみ子を始めとした上司達から執拗にパワーハラスメントを受け続けていて、それを苦にして、10月29日に自殺してしまったのです。妹は遺書に実名をあげていじめの事実を書き残していますが、その遺書を見せても、学校側は自分たちの非を認めずに、遺書に書かれているような事実はなかったと言っているのです。妹が校長たちから酷いパワーハラスメントを受けていたことは、以前から何度も聞かされていましたし、妹が自分の命を犠牲にしてまで告発した事実が、学校側の一方的な隠蔽によって何事も無かったことにされてしまうのは無念でなりません。どうかこの事件をきっこさんの日記で取り上げてください。掲載していただけるのなら、妹の遺書もコピーして送りますので、どうかお願いします。
‥‥そして、あたしは、すぐに返信をした。
久留さま、はじめまして。
「きっこの日記」のきっこです。
まずは、恵さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
この国の将来を担う子供たちを教育する現場で、こんなに酷いことが本当に行なわれていたのであれば、それは絶対に許されないことです。
恵さんが自らの命まで懸けて告発したと言うのに、「そのような事実はなかった」という学校側のコメントは、まさに「死人に口無し」であり、自分たちの保身のために事実を隠蔽しようとする卑劣極まりない犯罪です。
ただし、こちらとしては、事実関係などは何も分からない状態ですから、久留さまからのメールをそのまま掲載する、ということしかできません。
それでよろしければ、ご協力させてください。
きっこ拝
きっこさま、お返事ありがとうございます。
今でも残された家族共々悲しんでおります・・
でも今何か出来ることはないかと思う中、こうして言っていただけることに大変感謝いたします。
日記で取り上げてもらえるのでしたら是非お願いしたいと思います。
妹は、生前、「教師の中には、悪い人がいれば良い人もいる。悪人もいれば善人もいる。決して私はそんなに善人ではないけれども、人に後ろ指を指されるようなことはだけは絶対にしていない。」と言っていたのですが、南之郷中学校に赴任してからは、鎌田くみ子校長からの執拗ないじめ、パワーハラスメントを受け続けていて、それを苦にして、それを訴えるために、父の実家で自殺しました。
妹はいつも前向きで、11月には東京へ心理学の講義を受講するためのチケットを予約していました。しかし、校長からの執拗ないじめに耐えられずに、10月27日に遺書を書き、次の日28日に遺書を一部修正してから自殺したようです。校長からのいじめに関しては、私だけでなく両親も聞かされていました。
千葉でも似たような事件がありましたが、千葉で亡くなった23歳の女性教師は、教師としての経験や実績の無いケースでした。しかし妹の場合は、赴任1校目は仮採用で4年間、本採用後、1校目3年間、2校目で準過疎地の南之郷中学校へ来て、5年赴任まであと6ヶ月というところですから、教師としての経験は11年もあったのです。それなのに指導力不足ということで指導センターへ飛ばされ、その1ヶ月後に自殺しました。
妹は短大を卒業後、音楽の専攻科へ進み、音楽の先生になりました。ところが、その南之郷中学校に赴任して校長に目をつけられ始め、チェックされ始め、執拗な嫌がらせが始まり、3年後、免許を持っていない国語の授業をするよう校長から指示されました。音楽教師である妹に、資格も持っていない国語教師の仕事を強要して、それで指導力不足だと言ってセンター送りにするなんて、これがパワーハラスメントでなければ何だと言うのでしょうか?父や母も、音楽教師である妹に国語の授業を強要するなんて、こんなにおかしな事はありえないと言っています。
南之郷中学校に赴任して、すぐに校長に目をつけられ、度重なるいじめにストレスや不調を感じた妹は、メンタルクリニックへ行き始め、薬の服用を始めました。もちろんそのことも管理者である校長へも報告したのですが、校長の対応はまったく変わらなかったばかりか、なぜか校長は病院へも何度か押し掛けているようです。口封じのためでしょうか。そして、病院にまで校長が押し掛けたために、妹のプレッシャーは益々きつくなっていったようです。
鹿児島では、指導力不足の教師は指導センターへ行かされるのですが、3年間で13人、実際は事情ありの先生もあるようですが、校長の決定があれば誰でも行かせることが出来るのが現実です。現に「私に逆らうとセンターへ飛ばすぞ」と言う脅し文句を使う校長もいるそうです。
妹は、組合の方へも報告したり、校長先生、教頭先生、教育長に訴えても相談してもダメ、そして、国語を教えるために、飼い猫の名前を借りてまで通信教育を受け、そして家庭教師を頼んで教え方や内容まで勉強して、音楽教師に国語の授業をさせると言う、いじめとしか思えない校長の無理な指示に対して、必死になってがんばっていました。それなのに、それでも指導力不足と言われ、本来は音楽の先生なのに、センターへ飛ばしたのです。
そして1ヶ月後に妹は自殺したのです・・・・
