捏造だらけの「美しい国」
関西テレビの「発掘!あるある大事典2」の「納豆ダイエット」に端を発したヤラセ問題だけど、その余波で、日本テレビの「おもいッきりテレビ」の数々の捏造、TBSの「人間!これでいいのだ」の「頭のよくなる音」の捏造、テレビ朝日の「オーラの泉」の江原啓之による霊視の疑惑と、次々にヤラセやシコミなどの捏造疑惑が報道され始めた。そして、今度は、フジテレビの「トリビアの泉」でのヤラセが報道された。以下、2月14日付の毎日新聞の記事だ。
フジテレビの「トリビアの泉」で犬の飼い主を「偽装」(毎日新聞)
フジテレビのバラエティー番組「トリビアの泉」の企画コーナー「雑種犬の能力検証」で飼い主ではない動物プロダクションの社長を、飼い主であるかのように放送していたことが13日、分かった。NPO(非営利組織)「動物実験の廃止を求める会(JAVA)」(東京)の指摘に答えた。フジテレビなどによると、番組は05年9月14日に放送された。コーナーでは「飼い主が突然倒れ、苦しみ出したら犬はどうするか?」を、100匹の犬を対象に調査した。そのうち1匹は実際の女性の飼い主でなく、犬の所属する動物プロダクションの男性社長が出演した。また、倒れた男性社長の上に乗った犬をうまく撮影できなかったため、社長の衣服の中にドッグフードを入れて撮影したという。フジテレビ広報部は、「社長を『飼い主に準じる方』と判断した。『やらせ』『ねつ造』とはまったく違うものと考えている。しかし、反省すべき点は反省したい」とコメントしている。JAVAは「飼い主ではない社長を飼い主に仕立て上げたことなどは、『やらせ』以外の何ものでもない」と批判している。
‥‥う~ん、このフジテレビ広報部の見解って、絶対におかしいよね。だって、この実験は、「いつもその犬を可愛がってる飼い主が、突然倒れて苦しみだとたら、その犬はどんな反応をするか」ってことなんだから、飼い主じゃない人を使ったら、実験になんないじゃん。その上、犬が飼い主の上に乗るように、服の中にドッグフードを忍ばせておいて、番組が意図した通りの映像を撮って放送したなんて、誰がどう見てもヤラセだと思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、制作サイドとか、分かったようなことを言うヤツラとかって、こういったヤラセやシコミに対して、バカのひとつ覚えみたいに、必ず「これは演出だ」って言うけど、ヤラセやシコミなどの演出が許されるのは、ドラマなどのフィクションだけだろう。ノンフィクションの場合には、たとえば、「あの山は朝よりも夕方に撮影したほうがキレイに見える」とか、「もう少し風向きが変わってからカメラを回そう」とか、こういった演出は当然「アリ」だけど、「林道に不法投棄されたゴミの山を取材に行ったら、思ってたよりもゴミが少なかったので、スタッフが他からゴミを集めて来て、その場に山積みにしてから撮影した」ってのはどうだろう? これが「演出」と言えるだろうか?
「トリビアの泉」は、報道番組じゃなくて、バラエティー番組だ。だけど、その内容は、視聴者から寄せられたハガキやメールを元に、それが真実かどうかをキチンと検証して、真実だったものだけを放送するワケで、ウソだったものは「ガセビア」として沼に沈められる。そして、今回問題になった「トリビアの種」のコーナーは、どんなに大掛かりなものでも、キチンと実験をして、その答を出すことを目的にしたコーナーだ。だから、その実験において、今回のようなシコミが行われたんだとしたら、それは、視聴者を騙したことになる。
たとえば、不法投棄されたゴミの山を撮影するんなら、そこには、「こんなに酷いことをしている人たちがいるんです!」ってことを伝えたいって目的がある。だから、思ったよりもゴミが少なかった場合に、スタッフが周りからゴミを掻き集めて来て、1ヶ所に山積みにして、それを撮影するってのは、やっちゃいけないことだけど、目的と行動は一致してる。だけど、今回の「トリビアの泉」でのシコミは、その意図が分からない。だって、100組の飼い主と飼い犬で実験をして、100組とも犬がシランプリしても、100組とも犬が飼い主を助けようとしても、100組のうち何匹かが助けようとしても、どんなパターンだって構わないし、正しく実験をした結果をそのまま放送すれば、何も問題は無いからだ。だから、視聴者のほうも、疑って見てる人は少ないと思う。
