カエルくん危機一髪!
去年の春に、テレビ朝日で深夜に放送してたアニメ、「THE FROGMAN SHOW」は、そのタイトルからも分かるように、小林克也の「THE SNAKEMAN SHOW」のタイトルをパロディにしたものだけど、「THE SNAKEMAN SHOW」ってのは、小林克也がリスペクトしてたDJのウルフマン・ジャックに習って、自分のことをスネークマンて呼んだのが始まりだ。だから、「THE SNAKEMAN SHOW」をやってたのは、小林克也なんだけど小林克也じゃなくて「SNAKEMAN」だったってことになる。そして、アニメの「THE FROGMAN SHOW」も、制作してたのは「蛙男商会」の小野亮だけど、小野亮は自ら「FROGMAN」って名乗ってるから、「THE FROGMAN SHOW」を制作したのは、小野亮なんだけど小野亮じゃなくて「FROGMAN」だったってことになる。
それで、この、あたしの大好きな「FROGMAN」の制作するアニメ、ようするに、「蛙男商会」のアニメだけど、今、「GyaO」のアニメコンテンツの中の「オリジナル・ショート・アニメーション・シアター「a-i-r」(エア)」ってとこで、「部長ハシビロ耕作」の全13羽が公開されてる。とにかく、たまんないほど大爆笑で、1羽が短いショートアニメだから、一気にぜんぶ観ることができる。で、なんで、「全13羽」とか「1羽」とかって、「話」じゃなくて「羽」って書いてるのかって言うと、主役が鳥だから、アニメでは「第1羽」「第2羽」って書かれてるからだ。
「THE FROGMAN SHOW」の「秘密結社鷹の爪」や「古墳GALのコフィー」も面白かったけど、今回の「部長ハシビロ耕作」の面白さは、レベルが違う。とにかく、ハシビロ部長の目がイイのとか、肺魚の青山くんが飲み込まれる瞬間のセリフのタイミングが絶妙なのとか、イイカゲンなキャラはイイカゲンな塗り方をしてんのとか、他にも、笑いのツボが目白押しなのに、最後には、リトル考えさせられるようなとこもあって、すごくバランス良くできてると思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、あたしは、いつも無料の「GyaO」を楽しんでるんだけど、「GyaO」はWindowsにしか対応してないから、以前は、Macユーザーは見ることができなかった。だけど、去年の春に、「Parallels Workstation」のベータ3版が公開されて、MacにWindowsXPをインストールできるようになったり、そのあとに発売されたMacにはWindowsXPが搭載されたりして、今じゃ、多くのMacユーザーも、普通に「GyaO」を楽しめるようになった。だから、「蛙男商会」のアニメも、以前よりもたくさんの人たちが楽しんでると思ったのもトコノマ、1月12日付の読売新聞を見たら、そんなノンキなことを言ってらんないような、恐ろしいニュースが飛び込んで来た。
「カエル殺すカビ日本上陸、流行すれば絶滅の危機も」 (読売新聞)
世界でカエルなどの両生類に壊滅的な被害を与えているカエル・ツボカビ症が日本にも上陸していたことが、明らかになった。
感染したカエルが輸入業者などを通じて国内に持ち込まれたと見られており、昨年末に、都内でカエル14匹がこの病気によって死んだことが初めて確認された。病気が流行すれば、国内でも絶滅の危機にさらされる両生類が出てくる恐れがあるとして、世界自然保護基金(WWF)ジャパンや日本動物園水族館協会など16団体が13日、「緊急事態宣言」を出す。
カエル・ツボカビ症が確認されたのは、都内で個人がペットとして飼育していたカエル。14匹ものカエルが死んだため、獣医師を通じて麻布大研究室に持ち込まれ、国内で初めて感染が確認されたという。
‥‥この「カエル・ツボカビ症」は、感染した両生類の90%以上が死亡しちゃう恐ろしい病気で、もしも菌が外部に流出して、たった1匹でも野生のカエルに感染しちゃったら、爆発的なスピードで広がって行くから、もう根絶は不可能だって言われてる。中米のパナマでは、最初の1匹がツボカビ症に感染してから、たった2ヶ月で、その地域のすべてのカエルが絶滅したそうだし、オーストラリアでは、たった1匹の感染が、最終的には、何百kmもの広範囲にまで広がり、多くのカエルや両生類を絶滅させちゃったそうだ。だから、こんなに恐ろしいツボカビ症が流行したら、狭いニポンなんかアッと言う間に全国に広がっちゃうだろうから、島根県在住の「FROGMAN」も、オチオチとアニメを作ってらんなくなっちゃうだろう。