あちらの校長側は焼香に来られた時に、「久留先生は遅刻、欠勤、事後報告、勤務態度、言動など、悪い点が多かったので指導していた」と言っていました。焼香後には「いじめと誤解されるようなことをして済まなかった。教諭のためを思って指導したが、パワハラと受けとられ、自殺に追い込んだことは申し訳ない」と言っていましたが、新聞の取材や生徒たちへの説明では「遺書に残されているような上司からのいじめの事実はなかった」と言っているのです。
そして、私の妹が自殺したと言うのに、妹を死に追いやった張本人の校長たちは、何事も無かったかのように、今までと同じに生活しているのです。私たち家族が、校長たちの実名を上げて大きな声で訴え続けているのに、鹿児島ではいつもと同じ日常が繰り返されていて、これでは、妹は何のために自分の命を犠牲にしてまで学校内のいじめを訴えたのか分かりません。
きっこさん、私達は、妹を死に追いやった校長が憎いけれど、校長に罰をあたえたいわけではない、お金が欲しいわけでもない、そんなことをしてもらっても妹は帰って来ません。私達が訴えたいのは、この鹿児島にも、全国にも、妹と同じ状況に置かれて悩んでいる人が、今現在ギリギリの状況にいる人がたくさんいるはずです。妹の死を無駄にしないためには、この事件の事を1人でも多くの人達に知ってもらい、学校だけでなく、企業などでも日常的に行なわれている上司による部下へのパワーハラスメントの問題に目を向けて欲しいと思うのです。
このままでは妹が浮かばれない、妹の気持ちが救われないと思い、藁にもすがる思いできっこさんにお願いしました。
妹の遺書は、添付データの形で送信しますので、このメールとともに、きっこさんの日記で公開していただき、二度とこんな悲劇を起こさないための問題提起になればと思います。
どうぞよろしくお願いします。
久留●
‥‥そして、以下が、添付されていた恵さんの遺書だ。
一足先に旅立ちます
葬式はしないでください。
教育関係者が来たら
誰一人入れないでください。塩まいてください
鎌田くみ子
あんたは最低です。この全責任はあなたがとってください
今まで受けたいじめは指導以上のパワーハラスメントですよね
人一人あなたは殺しました。説明責任を自分でやれば?いつも教頭にさせていたけれどね(笑)
降格,センター行き2名全てあなたの犯行です。でっちあげも全部あんたの言ったこと。県の審査が途中のままでセンターに来させたのはあんたの都合!「わたしでは指導が無理だから~」「あなたのために言っているのよ~」「なんでわたしを信頼してくれないのかしら~」あんたはバカですか?世間知らずですか?
それ以前に入佐俊和や塩入喜代子や事務補佐山元を監視役にして情報をもらっていたのは知ってるって!全て私のせいにしていましたよね!デマでも信じて結局自分の憂さ晴らしのためだね。
森健一郎
最初の1日目に校長から話を聞き,必要以上に校長を弁護してきましたね,(今回も代わりに弁護して責任とれば?)そしたら評価もよくなり給料アップ??他の同僚と私を差別してきたこと,生徒の前で怒鳴ること,管理職に向いていないですよね!それでも,ま~た事実をもみ消して教育界にいますか?ごますりで県外の出張をとったのだから,その他のこともいろいろやっていそうですね。きもい
曽於市の教育長にも「私(教頭)も職員も連絡をとりたいのですがいいですか」なんてまた今回を利用して信用を得るつもりですか?そこまで心のない人もめずらしいですね(笑)次は校長になりたいのですか?それともいきなり文部科学省の大臣?そして天下り人生か~さすがはド田舎商工会会長の息子?罪を償ってください。
曽於市現教育長
「センターに行く気はないですか?大人の喧嘩をしたくないんですけどね~」ってバカ?センターに来たときいい人ぶっていたのを見て笑いそうでしたよ。そこまでしてもやりたい職業なんですね。おいしい職業なんですね!作り笑顔見抜けないと思っていたのでしょうね~
ママ
少し先にお空にいきます。まいまいとあいちゃんをよろしくお願いします。私のように甘えん坊だからね。
‥‥これが、ご遺族が公開を希望した恵さんの遺書の全文だ。お兄様によると、恵さんの自殺が伝えられたあとに、実家にご両親と住んでいた恵さん部屋に行くと、机の上に「では、よろしくお願いします」と書かれたメモがあり、そこにはパソコンのパスワードも書かれていたそうだ。そして、そのパスワードを入力してパソコンのロックを解除したら、この遺書が残されていたそうだ。
ちなみに、最後のお母様に宛てた文中に出て来る「まいまい」と「あいちゃん」と言うのは、恵さんが可愛がっていた猫の名前で、音楽教師なのに、校長から国語の授業をやるようにと強要された恵さんは、この猫の名前を使って、国語の通信教育を受けていた。その上、家庭教師まで頼んで勉強していたのに、校長は恵さんを「指導力不足」として、教育センターへと飛ばしたのだ。国語の教師が、国語の授業をできないのなら、それは問題があるだろう。しかし、10年間、音楽教師だけをやって来た恵さんに、資格も持っていない国語の授業を強要すると言うことは、すでに、その行為自体がパワーハラスメントと言えると思うし、まるで、最初からセンターへ飛ばすための口実を作るために専門外の授業を強要したんじゃないかとも思えて来る。
