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2007.01.02

集団心理とニセ愛国心

Abe4_6
与党支持者も、野党支持者も、無党派も、政治なんか興味無い人も、ジャイアンツファンも、アンチジャイアンツも、パリーグファンも、メジャーリーグファンも、野球なんか興味無い人も、右翼も、左翼も、ネット上に増殖してるオツムのネジがゆるんでるファッション右翼も、犬が好きな人も、猫が好きな人も、動物を虐待してる人も、生きたまま動物の毛皮を剥いで作ったファー製品を喜んで着てる人も、ファー製品を着てるのに犬や猫を飼ってる意味不明な人も、他にもいろんな人たちがいるけど、今のニポンって、人間のジャンルが細分化されちゃったから、ニポン中の人たちが、みんな揃っておんなじことをやるってパターンが、だんだん少なくなって来たと思う。

たとえば、NHKの「紅白歌合戦」にしても、昔は、視聴率80%なんて言うオバケ番組だったから、ほとんどの国民が見てたことになる。だけど、今は、良くても30%台だから、大晦日なのに、「紅白歌合戦」を見てる人よりも、他のチャンネルを見てる人のほうが、ずっと多いってことになる。そして、他のチャンネルを見てる人でも、みんながおんなじ番組を見てるんじゃなくて、格闘技を見てる人もいれば、お笑い番組を見てる人もいれば、討論番組を見てる人もいるってワケだ。

昔は、大晦日って言えば「紅白歌合戦」だったワケで、これは、ある意味、ニポン人としての暗黙のルールみたいなもんだったと思う。だから、民放は、何を放送したって、どうせ見てもらえないと思って、過去に何度も放送した映画をまた流したり、紅白に呼ばれなかった三流歌手を寄せ集めて歌わせたりって、どうでもいいような番組しか放送してなかった。だけど、今は、「紅白歌合戦」がつまんなくなったこともあるけど、それ以上に、国民の嗜好が細分化されたから、明確なプロットを持って番組を制作すれば、それなりの視聴率を稼げる時代になった今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?


‥‥そんなワケで、嗜好や思想の細分化と、それに対応するような供給側の商売根性によって、ニポン中のほとんどの人たちがおんなじことをするってことが、だんだん少なくなって来たんだと思う。たとえば、「こんなもん、誰が買うの?」って思うような変なものを専門に売ってるお店もあれば、そんなお店に足しげく通って、そこの商品を買いまくってる人たちもいるワケだ。結局、誰でもが欲しがるものを商売にしようと思っても、そう言うものは大手にかなわないから、スキマ産業的に、一部のマニアだけが欲しがるものを専門に扱うお店とかが出て来たんだと思う。

だけど、どんなに嗜好や思想が細分化されて、どんなマイノリティーでも満足できる供給を受けられるようになったとしても、人間の深層心理には、「みんなと一緒がいい」「みんなとおんなじだと落ち着く」って気持ちがある。これは、もともと、「ヒト」の祖先の原始人が、肉食動物のエサだったから、身を守るために「群(むれ)」になってたからだ。お魚とかでも、イワシみたいな弱い種類は、何百匹、何千匹って言う「群」で行動してて、普段はある程度、広がって泳いでるけど、自分たちをエサにしてる大きなお魚が現われたら、みんなで固まりになって、相手よりも大きなシルエットを作ったりする。

ブラックバスとかでも、10cmくらいの子供のころは、「スクーリング」って言って、最低でも10匹程度の群で行動してる。そして、20cm、30cmと大きくなるに従って、だんだんに群れる数が少なくなってって、40cmくらいになると、単独でも行動することになる。これは、ブラックバスって泳ぐのが遅いし、目もあんまり良くないから、泳いでる小魚とかを追いかけてってパクッて食べることが苦手だからだ。ブラックバスは、水中の岩の陰とか、クイの影とか、そう言う場所に隠れてて、やって来る小魚とかを待ち伏せしてる。それで、何も知らずに泳いで来た小魚が目の前を通る時に、パクッと食べる。だから、大きくなって、敵がいなくなったブラックバスは、何匹もで群になってると、エサの取り合いになっちゃうから、単独でいることが多くなるのだ。