ニポンには、ぜんぶで43種類の在来種のカエルがいるんだけど、そのうちの8種類は、人間による環境破壊などによって、すでに絶滅の危機に瀕してて、絶滅危惧種に指定されてる。他にも、たくさんの種類のサンショウウオやイモリがいるんだけど、これらのほとんどが絶滅危惧種に指定されてる。だから、何もしなくたってヤバイ状態なのに、こういった両生類たちをアッと言う間に絶滅させちゃう恐怖のツボカビ症が、とうとう、このニポンにも輸入されちゃったってワケだ。こうなって来ると、春になっても、青空球児好児は「ゲロゲーロ!」って鳴けなくなっちゃうし、寿司屋の梅さんと南先生がヨシコ先生を奪い合ってても、ピョン吉は止めに入れなくなっちゃうのであります!ケロロ軍曹!‥‥って、ケロロ軍曹はカエルじゃないから大丈夫だろうけど、とにかく、ニポンの生態系はメチャクチャになっちゃう。
‥‥そんなワケで、この「カエル・ツボカビ症」の過去の例を調べてみると、1993年にオーストラリア北東部のクイーンズランドで発生したケースでは、12種のカエルが大量死して、そのうちの4種は絶滅しちゃった。そして、その5年後の1998年には、クイーンズランドから6000kmも離れたオーストラリア西南部のパースで、おんなじようなカエルの大量死が起こったんだけど、これは、クイーンズランドからパースへと空輸したバナナの中に、ツボカビ症に感染したカエルが混じっていたことが原因だったそうだ。
とにかく、このツボカビってのは、感染力と繁殖力がものすごく高い。過去の例では、山奥に、ツボカビの被害で死んだ野性のカエルを観察しに行った学者が、そのまま別のカエルの生息地に行ったら、その学者の長靴にわずかなツボカビが付着してて、それが原因で、別の生息地のカエルたちにも感染しちゃったなんていう皮肉なケースもある。このツボカビがカエルの体に付着すると、カエルの表皮のケラチンを食べながら分裂を繰り返して、どんどん増殖して行き、カエルは、ツボカビに皮膚を覆われて死んでしまう。そして、増殖したツボカビは、水中を漂い、他のカエルや両生類へと広がってく。たとえば、田んぼの水源にしてる溜池にツボカビが発生すれば、その溜池から水を引いてる何十もの田んぼのカエルたちが、みんな感染して絶滅しちゃうってワケだ。
だけど、今回のツボカビ症は、ペットとして飼われてたカエルだったから、治療することも可能だそうだ。麻布大学の獣医病理学の宇根有美助教授は、「元気がない、皮膚に赤い斑点がある、体表の粘液がおかしい、などの点に注意してほしい」って言ってるし、日本野生動物医学会では、「いつもと様子が違うと感じたら獣医師に相談してほしい。治療も可能なので、感染が疑われるカエルは絶対に捨てないでほしい」って呼びかけてる。ようするに、今回の問題は、ニポンの野生のカエルの話じゃなくて、ペットとして輸入した南米のカエルの話だから、何よりも恐ろしいのは、そのツボカビが野外へと流出して、ニポンの在来種に感染しちゃうことなのだ。そして、それを食い止めるために、今日付で「緊急事態宣言」を出したってワケだ。
だから、外国産のカエルや両生類、特に南米産のカエルを飼ってる人は、自分のカエルを良く観察して、宇根有美助教授の言うように、元気がなかったり、皮膚や粘液に異常が見られた場合には、絶対に水槽の水を捨てたりしないで、すぐに専門の獣医師に相談して欲しい。ツボカビは、カエルに感染するとすぐに増殖しちゃうけど、オタマジャクシの時に感染した場合は、そのオタマジャクシがカエルになってから増殖するそうだ。だから、今は元気なカエルでも、もしもオタマジャクシの時に感染してたとしたら、これから具合が悪くなって来るケースだってある。
そして、そういうカエルを飼ってる人が、何も考えずに水槽の水を捨てたりしたら、そこからツボカビが野外へと広がってく可能性も十分にあるだろう。そのため、日本野生動物医学会などでは、輸入されたカエルや両生類を飼ってる人たちに対して、水槽の水はそのまま流さずに、必ず、ビルコンや次亜塩素酸ナトリウムなどで完全に消毒してから流すようにと指導してる。