ダチョウ倶楽部の上島竜兵が、オデンが顔にちょっとついただけで、「アチチチチチチ!」って言ってひっくり返ったり、出川哲郎が、熱湯風呂に入って、すぐに飛び出してノタウチ回ったりしてるのを見れば、多くの人は、「ホントはそんなに熱くないだろ?」って思うハズだ。これは、上島竜兵や出川哲郎が、「できるだけ熱がって笑いを取ることを目的としてる」ってことを視聴者も分かってるから、その目的のために、大ゲサに熱がってるのかも知れないって推測して見てるからだ。
これとおんなじで、ナンミョーの広告塔の久本雅美が、テレビで「デフテックっていいよね~」って言ってるのを聞けば、ホントに心からいいと思ってんじゃなくて、1人でも多くの人をナンミョーミュージックで洗脳しようとしてるってことが、誰にでも簡単に推測できると思う。それは、久本雅美が、結婚もせずに、一生を池田大作に捧げて、芸能活動イコール洗脳活動として、北朝鮮のために命懸けで取り組んでるっていう目的意識がハッキリと分かるからだ。
で、今回の「トリビアの泉」のケースは、明確な目的意識が感じられないシコミだったから、番組を見てた視聴者は分からなかったと思う。あえてムリヤリに目的を見つけるとするならば、少しでも番組を面白くするために、「飼い主の上に乗ってしまう犬の画」を撮りたかったのかも知れないけど、そこまでやる必然性が感じられない。そこで、久しぶりに、頭脳は子供でもベッドでは女豹、迷探偵キッコナンに登場してもらうことにした。今回のヤマはちょっと大きいので、アシスタントとして、小さいきっこたちにも協力してもらって、問題の「トリビアの泉」のVを入手して、みんなで細かくチェキしてもらった。そしたら、サスガはキッコナン、アッと言う間に謎を解いてくれたのだ。
今回、問題になったのは、オトトシの9月だから、毎週放送してた時の「トリビアの泉」でのことだけど、つい先日、特番として放送された「トリビアの泉」でも、おんなじ「飼い主と飼い犬」の実験が行われてた。「踊る大捜査線」のスピンオフ企画で、高橋克実を主役にした短編を放送したりしてたヤツだ。で、その特番の中で、人間が「崖っぷち犬」を救った逆パターン、「飼い主が崖から落ちそうになったら、飼い犬は助けるか」ってのをやったんだけど、今回は50組の飼い主と飼い犬を用意して実験が行われた。結論から言うと、50匹のうち3匹だけが、近くの人を呼びに行って飼い主を助けたんだけど、そのVを細かくチェキしたら、驚くべきことが分かったのだ。
この実験では、ほとんどの犬が、崖からぶら下がってる飼い主を無視して、どこかに走ってっちゃった。でも、1匹だけ、おかしな行動をとった犬がいた。その犬は、犬の名前を呼ぶ飼い主のとこにすぐに駆け寄って来たんだけど、突然、崖にぶら下がってる飼い主の右手をペロペロと舐め始めたのだ。それも、犬が普通に飼い主の手を舐めたりするようなレベルじゃなくて、まるで狂ったかのように、執拗にペロペロと舐め続けてた。そして、その飼い主は、それに耐えられなくなって手を離して、崖から落ちちゃった。もちろん、安全のためにワイヤーみたいなのをつけてたから、飼い主は何ともなかったけど、ズルズルと傾斜を落ちる飼い主の右手には、何か小さなビニール袋みたいなものが握られてた。
両手で崖にぶら下がるのに、手の中に何か持つワケないんだから、どう考えたって、何らかの意図があって、番組のスタッフから持たされた物だって推測するのが普通だろう。そして、その犬は、飼い主が何かを握ってたほうの右手だけをものすごいイキオイで舐めてたんだから、それが、ドッグフードか何かだったって考えるのも普通だろう。
実際に、50匹とか100匹とかをちゃんと実験したとしても、それをすべてテレビで放送することはできないから、たいていは、その中の代表的なものや面白かったものだけをピックアップして放送する。そして、「飼い主が崖からぶら下がる」ってシチュエーションなんだから、テレビ的には、どうしても、最低1人は崖から落ちてもらいたい。だけど、犬が何もしないのに、飼い主が1人で落ちたら変だから、何か犬が関与して、飼い主を崖から落としたい。そしたら、考えられるのは、犬が飼い主の手に噛みつくか、舐めるかのどっちかしかない。だからって、そんなにうまいこと舐めてくれないだろうから、何らかのシコミが必要になる。
