電気炊パン器
この前、あたしの年季の入った炊飯ジャーのことをリトル書いたけど、14年くらい使ってるのに、今でも元気にご飯を炊いてくれるから、すごく助かってる。だけど、よくよく考えてみたら、この14年間で何千回使ったか分かんないけど、そのほとんどが普通にご飯を炊くだけだったし、すごくタマに、炊き込みご飯とかお赤飯とかピラフとかを炊くこともあったけど、基本的には、すべて「お米」を炊いてたワケで、それ以外には使ったことがなかった。それで、あたしは、ずいぶん前に、なんかのテレビで、「炊飯ジャーでパンを焼く」とか、「炊飯ジャーでケーキを焼く」とか言うのを見たことを思い出した。でも、その時は、炊飯ジャーでパンやケーキを焼くつもりなんかなかったから、ちゃんとは見てなかった。
だけど、14年間も、ただヒタスラにご飯だけを炊き続けて来たセンチメンタルジャーニー‥‥じゃなくて、電気炊飯ジャーに、一度くらいご飯以外のものを作らせてあげたいと思った。なんでかって言うと、毎日、深夜に、ちょっとずつ取り掛かってる年末の大掃除で、オトトイ、キッチンのお掃除をして、炊飯ジャーもピカピカに磨いたからだ。そしたら、なんだか、炊飯ジャーが愛おしくなってきちゃったってワケだ。それで、あたしは、ふと、炊飯ジャーでパンやケーキが焼けるってやつを思い出して、あたしでもできるかな?って思ったってワケだ。
それで、インターネットで調べてみたら、ものすごくたくさんの情報があったから、いくつか見てみた。そしたら、材料もそんなに必要ないし、意外と簡単に作れそうな感じだったし、何よりも、あたしは、生まれてから一度もパンやケーキを焼いたことがなかったから、この際、チャレンジしてみることにした。あたしが作ったことがあるのは、最初から材料がそろってるカップケーキだけで、粉の状態から作ったことがあるのは、簡単なクッキーだけだった。だから、自分でパンを焼くなんて、なんか、理科の実験みたいで、すごく楽しそうだと思った今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、あたしは、当然のことだけど、ケーキじゃなくてパンを作ることにした。だって、貴重なお金と時間を使うのに、お菓子なんか作っても意味ないし、やっぱ、大切なのは食事だからだ。それに、ケーキのほうは、パンよりも買わなきゃなんない材料が多かったのと、あと、初めてチャレンジするのに、ケーキはちょっと難しそうで、成功する自信がなかったってこともある。
で、材料なんだけど、あたしが最初に見たサイトには、強力粉200g、塩小さじ1/2、砂糖小さじ2、ドライイースト小さじ1、牛乳100cc、タマゴ1/2、無塩バター20gって書いてあった。だけど、他のサイトを見てみたら、強力粉が200gでおんなじなのに、塩が小さじ2/3だったり、砂糖が小さじ1.5だったり、ドライイーストが小さじ1.2だったりと、ビミョ~に違ってた。それから、タマゴを使わずに、そのぶん牛乳を多くしてるみたいで、牛乳130ccって書いてあるとこもあった。それで、家には、塩と砂糖と無塩バターしかなかったから、あたしは、少しでも出費を少なくするために、タマゴは使わないことに決めて、いつものスーパーへと欽ちゃん走りした。
そして、まずは、何よりも重要な強力粉を探したんだけど、普通の薄力粉なら、いろんな大きさや種類があって選べたのに、強力粉は1kgのものが1種類しかなくて、有無を言わさずにソレを買うしかなかった。だけど、200円ちょっとだったから、「ま、いっか」ってことにした。でも、ドライイーストが思ってたよりも高くて、タバコよりもちっちゃな箱なのに、生意気に180円もしやがった。そしたら、小さい黒きっこが右肩の上に現われて、「パンなんか作るのやめれば?」って囁いたから、「それもそうだな‥‥」って思ったんだけど、1リットルの牛乳がセールで148円になってたから、そのぶんで相殺されそうな感じがして、やっぱり作ってみることにした。結局、強力粉とドライイーストと牛乳とで、500円以上も使っちゃったけど、これも人生経験てワケだし、これで5回もパンが作れるんなら、1回あたり100円てことで、あたしの納得ワールドとしては、それなりに自己完結してみた。
で、いよいよパン製作を開始したんだけど、最初っからつまづいたのは、「粉をフルイで振るう」ってとこで、どっかにフルイはあったハズだけど、何年も使ってないから、どこに仕舞った思い出せなくて、結局、キッチンのいろんなとこを探すハメになった上に、途中でヘコタレちゃって、普通のザルでオッケーってことにしちゃった。それで、200gの強力粉をザルでパラパラしてボウルに入れて、そこに、お塩とお砂糖とドライイーストを入れた。それから、130ccの牛乳を片手鍋に入れて温めて、そこに20gの無塩バターを入れて溶かしたんだけど、ここで不思議に思ったのは、わざわざ「無塩バター」を指定してるクセに、粉にはお塩を混ぜるって点だ。だって、普通は、お塩の入ったバターのほうが一般的で、お菓子作りを趣味にしてる人じゃなかったら、無塩バターなんか持ってないと思う。あたしの場合は、タマタマいただきものの無塩バターがあったから良かったけど、ふだんは、無塩バターなんかには無縁バターな生活をしてる。