それで、ブラックバス釣りの上手な人は、湖に浮かべたボートの上から、岬の形とか、川の流れ込みとか、水生植物の分布とか、風向きとか、太陽の方向とか、色んなことを考えて、大きなブラックバスが、エサを待ち伏せしてそうな場所を判断して、そこにルアーをキャストするってワケだ。たとえば、水中の見えるとこに大きな岩があったとしたら、その岩の右に太陽があれば、左側が陰になってるワケで、ブラックバスが隠れてるとしたら、その陰のほうにいるってことになる。だから、おんなじ岩でも、朝と夕方だと、陰になる向きが反対になるから、反対の場所にいるってことになる。

もちろん、それだけじゃなくて、他のいろんな状況も考えて、また、それに合わせて、使うルアーの種類や色も変えて、それで釣るワケだけど、ブラックバス釣りに詳しい人の話を聞いてると、単なる「魚釣り」じゃなくて、「サイエンス・フィッシング」って感じがして来る。この前、「釣りロマンを求めて」で、児島玲子ちゃんと一緒にスミイカを釣りに行ってたバスプロの田辺ノリピーなんか、ものすごい。ひとつの狭いエリアで、1番大きいブラックバスはあそこの岩の陰の右側の手前、2番目に大きいブラックバスはあのクイの3本目の左側、3番目に大きいブラックバスはあそこのアシの際‥‥って感じで、まるで水中のことがぜんぶ見えてるみたいだ。その上、そこにルアーをキャストして、言ってた通りの大きなブラックバスを釣っちゃうんだから、カッコ良すぎる。

‥‥そんなワケで、新年早々ちょっとダッフンしちゃったけど、とにかく、他の草食動物と同様に、「ヒト」も、肉食動物から身を守るために群になったのが、集団生活を始めたキッカケだったんだと思う。そして、肉食動物に命を狙われなくなった現代人のDNAにも、「集団でいると安心」ってのが残ってるんだと思う。だから、「他人とおんなじことはしたくない」って思ってるような人が、みんなとおんなじ制服を着るとナゼか安心したり、マイノリティーであることをアイデンティティーにしてるような人が、そのマイノリティー同士でヤタラとつるみたがったりするんだと思う。

そして、話はクルリンパと戻るけど、嗜好や思想の細分化と、それらを満足させる供給とが進化したからこそ、ほとんどのマイノリティーは、普段は満足して生活してるのに、その反面、原始からのDNAによって、マイノリティーであることに「無意識の不安」みたいなものを感じるんだと思う。だから、今まではサッカーなんかぜんぜん興味無かったのに、ワールドカップの時だけ、急にニワカサッカーファンになっちゃって、みんなとおんなじブルーのユニフォームを着て、みんなとおんなじに「ニッポン!ニッポン!」って騒いで、みんなとおんなじにニポンチームの勝ち負けに一喜一憂して、自分を「集団の中の1人」に置くことによって、「無意識の不安」から逃れようとしてるんだと思う。オリンピックしかり、フィギュアスケートしかり、すべてはワールドカップとおんなじで「ニポン代表」だから、ニポン人としての「集団の安心」を得るためには、何よりもホッとできるシチュエーションなのだ。

ようするに、ジャイアンツだのタイガースだのを応援しても、それはニポン人同士で戦ってるワケだから、ジャイアンツファンとかタイガースファンとかって言う、小さな集団の中の1人にしかなれないワケで、それでもいいんだけど、イマイチ安心できない。でも、イチローだのゴジラ松井だの松坂だのを応援すれば、彼らがニポンにいた時のチームのことなんか関係無くて、「ニポン代表」として応援できる。中には、イチローがニポンにいた時のチーム名も知らないのに、「イチローを応援してます」なんて言ってる女の子もいるくらいだ。そして、とにかく、イチローだのゴジラ松井だの松坂だのを応援しとけば、「ニポン中の人たちとおんなじに、ニポンの代表を応援してる私」、つまり、「集団の中の1人」になれるから、DNAに組み込まれてる「肉食動物に命を狙われる無意識の不安」から開放されるってスンポーなのだ。

