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2007.01.23

与党も野党も国民のことは二の次

1月17日の日記で、あたしは、神戸在住の俳人、渡辺夏紀さんの「地震(ない)百句」を紹介した。それは、もちろん、この国で生まれた人なら、この国で暮らす人なら、この国を愛する人なら、絶対に忘れちゃいけない日、阪神淡路大震災から12年目の日だったからだ。そして、とても多くの人たちから、「地震百句を読んで涙が出ました」「地震百句を紹介してくれてありがとうございました」「1人でも多くの人に読んで欲しいので、私のブログにリンクさせていただきました」というメールをいただいた。

そして、同じ1月17日の午前9時30分から10時10分ころまで、東京都港区の新高輪プリンスホテルで、自民党の党大会が行なわれた。党大会の冒頭では、書道家の川又南岳氏が、大会の看板に大きな筆で「美しい国」と書き、そのアトにアベシンゾーが頼りないヘタクソな字で「日本」て書く、呆れ返るほど幼稚なパフォーマンスを披露した。そして、アベシンゾーは、大きな拍手に包まれてご満悦だった。だけど、そんなことはどうでもいい。ホントに呆れ返るのは、この党大会の中で、アベシンゾーの口からも、他の自民党議員の誰の口からも、阪神淡路大震災に関する言葉が、たったのヒトコモも出なかったことだ。

あたしが、もしも党首だったら、まずは、阪神淡路大震災で亡くなった6434人の人たちに黙祷を捧げ、そして、12年も経っても未だに苦しんでる被災者たちに対する今後の対応や、こうした「天災+人災」に対する見解を述べる。1月17日っていう日に党大会を行なう以上、あたしじゃなくても、マトモな神経のニポン人だったら、誰が党首でも、亡くなった人たちに黙祷を捧げると思う。だけど、この日、アベシンゾーが連呼してたのは、最初から最後まで、「選挙!」「選挙!」「選挙!」だけだった今日この頃、皆さん、こんな人間がこの国を「美しい国」にしてくれると思いますか?


‥‥そんなワケで、今にも沈没しそうなポンコツ船、アベシンゾー丸だけど、コイズミのマネして、くだらないパフォーマンスなんかやってるヒマがあったら、どうして、今、この瞬間に困ってる国民のことを考えられないんだろう。カラッポの頭の中にあるのは、すべて支持率と選挙のための悪ダクミだけで、苦しんでる国民のことなんか完全に忘れちゃってる。そのいい例が、「残業代ゼロ法案」、別名「ホワイトカラー・エグゼンプション」の今国会への提出を見送る方針を示した時の言い草だ。このバカ、こんなこと言いやがった。


「こういった法案には、働く人たち、国民の理解が不可欠ですが、現段階では国民の理解が得られているとは思えません」


あたしは、このセリフを聞いて、開いた口から次々と万国旗が出て来て、最後にはハトまで出て来ちゃったよ。だって、「教育基本法改正案」にしたって、防衛庁の「省」への昇格にしたって、ぜんぜん国民は理解してないのに、みんな自分勝手に決めちゃったじゃん。それなのに、選挙が近づいて来たトタンに、突然、「国民の理解が不可欠」って、これほど分かりやすいバカも珍しい。誰がどう考えたって、「選挙前なんだから票田のサラリーマンを敵に回すな」ってことじゃん。どうせ、選挙が終われば、手のひらを返したように、「残業代ゼロ法案」や「サラリーマン大増税」をサクサクと進めてくに決まってる。

つーか、そんなことよりもお話になんないのは、「残業代ゼロ法案」の今国会への提出を見送る方針を示したその裏で、コッソリと「共謀罪法案」の今国会での成立を指示してたってことだ。つまり、アベシンゾーの考えってのは、「残業代ゼロ法案」に関しては「国民の理解が不可欠」だけど、国民の言論を封じるための「共謀罪法案」に関しては、「国民の理解など得られなくても関係ない」ってことなのだ。

「共謀罪法案」は、今までに、2回も廃案になり、7回も継続審議になったほどの「悪法」で、こんな法案が可決されたら、それこそ北朝鮮みたいな国になっちゃう。ようするに、何も悪いことをしてなくても、ちょっとでも政府のことを批判したら、それだけで簡単に逮捕できるようにするための法案だ。だから、団地のオバサンたちの市民グループが、「消費税の増税はハンターイ!」なんて叫んだら、その場で全員が逮捕されちゃうし、何ヶ月も拘束されちゃう。そして、政府が、国民1人1人を監視するために、電話の盗聴から電子メールの閲覧まで、何でもやりたい放題になり、あたしたちのプライバシーなんてゼロになっちゃう。だから、「ホワイトカラー・エグゼンプション」を「残業代ゼロ法案」て呼ぶんなら、「共謀罪法案」は「プライバシーゼロ法案」て呼んでもいいと思う。