だから、粉のほうにもお塩を入れないんなら、どうしても無塩バターじゃないと仕方ないけど、粉のほうにはお塩を入れて、それでわざわざ無塩バターを使うくらいなら、粉のほうにお塩を入れないで、普通のバターを使ったっておんなじじゃん‥‥なんて疑問も持ちつつ、次につまづいたのが、「バターを溶かした牛乳を40℃まで冷ます」って部分だ。あたしは、お料理用の温度計なんか持ってないから、これには困った。それで、最初は、体温計を使おうかと思ったんだけど、体温計が壊れたら困るし、どうしようか考えてたら、ハッと思いついたのが、水槽の水温計だった。あたしの水槽には、ちっちゃな水温計が吸盤で貼りつけてあって、お魚たちが快適に暮らせるように、いつも水温の管理をしてるのだ。
それで、あたしは、水槽の水温計を外したんだけど、良く見ると、なんか、緑色のコケみたいなのが薄っすらとついてたから、ティッシュで拭いてキレイにした上に、念のために、除菌クリーナーでも拭いたりした。そして、ようやく、牛乳の温度を計ることができたんだけど、温度計を用意するまでにすごく時間が掛かっちゃったもんだから、計ってみたら、35℃になってて、また温め直さなきゃいけなくなってた。それで、チョコっと火にかけて、やっとのことで40℃にすることができた。
‥‥そんなワケで、粉の入ったボウルの中に、その40℃の牛乳を入れて、お箸でザクザクと混ぜてから、ラップをふわっとかけて10分間ほっとく。それで、10分経ったら、手でこね始めるんだけど、「生地にツヤが出て来るまで、10分ほどこねる」って書いてあって、これがすごく大変だった。最初は、手にベトベトとくっつくし、だんだんにつかなくなっては来るんだけど、とにかく、ものすごく疲れた。だけど、ここからが、いよいよ炊飯ジャーの出番なので、気持ちを切り替えてやる気を出した。
炊飯ジャーのお釜を取り出して、内側に薄くサラダオイルを塗るって書いてあったから、あたしは、丸めたティッシュをサラダオイルで湿らせて、それで塗ってみた。そして、生地を小さい肉マンみたいな形にして、お釜の真ん中に置いて、お水で塗らしたラップを掛けてから、炊飯ジャーにセットする。それで、「保温」にして10分間だけ温めたら、スイッチを切って、そのまま30分ほっとく。合計で40分なんだけど、これでイースト菌が働き出して、生地が発酵するってワケだ。
だけど、これで「2倍くらいに膨らむ」って書いてあったのに、30分してワクワクしながら見てみたら、最初とほとんど変わらない大きさだった。それで、もう一度、インターネットのいろんな情報を見てみたら、いくつかのサイトに、「冬場で室温が低い時は、30分発酵させる途中で何度か保温状態にして、温度が低くならないように調整する」とか、「30分経っても膨らまなかった場合には、もう一度、保温にして、発酵を促す」とかって書いてあった。で、あたしは、もう一度、10分間、保温にしてから、今度は、5分おきにチョコチョコと保温を入れたり切ったりしてみた。そしたら、生地が大きく膨れて、お釜の内側いっぱいの大きさになった。
なんだか知らないけど、ここまででずいぶん時間が掛かっちゃって、あたしは、お腹がペコペコになって来たんだけど、とにかく、このパンを完成させないと、ご飯を炊くこともできないから、がんばって作業を続けるしかない。それで、今度は、二次発酵ってワケで、膨らんだ生地をボウルに取り出して、手で押しつけて、中のガスを抜く。そして、またまたこねまくって、丸く形を整えたら、1回目とおんなじように、サラダオイルを塗ったお釜に入れて、お水で塗らしたラップをかけて、10分間の保温のあと、15分くらいで大きく膨らむ。あたしは、1回目の失敗があったから、今度はチョコチョコと保温のスイッチを入れたので、15分で大きく膨らんだ。
それで、ここからいよいよパンを焼くワケだけど、ラップを外して、膨らんだ生地の上に、強力粉をフルイで振ってパラパラとかけてから、フタを閉めて炊飯のスイッチを入れる。で、ご飯が炊き上がった時とおんなじに、自動的にスイッチが切れたら出来上がりだって言うから、あたしは、ボウルとかザルとかいろんなものを片づけて、ソファーにバタリと倒れ込んだ。もう、クタクタで、しばらく動けなかった。ご飯なら、3回くらい研いでからセットするだけだから、5分も掛からないのに、パンの場合は、その百倍も大変だった。
‥‥そんなワケで、炊飯ジャーがピーピー言い出したので、あたしは、急に元気になって、ムクッと起き上がり、キッチンに行って、ワクワクしながら炊飯ジャーを開けてみた。そしたら、ここで大変なことになってれば、日記的には面白かったんだろうけど、そんな皆さんのご期待に反して、まん丸の美味しそうなパンが出来上がってた。あたしは、鍋つかみ代わりの軍手をして、アツアツの焼き立てのパンを取り出して、マナ板の上に置いた。色としては、薄い黄色で、なんか、マフィンみたいな感じだったけど、切ってみたらホクホクで、底の部分には薄っすらと焼き色がついてて、初めてにしちゃあ、すごく良く出来たと思う。それで、あたしは、コーヒーをいれて、インスタントのカップスープとブルーベリージャムを用意して、晩ご飯なんだか夜食なんだか分かんない食事をした今日この頃なのだ。
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