猫の駅長さん
なんかここ数日、「新年早々」って言葉から書き始めてる日記が続いてたことに気がついたから、今日は変えてみたんだけど、「新年早々」って言葉を使うことが多かったってことは、お正月なのに嬉しくないことが多かったってことになる。だから、今日は、ムリヤリにでも楽しいことを書こうと思って、1月5日付のこんなニュースを取上げてみることにした。
「ネコの駅長さんが客招き 和歌山電鉄の無人駅で」 (共同通信)
和歌山市と隣接する紀の川市を結ぶローカル線「和歌山電鉄貴志川線」の無人駅「貴志駅」に5日、“ネコの駅長”が誕生し任命式が行われた。新駅長は雌の三毛猫「たま」7歳。駅の売店「小山商店」の飼い猫で人懐っこく「駅のアイドル」として利用客からかわいがられていたことから、和歌山電鉄の小嶋光信社長が白羽の矢を立てた。たまと同居する猫「ちび」とたまの母親「ミーコ」も助役に抜てき。
‥‥猫好きのあたし的には、まさしくツボの内角高めにストライクなグッドニュースだし、「グッド」って言えば「ドッグ」の反対だから猫にピッタシだし、お正月らしくてホノボノとしちゃう。それで、この記事には写真もついてて、白地に黒と茶のブチで丸顔の「たま」が、「駅長たま」って書いてある丸い名札をさげて、抱き上げられてた。今どき、猫に「たま」って言う名前をつける素朴さも好感が持てるし、何よりも、この和歌山電鉄の小嶋光信社長のイキなハカライに拍手を送りたいと思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、去年は、産まれたソバから子猫や子犬を殺し続けてた上に、その残虐な行為を正当化するための呆れ果てる詭弁を全国紙に掲載するような異常な女性作家が登場したり、隣人の飼い猫や地域の猫たちを遺棄して殺し続けてる残酷な税理士が、一般市民の中に紛れ込んで平然と生活してたことが分かったり、他にも、数々の物議を醸し出した広島ドッグパークの問題もあったし、今まで、人の目に触れないように行われてた動物虐待の問題が、少しずつ表に出て来た1年だったように思う。そして、人間の都合で、年間に30万匹以上もの犬や猫が保健所で殺され続けてる事実にはフタをして、そうした人間の醜い一面をゴマカスかのように、徳島の「崖っぷち犬」だの、兵庫の「鼻水猫」だの、たった1匹の野良犬や野良猫を救助する映像を意図的に流し続けてたようにも思う。
他にも、コイズミのために、この国の環境を破壊し続けた悪魔、小池百合子が行なった沖縄のジュゴン絶滅計画や、北海道での利権絡みの不要なダム建設によるイトウの絶滅の危機など、国が率先して行なってる自然破壊から、私利私欲のために岡山のアユモドキを密漁し続けてる淡水魚の密売グループのような個人レベルの犯罪に至るまで、所詮は、世の中のすべてのことが、一部の人間の都合だけで取り決められ、一部の人間の欲望のためだけに行われてるってことだ。そして、何よりの被害者は生き物たちだけど、こう言うことをしてる人間は、自分たち人間も、その「生き物たち」の中に含まれてるってことには気づいてない。地球上で、人間だけが、何か特別な存在のように思い込んでて、当たり前のように他の生き物たちを殺し続け、好き勝手に他の生き物たちの棲家を破壊し続けてるけど、魚の住めなくなった川の水は人間も飲めなくなるってことが、他の生き物たちが絶滅した世界には人間も住めなくなるってことが、何で分からないんだろう?‥‥なんて感じで書き続けてると、またまた暗い方向に行っちゃうから、ここらで話をクルリンパとモトに戻す。
で、和歌山電鉄貴志川線の貴志駅の猫の駅長さんの話だけど、実は、この計画は、去年の夏から進められてたのだ。和歌山電鉄のホームページを見ると、2006年8月6日付で、小嶋光信社長の「グランドオープンのごあいさつ」が掲載されてる。そして、2006年4月1日から、この時点までに努力して来たいろんなイベントなどの報告とともに、そのメインであった、貴志川の特産物であるイチゴをイメージした「いちご電車」の完成について書かれてるんだけど、その中に、次のような記述がある。
「このいちご電車で、ビアパーティなどの催しや、コンサート、貸切りでの結婚式などもしてみたいと思っています。またこの秋には、貴志駅に「いちご神社」を造り、おみくじなども引けるようにしたいと思っています。いちご神社は、伊太祈曽神社の末社にでも加えていただければと思います。また、先日貴志駅で、三毛猫さんと目が合って、何か手伝うかと声掛けしましたら、何でも手伝うというので、いずれ三毛猫の駅長さんが登場すると思います。」