‥‥そんなワケで、話はリトル車線変更するけど、外国から輸入したカブトムシやクワガタムシを飼ってる人って、飽きたり、増えすぎて飼えなくなったりして、外に逃がしちゃう人が多いそうだ。それで、今じゃ、野山に昆虫採集に行くと、ニポンにはいるハズのないカブトムシやクワガタムが採れるんだって。もちろん、そういった個人よりも、輸入業者や繁殖業者、ペットショップのほうがヒドイことをしてると思うけど、これは、政府が、平成11年に、外国産のカブトムシとクワガタムシの輸入を規制緩和したことによる過剰輸入が原因だ。だって、平成11年から今までに輸入された外国産のカブトムシとクワガタムシって、合計で1000万匹もいるんだよ。いくらなんでも、これって輸入しすぎじゃないの? 一方じゃ「ブラックバスは害魚だから殺せ!」って言いながら、一方じゃ外国産の昆虫の輸入を規制緩和して、ニポンの生態系を破壊し続けてるんだから、サスガ、ニポンの政府のダブルスタンダードっぷりって、いつもながらにミゴトだよね。
前にも書いたことがあるけど、あたしの地元の1級河川の多摩川は、東京都と神奈川県の間を流れてる川なんだけど、トンデモナイお魚がいっぱいいる。今や、ブラックバスやブルーギルは当たり前だけど、その他にも、グッピーもいるし、ティラピアもいるし、ディスカスもいるし、フロリダガーパイクって言うワニみたいな口をした1mもある凶暴なお魚もいる。そして、ディスカスみたいな熱帯魚が、どうして越冬できるのかって言うと、多摩川のところどころに、1年中ずっと温かい生活排水が流れ出てる場所があって、そういうとこに集まって冬を越してる。他にも、川岸の湿地帯や中洲の草むらには、ヌートリアって言うネコよりも大きいネズミのオバケが巣を作ってるし、アライグマは川で洗いものをしてるし、ワニガメやカミツキガメはコイやヘラブナをバクバク食べてるし、なんだか、都会のアマゾンて感じだ。
これらは、すべて、ペットとして飼われてたものが、無責任な飼い主によって捨てられて、それが繁殖したものだと思う。そして、こういった無責任な行為を後押ししてるのが、政府による輸入ペットの規制緩和ってワケだ。今回、大問題になった南米産のカエルにしても、もともとが、昆虫や両生類、爬虫類に関しては、病原菌のチャックが義務づけられてないものも多くて、中には届け出の義務のないものもあるから、水際で食い止めることなんかできっこない。どんなに危険な病原菌がついてても、お店の人は知らずに売るワケだし、お客さんも知らずに買うワケだし、そして、そのお客さんは、飽きれば外に捨てちゃうワケだ。
だから、あたしは、すでに全国に広がってる外来生物たちを殺すことよりも、ノーチェックで輸入され続けてる数え切れないほどの昆虫や両生類や観賞魚なんかを国がきちんと管理するほうが先だと思う。今、1年間に輸入されてる生き物の個体数は、約6億から7億って言われてるけど、これには、一部の昆虫や観賞魚など、届け出の義務がないものは含まれてない。だから、実際には、これよりも遥かに多い数の外国産の生物が、ニポンに入って来てるってワケだ。そして、今のニポンの検疫システムは、ほとんどが形だけのものだから、たとえば、観賞魚の水の中に病原菌がいたら、その水ごと国内に入って来る。
‥‥そんなワケで、年間に、何千万だの何億だのって単位の外国の生物を輸入しまくってて、その中には届け出の必要のないものもたくさんあって、さらには、検疫システムまでが不備だらけなのに、それをホッタラカシにしておいて、すでにニポンの生態系の一部になっちゃってるブラックバスを殺すなんて、アホとしか言いようがない。ま、所詮は、ジュゴンの住む美しい海に、アメリカの殺人滑走路を作ろうとしてるような政府なんだから、ブラックバスは単なるスケープゴートなんだろうけどね。とにかく、政府が、ミジンコの頭ほどでもニポンの生態系や環境のことを考えてるんなら、まずは、どんなに小さな観賞魚1匹でも、輸入する場合にはすべて届け出することを義務づけて、さらには、どこの誰に販売したのかも分かるように、すべての外来生物の販売や譲渡を完全登録制にすべきだと思う今日この頃なのだ。
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