今まで、自民党は、2000年に国連で採択された「国際組織犯罪防止条約」を批准(ひじゅん)するためには、どうしても「共謀罪」を設立しないとダメだってことをゴリ押しのイイワケにしてた。だけど、去年の9月の臨時国会に合わせて、日本弁護士連合会が「共謀罪を設けなくても国際組織犯罪防止条約の批准は可能」っていう意見書を出して、自民党のデタラメな言いぶんをことごとく粉砕した。そしたら、今度は、まるで幼稚園児が考えたみたいな屁理屈で反論して来た。特に、大笑いなのが、「アメリカですら保留にしてる共謀罪をどうして日本に導入する必要があるのか?」って疑問についての外務省の言いぶんだ。外務省は、「アメリカは共謀罪を導入しなくても、すでにある連邦法や州法が共謀罪とほとんどおんなじ役割を果たしてる。だから、アメリカが共謀罪を保留にしてるのは、共謀罪に反対してるからじゃなくて、必要がないからだ」ってんだから、バカ丸出しとしか言いようがない。タカ アンド トシに外務省まで行ってもらって、この回答をしたバカに、思いっきり「欧米かっ!」ってツッコミを入れてもらいたいくらいだ。

で、オツムが木魚のアベシンゾーが、なんでこんな時代錯誤のバカ法案なんかを必死に通そうとしてるのかって言えば、そのアトに続く、戦争のできる国にするための「国民投票法案」と「憲法改正」をスムースに推し進めるために、まずは国民の言論を封じておきたいからだ。これまた、ホントに分かりやすい。なんか、アベシンゾーとジャンケンしたら100連勝できそうなほど、考えてることが丸見えだよね。それにしても、久しぶりに大笑いしたのは、次の2つのニュースだ。1つ1つはおかしくないんだけど、あたしはタマタマ連続して読んだもんだから、お腹が痛くなるほど笑っちゃった。


「青木氏ら、『支持率気にするな』 参院選向け、安倍首相に助言」(時事通信)

安倍晋三首相は18日夜、都内のホテルで自民党の青木幹雄参院議員会長、片山虎之助参院幹事長ら参院幹部と夕食をともにしながら会談し、夏の参院選の対応などについて意見交換した。席上、青木氏らは「小泉純一郎前首相のことを気にせず、『安倍カラー』を出した方がいい」「内閣支持率は気にするな」などと首相にアドバイス。これに対し、首相は「そうですね」と応じていたという。 


「木村佳乃 安倍首相をおもわず『小泉…』」 (スポーツニッポン)

政府の観光広報大使を務める女優の木村佳乃(30)が19日、官邸の安倍晋三首相を表敬訪問した。朱色の鮮やかな着物姿での訪問。安倍首相は「おかげさまで観光客が増えた。着物は日本の美しさ、良さだ」と持ち上げた。木村は表敬後、取材陣に対し「日本ならではの四季の美しさや日本人のもてなしの心をアピールして、さらに多くの観光客に来てもらいたい」と話した。この後、東京・秋葉原で行われた観光客誘致キャンペーンにも参加。冬柴鉄三国土交通・観光立国相に続いてのあいさつで、安倍首相の印象を語る際、思わず「小泉…」と名前を間違えてしまい、慌てて「大変申し訳ありません」と頭を下げるシーンもあった。


‥‥そんなワケで、17日に党大会で鼻息を荒くしてたアベシンゾーは、18日には青木幹雄や片山虎之助から「小泉純一郎前首相のことを気にせず、『安倍カラー』を出した方がいい」ってアドバイスされたのもトコノマ、次の日、19日には、木村佳乃から、さっそく「コイズミ‥‥」って言い間違えられちゃったほど影が薄かったってワケだ(笑)

まあ、アベシンゾーの場合は、「あ~」とか「え~」とかばっかで、ニポン語もマトモにしゃべれないほどのバカなんだし、自民党始まって以来の短期政権が決定してるワケだし、すでに党内は「ポスト安倍」の話題で持ちきりなんだし、何よりも、1月17日に阪神淡路大震災についてヒトコトも触れないような愛国心の欠落した売国奴なんだから、今すぐにトットと消えてもらいたい。あの、空気の読めない出しゃばり女房と一緒に。

だいたいからして、「小型であれば原子爆弾の保有も問題ない!」なんてトンデモナイことをノタマッた上に、「北朝鮮など核攻撃で焦土にしてペンペン草1本生えないようにしてやる!」って言ってから、異常な目つきで「ひひひひひ~」って笑い続けてたっていうんだから、ここまで来ると、もはや、幼児に性的なイタズラをしてから惨殺する性犯罪者や、子猫や子犬を殺し続けてる狂った作家とおんなじで、頑丈な檻の中に隔離しといたほうがいいような気がしちゃう。そして、アベシンゾーの場合は、これらの発言だけでも正常とは思えないのに、さらには、沖縄の嘉手納基地に隠してある40万発もの劣化ウラン弾の存在を平然と容認しちゃった上に、青森の六ヶ所村では、メイド・イン・ニポンの原爆まで作ろうとしてんだから、とてもマトモな神経とは思えない。性犯罪者や異常者を総理大臣にするのは、森嘉朗とコイズミだけで終わりにして欲しかったのに、自民党が政権与党でいられる最後の最後に、これほどの異常者を担ぎ出して来るとは、自民党ってヤケクソになっちゃったんだろうか?