つまり、去年の夏の時点で、小嶋光信社長は、貴志駅の売店で飼われてる猫を駅長にしようと計画してたってワケだ。それにしても、「三毛猫さんと目が合って、何か手伝うかと声掛けしましたら、何でも手伝うというので~」ってクダリ、何ともイイ味を出してるね~♪ あたしは好きだな、この感覚も、こう言った文章を公式なものとして公開しちゃう姿勢も。まるで、その時の社長と猫とのやり取りが目に見えるようで、すごく微笑ましくなる。
‥‥そんなワケで、ここで簡単に貴志川線のことを説明しとくと、貴志川線て、もともとは南海電鉄の路線だった。だけど、マイカー利用者の増加にともなって、貴志川線の利用者は減少して来て、採算が取れなくなったことから、南海電鉄は、2004年の夏に、「1年後の2005年9月をもって貴志川線を廃止する」ってことを発表した。それで、いくら利用者が減ったからって、廃止されちゃったら困る人たちもいっぱいいるので、和歌山市と旧貴志川町が、貴志川線を引き継いでくれる先を公募して、いくつかの応募の中から、岡山電気軌道が選ばれた。そして、岡山電気軌道は、和歌山市に新会社の「和歌山電鉄」を設立して、2006年4月から、小嶋光信社長のもと、貴志川線の業務を引き継いだってワケだ。
ちなみに、「和歌山電鉄」は、正式には「和歌山電鐵」って書くんだけど、これは、新会社を設立するにあたって、「鉄」って漢字を分解すると「金を失う」ってなるから縁起が悪いってことと、旧字を使うことによって「鉄道の原点に立ち還る」ってことから、こっちの漢字にしたそうだ。それなのに、平気で新しい漢字で書いちゃうあたしって、いったい‥‥なんて思いつつも、あたしにはあたしの「読者が読みやすいように」って言う理由があるワケだし、こうしてちゃんと説明してんだから、猫の駅長さんにスポットをあてたことに免じて許してちゃぶだい。
で、利用客の少ないローカル線の社長って言う、なかなか責任の重い職務に就いた小嶋光信社長は、そんなに予算も掛けられないだろうから、ホームでの七夕飾りや備前焼の風鈴の飾りつけのイベントなど、手作りの企画を中心に、いろいろとがんばって来た。それで、社運を賭けたって言ったら大ゲサだけど、それでも、会社設立以来、最大の予算を掛けて、「いちご電車」を企画して、サポーターを募ったら、1500人以上の応募があったそうだ。そして、その流れで、前出の小嶋光信社長のコメント、「このいちご電車で、ビアパーティなどの催しや~」ってとこに続くワケだ。だから、その一環として貴志駅に猫の駅長さんが誕生したのは、まさに「満を持して」ってワケなのだ。
ローカル線の経営難て言うと、最近では、「ぬれせんべい」でオナジミの千葉の銚子電鉄が有名だけど、銚子電鉄の場合は、前社長が会社のお金を持ち逃げしたことが、経営難に陥ったソモソモのキッカケだ。だから、がんばってる職員さんたちは気の毒だと思うけど、わざわざ「ぬれせんべい」を買いに行ったりしてまで協力してあげたいとは思わない。だって、あたしが「ぬれせんべい」を買ったお金は、間接的に、前社長が持ち逃げしたお金の補填になるワケで、ようするに、「ぬれせんべい」を買ってる人たちがみんなで、犯罪者にカンパしてるようなもんだからだ。だから、あたしは、持ち逃げしたお金を前社長から返済させるほうが先だと思う。
だけど、貴志川線の場合は、何の不正もなく、地域の人たちのために手作りの努力をしてて、その一環としての猫の駅長さんなんだから、あたしはダンゼン応援しちゃう。ま、「応援しちゃう」って言っても、この日記に書いてるだけで、あとは心の中で応援してるだけだけど、何かの用事で和歌山に行くことがあって、時間に余裕があったら、ぜひ貴志川線に乗って、貴志駅の駅長さんの「たま」と、助役の「ちび」と「ミーコ」に会いに行きたいと思う。そして、もしもダッコさせてもらえたら、鼻と鼻をくっつけてみたり、ゴロゴロニャーをしてみたり、肉球モミモミをしてみたり、ケータイで写真を撮ってみたり、いっぱいやりたいことがある。だけど、きっと、いろんな人にいじられてて、人に触られるのはウンザリしてるかもしんないから、最初はリトル離れたとこから様子を見てみて、小声で「ニャン?」って質問してみて、それに対して「ニャニャン!」って答えた場合だけ、近づいてダッコしてみようと思う。