‥‥そんなワケで、今回の事件は、全国的にはほとんど報道されず、地元の鹿児島県だけでニュースになったけど、その中で、一番詳しく書いているのが鹿児島の朝日新聞なので、最後に、その記事を転載しておく。この記事を読むと、恵さんが生徒たちから慕われていた様子が良く分かり、校長の言葉が空々しく見えて来る。
「女性教諭自殺」 2006年11月01日
「一足先に旅立ちます」――。自殺した曽於市の市立中学の女性教諭(32)の遺書には、上司らへの非難とともに家族らへの別れの言葉が記されていた。「教員は天職」と家族に話していた彼女がなぜ、死ぬことを選んだのか。遺族が当時の上司や地元教育委員会に不信感を募らせる一方で、「パワーハラスメントがあった」と遺書で書かれた学校側は戸惑った様子を見せる。鹿児島市内で31日に営まれた葬儀には、同級生や教え子ら多数が参列し、早すぎる死を悼んだ。
「命かけてまで抗議、なぜ・・・」
「なぜ娘は命をかけてまで抗議しなければならなかったのか」。30日の通夜の席で、教諭の父親(61)は訴えた。家族によると、教諭は専門の音楽以外の科目も担当させられたことや、校長らから勤務態度などを何度も他の教諭の前で名指しでしかられるようになって、体調を崩したと打ち明けていた。「子どもたちをカウンセリングできる教員になりたい」と言っていた。心理学を学んでおり、11月に自費で京都に勉強に行くため、航空券を予約していたという。教諭はパソコンに、校長や教頭らを批判する言葉のほかに、母親あてに「ママ 少し先にお空にいきます。まいまいとあいちゃん(飼い猫)をよろしくお願いします。私のように甘えん坊だからね」と残していた。教諭は体調不良や職場での人間関係などを母親(59)に相談していた。母親は「苦しんでいたので教員をやめるように言うと『天職と思うからやめるつもりはない』『向かないんじゃない、認めてもらえないだけ』と言っていた」と涙ぐんだ。父親は「明るく、優しい子だった。何が狂ってしまったのか。何があったのかを知りたい」と声を絞り出すように話した。31日に鹿児島市で営まれた葬儀に参列した中学時代の同級生の女性(31)は「母親思いの優しい子だった。4月に会った時、『また会おうね』と言っていたのに」と声を詰まらせた。
「パワハラと思われ残念」
教諭の自殺を受け、勤務先の中学校には動揺が広がった。生徒たちは「明るくて優しい先生だった」と口をそろえた。校長(55)は31日の会見で、「教諭の死は本当に悲しい」とした上で「(指導を)パワハラと受け止められてしまい、非常に残念に思う」と話した。校長によると、教諭は02年4月の赴任以来、「学校を休みがちで遅刻が多かった」。教諭が欠勤すると授業に支障が出るため、たびたび校長室で指導したという。「指導力不足教員」とされ、10月から研修センターに移った。校長が、教諭と最後に話したのは27日午後3時過ぎ。電話で「体調不良のため、午後から(センターでの研修を)休みます」と伝えてきた。学校側は教諭の死亡が確認された29日にさつま署から連絡を受け、30日の全校朝礼で生徒に伝えた。同日の通夜に参列した職員から「家族が『自殺でした』と話した」と聞き、改めて31日の職員朝礼で報告した、としている。生徒には自殺については説明していない。生徒たちによると、教諭はいつも明るく、笑顔を絶やさなかった。流行曲をピアノで伴奏し、クラス全員で歌う音楽の授業は人気だった。ある男子生徒は「自分たちが好きそうな曲を選んで、いつも歌詞を書いたプリントを用意してくれていた」。30日の朝礼では教諭の死亡が知らされると、泣き出す女子生徒もいたという。別の女子生徒は「休み時間に、気軽に恋愛相談に乗ってくれた」と話し、「亡くなったのは今も信じられない」と悲しんだ。学校側は31日、生徒たちが動揺しているため、放課後の部活動を中止して帰宅させた。
「校長が生徒に説明 中学教諭自殺問題」 2006年11月02日
曽於市の市立中学の女性教諭(32)が「いじめを受けた」などと訴える内容の遺書を残して自殺した問題で、1日朝、同校では、図書室に生徒55人を集めて全校集会を開き、黙祷をささげた。校長は、自殺だったことを説明し、生徒らに命の大切さを訴えた。校長は「生徒のみなさんに悲しくつらい思いをさせることに対して本当に申し訳なく思っています。ごめんなさい」などと述べた。生徒たちの中には涙ぐむ姿もあったという。同校では、1限目の授業を学級活動に振り替えて、担任が生徒たちと個別面談した。また同夜7時半から約1時間、保護者への説明会も開かれ、約50人が出席。校長は亡くなった教諭が研修センターに行くことになった経過などについて説明したという。保護者の1人は「学校側には早く先生が力を合わせ、子どもたちが学校に行きやすい環境をつくるよう要望したい」と話した。
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