で、迷探偵キッコナンがハッと気づいたのは、今回発覚した、「倒れた飼い主の上に犬が乗るように、飼い主の服の中にドッグフードを忍ばせておいた」っていうシコミだ。前回の実験で、ドッグフードを使ったシコミが行われたんだから、おんなじ制作会社のおんなじスタッフが行なったおんなじ「飼い主と飼い犬」の実験なら、おんなじシコミが行われたって考えちゃうのもムリのない話だろう‥‥なんてことも言ってみつつ、ここで、ちょっと前に届いた1通のメールを紹介する。
お名前:NT
E-mail:xxxxx@xxxxx.co.jp
コメント:きっこさんはじめまして。私は仕事の関係で3年ほど前から南米ベネズエラで暮らしています。最近になって「きっこの日記」の存在を知り、読んでいるうちにすっかりファンになり、毎日少しずつバックナンバーを読み、ようやく2006年5月まで読み終えたところです。きっこさんの多岐にわたる話題は皆興味深く、なるほどなーと感心したり、目頭が熱くなったり、言いようの無い不条理さに腹を立てたりしています。今回メールしたのは、旬を過ぎた話題で恐縮ですが、去年8月に日本中の失笑を買ったカメダの試合に関するニポンのテレビ局のやらせについて、きっこさんにお知らせしようと思ったからです。あの試合の後、地球の裏のこのベネズエラにまで、ニポンのテレビクルーの一隊がやってきました。彼らの仕事は、「ランダエタの疑惑の判定負けに対して激怒しているベネズエラ人の絵を撮ること」だったのです。彼らとしてはベネズエラは国を挙げてニポンに対し腹を立てているだろうと思っていたのですね。ところが、いざ現地に着いて、路上インタビューをしてみると、誰一人として先日のボクシングの試合なんか知りません。ファン・ランダエタなんて名前すらも知っている人は皆無だったようです。ベネズエラはボクシングがとても盛んな国です。しかし、ボクシングマニアを自称する私の友人でも、ランダエタ?シラネ、って感じです。世界ランク1位だったはずなのに、おかしいですねー。で、困ったのが、ここまではるばるやってきたテレビクルー。目的の絵が撮れなければ何のために来たのかわかりません。そこで、まあご想像のとおり、やらせが行われました。テレビクルーからこちらで長く生活しているニポン人に連絡が入り、信用できるベネズエラ人を紹介してもらい、疑惑の判定に激怒している現地の人に扮してもらい、怒っている演技をしてもらったのです。ニポンのニュースで流れた映像で、激怒しているベネズエラ人は、こういう経緯で撮影されたのです。そのテレビクルーの所属テレビ局は失念しましたが、はるばるこんな地球の裏まで来てやらせが行われてるって現状に、呆れたものでした。それではきっこさん、お体だけはくれぐれもお大事にしてください。お忙しいでしょうが、睡眠と栄養はしっかりとってください。世界に何万、何十万といるきっこの日記の愛読者と一緒で、きっこさんの健康が何よりも心配です。それでは、いきなりのメール、失礼しました。きっこさん始め、ネコちゃん達や、小さいきっこさん達のご健康もお祈りしています。
‥‥そんなワケで、このメールをくださったNTさんとは、メールのやり取りをして、掲載の許可もいただいたし、もっと詳しい話も聞かせてもらった。それで、このヤラセ自体も口がアングリだけど、それ以上にビックル一気飲みしちゃったのは、世界ランク1位であるはずのベネズエラ人ボクサーが、ボクシングの盛んな自国で、知られてないって事実だ。それで、あたしは、ボクシングに詳しいスポーツライターの知り合いに聞いてみたら、何ともウサン臭いことが分かったのだ。