でも、猫の駅長さんて言っても、この貴志駅だけじゃなくて、全国にいろいろとある。あたしが会いに行ったことがあるのは、千葉県の久留里線の上総清川(かずさきよかわ)駅の猫の駅長さんと、同じく千葉県の小湊(こみなと)鉄道の高滝駅の猫の駅長さんだけだけど、どっちの駅長さんも、ちゃんと日向ぼっこしながら目を細くして職務をこなしてた。だから、ニポンの総理大臣も、アベシンゾーみたいな頭がカラッポのノーナシじゃなくて、猫の総理大臣さんに替えたほうが、何万倍もマトモな「美しい国」になると思う。何しろ、猫なら、アベシンゾーみたいに税金を私物化しないだろうからね‥‥なんてことも折り込みつつ、他には、すごく有名だったのが、北海道の釧網本線の北浜駅の猫の駅長、ニャンタロで、いつか会いに行きたいって思ってたけど、残念なことに、平成16年5月に亡くなってしまった。でも、今は、ニャンタロのポストカードを販売してるから、いつか網走に行く機会があったら、北浜駅に立ち寄って、買い求めたいと思ってる。
ちなみに、猫の駅長さんの話からはダッフンしちゃうけど、あたしが一番好きなのは、江ノ島の猫たちだ。専門学校時代やアシスタント時代には、イヤなことや悲しいことがあると、江ノ島の猫たちに会いに行ってた。猫たちに会うためだけに、小田急線に乗って江ノ島まで行って、ずっと歩いて橋を渡って、階段を上って、江ノ島エスカーって言うエスカレーターに乗って、テッペンまで行く。それで、丸々と太った猫たちに会って、猫たちと一緒にボーッと海を眺めてると、気持ちがスッキリした。そして、下まで降りて来て、猫たちへのカンパの募金箱に500円入れて、帰って来てた。
‥‥そんなワケで、和歌山の貴志川線の場合は、何とか廃線にならずに済んだし、猫の駅長さんや助役さんも誕生したワケだけど、逆に、廃線になったことで、それまで駅長さんをつとめてた猫が、職を失っちゃったケースもある。それが、広島の可部(かべ)線の安野(やすの)駅の猫の駅長さんたちだ。なんで「猫の駅長さんたち」って複数なのかって言うと、10匹近くの猫がいたからだ。で、この可部線は、横川駅から可部駅を通って三段峡駅まで走ってたんだけど、赤字だってことで、2003年の11月いっぱいで、可部駅から三段峡駅までの区間が廃線になった。そして、この区間の真ん中あたりにあったのが、猫の駅長さんで有名だった安野駅だった。
この安野駅は、もともとは有人駅で、ちゃんと、霊長目ヒト科の哺乳類、ホモサピエンスの駅長さんがいた。それで、初代の駅長さんが、駅で猫を飼い始めたら、だんだんに猫たちが集まって来るようになって、無人駅になってからは、食肉目ネコ科の哺乳類たちが、猫の駅長さん、猫の駅員さんとして、駅を守るようになったのだ。そして、猫の駅長さんたちは大人気になって、写真入りのパスカードが発売されたり、猫たちに会いに来た全国の人たちが書き込むノートが置かれるようになった。だけど、地元の利用者たちや、この駅や路線を愛する全国の人たちからの反対の声を無視して、悪名高いJR西日本は、2002年11月に廃線を決定して、1年後の2003年11月いっぱいで廃線にした。
それで、可部線のこの区間が廃線になって、安野駅の猫の駅長さんたちは職を失ったワケだけど、どこにも行くとこがないので、そのまま廃駅で暮らしてた。そして、猫たちは、この地域の人たちや、わざわざ遠くから車で来る人たちから、ご飯をもらったりして、しばらくはノンビリと暮らしてた。でも、廃線から2年ほど経った2004年に、駅舎を取り壊すって話が出て、このままだと猫たちは保健所に連れてかれて殺処分になるってことで、有志による猫たちの里親探しが始まり、何匹もの猫たちがいろんな人たちにもらわれて行った。だけど、結局は、駅舎は公園として残されることになって、今でも数匹の猫たちが、地元の人たちや訪ねて来た人たちに可愛がられてる。そして、今でも、猫の駅長さん、猫の駅員さんて呼ばれてる。
‥‥そんなワケで、全国には、たくさんの猫の駅長さんがいて、みんな食費だけで、ちゃんと職務を遂行してくれてる。それも、住み込みで(笑) そして、これらの猫の駅長さんたちは、たくさんの人たちから愛されてて、とても大切にされてる。だから、産まれたばかりの子猫を母猫から奪い取り、次々とガケから投げ捨てて殺してる猟奇作家だの、首輪をつけた隣人の飼い猫を平然と殺戮し続けてた異常な税理士だの、こう言った精神を病んでる異常者たちは、全国的に見たら、ほんのわずかな人数で、99%以上の人たちは、極めてマトモな人間なんだと思う。そう思えば、こんなにも殺伐とした世の中でも、少しは暖かい気持ちになれるし、少しは未来に希望を持つことができる今日この頃なのだ。
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