キッコゲリオン活動限界
あたしは、去年の暮れに、「まつげくるん」に使う単4電池を買いに、近所の100円ショップに行ったんだけど、すごく久しぶりだったので、店内をザッと見てまわってみた。そしたら、タータンチェックのすごく可愛いスリッパがあった。赤のタータンチェックだったら、ベイシティローラーズかロンドンパンクかって感じで、サスガに今どきは使えないけど、シックなベージュのタータンチェックだったのと、スリッパって言っても、つま先がオープンのサンダルタイプで、ソールも3cmくらいあるやつだったので、買うことにした。それまで使ってた部屋履きも、おんなじタイプのものなんだけど、もう何年も使ってて、ずいぶん汚れて来てたし、ソールの一部が剥がれ始めてて、歩くたびにヘコヘコしてたからだ。
それから、キッチン用品のとこを見たら、2本で100円の包丁があった。1本100円の包丁なら、前に買ったことがあるんだけど、サスガに100円なりの切れ味で、あんまり使い物にならなかった。だけど、この2本セットのやつは、長いパン切り包丁と、短いフルーツナイフのセットで、刃がノコギリみたくなってて、デザインも可愛かった。だから、包丁は何本も持ってるんだけど、2本で100円て言う値段にも惹かれて、つい、買っちゃった。
それで、あたしは、このスリッパと包丁は、新年になってから使おうと思って、袋に入れたままとっておいた。やっぱり、普段の時ならともかく、年末に何か買った時って、年が明けてから使いたくなる。たとえば、セッケンとか歯磨き粉とかも、新しいのを買ってあって、今使ってるのがあとちょっとになってても、何とか年内はもたせるようにして、新年になってから新しいものを下ろしたいと思っちゃう今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、あたしは、年が明けて、新しいカレンダーに掛け替えたり、新しいセッケンを下ろしたり、新しいスリッパにしたりして、すごくフレッシュな気持ちになった。特に、スリッパに関しては、新しいスリッパの履き心地がとっても気持ち良くて、ウキウキウッキーって感じになった。それで、何年も使って来た古いスリッパは、心の中で感謝しつつ、燃えないゴミになるのか燃えるゴミになるのか悩みつつ、燃えないゴミのほうの袋に捨てた。そして、身も心も新たな気持ちになったあたしは、まさか、これから、これらの「新しいもの」が原因になって、悪夢のような大事件が続発しちゃうなんて、予想だにしてなかったのだ‥‥‥‥(明日へ続く)
‥‥なんて終わっちゃうワケには行かないから、サクサクと書いてくことにするけど、2日の日、新しいスリッパを履いたあたしは、バスルームに行ったんだけど、スリッパのまま左足を一歩踏み入れたトタンに、タイルが濡れてて、左足がツツーッて滑ってマタサキ状態になりかけた。これ、前にもやったことがあるんだけど、今回は、外に残ってた右足に力を入れて踏ん張って、完全なマタサキ状態になる一歩手前で、うまいこと右足のほうに体重を移動して、何とか持ちこたえることができた。そして、何とか持ちこたえることができたのは、新品のスリッパのグリップ力によるもので、まるで温まったミシュランのドライタイヤのごとく、あたしの右足のスリッパが、フローリングの路面にシッカリと貼りついてくれたオカゲだった。だから、古いほうのスリッパだったら、前の時みたく、プリマドンナみたいなマタサキ状態になってたと思う。
だけど、このアクシデントによって、シェイクダウンしたばっかのあたしのニューマシン、「スリッパ F2007」は、足を入れてたカウルの部分が、ミゴトに引きちぎれちゃって、カパカパになっちゃった。絵で描けば簡単に説明できるんだけど、足を入れる部分の右側、つまり、外側のほうが、手前から先に向けて8割くらい取れちゃって、先っちょの2~3cmだけでかろうじてつながってるってワケだ。それで、あたしは、100円ショップに行って、「ちょっと足が滑っただけで壊れた」って言って、新しいものに交換してもらえるかどうかを考えたんだけど、新年早々、こんなことで出かけるのもイヤだったので、とりあえず壊れたスリッパのことはアト回しにして、燃えないゴミの袋から古いスリッパを取り出して、そっちを履くことにした。