だけど、ホントのことを言えば、自民党が悪いワケでもないし、自民党を支持してる人たちが悪いワケでもないんだよね。だって、自民党を支持してる人たちのほとんどが、「自民党なんて最悪だけど、それでも民主党よりはマシだから」って理由で、仕方なく支持してるだけなんだから。ようするに、ちゃんとしたマトモな野党があれば、誰だってその政党を支持するに決まってるし、自民党なんて、国民の総意で一瞬で消えちゃうんだよね。だけど、現実には、唯一、自民党と戦える立場の野党、民主党が、フタを開けてみれば、自民党の一派閥みたいな状況なんだから、応援する気にもなんないのが良く分かる。

自民党の議員どもが政治資金を好き勝手に使いまくってるから、せっかくツッコミを入れようと思ったのに、民主党の議員どもも政治資金を好き勝手に使いまくってるから、ツッコミを入れようとした手を引っ込めなくちゃなんない。自民党の某議員が愛人を囲ってるって情報が入って来たから、せっかくツッコミを入れようと思ったのに、民主党の某議員も愛人を囲ってるって情報が入って来て、ツッコミを入れようとした手を引っ込めなくちゃなんない。アベシンゾーがナンミョーとベッタリだから、せっかくツッコミを入れようと思ったのに、民主党の小沢一郎もナンミョーとベッタリだから、ツッコミを入れようとした手を引っ込めなくちゃなんない。森嘉朗やアベシンゾーや高市早苗がアパグループとベッタリ癒着してるから、せっかくツッコミを入れようと思ったのに、民主党の鳩山由紀夫もアパグループとベッタリ癒着してるから、ツッコミを入れようとした手を引っ込めなくちゃなんない。

‥‥そんなワケで、こんなアリサマだから、自民党が推薦してた候補者も、野党が推薦してた候補者も落選して、そのまんま東が宮崎県知事に当選しちゃうような冗談みたいな現象が起こっちゃうのだ。当初は、談合を容認するような発言をしたそのまんま東に対して、マスコミは冷たい視線を浴びせてた。そして、地元の有権者たちは、いつまで経っても無くならない政治家と企業との癒着の構図に対して、「知事なんか誰がやっても同じだよ」と、知事選自体を冷めた目で見てた。だけど、そのまんま東は、選挙演説で、こう叫んだのだ。


「誰がやっても同じなら、僕にやらせてください!」


そして、この言葉が、有権者たちの胸に響いたのだ。自民党や公明党が推薦してるような候補者など、どうせまた私腹を肥やすために業者と癒着して汚いことをやりまくるに決まってる。だからと言って、他の野党が推薦してる候補者だって、権力を手にしたらやることは同じだろう。それなら、こんなバカバカしい選挙など、棄権したほうがマシだけど、棄権したところで、どうせどっかの政党にひっついてる候補者が県知事になって、また、悪どいことを始めるのは目に見えてる。

多くの有権者たちが、こんなふうに思ってたとこに、そのまんま東が登場したのだ。そして、「誰がやっても同じなら、僕にやらせてください!」って叫んだのだ。だから、与党にも野党にも嫌気がさしてた人たちは、そのまんま東に投票したんだと思う。それから、今回は、無党派層の投票率が大幅に伸びたそうだけど、ふだんは選挙になんか行かない人たちも、既成政党の生臭い息の掛かった県知事なんかが誕生して同じ悪事を繰り返すよりは、そのまんま東のほうがまだマシだと思って、重い腰を上げて投票に行ったんだろう。

‥‥そんなワケで、あたしは、あまりにも民主党がだらしないから、アベシンゾーが阪神淡路大震災の日すら忘れてるような男でも、アベシンゾーが原爆保有肯定派でも、それでも仕方なく自民党を支持するしかない人たちの気持ちも分からなくもない。だから、あたしも、自民党は大っ嫌いだけど、だからって、民主党も支持してない。だけど、あたしは、参院選になれば、仕方なく、民主党の候補に投票する場合もある。それは、知事選と参院選は違うからだ。そして、何で民主党に投票するかって言うと、あたし的には、自民党よりはマシだと思ってるからだ。それは、ただ1点、他国と戦争をして私腹を肥やそうとしてるのが自民党で、戦争をしないで私腹を肥やそうとしてるのが民主党だからだ。どうせ自分たちのことしか考えてない似たような政党しかないんなら、戦争を起そうとしてる自民党よりは、戦争に反対してる民主党のほうがマシだと思ってるからだ。だから、アベシンゾーと違って、オツムの中にちゃんと脳みそが入ってて、自分の頭でモノゴトの良し悪しをきちんと判断できるマトモな人たちは、夏の参院選は絶対に投票に行って、戦争が好きなら「自民党」、戦争が嫌いなら「民主党」ってことで、自分の意思を明確に示して欲しいと思う今日この頃なのだ。


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