で、あたしはボクシングの詳しいことは分かんないので、ここからは、その人から聞いた話をそのまま書くけど、3年前の2004年1月31日に、WBA世界ミニマム級の王座決定戦が行なわれることになってたそうだ。それで、ホントなら、チャンピオンのノエル・アランブレッド(ベネズエラ)と、同級1位のチャナ・ポーパオイン(タイ)が対戦することになってた。だけど、チャンピオンのアランブレッドが、練習中にケガをしたとかで、突然、この試合をキャンセルしちゃった。それで、普通なら、試合の日程を延期するとこなのに、ナゼか、プロモーターは、このクラスの12位のファン・ランダエタ(ベネズエラ)を連れて来て、ポーパオインと対戦させることにしたって言うのだ。そして、この2人で対戦して、勝ったほうが暫定チャンピオンになれる「暫定王座決定戦」てことにして試合が行なわれた。
こんなにおかしなことってある? ホントのチャンピオンのアランブレッドは、ケガしただけで、別に引退するなんて言ってないのに、そのチャンピオンを存在しないものとして、下のランクの者同士で勝手に試合をして、勝ったほうが暫定チャンピオンだなんて、あまりにも変な話だ。そして、仮に、どうしてもそうしなきゃなんないんだとしても、普通なら、1位のポーパオインと対戦させるのは2位の選手だろう。それが、10ランク以上も下のランダエタが対戦相手だなんて、2位から11位までの選手はどう思っただろう。
で、ここからがワンダホーなんだけど、まるで、最初の八百長亀田とランダエタの試合の逆バージョンだったのだ。この試合行なわれたのはベネズエラで、11ラウンドまでは五分五分くらいで進んでったんだけど、最終ラウンドで、ポーパオインの右フックがヒットして、ランダエタはダウンした。そして、ランダエタは、残り時間はフラフラになりながら逃げ回って、試合は終わった。そして、ゴングと同時に、勝利を確信したポーパオインはセコンドと抱き合い、一方、フラフラのランダエタは動けない状態だった。それなのに、レフェリーが勝者のコールをしたのは、ダウンしてフラフラのランダエタのほうだった。3人のジャッジの判定は、「114-113」「115-112」「116-111」というもので、1人目の1ポイント差なら理解できるけど、残りの2人の3ポイント差や4ポイント差は、どう考えてもアリエナイザーだそうだ。
ベネズエラ人のチャンピオンが、ケガで試合をキャンセルしたところに、突然、プロモーターが連れて来たのが、おんなじベネズエラ人のランダエタで、試合が行なわれたのもベネズエラ。そして、同級の1位と12位という実力の差がハッキリと表われた試合内容だったのに、ナゼだか勝ったのはベネズエラ人のランダエタ。さらには、この試合をキャンセルした元チャンピオンのノエル・アランブレッドは、八百長亀田の9戦目の咬ませ犬として、ミゴトな負けっぷりで大活躍したことでもオナジミだろう。
ここまで書けば、ホントはたいして強くもないランダエタが、何で見え見えの八百長で暫定王者になったのか、誰にでも簡単に想像できると思う。そう、口先番長の亀田のために、できるだけ弱くて、できるだけランクが上の外国人ボクサーを用意しなくちゃなんなかったのだ。そのために、わざわざ、ランク2位から11位までの選手を飛び越して、ベネズエラのボクシングファンでも名前を知らなかったような、ランク12位のランダエタを暫定王者に作り上げたのだ。そして、王者の地位をランダエタに譲ったアランブレッドには、ちゃんとその見返りとして、亀田の咬ませ犬として莫大なファイトマネーが支払われたってワケだ。
‥‥そんなワケで、かつては格闘技の花形だったプロボクシングから、果ては国技である大相撲に至るまで、平然と八百長が行なわれてるほどなんだから、たかがバラエティー番組で、ウソのダイエットを紹介したり、インチキ霊能力者がデタラメなことを言いまくったり、服の中にドッグフードを隠して犬を近づけたりしたくらいで、そんなに騒ぐこともないと思う。だって、こんなスポーツやバラエティーなんかのテレビ番組どころか、国民の命に関わるホテルやマンションの骨組みまでもが、政治家と癒着した悪徳企業の手によって、デタラメに捏造されてるほどの「美しい国」なんだから‥‥なんて感じでマトメてみた今日この頃なのだ。
★ 今日も最後まで読んでくれてありがとう!
★ テレビも捏造、マンションも捏造、総理大臣の発言も捏造、サスガ「美しい国」ですね!って思った人は、クリックお願いしま~す!
↓ ↓
人気blogランキング
★ 好評発売中です!こちらもよろしくです♪
↓ ↓
書籍版「きっこの日記」総合案内所
| 固定リンク