ま、このスリッパに関しては、たった1日で壊れちゃったけど、たぶん交換してもらえると思うし、もしも交換してもらえなかったとしても、自分で縫って直せそうな感じだ。それに、マタサキになって、どっかに頭をぶつけたりしてたことを思えば、たった100円のスリッパが、自分の身を犠牲にしてあたしを救ってくれたんだから、考えようによっちゃラッキーってことになる。だから、「悪夢のような大事件」てのは、もちろん、これから起こることで、その主役は、2本で100円の包丁なのだ。
「主役が包丁」ってだけで、カンのいい人なら想像したと思うけど、念のために言っとくと、痛い描写が苦手な人は、ここから先は読まないほうがいいと思う。もちろん、あまりにも具体的な描写は、書いてるあたしも耐えられなくなるから、テキトーにボカシながら書いてくつもりだけど、とにかく、ここ数年で一番の大流血事件になっちゃったから、読む人はそれなりに覚悟してちゃぶだい。ちなみに、痛さのレベルとしては、オバケのQ太郎の弟のO次郎が、「バケラッタ!」って言う代わりに「スプラッタ!」って言っちゃいそうなほどで、ヒントとしては、この事件から3日後の今も、右手だけでキーボードを叩いてるから、なかなか自由に文章を打つことができない。
‥‥そんなワケで、あたしは、「刃物による流血」が苦手で、カッターみたいに良く切れる刃物で、スパッて切られて、一拍おいてから血が噴き出すってシーンが、映画でも、アニメでも、マンガでも、とにかくぜんぶ苦手だ。だから、自分がやられるんだったら、刃物で切りつけられるよりも、ピストルで撃たれたり、鈍器で殴られたほうが、まだマシ‥‥って言うか、ものすごくマシだ。
それなのに、ああそれなのに、それなのに‥‥って、久しぶりに、五七五の俳句調で嘆いちゃうけど、オトトイの夜、あたしは、自分の右手に持った新品の包丁で、自分の左手に持った夏みかんを切ろうとして、皆さんのご想像通りのことをしちゃったってワケだ。夏みかんは、思ったよりも皮が固くて、オーチャクしないでマナ板に置いて切れば良かったのに、メンドクサイから左手で持ったままの状態で、包丁を手前に引くような感じで、今までよりも力を入れてグッと引いたら、アッと思う間もなく夏みかんが真っ二つになって、夏みかんの右半分がボトッと落ちた。あたしは、一瞬、「え?」って思って、ここから先は、とても書けないし、ムリして書いたとしても、読むほうの人がとても読めないと思う。
とにかく、あたしの左手の中指の第1関節の先のとこが、パックリと‥‥って、あ゛~~~~! この「パックリ」って表現だけで、あたし的にはもうダメだ! もう、水木しげると楳図かずおだとつのだじろうだと日野日出志と伊藤潤二と諸星大二郎と森由岐子と犬木加奈子と御茶漬海苔のマンガを同時に読むよりも恐ろしい世界で、この「パックリ」ってヒトコトだけで、何だか貧血っぽくなって来た‥‥。
‥‥そんなワケで、とてもじゃないけど、詳しい描写はできないから、ここからはアバウトに書いてくけど、傷口の長さと言い深さと言い、どう考えても縫わなくちゃなんなそうなレベルだし、何よりも想像を絶する出血量だったから、あたしは、「このままだと死ぬ!」って直感で思った。だけど、もう夜の10時で、病院はやってないし、こんなことで救急車を呼ぶのは恥ずかしいし、だけど、死ぬかも知れない時に恥ずかしいなんて言ってらんないし‥‥って、いろんなことを考えつつも、とにかく、あたしは、慌てまくった。それで、あまりの出血で気が遠くなりそうだったから、頭の中で、自分自身に対して、「しっかりしろ!」「しっかりしろ!」って言い続けながら、ティッシュを小さく折って傷口にあてたんだけど、5秒もしないうちに、ティッシュが真っ赤になって、ボトボトと血が滴って来る。
それで、あたしは、ケガした中指の先を親指で押さえて、傷口が閉じるようにしつつ、溢れて来る血をテッシュで押さえつつ、薬箱からオロナインを取り出した。だけど、オロナインを塗ろうとしても、どんどん血が出て来るから、塗ることができない。それで、思いついたのが、小さく折ったティッシュのほうにオロナインを塗って、それで傷口を押さえるって作戦だった。もちろん、こんなことで傷口が塞がるなんて思ってないけど、病院に行くにしても何にしても、まずはできる限りのことをしなくちゃなんないから、応急処置としての行動だった。
あたしは、「刃物による流血」も苦手なんだけど、その次に苦手なのが、ケガしたとこを押さえてたガーゼとかが、乾いた血で傷口に貼りついちゃって、それを剥がす時の一連の流れだ。痛いのもあるけど、それよりも、治りかけの傷口がひらく恐怖や、また出血するんじゃないかって恐怖に耐えらんない。だから、あたしが、傷口にオロナインを塗るのは、傷を治す目的じゃなくて、あくまでも、ティッシュが傷口に貼りつかなくするための役目としてなのだ。だから、オロナインがなければ、マーガリンでもマーマレードでも何でもいいワケで、とにかく、傷口とティッシュの間に、オイリーなものがはさまってればいいって感じだ。