結局、ニワカサッカーファンにしても、ニワカオリンピックファンにしても、ニワカ松坂ファンにしても、1人1人は、対象なんか別に何でもいいから、とにかく、「無意識の不安」から開放されたいだけだってことだ。そして、何で、ヤクルトスワローズやガンバ大阪のニワカファンにならないのかって言うと、そんなもんになっても、おんなじニポン人の中にも他のチームのファン、つまり、敵が大勢いるから、「無意識の不安」からは開放されないからだ。ようするに、自分を守りたいから集団の中の1人になりたいワケで、小さな集団よりは大きな集団のほうが安心できるワケだし、弱い集団よりは強い集団のほうが安心できるってワケだ。そして、最大限の安心感を得ようとした結果、ニワカファンになる対象が、どれも、「ニポン代表」ってものに集中しちゃうのだ。

だけど、この深層心理には、大きな欠点がある。普段は興味も無いジャンルのスポーツなのに、みんなと一緒って言う安心感を得るために、「ニッポン!ニッポン!」ってバカ騒ぎしてるうちに、それが、やがて、間違った「愛国心」へと発展してくからだ。実際は、あくまでも、DNAに組み込まれてる「無意識の不安」から逃れたい、開放されたいって言う潜在意識によってニワカサッカーファンやニワカオリンピックファンになったのに、もともとが無意識に始めたことだから、自分ではまったく認識してない。だから、ほとんどの人たちは、自分がホントにサッカーのニポン代表を応援したくてしてると思い込んでるし、自分がホントにオリンピックの各競技のニポン代表を応援したくてしてると思い込んでる。だからこそ、本気で熱くなったり、本気で感動したり、本気で泣いたりできるってワケだ。でも、それは、大きなカン違いであって、ホントは、集団の中に自分の身を置き、自分の命を狙う敵から自分の身を守ろうとする太古からの本能がなせるワザだったワケだ。

そして、ここからが恐い。ニポンの代表選手や代表チームの戦いぶりに、一喜一憂して、感動したり泣いたりしてるうちに、大いなる「カン違い愛国心」が芽生えてきちゃうからだ。そのいい例が、インターネット上に増殖しつつある「ニセ右翼」や「ファッション右翼」みたいな、ニポン人のクセにニポン人に対して嫌がらせをするような幼稚で低能な売国奴たちだ。ホントは、誰よりも弱虫で、誰よりも腰抜けで、集団の中に身を隠してないと、何もできない草食動物たちなのに、集団になり、自分の顔が見えない状態だと、トタンに強くなって、アカの他人のブログのコメント欄を荒らしたり、匿名掲示板で鼻息を荒くしたりする。

ホントは弱虫だから、威圧的な発言で相手を脅そうとする。ホントは腰抜けだから、すぐに武器を持ちたがる。自衛隊を軍隊にしようとするし、憲法を改正して戦争のできる国を作ろうとする。そして、こう言うタワケどもって、ブッシュを見れば分かるように、常に「仮想の敵」を作っとかないと安心してられない。何でかって言うと、仮想の敵を作り、その敵よりも強い武器を持つことでしか、安心できないからだ。そうしてないと、DNAに組み込まれてる「無意識の不安」から開放されないからだ。ようするに、インターネット上に増殖しつつある「ニセ右翼」や「ファッション右翼」ってのは、原始人並みの知能程度だってことだ。

‥‥そんなワケで、インターネット上での嫌がらせ行為しかり、学校でのイジメ問題しかり、自民党の強行採決しかり、現代社会で起こってる数々の問題って、そのほとんどが、極めて原始的な「無意識の不安」がヒキガネになって起こる「集団心理」によるものだ。そして、これらは、自分の頭で考えることができない人たちや、自分の頭で考えることを放棄しちゃった人たちや、自分自身を見失っちゃった人たちに多く見られる、何よりも愚かな行為だろう。地球上のすべての生物の中で、もっとも知能が発達してる人類だってのに、「常に誰かをイジメてないと、自分がイジメられそうで不安」だとか、「常に仮想の敵を作って、その敵に対する攻撃の準備をしとかないと不安」だとかって、未だに何億年も前の潜在意識の呪縛から逃れられずに、高等動物として唯一の方法であるハズの「考えること」を放棄しちゃった大バカどもだと思う。そして、そんな大バカどもの大将、アベシンゾーによって、この「すでに美しい国」がメチャクチャにされかかってるなんて、ホントに悲しいことだと思う。だから、1日も早く、原始人並みの知能しかないアベシンゾーと、電通の回し者にして空気の読めない出しゃばり女房には、この国からトットと消えて欲しいと思う今日この頃なのだ。


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