‥‥そんなワケで、あたしは、食パンにマーガリンを塗るように、小さく折ったティッシュにオロナインを塗って、傷口に巻きつけて、セロテープでグルグル巻きにした。だけど、オロナインが血を弾くセイか、アッと言う間に、テッシュの下から血がボトボトと垂れて来る。それで、ハッと気づいたのが、「止血」だ。あたしは、輪ゴムを持って来て、何重かにして、指の根本にはめてみた。それで、もう一度、オロナインを塗ったティッシュを巻きつけた。これを何度か繰り返してたら、だんだんに出血量が少なくなって来たんだけど、今度は、指の根本を輪ゴムで止血してるセイで、指全体が紫色に腫れ上がって来て、パンパンになっちゃった。それで、痛くてたまんないから、輪ゴムを取ろうとしたんだけど、指がパンパンで取ることができない。だから、アイブロー用の小型のシザーで、輪ゴムを切って外した。
で、このまま書き続けても、あたしも痛いし、読んでる人も痛いと思うから、ここからは大幅にカットするけど、結果的には、オロナインを塗ったティッシュを指に巻きつけてから、セロテープをグルグルと巻くんじゃなくて、傷口が塞がるように、指先から下に向けて引っぱるような感じでセロテープを巻いたら、出血が止まった。それで、頭よりも上に手を上げて、1時間、2時間、3時間って耐え続けてた。テレビでは、大晦日の「浅草ロックフェス」を放送してたから、それを見ながら、明け方の5時ころまでがんばってたんだけど、もう、手を上に上げてるのが限界になって来たから、少し眠ることにした。
それで、2~3時間眠って目が覚めたんだけど、指のティッシュは、少しだけ血が滲んでるだけだったので、あたしはホッとして、お仕事に行く準備をすることにした。この日は、前日に引き続き、成人式のお仕事だったので、気合いを入れてがんばらなくちゃなんない。それで、まずは朝ご飯を食べようと思って、お皿に食パンを置いて、それにジャムを塗ろうと思って、冷蔵庫からジャムのビンを出した。だけど、冷蔵庫で冷たくなってたからか、ジャムのビンのフタが固くなってて、なかなか開かなかった。中指以外の4本の指で、シッカリとビンを持って、右手でフタを回そうとしたんだけど、ビクともしない。それで、両手に思いっきり力を入れたら、何とかフタを開けることができたんだけど、ふと左手を見ると、中指に巻いてあるティッシュが、見る見るうちに、真っ赤に染まって行く。そして、大量の血を含んで膨らみ始めて、根本からボタボタと垂れ始めた。左手に力を入れたもんだから、塞がってた傷口が、「パカッ」ってひらいちゃったみたいだ。
あたしは、血の気が引く思いがして、急いでセロテープを切って、ティッシュを取って、またおんなじように、オロナインを塗った新しいティッシュで押さえた。でも、今度は、学習してるから、セロテープの巻き方がうまく行って、1回で出血が止まった。だけど、真っ赤になったティッシュをゴミ箱に捨てる時に、ゴミ箱の中に溜まった血だらけのティシュのマウンテンを目撃したトタンに、フーッて気が遠くなり始めたから、すぐにソファーに横になった。なんか、ぜんぶで、牛乳瓶に1本ぶんくらいは出血してそうで、そう考えただけで動けなくなって来て、「キッコゲリオン、活動限界です!」って感じになっちゃった。
‥‥そんなワケで、幸いなことに、お仕事に行くまで時間に余裕があったので、あたしは、ギリギリまで休んで、ちゃんとパンも食べて、きちんとテーピングした上にゴムの指サックもして、ナニゴトも無かったかのようにお仕事に行った。そして、午後に1回出血したけど、何とか誰にも気づかれないように処理をして、無事に帰って来れたってワケだ。だから、結果的に言えば、キッコゲリオンは活動限界に達して、完全に沈黙しちゃったけど、キッコゲリオンを操縦してる小さいきっこたちとのシンクロ率が400%を超えて、暴走モードに入ったってことなんだと思う‥‥って、先週、YOU TUBEで、「エヴァンゲリオン」の1話から26話までと、劇場版の「シト新生」と「まごころを君に」ってのをぜんぶ観たセイで、「もったいぶった長いストーリーと、意味不明で中途半端な結末」っていうパターンが身についちゃったと思う今日この頃なのだ(笑)
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